142 / 357
最終魔戦
勇者激突
しおりを挟む ――明弘に抱きしめられ、告白された。もちろん答えは決まっている。私は声が震えないように注意しながら、返事を返した。
「............はい」
明弘は私の返事を無言で聞いていた。なにも言わない代わりだろうか、抱きしめる強さが増した気がした。
私はふと考える。小さい頃からずっと明弘が好きだったけど、明弘はどうなんだろう......
気になった私は、たった今彼氏になった明弘に聞いてみることにした。
「明弘はさ、いつから私のこと好きだったの?」
抱きついたままそう聞いてみるが、反応がない。不思議に思った私は明弘の顔を見上げた。その顔は、何か他の事を考えているように、遠くを見つめていた。
「ねえ! 聞いてる?」
私は明弘の体を揺する。
「ああ、ごめん。ボーとしてた。なに?」
明弘はそう言うと私の頭を撫でてくれた。くすぐったいような、恥ずかしいようななんか変な気持ちだ。でも、悪くない。
「......んーん。なんでもない」
私はそう言うと、明弘の胸に顔を埋めた。とても幸せだった。今までは友達だったから、はでなスキンシップはできなかったけど、これからは違うんだ......。
私はこれから、明弘の隣で重ねていく時間を想像する。デートしたり、え、エッチなことしたりもするのかな......も、もしかしたら結婚とかも......
「どうした?」
私は無意識に明弘の顔を見つめていた。恥ずかしくなってしまい、私は視線を逸らす。
「なんか調子狂うな」
明弘は笑いかけてきた。
「そだね.....わ、私ちょっとトイレに行ってくるね」
そう誤魔化し、火照った顔を冷ますため部屋を出た。もう明弘のせいでドキドキしっぱなしだ。
私は洗面所へ向かうと、顔をばしゃばしゃと洗い、冷たい水で熱をさましながら考える。
こんな調子じゃ、うまく明弘と喋れないよ.....ダメダメ! しっかりしないと! 私彼女なんだし!
顔を洗い終わった後、気合いを入れ直すためにほっぺたをパシパシと叩く。
そして私は彼氏の待つ部屋に入っていった――。
俺はドアの影に隠れ、息を潜めながら、唯を気絶させるタイミングを待っていた。
唯が部屋に入ってきた瞬間、持ってきていた棒で殴り倒した。もちろん親友である透を気絶させた武器と同じものだ。声をあげる間も無く唯は倒れこみ、ピクリとも動かない。
気絶した唯を抱えあげ、部屋を出ていく。自前に調べていた通り、首の後ろを殴ったら一発で気絶してくれた。便利なものだ。
そのまま止めていた車に積み込むと、目隠しをし、タイラップで手足を縛った。急いで運転席に乗り込み、車を発進させる。
今回、俺は唯を『九人目』にする事を決めた。理由は特に無いが、透を殺しておいて、唯だけ殺さない訳にはいかないだろう。そして『十人目』は唯の妹を殺すことにした。やはり姉妹は一緒にいないといけない。俺なりの優しさだ。
そして集大成として、『五人目』の為に幼稚園を襲撃する。将来幼稚園の先生になりたかったらしいし、いっぱい子供たちを送ってあげよう。
俺はそこまで考え、首を振った。ダメだ。今は『九人目』の殺害に集中しないと。気合いを入れ直すため、軽く頬を叩いた。そして気絶している唯を見る。
うん。今夜は焼き肉だな。
「............はい」
明弘は私の返事を無言で聞いていた。なにも言わない代わりだろうか、抱きしめる強さが増した気がした。
私はふと考える。小さい頃からずっと明弘が好きだったけど、明弘はどうなんだろう......
気になった私は、たった今彼氏になった明弘に聞いてみることにした。
「明弘はさ、いつから私のこと好きだったの?」
抱きついたままそう聞いてみるが、反応がない。不思議に思った私は明弘の顔を見上げた。その顔は、何か他の事を考えているように、遠くを見つめていた。
「ねえ! 聞いてる?」
私は明弘の体を揺する。
「ああ、ごめん。ボーとしてた。なに?」
明弘はそう言うと私の頭を撫でてくれた。くすぐったいような、恥ずかしいようななんか変な気持ちだ。でも、悪くない。
「......んーん。なんでもない」
私はそう言うと、明弘の胸に顔を埋めた。とても幸せだった。今までは友達だったから、はでなスキンシップはできなかったけど、これからは違うんだ......。
私はこれから、明弘の隣で重ねていく時間を想像する。デートしたり、え、エッチなことしたりもするのかな......も、もしかしたら結婚とかも......
