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第二章
荒ぶる王子様
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「アメリア! 」
いきなり応接室のドアが外から蹴り上げられて、蝶番が勢いつけて吹っ飛んだ。
ハアハアと肩をいからせたエデュアルトが、ソファでアメリアに馬乗りになっている給仕を見て、いっぺんに状況を把握したらしい。
アメリアの剥き出しの乳房に、たちまちエデュアルトが憤怒する。
「よくも! アメリアに! 」
ずかずかと大股でソファまで来ると、アメリアに圧し掛かっていた男の襟首を掴んで引き剥がす。その勢いのまま、床に叩きつけた。
ドン、と室内に響き渡り、弾みで棚がびりびりと振動する。
横倒しになり思い切り体を床に打ちつけられた男は、呻いたきりなかなか起き上がらずにいる。
エデュアルトはその襟元を掴むや、頬に拳を打ち込んだ。
「ぐあっ! 」
骨を砕かんばかりの鈍い音。
男は仰向けに倒れ、ぴくりとも動かない。
これほどまでに荒ぶるエデュアルトは、見たことがない。
アメリアの知る彼は、いつも飄々としていて、他人に対してある程度の線引きをしている。誰かにのめり込むことがない代わりに、怒りもしない。さっさと見切りをつける。来る者拒まず、去る者追わず。まさにエデュアルトのためにある言葉だ。
そんな彼が今は轟々と炎を滾らせ、悪魔のごとく顔を歪めている。
「二度と使い物にならないくらい、潰してやるからな」
エデュアルトの怒りは治らず、右足を浮かせたかと思うと男の股間に向けて息つく間もなく下ろす。
「ぐああああ」
断末魔が上がった。
「よくもアメリアを傷物にしてくれたな! 」
アメリアは慌ててエデュアルトの背中にしがみついて止めた。
「お兄様! わ、私はまだ大丈夫です! 」
「何だと? 」
「み、未遂だから」
給仕の顔からは血の気が失せている。かろうじて呼吸しているから、命までは奪っていないのがせめてもの救いだ。
「しかし、アメリアの胸を揉んだのは確かだ」
アメリアははだけたドレスを直しながら、その場に蹲る。襲われた怖さよりも、エデュアルトにばっちり見られた乳房が恥ずかしくてたまらない。
「完全に使い物にならなかっただけ、ありがたく思え」
股間を押さえて悶絶する男を、ゾッとする目で見下ろすエデュアルト。
「帰るぞ、アメリア」
ぞくり、と背筋に震えが走る声に、アメリアはこくこくと頷くしかなかった。
「この馬鹿者! 」
馬車に乗り込んだ途端、怒鳴り声が鼓膜をつんざいた。
アメリアの尻が三センチは浮いた。
「何故、易々とあんな男について行ったんだ! 」
ブランシェット子爵が所有する馬車は、メローズ伯爵家の紋章であるラナンキュラスが刻印されている。それはエデュアルトがメローズ伯の正当な後継者を意味していた。
茶色の漆塗りの立派な二頭立ての馬車は、格調高く、乗り心地は抜群だ。内装からして、ヴィンセント所有の馬車とは違う。深緑色のベルベット地の座面はふかふかしており、備え付けのクッションの羽毛は最高級だ。二人並んでも充分に広さのある客車。
それでも大柄なエデュアルトを前にすると、何だか窮屈だ。
アメリアは息苦しくなりながら、途切れ途切れに答えた。
「カ、カクテルが」
「カクテル? 」
「もう大人だから。カクテルが飲みたくて」
「そんな理由でか? 」
エデュアルトは不快に眉を吊り上げた。
アメリアの息はどんどん上がっていく。
まるで鉛玉を喉に詰め込まれたように、息が出来ない。体中の血液が煮込まれてしまったと思えるくらい、熱くて熱くて堪らない。
ドレスの襟首やうなじ、脇がじっとりと汗ばんで、生地が素肌に張り付く。
「エデュアルトお兄様……もう、駄目……」
とうとうアメリアは弱音を口にした。
「酔ったのか? どのくらい飲んだ? 」
さすがのエデュアルトも、アメリアの異常に一旦怒りを引っ込める。
「び、媚薬を……」
「媚薬だと? 」
「貴族がセックスするときに使ってるって」
エデュアルトの頬がぴくりと痙攣した。
彼の中で、給仕に対する怒りが再燃している。
「どのくらい飲んだ? 」
「ひ、一口。い、いえ。二、三口。たぶん」
「それなら、効果が切れるのは一時間弱というところか」
