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何でこんなことになっちゃったのかな。
ただ、むかつく先輩に、泡吹かせてやりたいって、衝動的に行動した結果だ。
後先考えない自分の性格が恨めしい。
橋本は「あーっ」「くそーっ」などと、さっきから繰り返すばかり。
二の腕で鼻から上を隠して、あくまで俺の顔を見ない気だ。
もしかして、目が覚めた?
男相手に、何やってんだ俺。とか頭が冷えた?
「いい度胸じゃん」
男相手にして、悪かったな。
そもそも、先に誘ってきたのは、あんただろ。
たちまち脳天ブチ切れで、躊躇はきれいさっぱり消し飛んだ。
薄暗かったベッドサイドの灯りの調度を最大に設定する。
たちまち、カッと目が眩んだ。
「うわ、眩しっ」
自分で設定しといて、これはないな。暗いところから急に光が爆ぜて、目が沁みるくらい痛い。
「おい、何やっとんねん」
膝の上でわたわたする俺に、橋本が隠していた顔を晒す。こいつも、不意打ちの明るさに目をやられたようだ。
「お前なあ。何で明るくするねん」
「だって。あんたの恥ずかしがってる顔、晒してやろうかと」
「そういうお前の顔も丸見えやぞ」
そうだったあ!
俺がよく見えるということは、向こうも同じ。
やばいやばい。イキ顔なんか、死んでもこいつに拝ませたくない。
慌ててスイッチに手を伸ばせば、腕を掴まれ止められる。
橋本の目は赤く充血している。
「ええから。早よ来いよ」
艶めかしい息と共に吐き出す声は、重低音で腹に響く。
まるで、呪いをかけるように、俺の脳を支配する。
「わ、わかったよ」
命じられるまま、ジェルまみれの塊を掴むと、体を上にずらして窄まりに宛てがう。
自分の体は慣らしていないが、ズルズル滑る物体のせいで、何とか拡がる。
「ふっ……うっ……」
駄目だ。まだ俺の体は準備出来ていない。
張り出した部分をうまく呑み込めず、引っかかって、先に進めない。
「色っぽい顔」
呑気に批評してるなら、少しは手伝えよ。恨めしく睨みつけると、何故か橋本は顔を引き攣らせて喉を上下させる。
「もう、無理」
いやいや、もう駄目だからと首を横に振る。先には進めないが、中途半端に入ったせいでぎちぎちに固まって抜けもしない。どうすりゃいいんだよ、これ。
「やっ!ちょっと!」
俺の苦悩をようやく理解した相手は、腰を突き上げて、一気に貫く。引っかかっていた部分が勢い任せで潜り込んだ。
「痛っ!もう、ホント、バカ!」
少しは手加減しろよ。抗議しても、相手は「あー、たまらん」とか何とかぶつぶつ呟いてて、聞く耳を持たない。
狭い道が、橋本の形通りに拡げられる。前回覚えた感覚は、今回もしっかり継承している。粘膜がうねって、侵入した異物に絡みつく。出入り口の襞が蠢いて、食んだ。
「何これ。滅茶苦茶、気持ちいい」
言葉にしてから、思考が追いつく。
体は正直だ。
騎乗位になり、前後に上半身を揺すってみる。内部が摩擦され、感触が一層生々しく伝わる。
一度腰を振れば、もう止まらない。狂ったように、上下左右前後と揺れ動く。
「おい、じっとせえって」
「無理」
止まらない。
「落ち着けって」
「無理、無理」
揺するたびに、質量が増していく。もう狭道はこれでもかと拡げられ、伸び切っている。
ギシギシとベッドは軋みっぱなし。振動で、枕元のゴムの綴りが転がり落ちる。
「あ、バカ。また付けてないじゃん」
「お前が勝手に入れたんやろ」
「だって……だって……」
急かしたのは、そっちじゃないか。
でも、もうそんなことはどうでもいい。
橋本の大きな掌に、自分の掌を重ねてみる。相手の熱は高く、火傷しそうだ。指と指の間に自分の指を入れて、繋ぐ。熱量が増した。
ひっきりなしに腰を振って、もうわけがわからない。
視界が回転する。
獣のような唸り声。
どちらのものかわからない荒い息遣い。
軋みっぱなしのベッド。
肌と肌のぶつかり合う、乾いた音。
ぐちゃぐちゃと鳴る響き。
飛び散る汗。
「あ…ああ……んん……」
自分自身から、こんな高い喘ぎが出るなんて。
あらゆる音が室内で混ざって、そのどれもが途切れない。
ふっと瞼を上げれば、見慣れない真っ白の天井。
ふかふかの枕に後頭部が沈み込む。
何だか胸が苦しくて、身じろぎしても、ちっとも動けない。
「ん……?」
鼓膜が、自分以外の微かな呼吸音を捉える。
「え?」
至近距離で、橋本が垂れた目を開いて凝視していた。
「ぎゃあ!」
思わず叫んで後退する。が、身動き取れない。
橋本の腕が俺の腰に巻き付き、がっちり固められていたからだ。
「な、ななな何?」
そうだったあ!俺、またこの人と寝ちゃったんだ!しかも、今回は素面で!
