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ボッチ少年と機械少女の出会い
マスター認証をします
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「あ、いや、その。俺はただ落ちてきた場所にいただけで」
少年は焦りながらも、どうにか少女の質問に答える。
「そうなのですか?」
少女はその瞳で少年をまじまじと見つめる。
「ああ、そうだ」
「そうですよね?あなたのような黒く薄汚れたパーカーを着ている、ゲームオタクのような少年が私のマスターなわけがありませんよね」
「そ、そうだな……」
苦虫を噛み潰したような顔をしながら少年はなんとか少女の毒舌に言葉を返す。
「ですが、あなたの心はどうやら他の大人たちよりは綺麗なようですね」
「そうなのか?」
「そんな顔をしないでください、人様に見せられない顔がさらにひどくなりますよ?」
「さっきからいろいろと酷いな!?」
「そうでしょうか?私はただ真実を言っているだけですよ」
黒く淡い、まるで宇宙に無数に散らばる星のような光の点が刻まれているスカートをかるく持ちながら少女は礼をする。
「……そうかもしれないが」
「私はあなたをマスターとして認めます。マスター、お名前を教えてください」
急に少女はかしこまり、少年まえで片膝をつく。そして、少年を見つめながら語りかける。
「急にどうした!?え、マスター?俺が?」
「はい、そうです」
「名前を言えと」
「そうですマスター」
なんかわからないが、こんな美少女にマスター呼ばわりされたら断れないだろ!?
「俺の名前はユキト、ユキト・ニューフィスだ。お前の名前はなんなんだ?」
「ユキト様ですね。私は自立思考型オートマタ・タイプOMEGAのミルと申します。よろしくお願い致します。ユキト様」
少女は、いやミルは笑顔でユキトに語りかける。
「お、おう!よろしくな!ってなにお!?」
ミルはユキトを抱きしめ首元に噛み付く。
「痛くないですか?」
「痛くはないが、何だこれは?」
「はい、正式なマスター認証をするためにユキト様のDNAを血液から採取しているのです」
「ハァ~、ペロ。……ウン~カプ」
ちょと!ミルさん!吸い方がいやらしいですよ!?舌で首筋をなめないでください!俺の理性が吹っ飛びますから!?童貞にはキツイ仕打ちですよ!!
それからなんとか自分を抑え、ミルが首元から口を離すと俺はミルに何事もなかったかのように語りかける。
このときの動揺が隠せていたのかは疑問だが。
「そうなのか、驚いた。急に抱きしめられて噛みつかれたのは初めてだったから」
ユキトは、先程までミルが噛みついていた自分の首元をさわる。
「大丈夫ですよ。ユキト様、噛み傷などはついておりませんので」
本当についていなかった。
いったいどうやって俺の血を取ったのだろうか?そもそも噛みつく必要性があったのか?
「それよりもユキト様、速くこの場所を移動したほうが良いかと」
「なんでだ?」
「私は先程まで航空輸送されていましたが、何者かがその輸送機を攻撃してきました」
「なるほど、つまり」
「はい、つまり。その貨物が私でした。ということは、その輸送機を襲った賊が落ちた私を追って来ている可能性があります」
辺りを見渡すと、なんとなくだが緊迫した雰囲気を感じる。
ついでに、視線も感じる。それはミルも同じようだった。
「ユキト様、失礼します」
ミルはユキトを抱えた、お姫様抱っこで。
「おっと!これはお姫様抱っこ!?」
「行きます」
そういうとミルはその場から走り出し、ビルの柵の上に足をかけ高く飛んだ。
「……え?うぉ~~!?」
もとい、落下した。
「はしたないですよ、ユキト様」
冷静な顔をしながらユキトに話すミル。
少年は焦りながらも、どうにか少女の質問に答える。
「そうなのですか?」
少女はその瞳で少年をまじまじと見つめる。
「ああ、そうだ」
「そうですよね?あなたのような黒く薄汚れたパーカーを着ている、ゲームオタクのような少年が私のマスターなわけがありませんよね」
「そ、そうだな……」
苦虫を噛み潰したような顔をしながら少年はなんとか少女の毒舌に言葉を返す。
「ですが、あなたの心はどうやら他の大人たちよりは綺麗なようですね」
「そうなのか?」
「そんな顔をしないでください、人様に見せられない顔がさらにひどくなりますよ?」
「さっきからいろいろと酷いな!?」
「そうでしょうか?私はただ真実を言っているだけですよ」
黒く淡い、まるで宇宙に無数に散らばる星のような光の点が刻まれているスカートをかるく持ちながら少女は礼をする。
「……そうかもしれないが」
「私はあなたをマスターとして認めます。マスター、お名前を教えてください」
急に少女はかしこまり、少年まえで片膝をつく。そして、少年を見つめながら語りかける。
「急にどうした!?え、マスター?俺が?」
「はい、そうです」
「名前を言えと」
「そうですマスター」
なんかわからないが、こんな美少女にマスター呼ばわりされたら断れないだろ!?
「俺の名前はユキト、ユキト・ニューフィスだ。お前の名前はなんなんだ?」
「ユキト様ですね。私は自立思考型オートマタ・タイプOMEGAのミルと申します。よろしくお願い致します。ユキト様」
少女は、いやミルは笑顔でユキトに語りかける。
「お、おう!よろしくな!ってなにお!?」
ミルはユキトを抱きしめ首元に噛み付く。
「痛くないですか?」
「痛くはないが、何だこれは?」
「はい、正式なマスター認証をするためにユキト様のDNAを血液から採取しているのです」
「ハァ~、ペロ。……ウン~カプ」
ちょと!ミルさん!吸い方がいやらしいですよ!?舌で首筋をなめないでください!俺の理性が吹っ飛びますから!?童貞にはキツイ仕打ちですよ!!
それからなんとか自分を抑え、ミルが首元から口を離すと俺はミルに何事もなかったかのように語りかける。
このときの動揺が隠せていたのかは疑問だが。
「そうなのか、驚いた。急に抱きしめられて噛みつかれたのは初めてだったから」
ユキトは、先程までミルが噛みついていた自分の首元をさわる。
「大丈夫ですよ。ユキト様、噛み傷などはついておりませんので」
本当についていなかった。
いったいどうやって俺の血を取ったのだろうか?そもそも噛みつく必要性があったのか?
「それよりもユキト様、速くこの場所を移動したほうが良いかと」
「なんでだ?」
「私は先程まで航空輸送されていましたが、何者かがその輸送機を攻撃してきました」
「なるほど、つまり」
「はい、つまり。その貨物が私でした。ということは、その輸送機を襲った賊が落ちた私を追って来ている可能性があります」
辺りを見渡すと、なんとなくだが緊迫した雰囲気を感じる。
ついでに、視線も感じる。それはミルも同じようだった。
「ユキト様、失礼します」
ミルはユキトを抱えた、お姫様抱っこで。
「おっと!これはお姫様抱っこ!?」
「行きます」
そういうとミルはその場から走り出し、ビルの柵の上に足をかけ高く飛んだ。
「……え?うぉ~~!?」
もとい、落下した。
「はしたないですよ、ユキト様」
冷静な顔をしながらユキトに話すミル。
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