遊び人のエデュアルトだから、そういった類いには精通している。顎を押さえながら、おおよその持続を予測する。
「一時間くらい、我慢しろ」
アメリアは涙目になって首を横に振った。
「だ、駄目。歩けない」
「じきに屋敷だ」
「し、下着が濡れて」
淑女たるもの、おおっぴらに殿方にそのようなことを口に出すべきではない。
しかしアメリアの体は異常を来していた。精神まで侵食されるほどに。
失禁とは違う粘液が太腿の間からダラダラと垂れ落ち、お尻までぐっしょりだ。このような状態で帰れば、使用人はアメリアが粗相したときっと誤解する。それだけは避けたい。
何より下腹部に血液がバンバンと打ちつけられるかのように騒がしく疼いて、立ち上がることすら無理だ。
「男娼を雇ってやる。そこで、どうにかしろ」
「知らない人は嫌」
「我儘言うな」
「エデュアルトお兄様しか嫌」
アメリアの理性は媚薬により破壊されていた。
「アメリア? 」
いつもなら絶対に言わない台詞。
エデュアルトは訝しげに眉を寄せた。
「エデュアルトお兄様しか嫌なの」
アメリアは心の奥底に隠し持っていた言葉をあっさりと引き出した。
「正気か? 」
「頭がおかしくなってるわ」
「だろうな」
いつものアメリアなら、天敵を見るような目つきをエデュアルトに向ける。
決して甘く潤んだ眼差しなどではない。
おまけにマーリンに施された魔法によって、この上ない極上の美人に変化していた。
エデュアルトは困惑して目を泳がせる。
相手がアメリアではなければ、すぐさま進路を変更し、宿に直行しているところだが。
相手は昔から知る「妹」だ。
エデュアルトにも越えてはならない線引きくらいはわかる。
「駄目だ、アメリア」
血を吐くような苦悶でエデュアルトは断る。
「お願い。エデュアルトお兄様しか、嫌なの」
アメリアのふっくらしたピンク色の唇から、甘く切ない吐息が零れた。
「うう……」
女と別れたばかりで、現在、性欲の行き先がないことも一因だった。
エデュアルトは奥歯を噛んだ。
「エデュアルトお兄様」
アメリアの潤んだ目がとどめをさした。
「俺はヴィンセントに殺されるだろうな」
エデュアルトはアメリアの手のひらに己の手を重ねた。
いきなり応接室のドアが外から蹴り上げられて、蝶番が勢いつけて吹っ飛んだ。
ハアハアと肩をいからせたエデュアルトが、ソファでアメリアに馬乗りになっている給仕を見て、いっぺんに状況を把握したらしい。
アメリアの剥き出しの乳房に、たちまちエデュアルトが憤怒する。
「よくも! アメリアに! 」
ずかずかと大股でソファまで来ると、アメリアに圧し掛かっていた男の襟首を掴んで引き剥がす。その勢いのまま、床に叩きつけた。
ドン、と室内に響き渡り、弾みで棚がびりびりと振動する。
横倒しになり思い切り体を床に打ちつけられた男は、呻いたきりなかなか起き上がらずにいる。
エデュアルトはその襟元を掴むや、頬に拳を打ち込んだ。
「ぐあっ! 」
骨を砕かんばかりの鈍い音。
男は仰向けに倒れ、ぴくりとも動かない。
これほどまでに荒ぶるエデュアルトは、見たことがない。
アメリアの知る彼は、いつも飄々としていて、他人に対してある程度の線引きをしている。誰かにのめり込むことがない代わりに、怒りもしない。さっさと見切りをつける。来る者拒まず、去る者追わず。まさにエデュアルトのためにある言葉だ。
そんな彼が今は轟々と炎を滾らせ、悪魔のごとく顔を歪めている。
「二度と使い物にならないくらい、潰してやるからな」
エデュアルトの怒りは治らず、右足を浮かせたかと思うと男の股間に向けて息つく間もなく下ろす。
「ぐああああ」
断末魔が上がった。
「よくもアメリアを傷物にしてくれたな! 」
アメリアは慌ててエデュアルトの背中にしがみついて止めた。
「お兄様! わ、私はまだ大丈夫です! 」
「何だと? 」
「み、未遂だから」
給仕の顔からは血の気が失せている。かろうじて呼吸しているから、命までは奪っていないのがせめてもの救いだ。
「しかし、アメリアの胸を揉んだのは確かだ」
アメリアははだけたドレスを直しながら、その場に蹲る。襲われた怖さよりも、エデュアルトにばっちり見られた乳房が恥ずかしくてたまらない。
「完全に使い物にならなかっただけ、ありがたく思え」
