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第四章
鍛冶屋結婚2
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鍛冶屋はサムソンと言う男で、禿げ上がった頭とは対照的に濃い顎髭を口の周りに蓄えた太った男だった。一見するとムスッとした、いかにも職人気質な風貌だ。
サムソンの翠緑の丸い目でギョロリと凝視されたアメリアは、思わずエデュアルトの影に隠れる。
「ここで式は挙げたいのだが」
エデュアルトが尋ねると、サムソンは急に愛想良く口元をニンマリと歪めた。
「ああ。さあ、中へ」
猫撫で声をあげて招き入れた先には、サムソンと同じように、ぽっちゃりした姉妹がいた。姉妹はニコニコ愛想が良いものの、王子様のように整った容貌のエデュアルトに、ぽうっと見惚れている。
「あんた方、どちらからおいでだね? 」
「王都だ」
「王都から? それは、それは。遥々と」
「ほぼ休みなしで来たんだ。急いでもらいたい」
「えらく情熱的だな、あんた」
「そのようなものではない」
サムソンは、早く結婚したい旨を伝えるエデュアルトを冷かした。
エデュアルトがすかさずムッと反論したが、どうやら照れ隠しと受け取られた。
「あんた、なかなかの果報者だな。こんな別嬪な嫁さんをもらえて」
サムソンは不躾なほどジロジロとアメリアへの視線を行き来する。
「俺があと二十年若けりゃ、間違いなく掻っ攫っただろうよ」
「誘拐結婚は犯罪だ。仮にも神の前で堂々と罪を犯すようなことを口走るな」
現在、女性を誘拐して無理矢理結婚させる犯罪が問題視されている。結婚証明書が発行されれば、ほぼ覆すことは出来ない。裁判に莫大な金と時間、労力を要するからだ。
誘拐結婚された女は男に暴力を振るわれ、支配され、強制的に子供を孕まされ、逃げる手段を奪われる。
そのような下衆の発言に、同じ下衆であろうと女性に対する犯罪を良しとしないエデュアルトは機嫌を損ねた。
「何だよ。ただの例え話じゃねえか」
軽口を咎められたサムソンは、口を尖らせる。
「そもそも愛など、くだらない」
エデュアルトは、ハッと鼻を鳴らした。
姉妹はギョッとして互いに目を見合わせた。
「我々にはそのようなものはない。あくまで便宜上のものだ」
「気に食わねえ野郎だな」
サムソンは鼻白んだ。
アメリアが今にも泣き出してしまいそうに目を伏せたことを、ばっちり見られてしまった。
「お前の気がどうだろうと、さっさと式を挙げたい」
「わかった、わかった。それじゃあ、うちの娘らを証人にするかい? 」
「ああ。頼む」
「指輪は? 」
「急いでいたんでな。持ち合わせていない」
サムソンは、「やっぱりな」という顔をした。
「わしは鍛冶屋だが、最近は専ら鉄ではなく貴金属を扱っているんだ。しかも、センスは村一番、抜群に良いと評判だ」
エデュアルトは「だから、どうした」という顔をする。
彼にとって貴金属とは、女性を口説く以外には使われない。
アメリアは上目遣いに彼を見た。
たとえ形だけであろうと、彼との繋がりが欲しい。愛のない結婚だろうと、エデュアルトが夫であるという形が。
アメリアに無言でせがまれたエデュアルトは、ムッツリと顔をしかめたものの、否定は口にはしなかった。
「さっさと選んでくれ」
ぞんざいなエデュアルトの言い方に、サムソンは同情するようにアメリアを見やった。
「お嬢さん。良く考えな。誓いは決して破ることが出来ないんだよ。あんた、まだ若いんだ。これから」
「さっさとしてくれ」
サムソンの言葉をエデュアルトはいらいらと遮る。
サムソンはやるせなさそうに首を横に振ってから、テーブルの上に大切そうに五、六個の箱を並べた。
全て純度の高い金が使われており、サムソンが自画自賛する通り、王都の宝石商が扱っていてもおかしくない洗練されたデザインだ。
「まあ。素敵」
気が沈んでいたアメリアの顔にパッと赤みが差す。
色々なサイズ、デザインで、彫り物が見事だ。
「こちらは薔薇。こちらはクローバーで、蔓の細工が見事だろう? それから、こっちは太陽をモチーフにしているんだよ」
「クローバーか。うちの紋章だな」
エデュアルトが呟く。
アメリアはクローバーを手に取ってみると、そっと薬指に嵌めてみた。
まるでアメリアを求めていたかのように、その指輪はするりと嵌り、サイズピッタリだ。
「それにするか? 」
「ええ」
エデュアルトの声は事務的なものだったが、アメリアは頬を染めて頷いた。
「こんなもの、形だけで無意味だがな」
