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超魔の目覚め
破壊と殺戮の超生命体
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超獣は黒い触手でベテラン冒険者達を捕らえ、いったい何をしようと言うのか。
いづれにせよ脳に重大なダメージを与えているのだから、彼等を生かしておく気がないのは確かだろう。
「……ぐぅあ……が!」
「あぎぃいぃぃぃ!!」
脳髄に電気パルスを送り込まれてビクビクと痙攣して叫んでいるそんな彼等の姿を、銀河連合軍の所有する高性能観測衛星は遥か上空から精密に捉えており、その情報を揚陸艇一番艦に送信していた。
「……まさか、超獣は記憶を読み取っているのか」
ブリッジのメインモニターに映し出された冒険者達の悶える映像を見て、ハクラは驚愕のくぐもった声をあげる。無論のことガスマスクの影響ゆえに。
超獣は触手を通して冒険者達の脳に電気パルスを送り、脳を活性化させて記憶を引き出しているのだ。
記憶の読み取りは死んでからではできないためだろう、ゆえにあえて冒険者達だけを生かしておいたのだろう。
「そうか、何かしらの有力な情報を得るために熟練の冒険者達を殺さなかったのか」
文明を持つ程の知的生命体の脳内とは膨大な情報の塊であろう。
そんな種と今いる場所などを吟味して選別、そんな中でも広い行動範囲を持ち知識や経験が豊富な個体、つまり熟練冒険者のみに絞って捕らえたことが理解できる。
民間人や新米ごときが有してる情報など、たかが知れているのだから、用無しとして殺してしまうなど当然であった。
「だが奴は、いったい何の情報を欲しているんだ? それになぜメルガロスに?」
……そもそもがおかしいのだ。
星外魔獣や超獣は科学技術が優れた文明を襲撃する習性を持つ。
しかし、ことメルガロスは英雄の強さと英力と言う神秘の力で発展した国家。
超獣が襲来する要因が見当たらない。
もとより魔獣も超獣も常に変化と強化を繰り返すため、習性や性質が変動したと言う考えもできるが。
……あるいは。
「……よもや、この地に眠っているもう一体の超獣と接触するためか」
ハクラがそう囁くと、メインモニターに映る超獣が動きだした。
捕縛されていた冒険者達を解放し始めたのだ。
絡み捕らえられていた冒険者が次々に大地へと転がった。
しかし脳に深刻なダメージを負った彼等は、もうこときれている。
そして超獣の両肩部装甲に備わる計六門の砲口から、高密度のエネルギーが迸った。
有力な情報が得られたのか、あるいは得られなかったのか……。
いずれにせよ、もうこの辺境の街に用はないのだろう。
ならば殲滅されるのは必然だ。この化け物は殺戮と破壊が本能なのだから。
超獣は電離体破壊光弾を乱射させながら、街全体を一望するように体をゆっくりと旋回させる。
街の至るところに熱プラズマ弾が次々と着弾し、天を覆い尽くすような大爆発と灼熱の中に人々の生活の場は消え去ったのであった。
「……く、くそぉ」
爆炎に包まれるメインモニターの映像を見て、ハクラは低く唸るような声をあげる。
超獣が現れた時点で犠牲者を一人も出さないのは無理なこととは分かっていたが、たちまちにこれ程の生命が奪われようとは……。
辺境の街は地面の至るところが溶岩のごとく泡立ちガスを噴出させて真っ赤に輝く灼熱の地獄と化していた。
街周囲の草原はカラカラに乾燥し、草木はじわじわと焼き焦がされていく。
……超獣がこの地に降りたって、まだ十分も経過していない。
そんな短時間で街一つを焦土に変えてしまったのだ。
今までの宇宙生物とは、比較にならない火力である。
そして、その紅蓮に輝く地獄の中から銀色の巨体が飛び立った。
背部と足底部から青白いエネルギーを噴射させ、超獣は高速で破壊し尽くした街を飛び去る。
向かう方角は北西であった。
「……まずい、奴の向かってる先に街や人口が密集した所はあるか?」
ハクラは飛行して去っていく超獣を映像ごしに見ながら管制官に問いかけた。
「……はい、いくつかの街や村、それと規模の大きい都市が一つ」
爬虫類のごとき女性は震えた声で返答する。
「おそらく奴は都市が目的だろう。人の脳味噌をいじくって情報を得るやつだからな」
人がもつ情報が目的なら、都市などの人口が多い場所を目指すは当然であろう。
しかし、それは先程以上の犠牲が出ることを意味している。
「三番艦とシキシマの位置は?」
「はい、もうすでに国境を越えてはいますが、どんなに急いでも、あと四十分はかかるかと……」
超獣が本星に侵入した時から、三番艦にシキシマを現地まで空輸するように指示は出していた。
しかし時間がかかりすぎる。
超獣の飛行速度は音速を越えており、おそらく三分もたたずに都市に襲来するだろう。
クサマとナルミも目指していようが、彼等も到着するのに時間がかかるはずだ。
「今までの個体とは比較にならない怪物だな……」
ハクラは絶望的な状況ゆえにか苦しげに言う。
……残念ながら、都市での次なる殺戮も止められないだろうと。
魔獣、超獣、奴等が出現した時点で奇跡も神秘もありえないのだから。あるのは現実のみ。
奴等の前では、神の力を持ってしても抗えないのだ。
「街を瞬時に焦土と化する火力、超音速での巡行飛行、奴の前では私達もどうすることもできませんでした……」
と、ハクラの背後から一人の女性が歩みよってきた。
彼女は、燃え盛る辺境の街の映像を見ながらハクラの傍らで足を止める。
肌も髪の毛も純白、そしてその目は白と黒が逆転している。
「……この超獣によって君達の母星は破滅に追いやられたのだったな、リミール」
そう言ってハクラは、傍らに立つ女性を見下ろした。
ハクラの身長は一九〇程だが、リミールと呼ばれた異星人の女性は一五〇にも満たない。
彼女はこの艦の操舵士だが、操縦は自動にきりかえたのだろう。
そして彼女は再びメインモニターに視線を向ける。映るのは焦土と化した辺境の街。
かつて自分達を滅ぼした、最悪の化け物が再び現れ破壊の限りをつくした。
彼女の目には、恐怖、怒り、悲しみ、がうごめいていた。
「これを」
そう言ってリミールは、近くのコンソールを操作した。
メインモニターの映像が超獣の全体図に切り替わる。
「奴のあの火力と飛行能力の源は、体内にある触媒式生体常温核融合器官によるものです。核燃料は大気中の水素やヘリウムなどの軽元素から供給できるため、ほぼ半永久機関と言っても差し支えないでしょう」
リミールがそう言うと、強調するようにモニターに映し出されていた超獣の胴体部分が発光する。
「生体レベルでの核反応炉だと……」
ハクラは息を飲むようにくぐもった声をあげる。
魔獣や超獣が通常生物でないのは分かるが、しかしここまでの能力を持とうとは。
「さらに電磁流体発電器官も備えているため、常時膨大な熱エネルギーと電力を供給することができるのです」
リミールは、再びコンソールを制御する。
すると、今度はモニターに映る超獣の両肩部と頭部が発光する。
「それにより、頭部の電磁加速式の生体機関砲や肩部に備わる熱プラズマを用いた破壊光弾砲を可能にしています。そして飛行能力に関してですが、吸入した大気を圧縮して融合器官の熱エネルギーで加熱・膨張させて高温プラズマ流として噴射することで推力を得ているのです。これにより、垂直離着陸および超音速巡航能力を実現しています」
そして、またコンソールをピピッと鳴らすと、今度はモニター上の超獣の全身が発光する。
「全身の装甲は金属細胞で形成された積層高耐性装甲板で修復機能まで有しています。理論上、熱核攻撃にも耐えられます……」
と、いきなりそこで彼女は言葉を止めた。