股間を押さえて悶絶する男を、ゾッとする目で見下ろすエデュアルト。
「帰るぞ、アメリア」
ぞくり、と背筋に震えが走る声に、アメリアはこくこくと頷くしかなかった。
「この馬鹿者! 」
馬車に乗り込んだ途端、怒鳴り声が鼓膜をつんざいた。
アメリアの尻が三センチは浮いた。
「何故、易々とあんな男について行ったんだ! 」
ブランシェット子爵が所有する馬車は、メローズ伯爵家の紋章であるラナンキュラスが刻印されている。それはエデュアルトがメローズ伯の正当な後継者を意味していた。
茶色の漆塗りの立派な二頭立ての馬車は、格調高く、乗り心地は抜群だ。内装からして、ヴィンセント所有の馬車とは違う。深緑色のベルベット地の座面はふかふかしており、備え付けのクッションの羽毛は最高級だ。二人並んでも充分に広さのある客車。
それでも大柄なエデュアルトを前にすると、何だか窮屈だ。
アメリアは息苦しくなりながら、途切れ途切れに答えた。
「カ、カクテルが」
「カクテル? 」
「もう大人だから。カクテルが飲みたくて」
「そんな理由でか? 」
エデュアルトは不快に眉を吊り上げた。
アメリアの息はどんどん上がっていく。
まるで鉛玉を喉に詰め込まれたように、息が出来ない。体中の血液が煮込まれてしまったと思えるくらい、熱くて熱くて堪らない。
ドレスの襟首やうなじ、脇がじっとりと汗ばんで、生地が素肌に張り付く。
「エデュアルトお兄様……もう、駄目……」
とうとうアメリアは弱音を口にした。
「酔ったのか? どのくらい飲んだ? 」
さすがのエデュアルトも、アメリアの異常に一旦怒りを引っ込める。
「び、媚薬を……」
「媚薬だと? 」
「貴族がセックスするときに使ってるって」
エデュアルトの頬がぴくりと痙攣した。
彼の中で、給仕に対する怒りが再燃している。
「どのくらい飲んだ? 」
「ひ、一口。い、いえ。二、三口。たぶん」
「それなら、効果が切れるのは一時間弱というところか」
遊び人のエデュアルトだから、そういった類いには精通している。顎を押さえながら、おおよその持続を予測する。
「一時間くらい、我慢しろ」
アメリアは涙目になって首を横に振った。
「だ、駄目。歩けない」
「じきに屋敷だ」
「し、下着が濡れて」
淑女たるもの、おおっぴらに殿方にそのようなことを口に出すべきではない。
しかしアメリアの体は異常を来していた。精神まで侵食されるほどに。
失禁とは違う粘液が太腿の間からダラダラと垂れ落ち、お尻までぐっしょりだ。このような状態で帰れば、使用人はアメリアが粗相したときっと誤解する。それだけは避けたい。
何より下腹部に血液がバンバンと打ちつけられるかのように騒がしく疼いて、立ち上がることすら無理だ。
「男娼を雇ってやる。そこで、どうにかしろ」
「知らない人は嫌」
「我儘言うな」
「エデュアルトお兄様しか嫌」
アメリアの理性は媚薬により破壊されていた。
「アメリア? 」
いつもなら絶対に言わない台詞。
エデュアルトは訝しげに眉を寄せた。
「エデュアルトお兄様しか嫌なの」
アメリアは心の奥底に隠し持っていた言葉をあっさりと引き出した。
「正気か? 」
「頭がおかしくなってるわ」
「だろうな」
いつものアメリアなら、天敵を見るような目つきをエデュアルトに向ける。
決して甘く潤んだ眼差しなどではない。
おまけにマーリンに施された魔法によって、この上ない極上の美人に変化していた。
エデュアルトは困惑して目を泳がせる。
相手がアメリアではなければ、すぐさま進路を変更し、宿に直行しているところだが。
相手は昔から知る「妹」だ。
エデュアルトにも越えてはならない線引きくらいはわかる。
「駄目だ、アメリア」
血を吐くような苦悶でエデュアルトは断る。
「お願い。エデュアルトお兄様しか、嫌なの」
アメリアのふっくらしたピンク色の唇から、甘く切ない吐息が零れた。
「うう……」
女と別れたばかりで、現在、性欲の行き先がないことも一因だった。
エデュアルトは奥歯を噛んだ。
「エデュアルトお兄様」
アメリアの潤んだ目がとどめをさした。
「俺はヴィンセントに殺されるだろうな」
エデュアルトはアメリアの手のひらに己の手を重ねた。
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