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始まり
第5話 戦いの後
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再び目覚めたとき、最初に目に飛び込んで来たのは真っ白な天井だった。
龍騎「(ここは…)」
まだ少し頭がハッキリしていない。規則的に発せられる機会音が一方の耳に飛び込んで来て、もう一方の耳から抜けていく。視界の端に点滴の袋が写っており、繋がっているチューブが俺の方へと伸びている。どうやらここはどこかの病院のようだ。
龍騎「(…なんで…こんなところに居るんだっけ……?)」
こんな朦朧とした頭じゃ、なにも思い出せない。
看護士「あっ!起きました!目を覚ましましたよ!」
突然、若い女性の声が響く。ここが病院だとするのなら、おそらく看護師だろうか。そんな声が響くやいなや、腹部の辺りに衝撃がくる。
龍騎「うっ……!」
突然の衝撃に、俺はうめき声を上げてしまう。
真奈美「よがっだ~!いぎでだ~!なんであんなごどじだの~!」
龍騎「……母さん?!」
衝撃の正体は飛び付いてきた俺の母だった。母は本当に心配していたようで、俺に抱きついてからワンワンと泣いている。恥も外聞も無いって感じで、鼻水もダラダラ、綺麗に整えられていたであろう化粧も、既に涙やら鼻水やらでぐちゃぐちゃになっている。
学「良かった…本当に…」
俺の目の前には、静かに涙を流しながら安堵の表情を浮かべている俺の父の姿もあった。
龍騎「父さんまで…なんでそんなに泣いてるの?」
起きたばかりなのに情報量が多く、頭が混乱していた俺は、普通なら絶対に口から出さないであろう言葉を、口から滑らしてしまう。
学「お前…」
父が何か言おうとしていたが、それよりも速く母が俺の頬っぺたをひっぱたいた。
真奈美「何でって…あんた、親に何も言わずに出ていったかと思ったら…いきなりニュースでイクセスリィにいるって出てきて…それに死にそうになって…フラフラになって…どんなに心配かけたと思ってんの?!」
泣きながら母は答える。それを見て俺は自分の発言を後悔し、必死に謝った。
龍騎「ごめんなさい…心配してくれて…ありがとう。」
自然と、目から涙が溢れてくる。俺自信を母を抱き締めて、ワンワンと泣いた。父もそんな俺達をまとめて抱き締めて、静かに涙をこぼしていた。涙も流しすぎて枯れて来た頃辺りを見回すと、他の皆も目か覚めて親と一緒に泣いているようだった。
龍騎「お前らも目が覚めたかのか。よかった。」
その後俺達は自分達があの戦いからこのイクセスリィの病院で丸2日寝込んでいたこと、あの後戦争はワーカル軍が撤退し、無事に両国の間で和平交渉が成立したため終わった事が告げられた。
優美「私達、勝ったの?」
龍騎「そう…みたいだな。」
舞花「やっ……………………………たーーーーー!」
力子「私達がイクセスリィを守ったんだよ!」
あの時は直感でしか感じられなかった勝利が、今はしっかりと実感できていた。そうやって俺達が感慨に浸っていると、突然病室のドアが開き、そこから綺麗な女性が入ってきた。その瞬間、病室にいた看護士、更には患者まで、あるものは床であるものはベッドの上でその女性に平服した。その女性は、言葉に出来ないような、不思議なオーラを纏っており、彼女が通過すると、道にあった植木鉢に植えられた。少し元気を無くしていた観葉植物が、とたんに元気を取り戻し、その青々とした葉を着こなすようになって言った。その女性は私達の目の前まで歩いて来ると、優しい微笑を浮かべながら、その口を開いた。
???「皆さん。そんなに固くしないでもいいのですよ?」
そう言って女性は俺達の方へと近寄ってくる。
フィーシー「こんにちは、英雄の皆様。私はこの国の神、フィーシーと申します。」
俺達は驚いた。今自分達の目の前でここイクセスリィの神が自分達を「英雄」と称したからである。そうやって俺達が驚きで声を出せずにいると、フィーシーは言葉を続ける。