そして重々しく口を開いた。
「いえ、理論上ではありません。……熱核兵器を用いて奴を滅却する作戦に私は参加していましたから、あの化け物……殲滅動機獣ヴァナルガンの……」
いづれにせよ脳に重大なダメージを与えているのだから、彼等を生かしておく気がないのは確かだろう。
「……ぐぅあ……が!」
「あぎぃいぃぃぃ!!」
脳髄に電気パルスを送り込まれてビクビクと痙攣して叫んでいるそんな彼等の姿を、銀河連合軍の所有する高性能観測衛星は遥か上空から精密に捉えており、その情報を揚陸艇一番艦に送信していた。
「……まさか、超獣は記憶を読み取っているのか」
ブリッジのメインモニターに映し出された冒険者達の悶える映像を見て、ハクラは驚愕のくぐもった声をあげる。無論のことガスマスクの影響ゆえに。
超獣は触手を通して冒険者達の脳に電気パルスを送り、脳を活性化させて記憶を引き出しているのだ。
記憶の読み取りは死んでからではできないためだろう、ゆえにあえて冒険者達だけを生かしておいたのだろう。
「そうか、何かしらの有力な情報を得るために熟練の冒険者達を殺さなかったのか」
文明を持つ程の知的生命体の脳内とは膨大な情報の塊であろう。
そんな種と今いる場所などを吟味して選別、そんな中でも広い行動範囲を持ち知識や経験が豊富な個体、つまり熟練冒険者のみに絞って捕らえたことが理解できる。
民間人や新米ごときが有してる情報など、たかが知れているのだから、用無しとして殺してしまうなど当然であった。
「だが奴は、いったい何の情報を欲しているんだ? それになぜメルガロスに?」
……そもそもがおかしいのだ。
星外魔獣や超獣は科学技術が優れた文明を襲撃する習性を持つ。
しかし、ことメルガロスは英雄の強さと英力と言う神秘の力で発展した国家。
超獣が襲来する要因が見当たらない。
もとより魔獣も超獣も常に変化と強化を繰り返すため、習性や性質が変動したと言う考えもできるが。
……あるいは。
「……よもや、この地に眠っているもう一体の超獣と接触するためか」
ハクラがそう囁くと、メインモニターに映る超獣が動きだした。
捕縛されていた冒険者達を解放し始めたのだ。
絡み捕らえられていた冒険者が次々に大地へと転がった。
しかし脳に深刻なダメージを負った彼等は、もうこときれている。
そして超獣の両肩部装甲に備わる計六門の砲口から、高密度のエネルギーが迸った。
有力な情報が得られたのか、あるいは得られなかったのか……。
いずれにせよ、もうこの辺境の街に用はないのだろう。
ならば殲滅されるのは必然だ。この化け物は殺戮と破壊が本能なのだから。
超獣は電離体破壊光弾を乱射させながら、街全体を一望するように体をゆっくりと旋回させる。
街の至るところに熱プラズマ弾が次々と着弾し、天を覆い尽くすような大爆発と灼熱の中に人々の生活の場は消え去ったのであった。
「……く、くそぉ」
爆炎に包まれるメインモニターの映像を見て、ハクラは低く唸るような声をあげる。
超獣が現れた時点で犠牲者を一人も出さないのは無理なこととは分かっていたが、たちまちにこれ程の生命が奪われようとは……。
辺境の街は地面の至るところが溶岩のごとく泡立ちガスを噴出させて真っ赤に輝く灼熱の地獄と化していた。
街周囲の草原はカラカラに乾燥し、草木はじわじわと焼き焦がされていく。
……超獣がこの地に降りたって、まだ十分も経過していない。
そんな短時間で街一つを焦土に変えてしまったのだ。
今までの宇宙生物とは、比較にならない火力である。
そして、その紅蓮に輝く地獄の中から銀色の巨体が飛び立った。
背部と足底部から青白いエネルギーを噴射させ、超獣は高速で破壊し尽くした街を飛び去る。
向かう方角は北西であった。
「……まずい、奴の向かってる先に街や人口が密集した所はあるか?」
