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ティータイムの秘め事4※
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マーレイはきっと忘れない。
初めてのこの日のことを。
「サーフェス様。キスして」
弱々しい訴えに彼は応じた。
重なり合う唇は、火傷しそうに熱い。互いの熱で、じりじりと灼かれてしまいそうだ。
音を立ててキスを繰り返しながら、サーフェスは自身の硬い強張りに、辿々しいながらもそっと避妊具を被せていく。
チラリとその部分を見てしまったマーレイは、目元を赤らめた。
サーフェスは苦笑いする。
「さすがに私だって、使い方くらいは知っているさ」
「え、ええ」
これが今から自分の中に入っていくのだ。マーレイは唾を飲み下す。
彼を受け入れる不安からか、それとも悦びからか。いつもは純潔を守るために閉じている秘裂からは、ひっきりなしに官能の雫が垂れて、シーツをぐっしょりと濡らした。
「マーレイ」
名前を呼ぶその声は低く掠れている。
それを合図に、割れ目に沿って慎重に探りながら、先端がマーレイの窪みに到達する。このままサーフェスが腰を進めたなら、挿入出来る。
生まれて初めて男性を受け入れる内部は、侵入に怯えて固く狭い。
サーフェスの張り出した部分が潜り込むと、引き攣れるような痛みがマーレイを襲う。
「あああ! いやあああ! 」
この先に処女膜があるのだ。
ケアランから初めての痛みについてある程度は聞いてはいたが、想像以上だ。
サーフェスの元来の大きさに加え、お互いに経験がないので加減がわからない。
とにかく痛みから逃げたくて身を捩れば、それも彼女の快感の表現方法だと勘違いしたのか、サーフェスは引くどころかさらに奥まで一気に捩じ込む。
狭い内壁がギチギチと軋ませ、押し開かれていく。
途中で何かが破られたような感覚。
「あ! ああ! 」
破瓜の痛みに気絶してしまいそうだ。
そのあまりの痛みによって必要以上に力が入り、内に潜る彼をぎゅうぎゅうと締め付ける。
「くっ……きついな……緩めてくれ、マーレイ」
「あああ! いやあ! 」
「マーレイ……」
肉が破られていく。ついに、ずっぽりとサーフェスの全てがマーレイの体内に収まった。
「全部収まったぞ」
いちいちサーフェスが報告してくる。
「サーフェス様! サーフェス様! 」
マーレイは彼にしがみつき、背中に回した手に力を込めた。
皮膚に彼女の指が食い込み、サーフェスは顔をしかめる。
「もう一度、あの言葉をくださいませ」
ついに彼はマーレイのものになったのだ。
たとえ明日、いや、数時間後にジゼルへと想いが帰ってしまおうと、今、このときのサーフェスは、誰が何と言おうとマーレイのもの。
「マーレイ。愛してる」
ずくん、とマーレイの子宮が切なく疼いた。
サーフェスはじっと彼女の様子を窺っていたが、やがてそうやっているのも限界がきたかのように、腰を引いたかと思えば、激しく打ちつけてきた。
マーレイは手を回してサーフェスにしがみつく。爪をその皮膚に食い込ませ、引っ掻いた。
「サーフェス様……サーフェス様……」
譫言のようにひたすら彼の名を呼べば、ここにいると言わんばかりに口づけが降りてくる。
技巧のない、ひたすら激しいだけの抽送に、マーレイは夢中でしがみつくしかない。
まるで荒天の中を進む船のようだ。飛び散る汗は、雨の粒を思い起こさせる。前後に揺すぶられ、船酔いしそうだ。マーレイは船から振り落とされては堪らないと、足を絡み付かせ、さらに密着する。乳房が彼の胸板に潰されて、心臓の拍動がもうどちらのものかわからないくらいに近い。
「す、すまない。マーレイ。優しくする方法がわからない」
「構いません。全て受け止めます」
彼女の言葉に、ぐうう、とサーフェスが呻いた。
彼女の許しを得て、サーフェスは限界を越えた。
互いの下腹部が異様なくらいに痙攣している。
今か今かと待ち侘びるマーレイの中へ、サーフェスは情熱の塊を迸らせた。
「あああ! 」
たとえ薄い膜を隔てていようと、彼の脈動は激しく、マーレイへと流れ込んでくるのが伝わってくる。
マーレイは彼が全てを終えたことを感じ、恍惚に浸された。
余韻が収まるのを待って、サーフェスは未だに熱を持ったままの自身を引き抜く。どろりと、潤滑油と彼女の愛液が入り混じった液体が垂れ、シーツに大きな染みを作った。破瓜の血は、それらによって薄められ、彼の目を誤魔化す。
どちらからともなく抱き合ううちに、急激に眠気が襲ってきた。初めてのセックスによる心地よい倦怠感は、二人に充足を与え、次第に重くなる瞼に抗うこともせず、やがて満足そうな寝息が上がった。
初めてのこの日のことを。
「サーフェス様。キスして」
弱々しい訴えに彼は応じた。
重なり合う唇は、火傷しそうに熱い。互いの熱で、じりじりと灼かれてしまいそうだ。
音を立ててキスを繰り返しながら、サーフェスは自身の硬い強張りに、辿々しいながらもそっと避妊具を被せていく。
チラリとその部分を見てしまったマーレイは、目元を赤らめた。
サーフェスは苦笑いする。
「さすがに私だって、使い方くらいは知っているさ」
「え、ええ」
これが今から自分の中に入っていくのだ。マーレイは唾を飲み下す。
彼を受け入れる不安からか、それとも悦びからか。いつもは純潔を守るために閉じている秘裂からは、ひっきりなしに官能の雫が垂れて、シーツをぐっしょりと濡らした。
「マーレイ」
名前を呼ぶその声は低く掠れている。
それを合図に、割れ目に沿って慎重に探りながら、先端がマーレイの窪みに到達する。このままサーフェスが腰を進めたなら、挿入出来る。
生まれて初めて男性を受け入れる内部は、侵入に怯えて固く狭い。
サーフェスの張り出した部分が潜り込むと、引き攣れるような痛みがマーレイを襲う。
「あああ! いやあああ! 」
この先に処女膜があるのだ。
ケアランから初めての痛みについてある程度は聞いてはいたが、想像以上だ。
サーフェスの元来の大きさに加え、お互いに経験がないので加減がわからない。
とにかく痛みから逃げたくて身を捩れば、それも彼女の快感の表現方法だと勘違いしたのか、サーフェスは引くどころかさらに奥まで一気に捩じ込む。
狭い内壁がギチギチと軋ませ、押し開かれていく。
途中で何かが破られたような感覚。
「あ! ああ! 」
破瓜の痛みに気絶してしまいそうだ。
そのあまりの痛みによって必要以上に力が入り、内に潜る彼をぎゅうぎゅうと締め付ける。
「くっ……きついな……緩めてくれ、マーレイ」
「あああ! いやあ! 」
「マーレイ……」
肉が破られていく。ついに、ずっぽりとサーフェスの全てがマーレイの体内に収まった。
「全部収まったぞ」
いちいちサーフェスが報告してくる。
「サーフェス様! サーフェス様! 」
マーレイは彼にしがみつき、背中に回した手に力を込めた。
皮膚に彼女の指が食い込み、サーフェスは顔をしかめる。
「もう一度、あの言葉をくださいませ」
ついに彼はマーレイのものになったのだ。
たとえ明日、いや、数時間後にジゼルへと想いが帰ってしまおうと、今、このときのサーフェスは、誰が何と言おうとマーレイのもの。
「マーレイ。愛してる」
ずくん、とマーレイの子宮が切なく疼いた。
サーフェスはじっと彼女の様子を窺っていたが、やがてそうやっているのも限界がきたかのように、腰を引いたかと思えば、激しく打ちつけてきた。
マーレイは手を回してサーフェスにしがみつく。爪をその皮膚に食い込ませ、引っ掻いた。
「サーフェス様……サーフェス様……」
譫言のようにひたすら彼の名を呼べば、ここにいると言わんばかりに口づけが降りてくる。
技巧のない、ひたすら激しいだけの抽送に、マーレイは夢中でしがみつくしかない。
まるで荒天の中を進む船のようだ。飛び散る汗は、雨の粒を思い起こさせる。前後に揺すぶられ、船酔いしそうだ。マーレイは船から振り落とされては堪らないと、足を絡み付かせ、さらに密着する。乳房が彼の胸板に潰されて、心臓の拍動がもうどちらのものかわからないくらいに近い。
「す、すまない。マーレイ。優しくする方法がわからない」
「構いません。全て受け止めます」
彼女の言葉に、ぐうう、とサーフェスが呻いた。
彼女の許しを得て、サーフェスは限界を越えた。
互いの下腹部が異様なくらいに痙攣している。
今か今かと待ち侘びるマーレイの中へ、サーフェスは情熱の塊を迸らせた。
「あああ! 」
たとえ薄い膜を隔てていようと、彼の脈動は激しく、マーレイへと流れ込んでくるのが伝わってくる。
マーレイは彼が全てを終えたことを感じ、恍惚に浸された。
余韻が収まるのを待って、サーフェスは未だに熱を持ったままの自身を引き抜く。どろりと、潤滑油と彼女の愛液が入り混じった液体が垂れ、シーツに大きな染みを作った。破瓜の血は、それらによって薄められ、彼の目を誤魔化す。
どちらからともなく抱き合ううちに、急激に眠気が襲ってきた。初めてのセックスによる心地よい倦怠感は、二人に充足を与え、次第に重くなる瞼に抗うこともせず、やがて満足そうな寝息が上がった。
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