11 / 26
税制改革は波乱だらけ
王国の懐刀は末恐ろしき
しおりを挟む
「ルーグス?なんだよ、いきなり来て。」
突然のルーグスの登場に俺もウィスクライブも驚く。
「いやぁ、久しぶりに暇だから兄さんの所に居るかわい子ちゃんにでも会おうかと思って来てみたら、面白い話をしてたもんでさ、つい聞いちゃったよ。」
俺の所にいるかわい子ちゃんはゼールストワイズの事か?端で紅くなっている。
「それで、なんで任せとけなんて言えるんだ?なんか策でもあるのか?」
そう言うとルーグスの顔が神妙になった。
「ん?ああ、兄さんすら知らないんだ...」
「何のことだ?」
ルーグスが言いたい事が皆目検討もつかない。
「いやぁ、なんていうの...、言いにくいなぁ。一応絶対口外しちゃダメだって皆に言われてるし...」
「??」
急に言い渋るルーグスの姿に俺は困惑する。
「では、ここは私の口から言いましょう。」
急にウィスクライブがルーグスのフォローをする。
「王太子様はアイヒシア商会をご存知で?」
「ああ、それぐらいは当然知ってるさ。」
アイヒシア商会とは大陸西部にあるフロレーネ帝国を拠点としドイッヒア諸国やリッヒネルン、果ては教皇領までの商業を掌握している大陸随一と言ってもいい大商会である。
そこの会長とツヴァイシア家公爵家は懇意なのか?そんな疑問を浮かべていると、ウィスクライブは話し出した。
「実はあそこの商会を実質支配下に置いているのがルーグス様が当主をなされているツヴァイシア家なのでございます。」
はぁ?
はぁぁ?
あのアイヒシア商会が?
ツヴァイシア公爵家の支配下にあるぅ?
意味わかんなーい。王家より全然ツヴァイシア公爵家の方がすげぇじゃん。もうレシツィア王国の国王ツヴァイシア家から出した方がいいんじゃない?全然そっちの方がいいよ。絶対。
そう思っているとルーグスが口を開く。
「アイヒシア商会 もそろそろもっと東に進出したいなぁ、って思ってた所だし、丁度いいなぁ、って思ってさ。どう?いい話しじゃない?」
いや、そりゃそれはいい話しだけどさ...
未だに頭がついていけてない。いや、簡単に信じられねぇよ。レシツィア王国の懐刀、ツヴァイシア公爵家、恐ろしき家なり。
「だが、それだと逆にカールトン商会が潰れちゃうんじゃないか?」
カールトン商会もモスキュースト大公国を拠点とし大陸東部の殆どの利権を欲しいままにしている大商会、グローシティツヌイ商会の傘下商会であるが、流石にアイヒシア商会に立ち向かう程の力は無い。
「いや、大丈夫だよ。グローシティツヌイ商会も全力で向かい撃つと思うよ。なんたってレシツィアを失うと次はガチッガチのあいつらの利権を失う事を意味するからね?」
そう言ったルーグスの顔は完全に商売人の顔だった。
商業ギルドにて
「おい、マックス!大変なニュースだぞ!」
小太りで特徴的な探偵帽を被った男が商業ギルドに飛び込んできた。
「なんだ、ルーベル、浮気してんのがバレたのか?」
ルーグスの大変なニュースは大体そんかものだ。名を呼ばれたマックスも落ち着いたまま適当に返した。
「違ぇわ!まず浮気なんかしてねぇ、というかそんなこたぁどうでもいいんだ。」
何時になくルーベルは落ち着きがない。
「じゃあなんだ?一体。」
「この国にアイヒシア商会が参入するらしいぜ。
どうだ?驚いただろう?」
ギルドに居た商人達にとってそれは余程衝撃的であっただろう。今までルーベルに見向きもしなかった者達も一斉にルーベルを注視する。
「それは、本当か?ルーベル。」
マックスは緊張で喉を鳴らしながらルーベルに確認する。
「あぁ、本当さ。なんならこの命をかけてもいい。」
平然とルーベルはそう言った。
その瞬間、商業ギルドは一気に騒がしくなった。期待と不安が入り交じった歓声がギルド一杯に響き渡った。
「商業ギルドってオッサンしか居ないのね、臭そう。」
「如何にもルートゥウェルにぴったりね」
「なんですって!?」
ルートゥウェルが泣きながらゼールストワイズをタコ殴りにするのを観ながらウェルスは思った。
(こいつら仲良く出来んのか?)
