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秘密の恋人※
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「ああ。俺もだよ」
ケイムは認めた。
アリアは弾かれたように彼を凝視する。
彼にとうとう言わせた。
アリアの胸が震える。
とうとう、待ち望んだ言葉が、彼から出たのだ。
アリアの顔は物凄くケイムに近づき、顎先まで僅か数センチとなっていた。
ケイムは惑うことなくアリアの腰に手を回して引き寄せると、いよいよアリアの唇は彼の顎にくっつく。ちくちくとアリアの肌を刺す無精髭。
アリアは当然のように片手で器用にシュミーズを脱ぎ、ズロースを引き摺り下ろした。絹地がひらりと絨毯を滑っていく。
それを横目に、ケイムはニヤリと口元を歪めた。
「いけないお嬢さんだな」
「私をはしたなく育てたのは、ケイムよ」
「確かに」
あっさり認めた彼は、ツンと尖った薔薇色の胸の先端を口に含む。
アリアは上顎を天井に向けて、微かに悶えた。
ケイムの手が、すっかり女性らしく成長していた腰から尻への曲線を上下する。
「お前が『セディ様』と食事に行くと聞いて、嫉妬した」
「食事にはイザベラお母様も一緒だったわ」
「相変わらず箱入り娘だな」
何重も頑丈に鍵の掛けられた箱を、このお転婆娘は何と中からこじ開けて、ケイムの前に飛び出したのだ。
「アークライトに殴られるだけじゃ済まねえな」
「怖気付いた? 」
「まさか。今更だろ」
最初はアリア一人が、今ではケイムも加わり、アリアを包んでいた箱を滅茶苦茶にぶち壊している。
「私はケイムの秘密の恋人ね」
アリアはくすくすと可愛らしく声を揺らし、その見た目とは真逆のいやらしい手つきで、合わさっていた相手の邪魔な布地のボタンを外す。
ぴんと立つケイムのものには、もう驚いたりはしない。
むしろ熱く息を掠れさせ、躊躇いなく両手で包み込むと、自分から太腿の間へと導いていく。丘を擦りながら、それは侵入口を探り当てて、ゆったりと奥へと潜る。
どろりとした熱さにアリアは身悶え、咄嗟に腰を引いた。すぐさま力強い腕に引き寄せられて、勢いをつけて深く潜る。
「あ、ああ! 」
アリアの曲げていた太腿がピンと伸びて、足の親指の先まで張る。
粘膜を弄ぶように上下に掻き回され、膨らみはぱんぱんにアリアの体内の皮膚を伸ばした。痛みと、それを上回る快感。
全神経が繋がりに集中する。
ケイムは覆い被さるアリアの姿勢を前屈みにさせ、角度を調整する。潜り込んでいたものが、アリアの敏感な部分を突いて、摩擦が強くなる。
「だ、駄目。ああ」
アリアの睫毛に涙が乗る。
貪欲に腰を振って、内部にいるケイムを堪能した。
「は、離せ。アリア」
ぎくり、とケイムが痙攣する。
「今日はつけてないんだ」
「ああ。駄目。嫌。離さないで」
「こら。アリア」
「ああ。ケイム」
官能の渦に巻かれているアリアに、ケイムの焦りは届かない。
むしろ、もう離すものかと余計に締まって肉に食い込んでくる。引き抜くことが出来ないくらいの強さだ。
「ア、アリア! 」
そんなに締め付けられたら……と、ケイムの苦悶に満ち溢れる声を遠くで聞いた気がする。
「ああ。ケイム」
彼の苦しそうな声すら愛おしい。
アリアの体内が蠕動し、さらに食んだ。
突如、体内が熱くなった。何かが弾け散る。
ケイムが忌々しそうに何やら吐き捨てた後、ぐったりとアリアの肩に顔を埋めた。不規則な荒い呼吸を吐き、あれほどアリアを抱きしめていた力が和らいでいる。
「……アリア」
「なあに? 」
アリアは未だに体内で痙攣する感触を、うっとりと味わいつつ、ふわふわしながら返事した。
「何かあれば、すぐ俺に報告しろ」
「なあに? それ? 」
「アリア」
「なあに? 」
「愛してるからな」
ふわふわするアリアは、夢の中にいた。