フィーシー「今回イクセスリィはあなた達のその強さや、勇気によって救われました。心から感謝しています。しかし、今回の事がきっかけとなり、あなた達それぞれの進む道に、それを塞ぐ大岩や、飲み込もうとする大波が現れるかもしれません。もし、それらによって自身の進む道が、分からなくなった時、そんなときにはここイクセスリィを訪れてください。我々は、いつでもあなた達の味方であり、私も、あなた達が進む道に光を灯しましょう。」
舞花「あ…ありがとうございます。」
俺達の中で唯一舞花がお礼を言えると、フィーシーは俺達を見て微笑した。
フィーシー「それでは私はこの後少し予定があるので、ここで失礼します。それでは皆さん。皆さんの人生に幸福が訪れますように。」
そう言ってフィーシーは私達の目の前で姿を消した。
力子「えっ消えた!」
舞花「瞬間移動魔法か…かなりの高難易度魔法…さすが神ね。」
その後俺達は、久しぶりに家族との時間を楽しんだ。しばらくして、優美が看護士に尋ねる。
優美「そう言えば、あのとき現れたフードの人は誰なんですか?凄い強そうでしたけど。」
俺達は続く言葉に聞き耳を立てる。あのときあのフードの男もテレビの中継に写っていた筈だし、あれだけのことをやってのけたのだ。俺達が眠っている間に何か分かっているかもしれない。しかし、続いて出てきた言葉は、俺達が想像もしていなかったことだった。
看護士「フードの人…?そんな人…居ましたっけ?」
優美·龍騎·舞花·力子「は?」
神議の間にて
私は時間より早めに神義の間に到着し、自分の「生命」と書かれた席に座って他の神々が到着するのを待っていた。そうして待って居ると、着々と他の神々が到着する。そして全員の計8柱の神々が到着すると、魔法と書かれた席に座った神が口を開いた。
魔法「今回集まって貰ったのは他でもない。皆も既に気づいておるだろう。『裁定者』についてだ。」
こんにちは皆さん。柳川歩城です。なーんかすごいことになってきましたねー。ここから物語はどのような展開の仕方をしていくのか、皆様是非お楽しみ下さい。よろしければこの小説のお気に入り登録をよろしくお願いします!
龍騎「(ここは…)」
まだ少し頭がハッキリしていない。規則的に発せられる機会音が一方の耳に飛び込んで来て、もう一方の耳から抜けていく。視界の端に点滴の袋が写っており、繋がっているチューブが俺の方へと伸びている。どうやらここはどこかの病院のようだ。
龍騎「(…なんで…こんなところに居るんだっけ……?)」
こんな朦朧とした頭じゃ、なにも思い出せない。
看護士「あっ!起きました!目を覚ましましたよ!」
突然、若い女性の声が響く。ここが病院だとするのなら、おそらく看護師だろうか。そんな声が響くやいなや、腹部の辺りに衝撃がくる。
龍騎「うっ……!」
突然の衝撃に、俺はうめき声を上げてしまう。
真奈美「よがっだ~!いぎでだ~!なんであんなごどじだの~!」
龍騎「……母さん?!」
衝撃の正体は飛び付いてきた俺の母だった。母は本当に心配していたようで、俺に抱きついてからワンワンと泣いている。恥も外聞も無いって感じで、鼻水もダラダラ、綺麗に整えられていたであろう化粧も、既に涙やら鼻水やらでぐちゃぐちゃになっている。
学「良かった…本当に…」
俺の目の前には、静かに涙を流しながら安堵の表情を浮かべている俺の父の姿もあった。
龍騎「父さんまで…なんでそんなに泣いてるの?」
起きたばかりなのに情報量が多く、頭が混乱していた俺は、普通なら絶対に口から出さないであろう言葉を、口から滑らしてしまう。
学「お前…」
父が何か言おうとしていたが、それよりも速く母が俺の頬っぺたをひっぱたいた。
真奈美「何でって…あんた、親に何も言わずに出ていったかと思ったら…いきなりニュースでイクセスリィにいるって出てきて…それに死にそうになって…フラフラになって…どんなに心配かけたと思ってんの?!」
泣きながら母は答える。それを見て俺は自分の発言を後悔し、必死に謝った。
龍騎「ごめんなさい…心配してくれて…ありがとう。」
