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第5章:後退は撤退にあらず
第3話:空城の計
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――ポメラニア帝国歴259年4月17日 正午過ぎ 火の国:イズモ:ゼーガン砦にて――
「カーパパッ! すっかり騙されてしまったダワス。策士、策におぼれるとはまさにこのことダワス!」
ショウド国軍:征東将軍:サラーヌ=ワテリオンは、ゼーガン砦の東側に陣取ったは良いが、どうにもゼーガン砦の様子がおかしいのであった。それもそうだろう。物見の報告では東西南北の鉄製の扉が大きく開かれて、その開かれた門扉からは敵兵の姿が見えなかった。
さらに不気味なことに、撤退するならば、敵に砦を使わせないためにも火くらい放っておくのが当たり前である。まあ、火を放ったところで、征南将軍のマッゲ=サーンに消火活動させれば、すぐに鎮火できるのではあるが。
ならば伏兵が砦内に配置されているのかと思い、10名の物見たちに念入りに砦を外から探索させたのだ、サラーヌ=ワテリオンは。そして、探索が開始されてから20分が経ったところで、サラーヌ=ワテリオンは、カーパパッ! と大声で笑ったのである。
「これは伝説に謂れし『空城の計』なんダワス。疑心暗鬼に陥った将がついには城を攻めるのをやめるのを目的にしているのダワス」
「そうなのレスカ? でも、伏兵が潜んでいる可能性は捨てきれないレスヨ?」
高笑いをする横で心配そうな顔つきの征北将軍:クラーゲン=ポティトゥであったが、サラーヌがあっぱれ! と言った朗らかな笑顔でずかずかとゼーガン砦内に入って行く。クラーゲン=ポティトゥは未だに伏兵を警戒し、おどおどとしながら、サラーヌの後に続いて、ゼーガン砦へと入っていくのであった。
しかし、伏兵による襲撃も無く、やっとクラーゲンはほっと胸を撫で下ろすのであった。
「さあて。空城の計はただの時間稼ぎダワス。問題は奴らがどちらの砦に向かったか? クラーゲン。お前は南の砦に向かうダワス。ワテは西の砦へ向かって、奴らを根絶やしにしてやるのダワス!」
ゼーガン砦を手に入れたことに意気揚々としているサラーヌであったが、そこに水を差すが如くにクラーゲンがとある進言を彼にする。
「お、お言葉ですが、ゼーガン砦を落としたサラーヌさまはこの戦での勲功1番は確定レス。ここは、手柄に乏しいマッゲ=サーンとミッフィー=ターンの両名を遣わせるのが良いと愚考するのレス」
サラーヌはなるほどなるほどと思ってしまう。クラーゲンは保身に長けた男だ。いくら、手柄を渡したくない相手がいたとしても、自分たちだけで手柄を占有してしまえば、要らぬ恨みを買う可能性があると、彼は指摘しているのである。
確かに、ここまでの戦いで、マッゲ=サーンとミッフィー=ターンを袖にしまくってきた、サラーヌは。この追討戦で少しくらい手柄を譲っても良いだろうとサラーヌは考えたのであった。
かくして、逃げるゼーガン砦の兵士たちを捕縛、さらなる打撃を喰らわせる役目は征南将軍:マッゲ=サーンと征西将軍:ミッフィー=ターンに譲られることになる。
マッゲは西の砦へ、ミッフィーは南の砦へ急行することになる。だが、マッゲにとっては面白くともなんともない役目であった。
「敗残の兵を追い回すなど、手柄稼ぎに躍起になっている馬鹿しか喜ばないのでゴザル!」
「まあまあ。落ち着くノ~。もし、上手く敵将を捕らえられたら、あたしたちはネーロ=ハーヴァさまからお褒めの言葉をもらえるノ~。無駄飯喰らいからは脱せられるノ~」
ショウド国の国主であるネーロ=ハーヴァは、ゼーガン砦を手に入れた武勲1番のサラーヌにやきもきとした気分であった。しかも、その腹いせにマッゲとミッフィーに『この無駄飯喰らいたちがっ! サラーヌたちよりも手柄をあげぬかっ!』と八つ当たりする始末である。
そもそもとして、この戦において、サラーヌとクラーゲンが失態を晒し続けるのを面白おかしく思い、重用しつづけたのが、ネーロ=ハーヴァ自身なのだ。彼としては、マッゲとミッフィーにはっぱをかけていたと周りに吹聴していたが、どう見ても八つ当たりにしか見えないのであった。
