【完結】華麗なるマチルダの密約

晴 菜葉

文字の大きさ
上 下
83 / 114

籠の鳥3※

しおりを挟む
「ふっ……くうっ……」
 爪先を立てて尻を浮かせると、彼の先端が裂け目にくるよう調整し、ゆっくりと腰を落としていく。皮膚に硬い先が当たる。支えがないからバランスを保てない。うっかり重心を落としてしまったら、内臓破裂が待っている。
「私の肩に手を置いて、体を支えろ。それから、もっと腰を落とせ」
「命令しないで。今、集中してるんだから」
「まだ傘も飲み込んでないぞ」
「黙ってて……うう」
 慎重にしているのに、ロイに急かされ、いらつく。
 マチルダの手に彼の手が重なり、指が絡む。
 マチルダは彼の手に全体重を重ね、沈み込もうとした。
 やっと張り出した先端が潜る。
 ギチギチと内壁が突然の侵入者に戸惑い、締め付け、それからの足止めを食らわせる。押しても引いてもびくともしない。完全に引っ掛かってしまった。
「や……やっぱり……無理だわ……」
 泣きごとを口にするマチルダ。
「そ、そもそも……全然……慣らしてない……じゃない……」
「あ、ああ。早く君の中に入りたくて」
 いつもなら、ぐちゃぐちゃに指やら舌やらでかき混ぜ、分泌液を溢れさせるのに。そうしたら、たぶんまだ滑りはマシだったはず。端折った結果に、マチルダは恨めしくロイを睨んだ。
「こ、これ以上は……」
「一旦、抜くか? 」
「駄目……せっかくあと少しなのに……」
「どうしたいんだ? 」
「す、少しは……協力して……」
 今、彼を抜いたら苦労して押し込んだことが水泡に帰す。
 マチルダの決意に、ロイは息も切れ切れに頷いた。
 狭道に滞り、締め付けられっぱなしの彼も、限界寸前だった。
「承知した」
 マチルダから許しを得た彼は、待ちかねたかのごとく腰を突き上げた。


「あああああ! 」


 引っ掛かっていたものが内壁を突き破り、狭かった道を一気に拡げる。もうこれ以上拡がらないはずの膣内は、簡単に彼のもの通りに形を成した。皮膚が引き攣れ、限界以上で今にも破れそう。
「あ、あああ! 」
「こら! 暴れるな」
「あああ! 駄目、駄目! 」
「静かにしろ。君のご両親に筒抜けになるぞ」
「だって! だって! 」
「マチルダ」
 ただでさえ彼の質量を感じていると言うのに、上下に擦って、さらに存在感を示す。
 特に敏感な内側の部分が硬くて浮き立つ筋で擦られて、マチルダの理性は吹き飛んだ。
「じっとしろ」
「無理! 」
「マチルダ! 」
「無理なの! 」
「くそっ! 」
 内壁がさらに膨張し、もうこれ以上は無理だと言うくらいにギチギチと軋んだ。
 と、急に力が抜けていく。
 先程よりも幾らか締め付けが和らいだ。
 じわりと、膣内が熱くなる。
 繋がった微かな隙間から、白く泡立ったものが染み出してきて、マチルダを通してロイの臍まで濡らした。
 ロイは悔しそうに奥歯を噛む。
「まだ始まったばかりだからな。ラムズ家の名にかけて、朝まで犯し続けてやる! 」
 彼はその宣言通りに空が白々とするまでマチルダを腹に乗せて、一晩中獣の唸り声を上げた。








しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

だってお義姉様が

砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。 ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると…… 他サイトでも掲載中。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

処理中です...