「な、何で起きてんの!」
瞬きすらせず、怖いよ。胸板を押し返そうにも、密着して自由がきかない。
「可愛い可愛い彼氏の寝顔に見惚れてたらあかんのか」
不服そうに唇を尖らせるな。それは俺の専売特許だ。
しかも、彼氏とは聞き捨てならん。いつ俺があんたの彼氏になったよ。
「肝心の言葉、まだ聞いてないのに。何が彼氏だよ」
「肝心の言葉?だから、それ、何や?」
「自分で考えろよ」
「おい、真也」
名前で呼ぶな。
やばい。眠気がまた……。
当番明けの激しい動きは、きつい。
だんだん瞼が重くなっていく。
橋本が何やらぶつぶつ呟いているが、その声も遠い彼方へ。
ゆらり、と揺らめく視界。
もう限界。
俺は瞼を閉じた。
ただ、むかつく先輩に、泡吹かせてやりたいって、衝動的に行動した結果だ。
後先考えない自分の性格が恨めしい。
橋本は「あーっ」「くそーっ」などと、さっきから繰り返すばかり。
二の腕で鼻から上を隠して、あくまで俺の顔を見ない気だ。
もしかして、目が覚めた?
男相手に、何やってんだ俺。とか頭が冷えた?
「いい度胸じゃん」
男相手にして、悪かったな。
そもそも、先に誘ってきたのは、あんただろ。
たちまち脳天ブチ切れで、躊躇はきれいさっぱり消し飛んだ。
薄暗かったベッドサイドの灯りの調度を最大に設定する。
たちまち、カッと目が眩んだ。
「うわ、眩しっ」
自分で設定しといて、これはないな。暗いところから急に光が爆ぜて、目が沁みるくらい痛い。
「おい、何やっとんねん」
膝の上でわたわたする俺に、橋本が隠していた顔を晒す。こいつも、不意打ちの明るさに目をやられたようだ。
「お前なあ。何で明るくするねん」
「だって。あんたの恥ずかしがってる顔、晒してやろうかと」
「そういうお前の顔も丸見えやぞ」
そうだったあ!
