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潜みし脅威
驚異の超怪力
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その圧倒的な巨体と馬鹿げた質量ゆえに愚鈍。
と言うよりも、そんな生物の限界を越えたような大きさになれば普通は自重で潰れてしまう。
だがしかし、星外魔獣らに限ってはそんな常識は通用しない。
「オォォォン!」
大気を揺さぶる程に吠え猛るゴドルザーに鈍いなどと言葉はない。
この個体に限らず魔獣も超獣も恐ろしく速く、そして俊敏だ。
それを証明するがごとく、地底から現れた暴獣は都市に向かって疾走する。このまま突っ込まれれば間違いなく多大な犠牲がでるだろう。
だが、とてもじゃないが人間の走力では追いつくことはできない。
「野郎! 行かせるかよ!」
しかし、そんな人知を超越した怪物を殲滅せんと動く超人がいる。
ゴドルザーの後を追うように、オボロも駆け出した。その速度たるや、魔獣を凌ぐものであった。
これも超人の脚力と瞬発力ゆえにだ。
オボロは高速で突き進むゴドルザーに容易く追いつき、その巨大な尻尾の先端に両手で掴みかかる。
「止まれえぇ!」
オボロは超怪力を遺憾なく発揮させ踏ん張った。
周囲に地面の擦れる音が響き渡る。十数メートル程引きずられはしたものの、どうにか八千トンの進撃を押さえ込んだ。
これでゴドルザーの進行を止めることができた、そして今度は都市から引き離すべくオボロは握った尾を後方へと引っ張るのであった。
同様のやり方で以前グランドドスと力比べをしたが、今回ははたして……。
「ぬおぉぉぉりゃあぁぁぁぁ!!」
オボロの凄まじい雄叫びが大気を揺らす。
そして再び地面が擦れる音が響き渡る。力比べを制したのは魔獣ではなく超人であった。
魔獣ゆえにだろうか、馬力は超獣グランドドスより劣っていたようだ。
大地を削りながら、全長百メートルを越える巨体が一気にゲン・ドラゴンから遠ざかっていく。端から見れば信じられない光景であろう。
しかし、それができるからこそ彼は超人なのだ。
「ギュアァァァ!」
ゴドルザーも引きずられまいと図太い前肢と後肢で強引に大地を引っ掻きまわすが、虚しくも突き進むことができず都市から無理矢理に引き離されていくのであった。
「いよし! こんなもんだろう」
オボロが手を離したのは、ゴドルザーを元いた位置から五百メートル程後退させてからのこと。
これだけ引き離せれば、都市に戦いの余波は及びにくいだろう。
「お前は、ここでしとめる」
現状ムラトもクサマもいない、ならこれは住民の避難の時間稼ぎではなく、一人で確実にゴドルザーを倒さなければならない戦いであった。
これだけ大型の魔獣なら都市一つ壊滅させるなど訳もないのだから。
「……オォォォン!」
敵と認識したのか、または進行を邪魔されて激怒したのか、ゴドルザーは唸るような鳴き声をあげながらその巨体を振りかえさせる。
八千トンの大質量が動く度に、大地は揺れ動いた。
そして、ギョロリとした眼でオボロを睨み付ける。
(オボロ、聞こえるか)
戦いが始まる寸前だと言うのに、ニオンの師の声がオボロの頭の中に響き渡る。
「なんだ! 今は悠長に話してる場合じゃねぇだろ」
(今、増援を向かわせている。到着するまで、耐えてくれ)
……増援。
はたして、あの男は一体何をむかわせていると言うのか?
