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花の蜜※
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「くそっ! 俺としたことが! 何だってこんな小娘に! 」
悪態をつきながら、ケイムはズボンのボタンを外す。
「オ、オジサマ! 」
「ああ、もう。うるさい! 病気じゃないから、ご心配なく! 」
面倒臭そうに早口で喋ると、ケイムはアリアの唇を己の唇で塞いだ。
キスをされながら、アリアはエマリーヌから借りた『或る愛の軌跡』のページを頭の中で繰った。
確か、興奮した男性の変化が詳細に連なっていたはず。
その文章を思い起こし、目の前の、あくまで病気ではないと言い張るケイムの体の部分と比べてみる。
同じだ。書かれていることと同じになっている。
「オジサマ」
「何だよ」
「私に欲情してるのね? 」
ストレート過ぎるアリアに、ケイムは言葉を失う。
反論がないので、アリアは肯定と捉えた。
「私を一人前の女性として見てくれてるのね? 」
アリアは、ケイムの言い訳を封じようなんて思ってはいない。
だが、確実に彼は逃げ場を失っている。言葉に窮したまま、苦々しく顔をしかめるのみ。
「触ってみてもいい? 」
アリアは好奇心で手を伸ばしてみた。
相手の返事はない。だから、躊躇なく指で触れてみる。赤黒く膨れて、脈打っていた。握り込んでみると、指が回らない。先端から垂れた雫が、アリアの爪の先を濡らした。
「レイモンドと随分違うわ」
二歳ほどのレイモンドについていた可愛らしさとは程遠い。
「あ、当たり前だ」
やっと喋ったかと思えば、その声は低く掠れている。
「確か本では、これに舌を這わせて」
「やめろ! 」
険しく遮られてしまった。
「今はそんなこと、しなくて良いから」
無邪気なアリアの手首を掴むと、不機嫌極まりなく睨みつけるケイム。
先程から辛そうに顔をしかめるか、怒っているかの二面しか見せない。
「スカートの裾を持て」
唐突に命じられて、アリアはすぐに反応出来なかった。
「早く。臍の疼きをどうにかしたいんだろ」
言いながら、ケイム自らがペチコートごとスカートの裾を翻し、束ねた。
「もう限界が近いんだよ。さっさとしろ」
無理矢理押し付けられて、アリアは慌ててスカートの束を抱え込んだ。
「あっ……」
スカートの下にあるズロースが引き摺り下ろされ、今ではケイムにしか見せたことのない部分が晒される。
彼は性急な動きで、アリアのその皮膚の境目に指を差し入れた。緩慢とは言い難い、乱暴な指遣い。早く拓かせようとして、ぐちゃぐちゃと水音を立てた。ぬるぬるした雫が滴っていく。
「痛むか? 」
「いいえ。この間とは、全然違う」
「気持ち良いんだな」
「ええ」
アリアの吐息は途切れ、代わりに苦しさに耐えるようにきつく眉を寄せた。顎先が天井を向く。爪先が宙に浮いて、戦慄いた。
もう指だけでは物足りない。
忘れられない熱さが脳裏をちらつく。
「オジサマ。早く来て。もっと熱くて太い
あの塊が良いわ」
「なかなか淫猥なお嬢さんだな」
「早くして」
「はいはい」
笑おうとしたケイムだが、息が上がって言葉にならない。
アリアの足首を、己の肩に掛ける。
アリアの尻が軽く浮いて、さらに秘部が丸見えになる。
ケイムは彼女がずり落ちないように腰を抱くと、そのまま勢いよく引き寄せた。
「ああ! 」
彼女の中に、待ち望んだ熱さが侵入する。
それは火傷するくらいの熱を帯び、内壁を一気に擦り付けた。
アリアが逃すまいとすれば、彼女の意思通りに粘膜が食んで余計に締め付ける。ケイムの呻きに呼応して、粘膜が蠕動した。
「ケイムおじさま。あの塊……私の穴にピッタリ嵌ってるわ……」
「あ……ああ……」
「まるで……最初から……設えられたみたい……」
「ああ……体の相性はピッタリだな。今まで抱いた女より、ハマる……これは、まずい……」
「何が……まずいの……? 」
「もう他では満足出来ない……」
「私も……ケイムおじさま以外、嫌よ……」
「だから、おじさまはやめろ」
心底嫌そうな注意が飛ぶ。
「ケイム」
彼女は、前回と同じように、許された呼び名を口にしてみた。
満足そうな息が耳朶をくすぐる。
「ケイム」
「何だ」
「私を恋人にして」
アリアの内部が痙攣した。
ケイムおじさまの恋人になることが出来たら、どんなに素敵だろう。
体を重ねていることすら、未だに信じられない。
だが、これは現実。
夢が現実になれば、また新たな望みが生まれてくる。
欲望は貪欲だ。
「駄目だ。それは駄目なんだ、アリア」
辛そうにケイムが言い聞かせる。
アリアがケイムと結婚するには、数多の山を乗り越えていかなければならない。その果てしない山は、困難に他ならない。
二人が恋人となるには、障害が多過ぎた。
恋人の距離を保つには、二人の関係性からしてひっくり返さなければならないのだから。