俺がよく見えるということは、向こうも同じ。
やばいやばい。イキ顔なんか、死んでもこいつに拝ませたくない。
慌ててスイッチに手を伸ばせば、腕を掴まれ止められる。
橋本の目は赤く充血している。
「ええから。早よ来いよ」
艶めかしい息と共に吐き出す声は、重低音で腹に響く。
まるで、呪いをかけるように、俺の脳を支配する。
「わ、わかったよ」
命じられるまま、ジェルまみれの塊を掴むと、体を上にずらして窄まりに宛てがう。
自分の体は慣らしていないが、ズルズル滑る物体のせいで、何とか拡がる。
「ふっ……うっ……」
駄目だ。まだ俺の体は準備出来ていない。
張り出した部分をうまく呑み込めず、引っかかって、先に進めない。
「色っぽい顔」
呑気に批評してるなら、少しは手伝えよ。恨めしく睨みつけると、何故か橋本は顔を引き攣らせて喉を上下させる。
「もう、無理」
いやいや、もう駄目だからと首を横に振る。先には進めないが、中途半端に入ったせいでぎちぎちに固まって抜けもしない。どうすりゃいいんだよ、これ。
「やっ!ちょっと!」
俺の苦悩をようやく理解した相手は、腰を突き上げて、一気に貫く。引っかかっていた部分が勢い任せで潜り込んだ。
「痛っ!もう、ホント、バカ!」
少しは手加減しろよ。抗議しても、相手は「あー、たまらん」とか何とかぶつぶつ呟いてて、聞く耳を持たない。
狭い道が、橋本の形通りに拡げられる。前回覚えた感覚は、今回もしっかり継承している。粘膜がうねって、侵入した異物に絡みつく。出入り口の襞が蠢いて、食んだ。
「何これ。滅茶苦茶、気持ちいい」
言葉にしてから、思考が追いつく。
体は正直だ。
騎乗位になり、前後に上半身を揺すってみる。内部が摩擦され、感触が一層生々しく伝わる。
一度腰を振れば、もう止まらない。狂ったように、上下左右前後と揺れ動く。
「おい、じっとせえって」
「無理」
止まらない。
「落ち着けって」
「無理、無理」
揺するたびに、質量が増していく。もう狭道はこれでもかと拡げられ、伸び切っている。
ギシギシとベッドは軋みっぱなし。振動で、枕元のゴムの綴りが転がり落ちる。
「あ、バカ。また付けてないじゃん」
「お前が勝手に入れたんやろ」
「だって……だって……」
急かしたのは、そっちじゃないか。
でも、もうそんなことはどうでもいい。
橋本の大きな掌に、自分の掌を重ねてみる。相手の熱は高く、火傷しそうだ。指と指の間に自分の指を入れて、繋ぐ。熱量が増した。
ひっきりなしに腰を振って、もうわけがわからない。
視界が回転する。
獣のような唸り声。
どちらのものかわからない荒い息遣い。
軋みっぱなしのベッド。
肌と肌のぶつかり合う、乾いた音。
ぐちゃぐちゃと鳴る響き。
飛び散る汗。
「あ…ああ……んん……」
自分自身から、こんな高い喘ぎが出るなんて。
あらゆる音が室内で混ざって、そのどれもが途切れない。
ふっと瞼を上げれば、見慣れない真っ白の天井。
ふかふかの枕に後頭部が沈み込む。
何だか胸が苦しくて、身じろぎしても、ちっとも動けない。
「ん……?」
鼓膜が、自分以外の微かな呼吸音を捉える。
「え?」
至近距離で、橋本が垂れた目を開いて凝視していた。
「ぎゃあ!」
思わず叫んで後退する。が、身動き取れない。
橋本の腕が俺の腰に巻き付き、がっちり固められていたからだ。
「な、ななな何?」
そうだったあ!俺、またこの人と寝ちゃったんだ!しかも、今回は素面で!
「な、何で起きてんの!」
瞬きすらせず、怖いよ。胸板を押し返そうにも、密着して自由がきかない。
「可愛い可愛い彼氏の寝顔に見惚れてたらあかんのか」
不服そうに唇を尖らせるな。それは俺の専売特許だ。
しかも、彼氏とは聞き捨てならん。いつ俺があんたの彼氏になったよ。
「肝心の言葉、まだ聞いてないのに。何が彼氏だよ」
「肝心の言葉?だから、それ、何や?」
「自分で考えろよ」
「おい、真也」
名前で呼ぶな。
やばい。眠気がまた……。
当番明けの激しい動きは、きつい。
だんだん瞼が重くなっていく。
橋本が何やらぶつぶつ呟いているが、その声も遠い彼方へ。
ゆらり、と揺らめく視界。
もう限界。
俺は瞼を閉じた。
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