ネーロ=ハーヴァはショウド国の国主ではあるが、暗愚として揶揄される存在であった。それゆえ、宮中はそんなネーロに対しても忠誠を誓うネーロ派と、サラーヌの一族を次の国主へと迎え入れようとするサラーヌ派が存在したのである。
その2大派閥よりかはかなり小さな勢力であるが、マッゲとミッフィーを後押しするマッゲ派閥も存在する。しかしながら、2大派閥の敵としては見られていないのが現状であった。
とにかく、マッゲとミッフィーの両名は文句は言いつつも、任せられた仕事は遂行しようということでまとまり、マッゲはゼーガン砦より西へ、ミッフィーはゼーガン砦より南へ、敗残兵を追い始めたのであった。
ここまでで、アキヅキたちがゼーガン砦から撤退を開始してから1時間の開きがあった。マッゲとミッフィーたちは進めども、なかなかに彼らの姿は見えないのであった。
「くっ。奴らを追い始めてからかれこれ30分が経過したのでゴザル。ここからは森が続きそうなのでゴザル。森の中を突き進むのは愚策に感じるでゴザルが……」
なんと、アキヅキたちが1時間かけてたどり着いた森の入り口までの道程を、半虎半人たちはその半分の時間で踏破してしまったのである。
アキヅキたちは知らなかった。予想以上の猛スピードで自分たちの後ろにショウド国軍が迫ってきていることを。
「よし……。ここは兵に負傷者が出るかも知れぬが、森をまっすぐに突き進むのでゴザル。やつらがいつ頃、ゼーガン砦から逃げ出したかはわからぬが、こちらも犠牲なしで済まそうというのは虫が良すぎる話なのでゴザル!」
マッゲの判断は正しかったと言えよう。彼らが森に入ってから1時間も経とうとした時、ついにアキヅキ隊の最後方の兵士たちが見えたのである。
マッゲ隊はガオオオン! と虎の咆哮をあげる。狩るべき獲物をやっとのところ見つけ出したことに歓喜したのであった。
「ちっ! もう少しで森を抜けるってところで、追いつかれちまったかっ! あちらさんは空城の計をあっさりと見破りやがったってか。本当に可愛げの無い将が、あちらさんには居るもんだなっ!」
「カーパパッ! すっかり騙されてしまったダワス。策士、策におぼれるとはまさにこのことダワス!」
ショウド国軍:征東将軍:サラーヌ=ワテリオンは、ゼーガン砦の東側に陣取ったは良いが、どうにもゼーガン砦の様子がおかしいのであった。それもそうだろう。物見の報告では東西南北の鉄製の扉が大きく開かれて、その開かれた門扉からは敵兵の姿が見えなかった。
さらに不気味なことに、撤退するならば、敵に砦を使わせないためにも火くらい放っておくのが当たり前である。まあ、火を放ったところで、征南将軍のマッゲ=サーンに消火活動させれば、すぐに鎮火できるのではあるが。
ならば伏兵が砦内に配置されているのかと思い、10名の物見たちに念入りに砦を外から探索させたのだ、サラーヌ=ワテリオンは。そして、探索が開始されてから20分が経ったところで、サラーヌ=ワテリオンは、カーパパッ! と大声で笑ったのである。
「これは伝説に謂れし『空城の計』なんダワス。疑心暗鬼に陥った将がついには城を攻めるのをやめるのを目的にしているのダワス」
「そうなのレスカ? でも、伏兵が潜んでいる可能性は捨てきれないレスヨ?」
高笑いをする横で心配そうな顔つきの征北将軍:クラーゲン=ポティトゥであったが、サラーヌがあっぱれ! と言った朗らかな笑顔でずかずかとゼーガン砦内に入って行く。クラーゲン=ポティトゥは未だに伏兵を警戒し、おどおどとしながら、サラーヌの後に続いて、ゼーガン砦へと入っていくのであった。
しかし、伏兵による襲撃も無く、やっとクラーゲンはほっと胸を撫で下ろすのであった。
「さあて。空城の計はただの時間稼ぎダワス。問題は奴らがどちらの砦に向かったか? クラーゲン。お前は南の砦に向かうダワス。ワテは西の砦へ向かって、奴らを根絶やしにしてやるのダワス!」
ゼーガン砦を手に入れたことに意気揚々としているサラーヌであったが、そこに水を差すが如くにクラーゲンがとある進言を彼にする。