「わかってるわ」
アリアは目を閉じる。
彼女は家族を失望させるわけにはいかない。
悪態をつきながら、ケイムはズボンのボタンを外す。
「オ、オジサマ! 」
「ああ、もう。うるさい! 病気じゃないから、ご心配なく! 」
面倒臭そうに早口で喋ると、ケイムはアリアの唇を己の唇で塞いだ。
キスをされながら、アリアはエマリーヌから借りた『或る愛の軌跡』のページを頭の中で繰った。
確か、興奮した男性の変化が詳細に連なっていたはず。
その文章を思い起こし、目の前の、あくまで病気ではないと言い張るケイムの体の部分と比べてみる。
同じだ。書かれていることと同じになっている。
「オジサマ」
「何だよ」
「私に欲情してるのね? 」
ストレート過ぎるアリアに、ケイムは言葉を失う。
反論がないので、アリアは肯定と捉えた。
「私を一人前の女性として見てくれてるのね? 」
アリアは、ケイムの言い訳を封じようなんて思ってはいない。
だが、確実に彼は逃げ場を失っている。言葉に窮したまま、苦々しく顔をしかめるのみ。
「触ってみてもいい? 」
アリアは好奇心で手を伸ばしてみた。
相手の返事はない。だから、躊躇なく指で触れてみる。赤黒く膨れて、脈打っていた。握り込んでみると、指が回らない。先端から垂れた雫が、アリアの爪の先を濡らした。
「レイモンドと随分違うわ」
二歳ほどのレイモンドについていた可愛らしさとは程遠い。
「あ、当たり前だ」
やっと喋ったかと思えば、その声は低く掠れている。
「確か本では、これに舌を這わせて」
「やめろ! 」
険しく遮られてしまった。
「今はそんなこと、しなくて良いから」
無邪気なアリアの手首を掴むと、不機嫌極まりなく睨みつけるケイム。
先程から辛そうに顔をしかめるか、怒っているかの二面しか見せない。
「スカートの裾を持て」
唐突に命じられて、アリアはすぐに反応出来なかった。
「早く。臍の疼きをどうにかしたいんだろ」
言いながら、ケイム自らがペチコートごとスカートの裾を翻し、束ねた。
「もう限界が近いんだよ。さっさとしろ」
無理矢理押し付けられて、アリアは慌ててスカートの束を抱え込んだ。
「あっ……」
スカートの下にあるズロースが引き摺り下ろされ、今ではケイムにしか見せたことのない部分が晒される。
彼は性急な動きで、アリアのその皮膚の境目に指を差し入れた。緩慢とは言い難い、乱暴な指遣い。早く拓かせようとして、ぐちゃぐちゃと水音を立てた。ぬるぬるした雫が滴っていく。
「痛むか? 」
「いいえ。この間とは、全然違う」
「気持ち良いんだな」
「ええ」
アリアの吐息は途切れ、代わりに苦しさに耐えるようにきつく眉を寄せた。顎先が天井を向く。爪先が宙に浮いて、戦慄いた。
もう指だけでは物足りない。
忘れられない熱さが脳裏をちらつく。
「オジサマ。早く来て。もっと熱くて太い
あの塊が良いわ」
「なかなか淫猥なお嬢さんだな」
「早くして」
「はいはい」
笑おうとしたケイムだが、息が上がって言葉にならない。
アリアの足首を、己の肩に掛ける。
アリアの尻が軽く浮いて、さらに秘部が丸見えになる。
ケイムは彼女がずり落ちないように腰を抱くと、そのまま勢いよく引き寄せた。
「ああ! 」
彼女の中に、待ち望んだ熱さが侵入する。
それは火傷するくらいの熱を帯び、内壁を一気に擦り付けた。
アリアが逃すまいとすれば、彼女の意思通りに粘膜が食んで余計に締め付ける。ケイムの呻きに呼応して、粘膜が蠕動した。
「ケイムおじさま。あの塊……私の穴にピッタリ嵌ってるわ……」
「あ……ああ……」
「まるで……最初から……設えられたみたい……」
「ああ……体の相性はピッタリだな。今まで抱いた女より、ハマる……これは、まずい……」
「何が……まずいの……? 」
「もう他では満足出来ない……」
「私も……ケイムおじさま以外、嫌よ……」
「だから、おじさまはやめろ」
心底嫌そうな注意が飛ぶ。
「ケイム」
彼女は、前回と同じように、許された呼び名を口にしてみた。
満足そうな息が耳朶をくすぐる。
「ケイム」
「何だ」
「私を恋人にして」
アリアの内部が痙攣した。
ケイムおじさまの恋人になることが出来たら、どんなに素敵だろう。
体を重ねていることすら、未だに信じられない。
だが、これは現実。
夢が現実になれば、また新たな望みが生まれてくる。
欲望は貪欲だ。
「駄目だ。それは駄目なんだ、アリア」
辛そうにケイムが言い聞かせる。
アリアがケイムと結婚するには、数多の山を乗り越えていかなければならない。その果てしない山は、困難に他ならない。
二人が恋人となるには、障害が多過ぎた。
恋人の距離を保つには、二人の関係性からしてひっくり返さなければならないのだから。
「わかってるわ」
アリアは目を閉じる。
彼女は家族を失望させるわけにはいかない。
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