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ボッチ少年と機械少女の出会い
お買い物は楽しいが命を失いそうです
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カヤトとミアはロビーでチェックアウトしてからホテルを出た、帰り際に受付オートマタがこちらに対して礼をしていた。
「ご来店ありがとうございました!またのお越しをお待ちしております。カヤトさま、ミアさま」
「あ、りがとう!」
つい、噛んでしまった。
「ええ、また、会えるといいですね」
先ほどのホテルから暗い路地裏を歩き10分ほどすると、先ほどまでの暗い裏路地とは打って変って、たくさんの人々が行きかっていた。
「おお!人多いな!」
「そうですね。ここの商店街は、このスラム街のような場所で唯一犯罪行為が起こらない場所ですからね」
「そうなのか?」
「はい、先ほどのホテルの従業員に聞いたので間違いないかと」
そういえば、ロビーのカウンターでミアと従業員が話し込んでいたな。その時は何を話しているのかわからなかったがそういうことか。現地の情報を仕入れていたんだなミアは。
「ところで、ここでは唯一、犯罪がないと言っていたけれど。それはつまり、ここ以外の場所は普通にあると?」
気になっていたことミアに聞く。
「はい、そうです。よく、お気づきになりましたねユキトさま。どうやら、ユキトさまにも蟻以上の知能はあったようですね。ちなみに、ここ以外の場所では普通に恐喝や殺人、売春や誘拐なんかがあるようですよ」
顔色一つ変えることなくミアはこのスラム街の現状を話す。
その内容は悲惨であった。しかし、この時代はどこの国でもこのようなスラム街のような犯罪が横行している場所は点在する。
豊かな文明と技術の恩恵を受けられない人たちもいるのだ。
この場所のように。これに対して政府は関与を一切しない。つまり、見捨てられているのだ。
「サラッとエゲツナイことを言いますねミアさん?」
「そうでしょうか?わたくしが作られた時の時代はもっとひどかったですよ。そう、あのときは......」
何かを思い出すかのように、顔を上に向けるミア。
「私が作られた時代?どういうことだ」
「いえ、気にしないでください。少し昔のことです。それと、ユキトさま、女性の秘密にはやすやすと触れないほうがいいですよ?」
笑顔でミアはユキトに忠告する。
「お、おおう。分かった」
「それでは、ユキトさま。早速お召し物を探しましょうか」
「そうだな」
「それでは、あの黒い外壁が綺麗なお店に入りましょうか」
ミアが指のさした方向には、外壁が黒く、一面ガラス張りの高級そうな店があった。
「あの、ミアさん?俺、そんなにお金ないんだけど?」
「大丈夫ですよ。ユキトさま。ユキトさまが一文無しに近いことは把握していますので、安心してください」
なぜ、俺の財布の中にお金がないことを知っているんだよミアさん。怖いんだが。
「酷いな!まあ、事実なんだが」
ユキトは頭を掻きながらばつの悪そうな表情をする。
「それよりも早くいきましょうユキトさま」
店へと入店する。
「いらっしゃいませ......おやこれは、珍しいですね。オートマタのお客様と子供とは」
入るや否や少し傷つくことをこの店の店長と思われる初老の男性に言われた。
「失礼ですね。ユキトさまは確かに子供と見間違えられるような外見ですがこれでも20歳ですよ」
「おっと、これは失礼しました」
頭を深く下げる初老の男性。
その礼を見て俺は、長年その道を極めた執事のような人だなと思った。服もスーツだし。
「それで、どのようなご用件でしょうか?お客様」
「え、ええ、と」
「ユキトさまに似合う服をお願いします」
ミアに先に言われてしまった。
「お坊ちゃんに似合う服ですか?ふむ」
初老の男性はこちらを見る。
「そうですね、まずは採寸をしましょうかお坊ちゃん。こちらについてきてください」
そういわれ、俺は初老の男性の後ろをついていく。もちろん、ミアも俺の後ろをついてきている。
「こちらです。このなかで採寸をさせていただきます」
「はい」
案内された場所は4畳ほどの広さの部屋の試着室だった。
「それでは失礼いたします」
どこから取り出したのか、初老の男性はメジャーで俺の体の採寸を始める。
「終わりましたので、先ほどのカウンターにてお待ちください」
「はい」
そういうと、初老の男性は奥の部屋へと消えていった。俺たちは初老の男性に言われた通りにに先ほど入ってきたカウンターの近くの椅子に座る。
「しかし、すごい雰囲気だな。あのおっさん、只者じゃないのでは?なんてな」
「そうですね、あの初老の男性はおそらくそれなりに強いですよユキトさま」
「まじかよ」
「ええ、おそらくですが。こんな場所で店を開くためにはそれなりの実力がなければつぶされてしまうからでしょう。野党やチンピラに」
初老の男性は何者かと言う会話を俺とミアはしながら時間をつぶしていた。
「お待たせしました。こちらなんか、いかがでしょうか?」
そういって初老の男性が持ってきたのは黒いスーツのようなものだった。
「なだこれは?といった顔ですね。こちらの商品は防弾、防刃、防炎などといった便利な加工のされたスーツです。おそらくあなた様ならこのスーツを使いこなせるでしょう」
