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ボッチ少年と機械少女の出会い

殺しとマスタ

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 ビルの屋上から飛び降りてからかなり時間がたった気がするが、どうやらいまだに降下しているらしい。
「ユキトさま、現実逃避をしないでください」
 そう、どんなに現実逃避をしても現実は悲しく告げてくる。
 
 これが現実なんやで、と……

 「マテやクソガキ!その人形よこさんかい!」
 禿げたチンピラ風の男が戦闘自立ヘリ乗りながらミニガンをこちらに向かって乱射してくる。
 「まったく、人類様は相変わらず醜いみにくい物を作るのが好きですね」
 ミルどこから取り出したのかわからない小型の鎌で銃弾をすべて叩き落す。
 鎌はリアの手を離れ空中を浮遊している。
 「ミルさんその鎌なんですか?」
 「これですか?これはわたしの兵装ですよ」
 「説明になってなくないですかミルさん?」
 「そうでしょうか?やはり、ユキトさま程度の頭では理解ができませんか」
 「ひどくないですかミルさん!」
 そんなことを言っている間にも弾幕はどんどん激化してくる。
 「おらおら!死ねやクソガキが」
 ミサイランチャーを撃ってきた。
 「はぁ~まったく、仕方ありませんねモード、デスミスト」
 リアの周りをまわっていた小さな鎌が停まり、黒紫色の光を放ちながら微粒子化する。
 「ははっ、どうした!ご自慢の鎌が消えたぞ!」
 「おい、ミル大丈夫なのか?鎌消えたけど」
 「はい、大丈夫でございます。そういう技ですので、ユキト様少々お待ちくださいね」
 ミルはユキトに優しいほほえみを向けたあと、ユキトを上空に投げる。
 「ちょ!ミルさん!?」
 叫びながらユキトは上空へ飛ばされていった。
 「これで安全ですね。さすがに単なる人の見であるユキトさまでは死んでしまう可能性がありますし、大体10秒ほどでしょうか?上空に投げたユキト様が落ちてくるのは。それだけの時間があれば十分ですね」
 「なに喋ってんだ!嬢ちゃんよ~黙って回収されてくれね~かな?」
 「それは、それは。無理なご相談ですね。あなたのような頭の上のように中身のない男になんてついていきませんよ」
 ミルが禿げ男に罵倒をとばす。
 禿げ男は顔を真っ赤にして怒り出す。
「だと!テメ~!殺してやるよ、クソアマが!」
「汚い言葉ですねタコ頭さん」
「ぶっ殺す!」
 ヘリからミルに向けて多数の熱探知ミサイルが発射される。
 ミルは発射されたミサイルに向けて先ほど微粒子化した固有武装Death carryデスキャリーを放つ。
 ミルのいた場所は爆炎で覆われた。
「やったか?なんだと!あんなにミサイルを撃ち込んだのに無傷だと」
「どうしたのですか?少し視界が悪くなっているようですが、これが攻撃ですか?笑わせますね」
「ちっ!まだまだだ!」
「もうそろそろ、ユキト様が落ちてきますしかたづけますか」
 ミルは禿げ頭に向けてデスミストを集める。
「オラオラオラァ!……グハッ!なんだ?吐血だと、いったいが?」
 禿げ頭は口から血を流し始めた。
「そろそろお休みのお時間ですよ。ちょっとばかしあなたの肺を傷つけさせていただきました。わたしのデスミストは微粒子状小さな鎌ですので、その霧を吸ったあなたの肺はズタボロです、もう助かることはありません」
 「がぁ、あがががあがががああっが……」
 「といっても、もう聞こえていませんか」
 「うがっ!」
 「さようなら」
 
 ブチュ

 ミルはデスミストにより落ちた禿げ頭の男の頭を足で潰し別れを告げる。

 「わああああああああ」
 「大丈夫でしたか?ユキトさま」
 何事もなかったかのような顔でユキトを出迎えるリア。
 リアの靴には血がついているがユキトにばれないようにそっと血を落としていたのはここだけの話である。
 「大丈夫だが......殺したのか?」
 「はい、そうです。怖いですかわたしが?」
 そのときおれは、リアの悲しそうな表情を見て何か考えるよりも先に言葉が出た。
 「そんなわけないだろ、俺はお前のマスターだ!怖くなるはずがないだろ!」
 「ありがとうございますマスタ」
 ミルは表情を変えずに、一粒の涙を流していた。
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