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疾雷3※
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リリアーナはザカリスが恍惚を堪能している隙に、素早い動作で彼の太腿に跨った。
ロナルド男爵メイジャー家の男は代々迂闊だから、主導権さえ握ればこっちのものよ……ユリアンの悪戯を仕掛けるのが楽しくて仕方ないと言わんばかりの弾んだ声が、耳の奥でこだまする。
リリアーナは忠実にそれに従った。
ザカリスに乗り上げたその次は、シャツのボタンを次々に外していく。
現れた逞しさに、息を呑んだ。
ザカリスはブライス伯爵の影響を受けて、柔術を習っている。鍛え抜かれた体躯は、神話に登場する男神を想起させた。
その見事な体は、リリアーナの中にある「雌」の本能を呼び覚ました。
彼女は、吐き出してもなお衰えない彼のものを根元から握ると、すでに彼を知る己の体内へと導こうとした。
「駄目だ」
掠れた声がそれを静止する。
「今更ですか? 」
リリアーナの眉がいらいらと右上がりとなる。
「違う。まだ馴らせていない。このままでは、お前を傷つけてしまう」
「そんなの構わないわ。私は一刻も早くザカリス様と繋がりたいの」
雨が上がれば、彼と深い場所で繋がり合う夢が終わってしまう。リリアーナは焦った。
「雨はまだまだ止まない。まだ、時間は大いにある」
リリアーナの焦燥を見抜いたザカリスは、落ち着かせるために一語一語をハッキリ発音して言い聞かせた。
「あっ! 」
リリアーナの顎先が天井を向く。
ザカリスが体を起こしたかと思えば、リリアーナは組み敷かれていた。
「あっ! ああ! 」
湯浴みのメイドにさせ触らせたことのない場所へ、ザカリスが舌先を這わせた。
「だ、駄目! そんな場所を! 」
突然のことにリリアーナは我に返って逃げようと身じろぎしたが、腰を掴まれ阻止される。
そればかりか、彼の舌はリリアーナの敏感な突起をべろりと舐めた。
びくり、と体が跳ねる。
「や、やだ! ああ! 」
リリアーナは拒否しているのに、ザカリスは止めるどころか、口をピッタリつけて吸い上げる。
びりびりとした神経の痺れが全身へと行き渡った。
執拗に吸われ、蜜壺から溢れる透明の液体が太腿の内側を滑っていく。
ザカリスの責めにより、吸われた箇所がぷっくらと膨れ、剥き出しとなった。
「あ、ああん! ザカリス様あ! 」
リリアーナは、果たしてこれが自分から発せられたのだろうかと疑うくらいに甘ったるい舌足らずさで、彼の名を口にした。
脳が冷静な部分と興奮する部分で半分に分かれる。
「あ、あああん! 」
その冷静な部分が急速に失われていく。
ぴちゃぴちゃとわざと卑猥な音を立てられていることも、リリアーナに影響を及ぼした。彼女の秘部はもうすっかり濡れそぼり、ひんやりした床へ熱いぬめりが溜まって円を作った。
「も、もう、やめて! ああ! 」
このままでは理性が飛んでしまう。
一際強く吸われるたびに、リリアーナの体は痙攣し、魚のように跳ね上がった。
「リリアーナ。可愛い、可愛いリリアーナ。俺のものだ。誰にもやらない」
まるで呪文をかけるように独白を繰り返すザカリス。
彼の低めの呟きが、リリアーナの耳奥までもを刺激させた。
「わ、私はザカリス様のものよ」
リリアーナは喘いだ。
「ザカリス様だけよ」
腰がガクガク揺れる。主導権だとか、そんなのはもうどうでも良い。ビクビクと収斂する。求めているのは、ただ一つ。
リリアーナの未熟だった果実はすっかり熟した。
ロナルド男爵メイジャー家の男は代々迂闊だから、主導権さえ握ればこっちのものよ……ユリアンの悪戯を仕掛けるのが楽しくて仕方ないと言わんばかりの弾んだ声が、耳の奥でこだまする。
リリアーナは忠実にそれに従った。
ザカリスに乗り上げたその次は、シャツのボタンを次々に外していく。
現れた逞しさに、息を呑んだ。
ザカリスはブライス伯爵の影響を受けて、柔術を習っている。鍛え抜かれた体躯は、神話に登場する男神を想起させた。
その見事な体は、リリアーナの中にある「雌」の本能を呼び覚ました。
彼女は、吐き出してもなお衰えない彼のものを根元から握ると、すでに彼を知る己の体内へと導こうとした。
「駄目だ」
掠れた声がそれを静止する。
「今更ですか? 」
リリアーナの眉がいらいらと右上がりとなる。
「違う。まだ馴らせていない。このままでは、お前を傷つけてしまう」
「そんなの構わないわ。私は一刻も早くザカリス様と繋がりたいの」
雨が上がれば、彼と深い場所で繋がり合う夢が終わってしまう。リリアーナは焦った。
「雨はまだまだ止まない。まだ、時間は大いにある」
リリアーナの焦燥を見抜いたザカリスは、落ち着かせるために一語一語をハッキリ発音して言い聞かせた。
「あっ! 」
リリアーナの顎先が天井を向く。
ザカリスが体を起こしたかと思えば、リリアーナは組み敷かれていた。
「あっ! ああ! 」
湯浴みのメイドにさせ触らせたことのない場所へ、ザカリスが舌先を這わせた。
「だ、駄目! そんな場所を! 」
突然のことにリリアーナは我に返って逃げようと身じろぎしたが、腰を掴まれ阻止される。
そればかりか、彼の舌はリリアーナの敏感な突起をべろりと舐めた。
びくり、と体が跳ねる。
「や、やだ! ああ! 」
リリアーナは拒否しているのに、ザカリスは止めるどころか、口をピッタリつけて吸い上げる。
びりびりとした神経の痺れが全身へと行き渡った。
執拗に吸われ、蜜壺から溢れる透明の液体が太腿の内側を滑っていく。
ザカリスの責めにより、吸われた箇所がぷっくらと膨れ、剥き出しとなった。
「あ、ああん! ザカリス様あ! 」
リリアーナは、果たしてこれが自分から発せられたのだろうかと疑うくらいに甘ったるい舌足らずさで、彼の名を口にした。
脳が冷静な部分と興奮する部分で半分に分かれる。
「あ、あああん! 」
その冷静な部分が急速に失われていく。
ぴちゃぴちゃとわざと卑猥な音を立てられていることも、リリアーナに影響を及ぼした。彼女の秘部はもうすっかり濡れそぼり、ひんやりした床へ熱いぬめりが溜まって円を作った。
「も、もう、やめて! ああ! 」
このままでは理性が飛んでしまう。
一際強く吸われるたびに、リリアーナの体は痙攣し、魚のように跳ね上がった。
「リリアーナ。可愛い、可愛いリリアーナ。俺のものだ。誰にもやらない」
まるで呪文をかけるように独白を繰り返すザカリス。
彼の低めの呟きが、リリアーナの耳奥までもを刺激させた。
「わ、私はザカリス様のものよ」
リリアーナは喘いだ。
「ザカリス様だけよ」
腰がガクガク揺れる。主導権だとか、そんなのはもうどうでも良い。ビクビクと収斂する。求めているのは、ただ一つ。
リリアーナの未熟だった果実はすっかり熟した。
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