突然のルーグスの登場に俺もウィスクライブも驚く。
「いやぁ、久しぶりに暇だから兄さんの所に居るかわい子ちゃんにでも会おうかと思って来てみたら、面白い話をしてたもんでさ、つい聞いちゃったよ。」
俺の所にいるかわい子ちゃんはゼールストワイズの事か?端で紅くなっている。
「それで、なんで任せとけなんて言えるんだ?なんか策でもあるのか?」
そう言うとルーグスの顔が神妙になった。
「ん?ああ、兄さんすら知らないんだ...」
「何のことだ?」
ルーグスが言いたい事が皆目検討もつかない。
「いやぁ、なんていうの...、言いにくいなぁ。一応絶対口外しちゃダメだって皆に言われてるし...」
「??」
急に言い渋るルーグスの姿に俺は困惑する。
「では、ここは私の口から言いましょう。」
急にウィスクライブがルーグスのフォローをする。
「王太子様はアイヒシア商会をご存知で?」
「ああ、それぐらいは当然知ってるさ。」
アイヒシア商会とは大陸西部にあるフロレーネ帝国を拠点としドイッヒア諸国やリッヒネルン、果ては教皇領までの商業を掌握している大陸随一と言ってもいい大商会である。
そこの会長とツヴァイシア家公爵家は懇意なのか?そんな疑問を浮かべていると、ウィスクライブは話し出した。
「実はあそこの商会を実質支配下に置いているのがルーグス様が当主をなされているツヴァイシア家なのでございます。」
はぁ?
はぁぁ?
あのアイヒシア商会が?
ツヴァイシア公爵家の支配下にあるぅ?
意味わかんなーい。王家より全然ツヴァイシア公爵家の方がすげぇじゃん。もうレシツィア王国の国王ツヴァイシア家から出した方がいいんじゃない?全然そっちの方がいいよ。絶対。
そう思っているとルーグスが口を開く。
「アイヒシア商会 もそろそろもっと東に進出したいなぁ、って思ってた所だし、丁度いいなぁ、って思ってさ。どう?いい話しじゃない?」
いや、そりゃそれはいい話しだけどさ...
未だに頭がついていけてない。いや、簡単に信じられねぇよ。レシツィア王国の懐刀、ツヴァイシア公爵家、恐ろしき家なり。
「だが、それだと逆にカールトン商会が潰れちゃうんじゃないか?」
カールトン商会もモスキュースト大公国を拠点とし大陸東部の殆どの利権を欲しいままにしている大商会、グローシティツヌイ商会の傘下商会であるが、流石にアイヒシア商会に立ち向かう程の力は無い。
「いや、大丈夫だよ。グローシティツヌイ商会も全力で向かい撃つと思うよ。なんたってレシツィアを失うと次はガチッガチのあいつらの利権を失う事を意味するからね?」
そう言ったルーグスの顔は完全に商売人の顔だった。
商業ギルドにて
「おい、マックス!大変なニュースだぞ!」
小太りで特徴的な探偵帽を被った男が商業ギルドに飛び込んできた。
「なんだ、ルーベル、浮気してんのがバレたのか?」
ルーグスの大変なニュースは大体そんかものだ。名を呼ばれたマックスも落ち着いたまま適当に返した。
「違ぇわ!まず浮気なんかしてねぇ、というかそんなこたぁどうでもいいんだ。」
何時になくルーベルは落ち着きがない。
「じゃあなんだ?一体。」
「この国にアイヒシア商会が参入するらしいぜ。
どうだ?驚いただろう?」
ギルドに居た商人達にとってそれは余程衝撃的であっただろう。今までルーベルに見向きもしなかった者達も一斉にルーベルを注視する。
「それは、本当か?ルーベル。」
マックスは緊張で喉を鳴らしながらルーベルに確認する。
「あぁ、本当さ。なんならこの命をかけてもいい。」
平然とルーベルはそう言った。
その瞬間、商業ギルドは一気に騒がしくなった。期待と不安が入り交じった歓声がギルド一杯に響き渡った。
「商業ギルドってオッサンしか居ないのね、臭そう。」
「如何にもルートゥウェルにぴったりね」
「なんですって!?」
ルートゥウェルが泣きながらゼールストワイズをタコ殴りにするのを観ながらウェルスは思った。
(こいつら仲良く出来んのか?)