いずれにせよ、星外魔獣と渡り合える戦闘力を持った存在であるのは確実だろう。
だがしかし、オボロは増員が到着する前に勝負をつける考えでいた。
「助力はありがてぇが、甘える気はねぇぜ。到着する前に決着をつけるつもりでやるぜ。魔獣ぐれぇなら、一人でぶっ倒してやる」
(……そうだな、その意気やよし。そうでなくちゃあな。単独で倒せるのであればしとめてくれ、無駄足になるかもしれんが一応のこと増援は向かわせておく)
石カブトは表面上はただの雇われ集団だが、真の目的は魔獣や超獣を殲滅するための存在。
彼等の敗北は率直に大陸の滅亡を意味している。
だこらこそ失敗は許されず、確実に任務を達成しなければならないのだ。
しかし敗けが許されないからと言って、他力に頼っていいと言う意味にはならない。
こうしてる間にも魔獣も超獣も、より狂暴になり、常に強靭に成長している。
ならば石カブトも戦いの中で、自分達を磨きあげ高めていかなければならない。
そうこうしている内に、先手を打とうとしたのはゴドルザーであった。
「またあれか!」
しかしオボロの反応は早かった。
ゴドルザーが大きな口を開き、真っ赤な口腔内と鋭い牙をあらわにする行動を見せた瞬間に飛び上がって空中に退避する。
そして再びゴドルザーの口からあの怪光線が放たれた。
強力な電磁放射線を用いた分子破砕光線はオボロが立っていた位置の地面を一瞬にして気化させて吹き飛ばし、溶解して液状化した土壌を飛散させる。
「発射されてから回避するのは無理だなあれは」
光線で吹き飛んばされた位置から数十メートル後方の場所にオボロは着地した。二十トンもの肉体が高所から落下したため地面が震える。
(オボロ気を付けろ。あの光線は電磁放射線を集束したものだ、それも大気中に舞う物質を焼くほどに強力な。つまり光速で飛来するため照射されてからの回避は不可能だ)
頭の中に男の声が響き渡る。
彼の言うとおり超人と言えども光速の物を避けるような無理な芸当はできない。
「分かってる。だが、やりようはあるぜ」
しかし、オボロはすでに対策を思いついていた。
すると再びゴドルザーが開口する。
それと同時にオボロは跳躍した。大地を陥没させるほどの脚力により、二十トンもの肉体は瞬時に上空百メートル以上に達していた。
そしてゴドルザーを見下ろす。
やはり予想通り、地面に向けて分子破砕光線を照射している姿があった。無論のこと、大地に攻撃してるのではなく光線を避けられたためそのようなことになっているのだ。
「攻撃は光速でも、照射するためには口を大きく開かなくちゃあならねぇようだな。なら攻撃前動作さえ見極めちまえば、回避事態は難しくはねぇ。言っても、奴の正面に立たないのが一番だろうがな」
そうは言うがゴドルザーの口をあける動作はかなり速いもの。
あくまでも超人の反応速度と長年の戦闘経験によって培った洞察力があってこそできることだろう。
「さあて、次はこちらから行くぜ。一発キツいのを食らわせてやる」
今オボロは上空百メートル以上の所にいる。ならこの高度を効率的に活用しないわけがない。
そして、もう落下が始まっている。
下に向かって落ちていくオボロは空気の抵抗を利用して体勢を変えた。頭を真下向け自慢の右鉄拳を引き絞る。
そして、落下位置予定のゴドルザーの頭部に真っ直ぐと眼を向けた。
物凄い速度で落下していくオボロは、たちまちにゴドルザーとの距離が縮まっていく。
「せえぇぇい!!」
そして巨大な頭部と激突する寸前に、渾身の右拳を降り下ろした。
鉄拳は右目付近に叩き込まれた。鈍い大音量が響き、それと湿った音が混じる。
ゴドルザーの右目付近は陥没し、内圧に耐え切れず成人男性の身長並の直径を誇る眼球が勢いよく飛び出した。
だがそれだけに止まらず、ゴドルザーは顎から大地に叩きつけられクレーターを形成するのであった。
と言うよりも、そんな生物の限界を越えたような大きさになれば普通は自重で潰れてしまう。
だがしかし、星外魔獣らに限ってはそんな常識は通用しない。
「オォォォン!」
大気を揺さぶる程に吠え猛るゴドルザーに鈍いなどと言葉はない。
この個体に限らず魔獣も超獣も恐ろしく速く、そして俊敏だ。
それを証明するがごとく、地底から現れた暴獣は都市に向かって疾走する。このまま突っ込まれれば間違いなく多大な犠牲がでるだろう。
だが、とてもじゃないが人間の走力では追いつくことはできない。
「野郎! 行かせるかよ!」
しかし、そんな人知を超越した怪物を殲滅せんと動く超人がいる。
ゴドルザーの後を追うように、オボロも駆け出した。その速度たるや、魔獣を凌ぐものであった。
これも超人の脚力と瞬発力ゆえにだ。
オボロは高速で突き進むゴドルザーに容易く追いつき、その巨大な尻尾の先端に両手で掴みかかる。
「止まれえぇ!」
オボロは超怪力を遺憾なく発揮させ踏ん張った。
周囲に地面の擦れる音が響き渡る。十数メートル程引きずられはしたものの、どうにか八千トンの進撃を押さえ込んだ。
これでゴドルザーの進行を止めることができた、そして今度は都市から引き離すべくオボロは握った尾を後方へと引っ張るのであった。
同様のやり方で以前グランドドスと力比べをしたが、今回ははたして……。
「ぬおぉぉぉりゃあぁぁぁぁ!!」
オボロの凄まじい雄叫びが大気を揺らす。
そして再び地面が擦れる音が響き渡る。力比べを制したのは魔獣ではなく超人であった。
魔獣ゆえにだろうか、馬力は超獣グランドドスより劣っていたようだ。
大地を削りながら、全長百メートルを越える巨体が一気にゲン・ドラゴンから遠ざかっていく。端から見れば信じられない光景であろう。
しかし、それができるからこそ彼は超人なのだ。
「ギュアァァァ!」
ゴドルザーも引きずられまいと図太い前肢と後肢で強引に大地を引っ掻きまわすが、虚しくも突き進むことができず都市から無理矢理に引き離されていくのであった。
「いよし! こんなもんだろう」
オボロが手を離したのは、ゴドルザーを元いた位置から五百メートル程後退させてからのこと。
これだけ引き離せれば、都市に戦いの余波は及びにくいだろう。
「お前は、ここでしとめる」
現状ムラトもクサマもいない、ならこれは住民の避難の時間稼ぎではなく、一人で確実にゴドルザーを倒さなければならない戦いであった。
これだけ大型の魔獣なら都市一つ壊滅させるなど訳もないのだから。
「……オォォォン!」
敵と認識したのか、または進行を邪魔されて激怒したのか、ゴドルザーは唸るような鳴き声をあげながらその巨体を振りかえさせる。
八千トンの大質量が動く度に、大地は揺れ動いた。
そして、ギョロリとした眼でオボロを睨み付ける。
(オボロ、聞こえるか)
戦いが始まる寸前だと言うのに、ニオンの師の声がオボロの頭の中に響き渡る。
「なんだ! 今は悠長に話してる場合じゃねぇだろ」
(今、増援を向かわせている。到着するまで、耐えてくれ)
……増援。
はたして、あの男は一体何をむかわせていると言うのか?