「どうした?」
私は無意識に明弘の顔を見つめていた。恥ずかしくなってしまい、私は視線を逸らす。
「なんか調子狂うな」
明弘は笑いかけてきた。
「そだね.....わ、私ちょっとトイレに行ってくるね」
そう誤魔化し、火照った顔を冷ますため部屋を出た。もう明弘のせいでドキドキしっぱなしだ。
私は洗面所へ向かうと、顔をばしゃばしゃと洗い、冷たい水で熱をさましながら考える。
こんな調子じゃ、うまく明弘と喋れないよ.....ダメダメ! しっかりしないと! 私彼女なんだし!
顔を洗い終わった後、気合いを入れ直すためにほっぺたをパシパシと叩く。
そして私は彼氏の待つ部屋に入っていった――。
俺はドアの影に隠れ、息を潜めながら、唯を気絶させるタイミングを待っていた。
唯が部屋に入ってきた瞬間、持ってきていた棒で殴り倒した。もちろん親友である透を気絶させた武器と同じものだ。声をあげる間も無く唯は倒れこみ、ピクリとも動かない。
気絶した唯を抱えあげ、部屋を出ていく。自前に調べていた通り、首の後ろを殴ったら一発で気絶してくれた。便利なものだ。
そのまま止めていた車に積み込むと、目隠しをし、タイラップで手足を縛った。急いで運転席に乗り込み、車を発進させる。
今回、俺は唯を『九人目』にする事を決めた。理由は特に無いが、透を殺しておいて、唯だけ殺さない訳にはいかないだろう。そして『十人目』は唯の妹を殺すことにした。やはり姉妹は一緒にいないといけない。俺なりの優しさだ。
そして集大成として、『五人目』の為に幼稚園を襲撃する。将来幼稚園の先生になりたかったらしいし、いっぱい子供たちを送ってあげよう。
俺はそこまで考え、首を振った。ダメだ。今は『九人目』の殺害に集中しないと。気合いを入れ直すため、軽く頬を叩いた。そして気絶している唯を見る。
うん。今夜は焼き肉だな。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バグった俺と、依存的な引きこもり少女。 ~幼馴染は俺以外のセカイを知りたがらない~
山須ぶじん
SF
異性に関心はありながらも初恋がまだという高校二年生の少年、赤土正人(あかつちまさと)。
彼は毎日放課後に、一つ年下の引きこもりな幼馴染、伊武翠華(いぶすいか)という名の少女の家に通っていた。毎日訪れた正人のニオイを、密着し顔を埋めてくんくん嗅ぐという変わったクセのある女の子である。
そんな彼女は中学時代イジメを受けて引きこもりになり、さらには両親にも見捨てられて、今や正人だけが世界のすべて。彼に見捨てられないためなら、「なんでもする」と言ってしまうほどだった。
ある日、正人は来栖(くるす)という名のクラスメイトの女子に、愛の告白をされる。しかし告白するだけして彼女は逃げるように去ってしまい、正人は仕方なく返事を明日にしようと思うのだった。
だが翌日――。来栖は姿を消してしまう。しかも誰も彼女のことを覚えていないのだ。
それはまるで、最初から存在しなかったかのように――。
※第18回講談社ラノベ文庫新人賞の第2次選考通過、最終選考落選作品。
※『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しています。

出撃!特殊戦略潜水艦隊
ノデミチ
歴史・時代
海の狩人、潜水艦。
大国アメリカと短期決戦を挑む為に、連合艦隊司令山本五十六の肝入りで創設された秘匿潜水艦。
戦略潜水戦艦 伊号第500型潜水艦〜2隻。
潜水空母 伊号第400型潜水艦〜4隻。
広大な太平洋を舞台に大暴れする連合艦隊の秘密兵器。
一度書いてみたかったIF戦記物。
この機会に挑戦してみます。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる