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第53話「性的欲求の発露に伴う直接的、あるいは間接的身体接触についての授業②」
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「直接的な身体接触が、直に肉体に触れることで精神的な安息や性的快感を得ることが目的の行為ならば、間接的身体接触は真逆の行動によって同じ目的を遂行せんとする行為なんだ。」
先生は説明しつつ、俺たちに背を向け、黒板と向き合った。
「直接的な身体接触はさっきも例に出した通り……、・手を握る、・頭を撫でる、・抱きしめる、などの行為によって安息感を得たり、唇を重ねる、・胸や臀部に触れる、・性器同士を結合する、などの行為で性的快楽を得る行動。」
チョークによって、次々と箇条書きされていく白い文字たち。
先生の書く、軽快な字体の文章が並んでいった。
「そしてその逆をいく間接的な身体接触とは……なんだと思う? 神室君。」
「えっ」
先生が振り向きざまにチョークを俺に差し向ける。
不意な名指しの質問に答えるべく、すぐさま思考を巡らす。
間接的……間接的……。
そして思い浮かぶのは、いつかの登校風景。
「そうですね……たとえば、横を通り過ぎた女子中学生のうなじの残り香……とかですか?」
とある日の登校時、例によってオナニーに(文字通り)精を出しすぎた余り遅刻寸前となったあの日。
いつもよりも遅い出発となったために遭遇した近所の中学生の女の子。
その女の子の横を通り過ぎた時、不意に鼻孔をくすぐる素敵なプレゼントをいただいたことがあった。
女の子特有のシャンプー甘い香りや、制服より発せられる柑橘系の爽やかな匂いに入り混じったソレ。
その日は特に気温が高かったというのもあったのだろう。
咄嗟のことに鋭敏になった嗅覚器官が突き止めたソレの正体は、その子のうなじから発せられたその子本来の体臭だった。
甘さと爽やかさと人間らしい生の温かさが四対四対二でブレンドされた香り。
あの暑苦しい朝を、俺は生涯忘れないだろう———。
「いいねー。実にニッチでマニアックだ。特に“残り香”ってあたりがアングラ的でポイント高いよー、神室君。」
先生は前のめり気味に笑う。
前に座る後金がメガネの位置を直しながら振り返った。
「女性は男性に比べて嗅覚が鋭かったりするから、普段から匂いには特に気を遣ってるからな。にもかかわらず、首筋や耳元なんかからは時折、生き物本来の臭気が漂ってたりする。同じ男として、そこに性的な快楽が発生するというのはわかるな。」
「人体の構造上、鼻より上の匂いってわかりにくいんだよねー。」
その隣で、木梨さんが帽子を押さえて言う。
「私なんて常にコレ被ってるから、知らず知らず汗ばんでるし、皮脂からくる臭いとかも溜まってるから、今とかきっととんでもないことになってると思うよー。」
「まじか、ちょっと嗅がせてよ。」
「お断りー。」
さらに振り返って言う後金に木梨さんは目を瞑って返した。
おお……。
なかなかなレベルの変態行為を暴露したつもりなのに、周りからは一切引かれた様子がない。
「でも、そんな細かい匂いに気付くなんて、シュウ君すごいね。」
隣からまりあさんが微笑みかけてくれる。
俺の変態行為を引くどころか肯定してくれた⁉
生きてて…よかった……。
「そう言う心音さんは、間接的な身体接触ってどんなだと思う?」
「!」
先生が今度はまりあさんを指名する。
まりあさんの回答……すげぇ興味ある。
まりあさんは顎に手を当て、ほんの少し悩む様子を見せた後(悩む姿も美しい)、なんの躊躇いもなく答えた。
「布団に残った温もり、体温を感じるとかですね。」
即座に想起するまりあさんのその姿。
好きな人が去った後に、切なさを醸し出しつつも、柔らかで抱擁的な表情で布団の、かつてその人物が長時間触れていた部分に手を置く、その姿。
いや増すその神秘性。女神でしかない。
……まりあさんって、好きな人とかいるのかな?