いずれにせよ、星外魔獣と渡り合える戦闘力を持った存在であるのは確実だろう。
だがしかし、オボロは増員が到着する前に勝負をつける考えでいた。
「助力はありがてぇが、甘える気はねぇぜ。到着する前に決着をつけるつもりでやるぜ。魔獣ぐれぇなら、一人でぶっ倒してやる」
(……そうだな、その意気やよし。そうでなくちゃあな。単独で倒せるのであればしとめてくれ、無駄足になるかもしれんが一応のこと増援は向かわせておく)
石カブトは表面上はただの雇われ集団だが、真の目的は魔獣や超獣を殲滅するための存在。
彼等の敗北は率直に大陸の滅亡を意味している。
だこらこそ失敗は許されず、確実に任務を達成しなければならないのだ。
しかし敗けが許されないからと言って、他力に頼っていいと言う意味にはならない。
こうしてる間にも魔獣も超獣も、より狂暴になり、常に強靭に成長している。
ならば石カブトも戦いの中で、自分達を磨きあげ高めていかなければならない。
そうこうしている内に、先手を打とうとしたのはゴドルザーであった。
「またあれか!」
しかしオボロの反応は早かった。
ゴドルザーが大きな口を開き、真っ赤な口腔内と鋭い牙をあらわにする行動を見せた瞬間に飛び上がって空中に退避する。
そして再びゴドルザーの口からあの怪光線が放たれた。
強力な電磁放射線を用いた分子破砕光線はオボロが立っていた位置の地面を一瞬にして気化させて吹き飛ばし、溶解して液状化した土壌を飛散させる。
「発射されてから回避するのは無理だなあれは」
光線で吹き飛んばされた位置から数十メートル後方の場所にオボロは着地した。二十トンもの肉体が高所から落下したため地面が震える。
(オボロ気を付けろ。あの光線は電磁放射線を集束したものだ、それも大気中に舞う物質を焼くほどに強力な。つまり光速で飛来するため照射されてからの回避は不可能だ)
頭の中に男の声が響き渡る。
彼の言うとおり超人と言えども光速の物を避けるような無理な芸当はできない。
「分かってる。だが、やりようはあるぜ」
しかし、オボロはすでに対策を思いついていた。
すると再びゴドルザーが開口する。
それと同時にオボロは跳躍した。大地を陥没させるほどの脚力により、二十トンもの肉体は瞬時に上空百メートル以上に達していた。
そしてゴドルザーを見下ろす。
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「攻撃は光速でも、照射するためには口を大きく開かなくちゃあならねぇようだな。なら攻撃前動作さえ見極めちまえば、回避事態は難しくはねぇ。言っても、奴の正面に立たないのが一番だろうがな」
そうは言うがゴドルザーの口をあける動作はかなり速いもの。
あくまでも超人の反応速度と長年の戦闘経験によって培った洞察力があってこそできることだろう。
「さあて、次はこちらから行くぜ。一発キツいのを食らわせてやる」
今オボロは上空百メートル以上の所にいる。ならこの高度を効率的に活用しないわけがない。
そして、もう落下が始まっている。
下に向かって落ちていくオボロは空気の抵抗を利用して体勢を変えた。頭を真下向け自慢の右鉄拳を引き絞る。
そして、落下位置予定のゴドルザーの頭部に真っ直ぐと眼を向けた。
物凄い速度で落下していくオボロは、たちまちにゴドルザーとの距離が縮まっていく。
「せえぇぇい!!」
そして巨大な頭部と激突する寸前に、渾身の右拳を降り下ろした。
鉄拳は右目付近に叩き込まれた。鈍い大音量が響き、それと湿った音が混じる。
ゴドルザーの右目付近は陥没し、内圧に耐え切れず成人男性の身長並の直径を誇る眼球が勢いよく飛び出した。
だがそれだけに止まらず、ゴドルザーは顎から大地に叩きつけられクレーターを形成するのであった。
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