自然と、目から涙が溢れてくる。俺自信を母を抱き締めて、ワンワンと泣いた。父もそんな俺達をまとめて抱き締めて、静かに涙をこぼしていた。涙も流しすぎて枯れて来た頃辺りを見回すと、他の皆も目か覚めて親と一緒に泣いているようだった。
龍騎「お前らも目が覚めたかのか。よかった。」
その後俺達は自分達があの戦いからこのイクセスリィの病院で丸2日寝込んでいたこと、あの後戦争はワーカル軍が撤退し、無事に両国の間で和平交渉が成立したため終わった事が告げられた。
優美「私達、勝ったの?」
龍騎「そう…みたいだな。」
舞花「やっ……………………………たーーーーー!」
力子「私達がイクセスリィを守ったんだよ!」
あの時は直感でしか感じられなかった勝利が、今はしっかりと実感できていた。そうやって俺達が感慨に浸っていると、突然病室のドアが開き、そこから綺麗な女性が入ってきた。その瞬間、病室にいた看護士、更には患者まで、あるものは床であるものはベッドの上でその女性に平服した。その女性は、言葉に出来ないような、不思議なオーラを纏っており、彼女が通過すると、道にあった植木鉢に植えられた。少し元気を無くしていた観葉植物が、とたんに元気を取り戻し、その青々とした葉を着こなすようになって言った。その女性は私達の目の前まで歩いて来ると、優しい微笑を浮かべながら、その口を開いた。
???「皆さん。そんなに固くしないでもいいのですよ?」
そう言って女性は俺達の方へと近寄ってくる。
フィーシー「こんにちは、英雄の皆様。私はこの国の神、フィーシーと申します。」
俺達は驚いた。今自分達の目の前でここイクセスリィの神が自分達を「英雄」と称したからである。そうやって俺達が驚きで声を出せずにいると、フィーシーは言葉を続ける。
フィーシー「今回イクセスリィはあなた達のその強さや、勇気によって救われました。心から感謝しています。しかし、今回の事がきっかけとなり、あなた達それぞれの進む道に、それを塞ぐ大岩や、飲み込もうとする大波が現れるかもしれません。もし、それらによって自身の進む道が、分からなくなった時、そんなときにはここイクセスリィを訪れてください。我々は、いつでもあなた達の味方であり、私も、あなた達が進む道に光を灯しましょう。」
舞花「あ…ありがとうございます。」
俺達の中で唯一舞花がお礼を言えると、フィーシーは俺達を見て微笑した。
フィーシー「それでは私はこの後少し予定があるので、ここで失礼します。それでは皆さん。皆さんの人生に幸福が訪れますように。」
そう言ってフィーシーは私達の目の前で姿を消した。
力子「えっ消えた!」
舞花「瞬間移動魔法か…かなりの高難易度魔法…さすが神ね。」
その後俺達は、久しぶりに家族との時間を楽しんだ。しばらくして、優美が看護士に尋ねる。
優美「そう言えば、あのとき現れたフードの人は誰なんですか?凄い強そうでしたけど。」
俺達は続く言葉に聞き耳を立てる。あのときあのフードの男もテレビの中継に写っていた筈だし、あれだけのことをやってのけたのだ。俺達が眠っている間に何か分かっているかもしれない。しかし、続いて出てきた言葉は、俺達が想像もしていなかったことだった。
看護士「フードの人…?そんな人…居ましたっけ?」
優美·龍騎·舞花·力子「は?」
神議の間にて
私は時間より早めに神義の間に到着し、自分の「生命」と書かれた席に座って他の神々が到着するのを待っていた。そうして待って居ると、着々と他の神々が到着する。そして全員の計8柱の神々が到着すると、魔法と書かれた席に座った神が口を開いた。
魔法「今回集まって貰ったのは他でもない。皆も既に気づいておるだろう。『裁定者』についてだ。」
こんにちは皆さん。柳川歩城です。なーんかすごいことになってきましたねー。ここから物語はどのような展開の仕方をしていくのか、皆様是非お楽しみ下さい。よろしければこの小説のお気に入り登録をよろしくお願いします!
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