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転生、そして絶望
不審者は二人現れる
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恐る恐る目を開けると全身黒ずくめの女が不審者 を押さえ付けていた。
えっ、誰?どちら様ですか?と思っていた俺の思考に答えるように全身黒ずくめの女は言った。
「急な出来事によりご無体お許しください、若様。私はルイシフォン様からの命を受け、常日頃より貴方様を護衛している者です。」
えっ、なにそれ。怖い。
「安心してください。プライバシーにはしっかり配慮しておりますから。」
「えっ、あぁ、分かった。分かったよ。」
そういう問題じゃ無いと思いながらも取り敢えず了承しておく。頭の中に入って来る事は胸のデカさだけだ。確かにデカい、このおっぱい。大丈夫、敵ではないらしいから。後で爺に聞いとけばいい。カップも後で本人から聞けばいい。
「それで若様、この女はどうしますか?」
「あぁ」
そう思い女が押さえつけてる不審者 を見る。
「早く殺せ、ガキめ。お前如きに不覚を取るとはな。」
肉食獣のような殺意を未だに俺に込めながら不審者 はそう言い捨てた。
それと共に俺は女の処遇を決めた。
「取り敢えず何があっても殺すな。一客人として丁重に持て成してやれ。後ウチのメイドとさての作法をしっかり教えてやれ。何処に出しても恥ずかしくないようにしろ。」
「はっ、承知しました。」
常識的に考えて有り得ない俺の暗殺者への処遇にも、黒ずくめの女は一瞬も躊躇わず了承した。
問題は不審者 の方だ。
「ふざけるなっ、ガキが!私が女だと馬鹿にしているのか!殺せ、慈悲なんかいらない!早く殺せ!」
「いや、別に女だからって訳じゃなくて...」
「じゃあ、なんでこんなふざけた事を!」
「いや、だって、自分の命令一つで簡単に人が死ぬなんてめちゃくちゃ怖いじゃん。」
そう、今の王太子という立場は、命令一つで簡単に人が殺せるのだ。これでも今まで人の死自体珍しい現代日本で生きてきた。この力が恐ろしい。怖いのだ。自分は何もせず、だが人を殺せる。そんか力を一度でも使ってしまったら、一度でも慣れてしまったら...
「それにあんたの望み通り殺しちゃダメでしょ?罰なんだから。」
「...」
そう言うと不審者 が沈黙した。それを確認すると黒ずくめの女が不審者 を部屋から引き摺り出す。
すると突然、
「ゼールストワイズだ。」
「へ?」
思わず素っ頓狂な声がでた。
「私の名前はあんたではない、と言っているんだ!」
とゼールストワイズは言った。振り返るとそこにもうゼールストワイズは居なかった。
「ゼールストワイズ、かぁ。」
その名はこの世界の創世神の妻の名と全く同じであった。
「あっ、カップ数聞くの忘れた!?」
「ああ!?また来やがったわね。このヤンデレ貧乳神!!」
「あ?なんだと?脳味噌空っぽくそロリ神が?」
「二人共、やめろ。お前らがマジでやりあったら天界が滅びる。」
「でもこのバカロリが!」
「なんですって?貧にゅ...クェ」
ルートゥヴェルはウェルスに首チョップされて締められた鶏の様な声をだす。
「それより今日はお前と同姓同名の人間友達に会いに行っていたんじゃないのか?ゼールストワイズ」
「それが居なかったんですよ...」
ゼールストワイズは困惑した顔で答えた。
「ねぇ、ウェルス。それってこの子じゃない?」
世を写す水晶を覗いていたルートゥヴェルはそう叫んだ。
えっ、誰?どちら様ですか?と思っていた俺の思考に答えるように全身黒ずくめの女は言った。
「急な出来事によりご無体お許しください、若様。私はルイシフォン様からの命を受け、常日頃より貴方様を護衛している者です。」
えっ、なにそれ。怖い。
「安心してください。プライバシーにはしっかり配慮しておりますから。」
「えっ、あぁ、分かった。分かったよ。」
そういう問題じゃ無いと思いながらも取り敢えず了承しておく。頭の中に入って来る事は胸のデカさだけだ。確かにデカい、このおっぱい。大丈夫、敵ではないらしいから。後で爺に聞いとけばいい。カップも後で本人から聞けばいい。
「それで若様、この女はどうしますか?」
「あぁ」
そう思い女が押さえつけてる不審者 を見る。
「早く殺せ、ガキめ。お前如きに不覚を取るとはな。」
肉食獣のような殺意を未だに俺に込めながら不審者 はそう言い捨てた。
それと共に俺は女の処遇を決めた。
「取り敢えず何があっても殺すな。一客人として丁重に持て成してやれ。後ウチのメイドとさての作法をしっかり教えてやれ。何処に出しても恥ずかしくないようにしろ。」
「はっ、承知しました。」
常識的に考えて有り得ない俺の暗殺者への処遇にも、黒ずくめの女は一瞬も躊躇わず了承した。
問題は不審者 の方だ。
「ふざけるなっ、ガキが!私が女だと馬鹿にしているのか!殺せ、慈悲なんかいらない!早く殺せ!」
「いや、別に女だからって訳じゃなくて...」
「じゃあ、なんでこんなふざけた事を!」
「いや、だって、自分の命令一つで簡単に人が死ぬなんてめちゃくちゃ怖いじゃん。」
そう、今の王太子という立場は、命令一つで簡単に人が殺せるのだ。これでも今まで人の死自体珍しい現代日本で生きてきた。この力が恐ろしい。怖いのだ。自分は何もせず、だが人を殺せる。そんか力を一度でも使ってしまったら、一度でも慣れてしまったら...
「それにあんたの望み通り殺しちゃダメでしょ?罰なんだから。」
「...」
そう言うと不審者 が沈黙した。それを確認すると黒ずくめの女が不審者 を部屋から引き摺り出す。
すると突然、
「ゼールストワイズだ。」
「へ?」
思わず素っ頓狂な声がでた。
「私の名前はあんたではない、と言っているんだ!」
とゼールストワイズは言った。振り返るとそこにもうゼールストワイズは居なかった。
「ゼールストワイズ、かぁ。」
その名はこの世界の創世神の妻の名と全く同じであった。
「あっ、カップ数聞くの忘れた!?」
「ああ!?また来やがったわね。このヤンデレ貧乳神!!」
「あ?なんだと?脳味噌空っぽくそロリ神が?」
「二人共、やめろ。お前らがマジでやりあったら天界が滅びる。」
「でもこのバカロリが!」
「なんですって?貧にゅ...クェ」
ルートゥヴェルはウェルスに首チョップされて締められた鶏の様な声をだす。
「それより今日はお前と同姓同名の人間友達に会いに行っていたんじゃないのか?ゼールストワイズ」
「それが居なかったんですよ...」
ゼールストワイズは困惑した顔で答えた。
「ねぇ、ウェルス。それってこの子じゃない?」
世を写す水晶を覗いていたルートゥヴェルはそう叫んだ。
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