彼の余計な一言に、微笑ましいその場は一気に急降下した。
「汝を私の妻とします」
台本通りの台詞だとしても、それがエデュアルトの口から発せられているかと思うと、頭がくらくらして今にも気絶しそうだ。
アメリアとエデュアルトの手首には、誓いの白いリボンが固く結ばれている。
薬指には、互いに揃いの指輪。
奇妙なことに、アメリアだけでなく、エデュアルトもサイズがピッタリだった。
「泣いているのか? 」
エデュアルトがチラリと視線を寄越してきた。抑揚のない声で尋ねてくる。
「ごめんなさい」
「何で謝るんだ? 」
「あなたを脅して結婚したから」
「お前への怒りは消えない」
エデュアルトは憮然としてはいたが、以前に比べて怒りはみられず、むしろ諦めにも似たような弱々しいものだった。
「だが、足掻いたところでもう戻らない。俺達が夫婦になったのは紛れもない事実だからな」
彼は神の前でついに悪足掻きをやめ、事実を受け入れた。
結んでしまった誓いは破れない。
「改めて言っておくが、俺は良き夫、良き父親が何であるか知らない。だからお前は俺なんかに期待するなよ」
「……期待なんてしないわ」
このような状況になることは、予測出来たはず。
勢い任せでそれを望んだのは、幼稚なアメリアだ。
これからアメリアは、夫という立場は手に入れても、決して心が手に入らない、大好きな人に振り向いてもらえない、辛くて長い地獄の苦しみが始まるのだ。
「では、お代を頂戴する」
サムソンは恭しい神父の顔から、いきなり商売人の世知辛さへと戻った。
「紙幣八十五枚。銅貨三枚」
淡々としたサムソンを、エデュアルトはギロリと睨みつけた。
サムソンは、内訳をつらつらと口にした。
「指輪が五十」
「宝石もない指輪にか? 」
「純度の高い金を使っている。それにデザイン料」
サムソンの説明に、エデュアルトはさらに目を眇めた。
「式に、店の使用料、結婚証明書、それから証人二人分、それからリボン」
「こんな薄い端切れにか? 」
「神聖なものだ。床入りを済ますまで、ほどいちゃいけねえよ。でないと、悪運がついちまうよ」
エデュアルトはいらいらしつつ、アメリアに旅の疲れが覗いていたので、渋々と懐から札束と銅貨を取り出した。リボンのせいで左手しか動かせないことが、余計に彼を苛立たせていた。
「お二人に幸福を」
姉妹がニコニコと再び式での祝いの歌をうたう。
アメリアはそれに浸ろうとしたが、エデュアルトはぞんざいに彼女らを振り切りドアに向かった。
サムソンの翠緑の丸い目でギョロリと凝視されたアメリアは、思わずエデュアルトの影に隠れる。
「ここで式は挙げたいのだが」
エデュアルトが尋ねると、サムソンは急に愛想良く口元をニンマリと歪めた。
「ああ。さあ、中へ」
猫撫で声をあげて招き入れた先には、サムソンと同じように、ぽっちゃりした姉妹がいた。姉妹はニコニコ愛想が良いものの、王子様のように整った容貌のエデュアルトに、ぽうっと見惚れている。
「あんた方、どちらからおいでだね? 」
「王都だ」
「王都から? それは、それは。遥々と」
「ほぼ休みなしで来たんだ。急いでもらいたい」
「えらく情熱的だな、あんた」
「そのようなものではない」
サムソンは、早く結婚したい旨を伝えるエデュアルトを冷かした。
エデュアルトがすかさずムッと反論したが、どうやら照れ隠しと受け取られた。
「あんた、なかなかの果報者だな。こんな別嬪な嫁さんをもらえて」
サムソンは不躾なほどジロジロとアメリアへの視線を行き来する。
「俺があと二十年若けりゃ、間違いなく掻っ攫っただろうよ」
「誘拐結婚は犯罪だ。仮にも神の前で堂々と罪を犯すようなことを口走るな」
現在、女性を誘拐して無理矢理結婚させる犯罪が問題視されている。結婚証明書が発行されれば、ほぼ覆すことは出来ない。裁判に莫大な金と時間、労力を要するからだ。
誘拐結婚された女は男に暴力を振るわれ、支配され、強制的に子供を孕まされ、逃げる手段を奪われる。
そのような下衆の発言に、同じ下衆であろうと女性に対する犯罪を良しとしないエデュアルトは機嫌を損ねた。
「何だよ。ただの例え話じゃねえか」
軽口を咎められたサムソンは、口を尖らせる。
「そもそも愛など、くだらない」
エデュアルトは、ハッと鼻を鳴らした。
姉妹はギョッとして互いに目を見合わせた。
「我々にはそのようなものはない。あくまで便宜上のものだ」
「気に食わねえ野郎だな」
サムソンは鼻白んだ。
アメリアが今にも泣き出してしまいそうに目を伏せたことを、ばっちり見られてしまった。
「お前の気がどうだろうと、さっさと式を挙げたい」