「そうそう。それも立派な間接接触だねー。」
先生が嬉しそうに片手を広げる。
「他にはどんなのが思い浮かぶ?」
「好きな人のリコーダーを舐める、っていうのも含まれますよねーっ? 間接キス的な。」
木梨さんが手を上げて答える。
「え? それ、女子もやるの?」
後金が敏感に反応する。
「私は全然やったなー。小五の時、クラスの男子がそれやったって噂が流れてて、最初はドン引きしてたはずだったんだけど、中一の時、移動教室前でクラスの教室に私一人だけになったタイミングがあってさー。その時、当時好きだった子のリコーダーを、こう、ペロペローっと。」
木梨さんがリコーダーを舐める動作をする。
「教室に独りぼっちなんて状況、滅多にないじゃん? そう思った瞬間に体が迷わず動いてさー。魔が差すってこういうこと言うんだねー。」
「マジか。それちょっと興奮するわ……。」
頬をほんのり紅潮させてメガネの位置を直す後金。
お前はメガネを新調しろ。
「その時って、やっぱり興奮したの?」
この会話に混ざれないのは損(?)だと思い、負けじと質問を繰り出す。
「そりゃあ、もう興奮しまくりですよーっ。」
木梨さんは何処か得意気だ。
「その時なんて、舐めるだけじゃ飽き足らず突っ込みましたからねーっ。」
「えっ。」
「突っ込んだ⁉」
俺と後金、同時に反応。
「うん。私の中に。」
木梨さんは自身の股にナニかを刺すように手を動かす。
「中一だからねっ。当然もうそういう知識はあったわけなんだけど、ソッチ側のそういう知識はまだ全然だったんだよ。それでも、自然と手がココに伸びちゃってさっ。自分の唾液でベトベトにてかってる縦笛の先端を見てさ、ああ、後々あの人はここに口つけるのかって思うと、もう私のココも受け入れOKになっちゃって。」
朝日に照らし出された教室、その中で、机から伸びる影に隠れて、恍惚の表情を浮かべながらリコーダーを自身のアソコに挿入する木梨さん。
それを思い浮かべたら、俺の縦笛も自然と準備万端になった。
はっ!
いかんいかん。
なんだか木梨さんに失礼な気がして、妄想を中断する。
そして横目で木梨さん、まりあさんの両名を見る。
木梨さんは得意気な表情で後金を見てて、その後ろでまりあさんは熱心に木梨さんの話を聞いていた。
バレてないよな?
「ってかお前、中一の時に脱処女したとか言ってたじゃん。……もしかして、お前……」
「うん、そうだよっ。」
少し引き気味に訊く後金に、木梨さんはあっさり答える。
「入り口に擦り付けるだけのつもりがさっ、夢中になってたら力加減間違えちゃって、思わずミチっと。」
「ひぃぃぃぃぃ……」
俺と後金が同時に身を震わす。
「あの時は無茶苦茶痛かったなー。しかも、その後の後処理が大変で、痛みに耐えながら血とか拭き取ってたら次の授業に間に合わなくてさー。なはは……」
後頭部を撫でながら照れ笑う木梨さん。
照れるところはそこじゃない。
「その後、その子はリコーダーを吹いたの?」
憶する男子陣を尻目にまりあさんが訊く。
「うんっ。目論見通り後日彼はしっかりあのリコーダーを使ってくれたよ。彼の唾液を感じるために新たに付着した私の唾液+愛液とマン血を彼が口に含めて、しかも、そこに更に彼の唾液が追加されて混ざり合ったかと思うと……、あの時の興奮は計り知れなかったなー。」
木梨さんは股を押さえて体をくねらす。
ちょっと怖い話もあったけど、その状況は味わってみたい。
する側もされる側も。
「好きな男子との間接キスだけに留まらず、間接クンニまで披露した挙句、その上そこで破瓜を果たし、その思い出すべてを置き土産として人知れずプレゼントするだなんて、間接的接触としてはこの上ないくらいの高度な技だねー。僕も是非ともされてみたいよー。」