「お、お言葉ですが、ゼーガン砦を落としたサラーヌさまはこの戦での勲功1番は確定レス。ここは、手柄に乏しいマッゲ=サーンとミッフィー=ターンの両名を遣わせるのが良いと愚考するのレス」
サラーヌはなるほどなるほどと思ってしまう。クラーゲンは保身に長けた男だ。いくら、手柄を渡したくない相手がいたとしても、自分たちだけで手柄を占有してしまえば、要らぬ恨みを買う可能性があると、彼は指摘しているのである。
確かに、ここまでの戦いで、マッゲ=サーンとミッフィー=ターンを袖にしまくってきた、サラーヌは。この追討戦で少しくらい手柄を譲っても良いだろうとサラーヌは考えたのであった。
かくして、逃げるゼーガン砦の兵士たちを捕縛、さらなる打撃を喰らわせる役目は征南将軍:マッゲ=サーンと征西将軍:ミッフィー=ターンに譲られることになる。
マッゲは西の砦へ、ミッフィーは南の砦へ急行することになる。だが、マッゲにとっては面白くともなんともない役目であった。
「敗残の兵を追い回すなど、手柄稼ぎに躍起になっている馬鹿しか喜ばないのでゴザル!」
「まあまあ。落ち着くノ~。もし、上手く敵将を捕らえられたら、あたしたちはネーロ=ハーヴァさまからお褒めの言葉をもらえるノ~。無駄飯喰らいからは脱せられるノ~」
ショウド国の国主であるネーロ=ハーヴァは、ゼーガン砦を手に入れた武勲1番のサラーヌにやきもきとした気分であった。しかも、その腹いせにマッゲとミッフィーに『この無駄飯喰らいたちがっ! サラーヌたちよりも手柄をあげぬかっ!』と八つ当たりする始末である。
そもそもとして、この戦において、サラーヌとクラーゲンが失態を晒し続けるのを面白おかしく思い、重用しつづけたのが、ネーロ=ハーヴァ自身なのだ。彼としては、マッゲとミッフィーにはっぱをかけていたと周りに吹聴していたが、どう見ても八つ当たりにしか見えないのであった。
ネーロ=ハーヴァはショウド国の国主ではあるが、暗愚として揶揄される存在であった。それゆえ、宮中はそんなネーロに対しても忠誠を誓うネーロ派と、サラーヌの一族を次の国主へと迎え入れようとするサラーヌ派が存在したのである。
その2大派閥よりかはかなり小さな勢力であるが、マッゲとミッフィーを後押しするマッゲ派閥も存在する。しかしながら、2大派閥の敵としては見られていないのが現状であった。
とにかく、マッゲとミッフィーの両名は文句は言いつつも、任せられた仕事は遂行しようということでまとまり、マッゲはゼーガン砦より西へ、ミッフィーはゼーガン砦より南へ、敗残兵を追い始めたのであった。
ここまでで、アキヅキたちがゼーガン砦から撤退を開始してから1時間の開きがあった。マッゲとミッフィーたちは進めども、なかなかに彼らの姿は見えないのであった。
「くっ。奴らを追い始めてからかれこれ30分が経過したのでゴザル。ここからは森が続きそうなのでゴザル。森の中を突き進むのは愚策に感じるでゴザルが……」
なんと、アキヅキたちが1時間かけてたどり着いた森の入り口までの道程を、半虎半人たちはその半分の時間で踏破してしまったのである。
アキヅキたちは知らなかった。予想以上の猛スピードで自分たちの後ろにショウド国軍が迫ってきていることを。
「よし……。ここは兵に負傷者が出るかも知れぬが、森をまっすぐに突き進むのでゴザル。やつらがいつ頃、ゼーガン砦から逃げ出したかはわからぬが、こちらも犠牲なしで済まそうというのは虫が良すぎる話なのでゴザル!」
マッゲの判断は正しかったと言えよう。彼らが森に入ってから1時間も経とうとした時、ついにアキヅキ隊の最後方の兵士たちが見えたのである。
マッゲ隊はガオオオン! と虎の咆哮をあげる。狩るべき獲物をやっとのところ見つけ出したことに歓喜したのであった。
「ちっ! もう少しで森を抜けるってところで、追いつかれちまったかっ! あちらさんは空城の計をあっさりと見破りやがったってか。本当に可愛げの無い将が、あちらさんには居るもんだなっ!」
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