一番欲しかったケイムの言葉を聞いた気がして。
この上なく幸福な夢だ。
ケイムは認めた。
アリアは弾かれたように彼を凝視する。
彼にとうとう言わせた。
アリアの胸が震える。
とうとう、待ち望んだ言葉が、彼から出たのだ。
アリアの顔は物凄くケイムに近づき、顎先まで僅か数センチとなっていた。
ケイムは惑うことなくアリアの腰に手を回して引き寄せると、いよいよアリアの唇は彼の顎にくっつく。ちくちくとアリアの肌を刺す無精髭。
アリアは当然のように片手で器用にシュミーズを脱ぎ、ズロースを引き摺り下ろした。絹地がひらりと絨毯を滑っていく。
それを横目に、ケイムはニヤリと口元を歪めた。
「いけないお嬢さんだな」
「私をはしたなく育てたのは、ケイムよ」
「確かに」
あっさり認めた彼は、ツンと尖った薔薇色の胸の先端を口に含む。
アリアは上顎を天井に向けて、微かに悶えた。
ケイムの手が、すっかり女性らしく成長していた腰から尻への曲線を上下する。
「お前が『セディ様』と食事に行くと聞いて、嫉妬した」
「食事にはイザベラお母様も一緒だったわ」
「相変わらず箱入り娘だな」
何重も頑丈に鍵の掛けられた箱を、このお転婆娘は何と中からこじ開けて、ケイムの前に飛び出したのだ。
「アークライトに殴られるだけじゃ済まねえな」
「怖気付いた? 」
「まさか。今更だろ」
最初はアリア一人が、今ではケイムも加わり、アリアを包んでいた箱を滅茶苦茶にぶち壊している。
「私はケイムの秘密の恋人ね」
アリアはくすくすと可愛らしく声を揺らし、その見た目とは真逆のいやらしい手つきで、合わさっていた相手の邪魔な布地のボタンを外す。
ぴんと立つケイムのものには、もう驚いたりはしない。
むしろ熱く息を掠れさせ、躊躇いなく両手で包み込むと、自分から太腿の間へと導いていく。丘を擦りながら、それは侵入口を探り当てて、ゆったりと奥へと潜る。
どろりとした熱さにアリアは身悶え、咄嗟に腰を引いた。すぐさま力強い腕に引き寄せられて、勢いをつけて深く潜る。
「あ、ああ! 」
アリアの曲げていた太腿がピンと伸びて、足の親指の先まで張る。
粘膜を弄ぶように上下に掻き回され、膨らみはぱんぱんにアリアの体内の皮膚を伸ばした。痛みと、それを上回る快感。
全神経が繋がりに集中する。
ケイムは覆い被さるアリアの姿勢を前屈みにさせ、角度を調整する。潜り込んでいたものが、アリアの敏感な部分を突いて、摩擦が強くなる。
「だ、駄目。ああ」
アリアの睫毛に涙が乗る。
貪欲に腰を振って、内部にいるケイムを堪能した。
「は、離せ。アリア」
ぎくり、とケイムが痙攣する。
「今日はつけてないんだ」
「ああ。駄目。嫌。離さないで」
「こら。アリア」
「ああ。ケイム」
官能の渦に巻かれているアリアに、ケイムの焦りは届かない。
むしろ、もう離すものかと余計に締まって肉に食い込んでくる。引き抜くことが出来ないくらいの強さだ。
「ア、アリア! 」
そんなに締め付けられたら……と、ケイムの苦悶に満ち溢れる声を遠くで聞いた気がする。
「ああ。ケイム」
彼の苦しそうな声すら愛おしい。
アリアの体内が蠕動し、さらに食んだ。
突如、体内が熱くなった。何かが弾け散る。
ケイムが忌々しそうに何やら吐き捨てた後、ぐったりとアリアの肩に顔を埋めた。不規則な荒い呼吸を吐き、あれほどアリアを抱きしめていた力が和らいでいる。
「……アリア」
「なあに? 」
アリアは未だに体内で痙攣する感触を、うっとりと味わいつつ、ふわふわしながら返事した。
「何かあれば、すぐ俺に報告しろ」
「なあに? それ? 」
「アリア」
「なあに? 」
「愛してるからな」
ふわふわするアリアは、夢の中にいた。
一番欲しかったケイムの言葉を聞いた気がして。
この上なく幸福な夢だ。
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