一連の話を聞いていた先生が、興奮混じりに両手を広げる。
大丈夫か? この先生、というよりこの学校。
先生は説明しつつ、俺たちに背を向け、黒板と向き合った。
「直接的な身体接触はさっきも例に出した通り……、・手を握る、・頭を撫でる、・抱きしめる、などの行為によって安息感を得たり、唇を重ねる、・胸や臀部に触れる、・性器同士を結合する、などの行為で性的快楽を得る行動。」
チョークによって、次々と箇条書きされていく白い文字たち。
先生の書く、軽快な字体の文章が並んでいった。
「そしてその逆をいく間接的な身体接触とは……なんだと思う? 神室君。」
「えっ」
先生が振り向きざまにチョークを俺に差し向ける。
不意な名指しの質問に答えるべく、すぐさま思考を巡らす。
間接的……間接的……。
そして思い浮かぶのは、いつかの登校風景。
「そうですね……たとえば、横を通り過ぎた女子中学生のうなじの残り香……とかですか?」
とある日の登校時、例によってオナニーに(文字通り)精を出しすぎた余り遅刻寸前となったあの日。
いつもよりも遅い出発となったために遭遇した近所の中学生の女の子。
その女の子の横を通り過ぎた時、不意に鼻孔をくすぐる素敵なプレゼントをいただいたことがあった。
女の子特有のシャンプー甘い香りや、制服より発せられる柑橘系の爽やかな匂いに入り混じったソレ。
その日は特に気温が高かったというのもあったのだろう。
咄嗟のことに鋭敏になった嗅覚器官が突き止めたソレの正体は、その子のうなじから発せられたその子本来の体臭だった。
甘さと爽やかさと人間らしい生の温かさが四対四対二でブレンドされた香り。
あの暑苦しい朝を、俺は生涯忘れないだろう———。
「いいねー。実にニッチでマニアックだ。特に“残り香”ってあたりがアングラ的でポイント高いよー、神室君。」
先生は前のめり気味に笑う。
前に座る後金がメガネの位置を直しながら振り返った。
「女性は男性に比べて嗅覚が鋭かったりするから、普段から匂いには特に気を遣ってるからな。にもかかわらず、首筋や耳元なんかからは時折、生き物本来の臭気が漂ってたりする。同じ男として、そこに性的な快楽が発生するというのはわかるな。」
「人体の構造上、鼻より上の匂いってわかりにくいんだよねー。」
その隣で、木梨さんが帽子を押さえて言う。
「私なんて常にコレ被ってるから、知らず知らず汗ばんでるし、皮脂からくる臭いとかも溜まってるから、今とかきっととんでもないことになってると思うよー。」
「まじか、ちょっと嗅がせてよ。」
「お断りー。」
さらに振り返って言う後金に木梨さんは目を瞑って返した。
おお……。
なかなかなレベルの変態行為を暴露したつもりなのに、周りからは一切引かれた様子がない。
「でも、そんな細かい匂いに気付くなんて、シュウ君すごいね。」
隣からまりあさんが微笑みかけてくれる。
俺の変態行為を引くどころか肯定してくれた⁉
生きてて…よかった……。
「そう言う心音さんは、間接的な身体接触ってどんなだと思う?」
「!」
先生が今度はまりあさんを指名する。
まりあさんの回答……すげぇ興味ある。
まりあさんは顎に手を当て、ほんの少し悩む様子を見せた後(悩む姿も美しい)、なんの躊躇いもなく答えた。
「布団に残った温もり、体温を感じるとかですね。」
即座に想起するまりあさんのその姿。
好きな人が去った後に、切なさを醸し出しつつも、柔らかで抱擁的な表情で布団の、かつてその人物が長時間触れていた部分に手を置く、その姿。
いや増すその神秘性。女神でしかない。
……まりあさんって、好きな人とかいるのかな?
「そうそう。それも立派な間接接触だねー。」
先生が嬉しそうに片手を広げる。
「他にはどんなのが思い浮かぶ?」
「好きな人のリコーダーを舐める、っていうのも含まれますよねーっ? 間接キス的な。」
木梨さんが手を上げて答える。
「え? それ、女子もやるの?」
後金が敏感に反応する。
「私は全然やったなー。小五の時、クラスの男子がそれやったって噂が流れてて、最初はドン引きしてたはずだったんだけど、中一の時、移動教室前でクラスの教室に私一人だけになったタイミングがあってさー。その時、当時好きだった子のリコーダーを、こう、ペロペローっと。」
木梨さんがリコーダーを舐める動作をする。
「教室に独りぼっちなんて状況、滅多にないじゃん? そう思った瞬間に体が迷わず動いてさー。魔が差すってこういうこと言うんだねー。」
「マジか。それちょっと興奮するわ……。」
頬をほんのり紅潮させてメガネの位置を直す後金。
お前はメガネを新調しろ。
「その時って、やっぱり興奮したの?」
この会話に混ざれないのは損(?)だと思い、負けじと質問を繰り出す。
「そりゃあ、もう興奮しまくりですよーっ。」
木梨さんは何処か得意気だ。
「その時なんて、舐めるだけじゃ飽き足らず突っ込みましたからねーっ。」
「えっ。」
「突っ込んだ⁉」
俺と後金、同時に反応。
「うん。私の中に。」
木梨さんは自身の股にナニかを刺すように手を動かす。
「中一だからねっ。当然もうそういう知識はあったわけなんだけど、ソッチ側のそういう知識はまだ全然だったんだよ。それでも、自然と手がココに伸びちゃってさっ。自分の唾液でベトベトにてかってる縦笛の先端を見てさ、ああ、後々あの人はここに口つけるのかって思うと、もう私のココも受け入れOKになっちゃって。」
朝日に照らし出された教室、その中で、机から伸びる影に隠れて、恍惚の表情を浮かべながらリコーダーを自身のアソコに挿入する木梨さん。
それを思い浮かべたら、俺の縦笛も自然と準備万端になった。
はっ!
いかんいかん。
なんだか木梨さんに失礼な気がして、妄想を中断する。
そして横目で木梨さん、まりあさんの両名を見る。
木梨さんは得意気な表情で後金を見てて、その後ろでまりあさんは熱心に木梨さんの話を聞いていた。
バレてないよな?
「ってかお前、中一の時に脱処女したとか言ってたじゃん。……もしかして、お前……」
「うん、そうだよっ。」
少し引き気味に訊く後金に、木梨さんはあっさり答える。
「入り口に擦り付けるだけのつもりがさっ、夢中になってたら力加減間違えちゃって、思わずミチっと。」
「ひぃぃぃぃぃ……」
俺と後金が同時に身を震わす。
「あの時は無茶苦茶痛かったなー。しかも、その後の後処理が大変で、痛みに耐えながら血とか拭き取ってたら次の授業に間に合わなくてさー。なはは……」
後頭部を撫でながら照れ笑う木梨さん。
照れるところはそこじゃない。
「その後、その子はリコーダーを吹いたの?」
憶する男子陣を尻目にまりあさんが訊く。
「うんっ。目論見通り後日彼はしっかりあのリコーダーを使ってくれたよ。彼の唾液を感じるために新たに付着した私の唾液+愛液とマン血を彼が口に含めて、しかも、そこに更に彼の唾液が追加されて混ざり合ったかと思うと……、あの時の興奮は計り知れなかったなー。」
木梨さんは股を押さえて体をくねらす。
ちょっと怖い話もあったけど、その状況は味わってみたい。
する側もされる側も。
「好きな男子との間接キスだけに留まらず、間接クンニまで披露した挙句、その上そこで破瓜を果たし、その思い出すべてを置き土産として人知れずプレゼントするだなんて、間接的接触としてはこの上ないくらいの高度な技だねー。僕も是非ともされてみたいよー。」
一連の話を聞いていた先生が、興奮混じりに両手を広げる。
大丈夫か? この先生、というよりこの学校。
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