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ボッチ少年と機械少女の出会い

お似合いですマスター

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 ユキトは奥の更衣室に行き、さきほどマスターに渡されたスーツ風の服を着る。
 10分ほどするとユキトが更衣室から出てきた。
 着慣れていないためか、まだ、服に着られているように見える。
「おまたせ」
「なかなか、お似合いですよ。坊ちゃん」
 マスターはサングラスをしているため表情がわからないが、ミアはどことなくこちらを馬鹿にしている気がする。
「似合うかな?ミア」
「はい、お似合いですよマスター」
 やはり馬鹿にされている気がする。
 表情は変わらないが、目が笑っている気がする。

 「マスター!料金はいくらだ?」
 「そうですねぇ、このこのぐらいでしょうか」
 マスターがふところから、料金が書かれているであろう紙を取り出し渡してくる。
 「げ!高い、いや、妥当なのか?わからん。残高足りるかな?」

 商品の代金を支払うために自分のキャッシュカードの残高を確認する。
 
 ピッ!
 0000000000085

 「85円しかない……どうしよう」
 自分の金銭力のなさにガッカリしているとミアが肩をたたいてきた。
 ユキトはミアのほうを向く。
 「マスター、こちらをお使いください」
 ミアが黒色のカードを取り出し、ユキトに渡す。
「へ?」
 この時、ユキトが素っ頓狂な反応をしてしまったのもしょうがないだろう。なぜなら、ミアが提示したキャッシュカードは銀行残高額1兆円の人にしか配布されないブラックカード、しかも、freeタイプ。
 「何を固まっているのですか?仕方がありませんね。マスターこれで支払いをお願いします」
 「了解しました、ありがとうございます。こちら、お返し致します」
 「行きますよマスター」
 ユキトは放心していた。
 「仕方ありませんね」
 ミアはユキトをお姫様抱っこし、店を後にする。
 その後、放心状態から戻ったユキトが恥ずかしがっていたのは言うまででもない。
 
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