そういって、黒いスーツを渡された。
「ユキト様にお似合いですね」
「ええ、お坊ちゃんにお似合いですよ」
「じゃ、着替えてくるよ」
「ご来店ありがとうございました!またのお越しをお待ちしております。カヤトさま、ミアさま」
「あ、りがとう!」
つい、噛んでしまった。
「ええ、また、会えるといいですね」
先ほどのホテルから暗い路地裏を歩き10分ほどすると、先ほどまでの暗い裏路地とは打って変って、たくさんの人々が行きかっていた。
「おお!人多いな!」
「そうですね。ここの商店街は、このスラム街のような場所で唯一犯罪行為が起こらない場所ですからね」
「そうなのか?」
「はい、先ほどのホテルの従業員に聞いたので間違いないかと」
そういえば、ロビーのカウンターでミアと従業員が話し込んでいたな。その時は何を話しているのかわからなかったがそういうことか。現地の情報を仕入れていたんだなミアは。
「ところで、ここでは唯一、犯罪がないと言っていたけれど。それはつまり、ここ以外の場所は普通にあると?」
気になっていたことミアに聞く。
「はい、そうです。よく、お気づきになりましたねユキトさま。どうやら、ユキトさまにも蟻以上の知能はあったようですね。ちなみに、ここ以外の場所では普通に恐喝や殺人、売春や誘拐なんかがあるようですよ」
顔色一つ変えることなくミアはこのスラム街の現状を話す。
その内容は悲惨であった。しかし、この時代はどこの国でもこのようなスラム街のような犯罪が横行している場所は点在する。
豊かな文明と技術の恩恵を受けられない人たちもいるのだ。
この場所のように。これに対して政府は関与を一切しない。つまり、見捨てられているのだ。
「サラッとエゲツナイことを言いますねミアさん?」
「そうでしょうか?わたくしが作られた時の時代はもっとひどかったですよ。そう、あのときは......」
何かを思い出すかのように、顔を上に向けるミア。
「私が作られた時代?どういうことだ」
「いえ、気にしないでください。少し昔のことです。それと、ユキトさま、女性の秘密にはやすやすと触れないほうがいいですよ?」
笑顔でミアはユキトに忠告する。
「お、おおう。分かった」
「それでは、ユキトさま。早速お召し物を探しましょうか」
「そうだな」
「それでは、あの黒い外壁が綺麗なお店に入りましょうか」
ミアが指のさした方向には、外壁が黒く、一面ガラス張りの高級そうな店があった。
「あの、ミアさん?俺、そんなにお金ないんだけど?」
「大丈夫ですよ。ユキトさま。ユキトさまが一文無しに近いことは把握していますので、安心してください」
なぜ、俺の財布の中にお金がないことを知っているんだよミアさん。怖いんだが。
「酷いな!まあ、事実なんだが」
ユキトは頭を掻きながらばつの悪そうな表情をする。
「それよりも早くいきましょうユキトさま」
店へと入店する。
「いらっしゃいませ......おやこれは、珍しいですね。オートマタのお客様と子供とは」
入るや否や少し傷つくことをこの店の店長と思われる初老の男性に言われた。
「失礼ですね。ユキトさまは確かに子供と見間違えられるような外見ですがこれでも20歳ですよ」
「おっと、これは失礼しました」
頭を深く下げる初老の男性。
その礼を見て俺は、長年その道を極めた執事のような人だなと思った。服もスーツだし。
「それで、どのようなご用件でしょうか?お客様」
「え、ええ、と」
「ユキトさまに似合う服をお願いします」
ミアに先に言われてしまった。
「お坊ちゃんに似合う服ですか?ふむ」
初老の男性はこちらを見る。
「そうですね、まずは採寸をしましょうかお坊ちゃん。こちらについてきてください」
そういわれ、俺は初老の男性の後ろをついていく。もちろん、ミアも俺の後ろをついてきている。
「こちらです。このなかで採寸をさせていただきます」
「はい」
案内された場所は4畳ほどの広さの部屋の試着室だった。
「それでは失礼いたします」
どこから取り出したのか、初老の男性はメジャーで俺の体の採寸を始める。
「終わりましたので、先ほどのカウンターにてお待ちください」
「はい」
そういうと、初老の男性は奥の部屋へと消えていった。俺たちは初老の男性に言われた通りにに先ほど入ってきたカウンターの近くの椅子に座る。
「しかし、すごい雰囲気だな。あのおっさん、只者じゃないのでは?なんてな」
「そうですね、あの初老の男性はおそらくそれなりに強いですよユキトさま」
「まじかよ」
「ええ、おそらくですが。こんな場所で店を開くためにはそれなりの実力がなければつぶされてしまうからでしょう。野党やチンピラに」
初老の男性は何者かと言う会話を俺とミアはしながら時間をつぶしていた。
「お待たせしました。こちらなんか、いかがでしょうか?」
そういって初老の男性が持ってきたのは黒いスーツのようなものだった。
「なだこれは?といった顔ですね。こちらの商品は防弾、防刃、防炎などといった便利な加工のされたスーツです。おそらくあなた様ならこのスーツを使いこなせるでしょう」
そういって、黒いスーツを渡された。
「ユキト様にお似合いですね」
「ええ、お坊ちゃんにお似合いですよ」
「じゃ、着替えてくるよ」
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