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
【完結】逃げ出した先は異世界!二度目の人生は平凡で愛ある人生を望んでいるのに、平凡では終われない
絆結
恋愛
10歳の時に両親と妹を一度に事故で亡くし、親戚中での押し付け合いの末、叔母夫婦に引き取られた主人公。
暴力、暴言、実子との差別は当たり前。従姉妹からの執拗な嫌がらせの末暴行されそうになり逃げだした先は異世界。
─転写─
それは元の世界の自分の存在を全て消し去り、新たな別の世界の人物として魂を写すこと。
その人の持つ資産の全てを貰い受ける代わりに、別世界に創られた"器"にその魂を転写する。
前の人生の記憶は持ったまま、全く別の身体で生まれ変わる。
資産の多さに応じて、身体的特徴や年齢、性別、転写後の生活基盤を得ることができる。
転写された先は、地球上ではないどこか。
もしかしたら、私たちの知る宇宙の内でもないかもしれない。
ゲームや本の中の世界なのか、はたまた死後の夢なのか、全く分からないけれど、私たちの知るどんな世界に似ているかと言えば、西洋風のお伽話や乙女ゲームの感覚に近いらしい。
国を治める王族が居て、それを守る騎士が居る。
そんな国が幾つもある世界――。
そんな世界で私が望んだものは、冒険でもなく、成り上がり人生でもなく、シンデレラストーリーでもなく『平凡で愛ある人生』。
たった一人でいいから自分を愛してくれる人がいる、そんな人生を今度こそ!
なのに"生きていくため"に身についた力が新たな世界での"平凡"の邪魔をする――。
ずーっと人の顔色を窺って生きてきた。
家族を亡くしてからずーっと。
ずーっと、考えて、顔色を窺ってきた。
でも応えてもらえなかった─。
そしてある時ふと気が付いた。
人の顔を見れば、おおよその考えていそうなことが判る─。
特に、疾しいことを考えている時は、幾ら取り繕っていても判る。
"人を見る目"──。
この目のおかげで信頼できる人に出逢えた。
けれどこの目のせいで──。
この作品は 小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
鬼畜なエロゲ世界にモブ転生!?このままだと鬱ENDらしいので、ヒロイン全員寝取ってハピエン目指します!
ぽんぽこ@書籍発売中!!
ファンタジー
「助けて、このままじゃヒロインに殺される……!!」
気が付いたら俺はエロゲーム世界のモブキャラになっていた。
しかしこのエロゲー、ただヒロインを攻略してエッチなことを楽しむヌルいゲームではない。
主人公の死=世界の崩壊を迎える『ハイスクール・クライシス』というクソゲーだったのだ。
ついでに俺がなっちまったのは、どのルートを選んでも暗殺者であるヒロインたちに殺されるモブキャラクター。このままではゲームオーバーを迎えるのは確定事項。
「俺は諦めねぇぞ……トワりんとのハッピーエンドを見付けるまでは……!!」
モブヒロインの家庭科教師に恋した俺は、彼女との幸せな結末を迎えるルートを探すため、エロゲー特有のアイテムを片手に理不尽な『ハイクラ』世界の攻略をすることにした。
だが、最初のイベントで本来のエロゲー主人公がとんでもないことに……!?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
俺、貞操逆転世界へイケメン転生
やまいし
ファンタジー
俺はモテなかった…。
勉強や運動は人並み以上に出来るのに…。じゃあ何故かって?――――顔が悪かったからだ。
――そんなのどうしようも無いだろう。そう思ってた。
――しかし俺は、男女比1:30の貞操が逆転した世界にイケメンとなって転生した。
これは、そんな俺が今度こそモテるために頑張る。そんな話。
########
この作品は「小説家になろう様 カクヨム様」にも掲載しています。
性格が悪くても辺境開拓できますうぅ!
エノキスルメ
ファンタジー
ノエイン・アールクヴィストは性格がひねくれている。
大貴族の妾の子として生まれ、成人するとともに辺境の領地と底辺爵位を押しつけられて実家との縁を切られた彼は考えた。
あのクソ親のように卑劣で空虚な人間にはなりたくないと。
たくさんの愛に包まれた幸福な人生を送りたいと。
そのためにノエインは決意した。誰もが褒め称える理想的な領主貴族になろうと。
領民から愛されるために、領民を愛し慈しもう。
隣人領主たちと友好を結び、共存共栄を目指し、自身の幸福のために利用しよう。
これはちょっぴり歪んだ気質を持つ青年が、自分なりに幸福になろうと人生を進む物語。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載させていただいています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる