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第6章:宮廷騒乱
8:破壊
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「どおしたぁ! どおしたぁ! 甲冑が重すぎて、満足に動けないってかあああ!?」
モル=アキスは中庭の周りの狭い回廊で、縦横無尽に跳ね回り、時には身を引くくし、突きを連打してくる。そもそも長剣というモノは斬るための武器ではない。金属製の鎧を全身に着こんだ兵士の肉体に刃が簡単に通るわけがないからだ。
それゆえ、長剣の重量を生かして、叩き伏せるといった使い方をする。しかし、この両脇に石柱が立ち並ぶ狭い回廊では、満足に長剣を振り回せるほどの広さは無い。それゆえ、モル=アキスは鎧を貫通させるための突きを多用して、クロードに肉薄するのであった。
一方のクロードはモル=アキスの繰り出す突きの連打を長剣の腹で捌くので精一杯であった。振り回すのであれば、この暗くて狭い回廊であれば、剣の軌道も読みやすい。だが、モル=アキスもそれは百も承知であった。この狭い回廊を巧みに利用するために、宙を跳ね回り、回廊の柱を蹴り飛ばしながら、斜め上、斜め横、斜め下から突きを繰り返していく。
(ちっ! 風の国:オソロシア出身ってのはうなずけるなっ。風の軍靴で、蹴り足の力を上げていやがるのかっ!)
モル=アキスが全身を金属鎧で包まれながらも、宙を自在に跳ね回れるのには理由があった。彼は風の魔術である自分の脚力を3倍に引き上げる風の軍靴を連続使用していたのである。
(持久戦に持ち込めば……。あいつの魔力が枯れ果てるのを待つんだっ)
防戦一方であったクロードがそう考えるのも無理はなかった。だが、モル=アキスはキーヒヒッ! とクロードを卑下するような笑い声をあげる。
「馬鹿めっ! 馬鹿めっ! 馬鹿めっ!! てめえ、俺様の魔力が尽きるのを待っているだろっ!?」
「うるせえ! 俺の作戦をいちいち声にしてんじゃねえよっ!」
「キーヒヒッ! だから、お前は馬鹿なんだよっ! 俺様の風の軍靴は、俺様の魔力をそれほど消耗するわけじゃないんだよおおおっ!」
(えっ!? どういうことだっ!?)
疑問に思うクロードであるが、熟考させてもらえるような時間を一切与えぬかのように、モル=アキスはますます、跳躍による連続突きの回転を上げていくのであった。その身のこなしはついにはクロードは長剣だけでは捌ききれなくなり、鎧の籠手部分を使うまでに追い込まれていくのであった。
「キーヒヒッ! お前、正規の兵士ではないなっ!? 俺様と同じモノを感じるぜえええっ!? その体捌きは魔物狩人か、盗賊の類に見えるぜえええっ!?」
「うるせえってんだろおっ! お前と同じ、盗賊扱いするんじゃねえよっ!」
クロードはモル=アキスと同じく風の国:オソロシアの出身であった。かの国では、風の魔術に長けた人物が多く、闘いにおいても、その風の魔術を用いることが多い。現にモル=アキスは自分の脚力を3倍に引き上げる風の軍靴を。クロードは自分の身体のキレが1.5倍に増す風の恵みを多用して戦っていた。
モル=アキスの縦横無尽な戦い方に対して、クロードは防戦一方になることを戦闘初期に察して、体捌きの精度を上げるための風の恵みを使用して戦っていたのである。
だが、そんなクロードの通常1.5倍の体捌きの精度を持ってしても、モル=アキスの攻撃の全てを長剣1本で捌ききれない状況に追い込まれていたのである。
(なんだ!? なんだ!? なんだ!? モル=アキスからはまだ余力を感じる……。これほどまでの連続攻撃なのに、今以上の動きを見せてくる感覚がひしひしと伝わってくるっ!)
クロードは混乱していた。今や、籠手部分だけでなく、脚絆や兜の縁を使って、モル=アキスの猛攻を捌いていたのである。もし、これが革製の鎧であったならば、クロードの身はとっくにモル=アキスの繰り出し続ける突きの連打でズタボロに引き裂かれていただろう。
「キーヒヒッ! お前、お前、お前ぇええっ! 面白いなあっ! ヌレバのことを師匠と言っていただけはあるなぁぁぁっ!?」
モル=アキスは紺碧色の兜の隙間から銀色の双眸をギラギラとぎらつかせていた。これほどまでに攻撃の回転数を上げているというのに、一向に眼の前の男に致命の一撃を入れられなかったのである。モル=アキスが近年、1対1で戦った相手で、ここまで出来るニンゲンなぞ、ヌレバ=スオー以外に居なかったのだ。
その弟子と思わしき男が、自分とまともに闘えていることに、モル=アキスは喜びにも似た感情を自分の心に沸き立つのであった。そして、キーヒヒッ! とさらに甲高い喜色ばった声をあげるのである。
「おもしれえっ、おもしれえっ! ここまでやれるのなら、もう遠慮はいらないなぁぁぁっ!?」
(遠慮だとっ!? やはり、これ以上の何かを隠し持っていやがったのかっ!)
クロードがそう思ったのも束の間、モル=アキスは左手を長剣から離し、腰の裏側に佩いていた鞘から短剣を抜き出すのであった。そして、右手に長剣。左手に短剣を持つ。彼の姿はまるで伝説の二刀使いかのような装いであった。
「いっくぜえええっ! いっくぜえええっ! 詠唱入力『破滅の短剣』。『破壊の暴風雨』発動許可申請……。使用許可が下りたぜえええっ!」
モル=アキスの全身から濃い碧玉色の魔力があふれ出していく。そしてその魔力は風の螺旋へと変化して、左手に持つ破滅の短剣に全て纏わりつくのであった。
「ま、まさかっ! 風の軍靴を連発していても、魔力をほとんど消費していなかったのは、その短剣のおかげなのかっ!?」
「ご名答~~~っ。いくら俺様でもあそこまで風の軍靴を連発できるわけがないんだぜえええっ。風の神具と呼ばれるこの破滅の短剣のおかげだわあああっ! それに気づいただけでも、てめえは一丁前の戦士だって、褒めてやるぜえええっ!?」
モル=アキスはキーヒヒッ!! と一段と甲高く笑い、左手に持つ破滅の短剣を高々と頭上へ振り上げる。その瞬間、彼の足元から碧玉色の逆巻く風の螺旋が巻き起こり、彼の身体を包み込むのであった。
「『破壊の暴風雨』発動だあああっ!! さあ、これを発動した俺様とどこまでやりあえるか、楽しみだぜえええっ!!」
モル=アキスは中庭の周りの狭い回廊で、縦横無尽に跳ね回り、時には身を引くくし、突きを連打してくる。そもそも長剣というモノは斬るための武器ではない。金属製の鎧を全身に着こんだ兵士の肉体に刃が簡単に通るわけがないからだ。
それゆえ、長剣の重量を生かして、叩き伏せるといった使い方をする。しかし、この両脇に石柱が立ち並ぶ狭い回廊では、満足に長剣を振り回せるほどの広さは無い。それゆえ、モル=アキスは鎧を貫通させるための突きを多用して、クロードに肉薄するのであった。
一方のクロードはモル=アキスの繰り出す突きの連打を長剣の腹で捌くので精一杯であった。振り回すのであれば、この暗くて狭い回廊であれば、剣の軌道も読みやすい。だが、モル=アキスもそれは百も承知であった。この狭い回廊を巧みに利用するために、宙を跳ね回り、回廊の柱を蹴り飛ばしながら、斜め上、斜め横、斜め下から突きを繰り返していく。
(ちっ! 風の国:オソロシア出身ってのはうなずけるなっ。風の軍靴で、蹴り足の力を上げていやがるのかっ!)
モル=アキスが全身を金属鎧で包まれながらも、宙を自在に跳ね回れるのには理由があった。彼は風の魔術である自分の脚力を3倍に引き上げる風の軍靴を連続使用していたのである。
(持久戦に持ち込めば……。あいつの魔力が枯れ果てるのを待つんだっ)
防戦一方であったクロードがそう考えるのも無理はなかった。だが、モル=アキスはキーヒヒッ! とクロードを卑下するような笑い声をあげる。
「馬鹿めっ! 馬鹿めっ! 馬鹿めっ!! てめえ、俺様の魔力が尽きるのを待っているだろっ!?」
「うるせえ! 俺の作戦をいちいち声にしてんじゃねえよっ!」
「キーヒヒッ! だから、お前は馬鹿なんだよっ! 俺様の風の軍靴は、俺様の魔力をそれほど消耗するわけじゃないんだよおおおっ!」
(えっ!? どういうことだっ!?)