ハクラは飛行して去っていく超獣を映像ごしに見ながら管制官に問いかけた。
「……はい、いくつかの街や村、それと規模の大きい都市が一つ」
爬虫類のごとき女性は震えた声で返答する。
「おそらく奴は都市が目的だろう。人の脳味噌をいじくって情報を得るやつだからな」
人がもつ情報が目的なら、都市などの人口が多い場所を目指すは当然であろう。
しかし、それは先程以上の犠牲が出ることを意味している。
「三番艦とシキシマの位置は?」
「はい、もうすでに国境を越えてはいますが、どんなに急いでも、あと四十分はかかるかと……」
超獣が本星に侵入した時から、三番艦にシキシマを現地まで空輸するように指示は出していた。
しかし時間がかかりすぎる。
超獣の飛行速度は音速を越えており、おそらく三分もたたずに都市に襲来するだろう。
クサマとナルミも目指していようが、彼等も到着するのに時間がかかるはずだ。
「今までの個体とは比較にならない怪物だな……」
ハクラは絶望的な状況ゆえにか苦しげに言う。
……残念ながら、都市での次なる殺戮も止められないだろうと。
魔獣、超獣、奴等が出現した時点で奇跡も神秘もありえないのだから。あるのは現実のみ。
奴等の前では、神の力を持ってしても抗えないのだ。
「街を瞬時に焦土と化する火力、超音速での巡行飛行、奴の前では私達もどうすることもできませんでした……」
と、ハクラの背後から一人の女性が歩みよってきた。
彼女は、燃え盛る辺境の街の映像を見ながらハクラの傍らで足を止める。
肌も髪の毛も純白、そしてその目は白と黒が逆転している。
「……この超獣によって君達の母星は破滅に追いやられたのだったな、リミール」
そう言ってハクラは、傍らに立つ女性を見下ろした。
ハクラの身長は一九〇程だが、リミールと呼ばれた異星人の女性は一五〇にも満たない。
彼女はこの艦の操舵士だが、操縦は自動にきりかえたのだろう。
そして彼女は再びメインモニターに視線を向ける。映るのは焦土と化した辺境の街。
かつて自分達を滅ぼした、最悪の化け物が再び現れ破壊の限りをつくした。
彼女の目には、恐怖、怒り、悲しみ、がうごめいていた。
「これを」
そう言ってリミールは、近くのコンソールを操作した。
メインモニターの映像が超獣の全体図に切り替わる。
「奴のあの火力と飛行能力の源は、体内にある触媒式生体常温核融合器官によるものです。核燃料は大気中の水素やヘリウムなどの軽元素から供給できるため、ほぼ半永久機関と言っても差し支えないでしょう」
リミールがそう言うと、強調するようにモニターに映し出されていた超獣の胴体部分が発光する。
「生体レベルでの核反応炉だと……」
ハクラは息を飲むようにくぐもった声をあげる。
魔獣や超獣が通常生物でないのは分かるが、しかしここまでの能力を持とうとは。
「さらに電磁流体発電器官も備えているため、常時膨大な熱エネルギーと電力を供給することができるのです」
リミールは、再びコンソールを制御する。
すると、今度はモニターに映る超獣の両肩部と頭部が発光する。
「それにより、頭部の電磁加速式の生体機関砲や肩部に備わる熱プラズマを用いた破壊光弾砲を可能にしています。そして飛行能力に関してですが、吸入した大気を圧縮して融合器官の熱エネルギーで加熱・膨張させて高温プラズマ流として噴射することで推力を得ているのです。これにより、垂直離着陸および超音速巡航能力を実現しています」
そして、またコンソールをピピッと鳴らすと、今度はモニター上の超獣の全身が発光する。
「全身の装甲は金属細胞で形成された積層高耐性装甲板で修復機能まで有しています。理論上、熱核攻撃にも耐えられます……」
と、いきなりそこで彼女は言葉を止めた。
そして重々しく口を開いた。
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