「わかった、わかった。それじゃあ、うちの娘らを証人にするかい? 」
「ああ。頼む」
「指輪は? 」
「急いでいたんでな。持ち合わせていない」
サムソンは、「やっぱりな」という顔をした。
「わしは鍛冶屋だが、最近は専ら鉄ではなく貴金属を扱っているんだ。しかも、センスは村一番、抜群に良いと評判だ」
エデュアルトは「だから、どうした」という顔をする。
彼にとって貴金属とは、女性を口説く以外には使われない。
アメリアは上目遣いに彼を見た。
たとえ形だけであろうと、彼との繋がりが欲しい。愛のない結婚だろうと、エデュアルトが夫であるという形が。
アメリアに無言でせがまれたエデュアルトは、ムッツリと顔をしかめたものの、否定は口にはしなかった。
「さっさと選んでくれ」
ぞんざいなエデュアルトの言い方に、サムソンは同情するようにアメリアを見やった。
「お嬢さん。良く考えな。誓いは決して破ることが出来ないんだよ。あんた、まだ若いんだ。これから」
「さっさとしてくれ」
サムソンの言葉をエデュアルトはいらいらと遮る。
サムソンはやるせなさそうに首を横に振ってから、テーブルの上に大切そうに五、六個の箱を並べた。
全て純度の高い金が使われており、サムソンが自画自賛する通り、王都の宝石商が扱っていてもおかしくない洗練されたデザインだ。
「まあ。素敵」
気が沈んでいたアメリアの顔にパッと赤みが差す。
色々なサイズ、デザインで、彫り物が見事だ。
「こちらは薔薇。こちらはクローバーで、蔓の細工が見事だろう? それから、こっちは太陽をモチーフにしているんだよ」
「クローバーか。うちの紋章だな」
エデュアルトが呟く。
アメリアはクローバーを手に取ってみると、そっと薬指に嵌めてみた。
まるでアメリアを求めていたかのように、その指輪はするりと嵌り、サイズピッタリだ。
「それにするか? 」
「ええ」
エデュアルトの声は事務的なものだったが、アメリアは頬を染めて頷いた。
「こんなもの、形だけで無意味だがな」
彼の余計な一言に、微笑ましいその場は一気に急降下した。
「汝を私の妻とします」
台本通りの台詞だとしても、それがエデュアルトの口から発せられているかと思うと、頭がくらくらして今にも気絶しそうだ。
アメリアとエデュアルトの手首には、誓いの白いリボンが固く結ばれている。
薬指には、互いに揃いの指輪。
奇妙なことに、アメリアだけでなく、エデュアルトもサイズがピッタリだった。
「泣いているのか? 」
エデュアルトがチラリと視線を寄越してきた。抑揚のない声で尋ねてくる。
「ごめんなさい」
「何で謝るんだ? 」
「あなたを脅して結婚したから」
「お前への怒りは消えない」
エデュアルトは憮然としてはいたが、以前に比べて怒りはみられず、むしろ諦めにも似たような弱々しいものだった。
「だが、足掻いたところでもう戻らない。俺達が夫婦になったのは紛れもない事実だからな」
彼は神の前でついに悪足掻きをやめ、事実を受け入れた。
結んでしまった誓いは破れない。
「改めて言っておくが、俺は良き夫、良き父親が何であるか知らない。だからお前は俺なんかに期待するなよ」
「……期待なんてしないわ」
このような状況になることは、予測出来たはず。
勢い任せでそれを望んだのは、幼稚なアメリアだ。
これからアメリアは、夫という立場は手に入れても、決して心が手に入らない、大好きな人に振り向いてもらえない、辛くて長い地獄の苦しみが始まるのだ。
「では、お代を頂戴する」
サムソンは恭しい神父の顔から、いきなり商売人の世知辛さへと戻った。
「紙幣八十五枚。銅貨三枚」
淡々としたサムソンを、エデュアルトはギロリと睨みつけた。
サムソンは、内訳をつらつらと口にした。
「指輪が五十」
「宝石もない指輪にか? 」
「純度の高い金を使っている。それにデザイン料」
サムソンの説明に、エデュアルトはさらに目を眇めた。
「式に、店の使用料、結婚証明書、それから証人二人分、それからリボン」
「こんな薄い端切れにか? 」
「神聖なものだ。床入りを済ますまで、ほどいちゃいけねえよ。でないと、悪運がついちまうよ」
エデュアルトはいらいらしつつ、アメリアに旅の疲れが覗いていたので、渋々と懐から札束と銅貨を取り出した。リボンのせいで左手しか動かせないことが、余計に彼を苛立たせていた。
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姉妹がニコニコと再び式での祝いの歌をうたう。
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