疑問に思うクロードであるが、熟考させてもらえるような時間を一切与えぬかのように、モル=アキスはますます、跳躍による連続突きの回転を上げていくのであった。その身のこなしはついにはクロードは長剣だけでは捌ききれなくなり、鎧の籠手部分を使うまでに追い込まれていくのであった。
「キーヒヒッ! お前、正規の兵士ではないなっ!? 俺様と同じモノを感じるぜえええっ!? その体捌きは魔物狩人か、盗賊の類に見えるぜえええっ!?」
「うるせえってんだろおっ! お前と同じ、盗賊扱いするんじゃねえよっ!」
クロードはモル=アキスと同じく風の国:オソロシアの出身であった。かの国では、風の魔術に長けた人物が多く、闘いにおいても、その風の魔術を用いることが多い。現にモル=アキスは自分の脚力を3倍に引き上げる風の軍靴を。クロードは自分の身体のキレが1.5倍に増す風の恵みを多用して戦っていた。
モル=アキスの縦横無尽な戦い方に対して、クロードは防戦一方になることを戦闘初期に察して、体捌きの精度を上げるための風の恵みを使用して戦っていたのである。
だが、そんなクロードの通常1.5倍の体捌きの精度を持ってしても、モル=アキスの攻撃の全てを長剣1本で捌ききれない状況に追い込まれていたのである。
(なんだ!? なんだ!? なんだ!? モル=アキスからはまだ余力を感じる……。これほどまでの連続攻撃なのに、今以上の動きを見せてくる感覚がひしひしと伝わってくるっ!)
クロードは混乱していた。今や、籠手部分だけでなく、脚絆や兜の縁を使って、モル=アキスの猛攻を捌いていたのである。もし、これが革製の鎧であったならば、クロードの身はとっくにモル=アキスの繰り出し続ける突きの連打でズタボロに引き裂かれていただろう。
「キーヒヒッ! お前、お前、お前ぇええっ! 面白いなあっ! ヌレバのことを師匠と言っていただけはあるなぁぁぁっ!?」
モル=アキスは紺碧色の兜の隙間から銀色の双眸をギラギラとぎらつかせていた。これほどまでに攻撃の回転数を上げているというのに、一向に眼の前の男に致命の一撃を入れられなかったのである。モル=アキスが近年、1対1で戦った相手で、ここまで出来るニンゲンなぞ、ヌレバ=スオー以外に居なかったのだ。
その弟子と思わしき男が、自分とまともに闘えていることに、モル=アキスは喜びにも似た感情を自分の心に沸き立つのであった。そして、キーヒヒッ! とさらに甲高い喜色ばった声をあげるのである。
「おもしれえっ、おもしれえっ! ここまでやれるのなら、もう遠慮はいらないなぁぁぁっ!?」
(遠慮だとっ!? やはり、これ以上の何かを隠し持っていやがったのかっ!)
クロードがそう思ったのも束の間、モル=アキスは左手を長剣から離し、腰の裏側に佩いていた鞘から短剣を抜き出すのであった。そして、右手に長剣。左手に短剣を持つ。彼の姿はまるで伝説の二刀使いかのような装いであった。
「いっくぜえええっ! いっくぜえええっ! 詠唱入力『破滅の短剣』。『破壊の暴風雨』発動許可申請……。使用許可が下りたぜえええっ!」
モル=アキスの全身から濃い碧玉色の魔力があふれ出していく。そしてその魔力は風の螺旋へと変化して、左手に持つ破滅の短剣に全て纏わりつくのであった。
「ま、まさかっ! 風の軍靴を連発していても、魔力をほとんど消費していなかったのは、その短剣のおかげなのかっ!?」
「ご名答~~~っ。いくら俺様でもあそこまで風の軍靴を連発できるわけがないんだぜえええっ。風の神具と呼ばれるこの破滅の短剣のおかげだわあああっ! それに気づいただけでも、てめえは一丁前の戦士だって、褒めてやるぜえええっ!?」
モル=アキスはキーヒヒッ!! と一段と甲高く笑い、左手に持つ破滅の短剣を高々と頭上へ振り上げる。その瞬間、彼の足元から碧玉色の逆巻く風の螺旋が巻き起こり、彼の身体を包み込むのであった。
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