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第18章:黄金郷
第8話:一方的な通達
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コッシローの予想は大当たりしたと言っても過言では無かった。飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎをしていた夜から数えて5日後に、エーリカを始め、血濡れの女王の幹部たちは激怒することになる。
「なん……ですって!? もう1度言ってみなさいっ!」
「エーリカ殿がわかるように何度でも説明させてもらおう。この地は元々、西ケアンズの王族の末裔が所有していた領地である。その領地に土足で踏み入ったのは、そちらの方だ。だが、それでも西ケアンズを納める我が王は寛容であらせられる」
「どこが寛容なのよっ! あんたたちはあたしたちが切り開いた土地を横から奪うつもりじゃないのっ!」
「ふんっ! 奪うとは何という言い草だっ! 盗人猛々しいとはまさにエーリカ殿のためにあるような言葉だっ!」
エーリカたちの村にやってきた西ケアンズからの使者は、血濡れの女王の幹部たちと面会するや否や、いきなりこの土地の正式な所有者であることを示すための証文を広げられるだけ広げて、エーリカたちに見せつけた。
さらには猶予は三日やるから、すぐさま、ホバート王国に帰れと言い出したのだ。西ケアンズの使者の話をタケルの左肩に乗った状態で聞いていた白ネズミのコッシローですら、開いた口が塞がらないレベルの強硬姿勢を取ってきたのである。
(ここまで舐めくさった態度を向こうが冒頭から取ってきたのは驚きでッチュウね……。念のために村の周囲警戒に当てていたアヤメとロビンの報告だと、西ケアンズの使者は軍を連れてきたわけでもないのにでッチュウ……)
コッシローは喧々囂々と言い争いをしている西ケアンズの使者とエーリカたちを見ながら、この村が置かれている今の状況を冷静に分析する。アヤメとロビンの報告からは周囲10キュロミャートル圏内には、西ケアンズの軍は存在していないことはほぼ確定であった、
ならば、何故、ここまで強硬すぎる態度に出れるのだろうか? と逆に警戒心が高まってしまうコッシローであった。西ケアンズからの使者がどれだけふざけたことを言っていたとしても、その使者をぶん殴るわけにはいかない。それこそ、罠なのはエーリカたちも理解していた。
これは一種の試金石なのかもしれないと思うことにしたコッシローである。西ケアンズからの使者はその周りを10人程度の兵士でしか固めていない。ここまでの強硬な態度を取るのであれば、自分たちはこの場で斬られても仕方がないという覚悟を決めて、ここにやってきたと推測できた。
もし、この使者をこの場で殺せば、エーリカたちは本当の意味で、ケアンズ王国だけでなく、テクロ大陸全土において、蛮族という烙印を押されることになる。それはかつて『凶王』と蔑まれた前剣王:マンチス=カーンレベルのやらかしである。マンチス=カーンは自分から進んで人望を捨て去っていた。力こそが全てだと言わしめんばかりの行動と態度を、その身ひとつで体現した男である。
『愛など要らぬ。この世は力こそが全てだ』と豪語してしまっていたのだ、前剣王:マンチス=カーンは。だからこそ、いくら力があっても、最終的にはマンチス=カーンはアデレート王国全土を掌握することが出来なかった。
そんな前剣王に比べれば、現剣王のほうがまだ話が通じる相手だったとことは自明の理だ。いくら大賢者と大魔導士が間に立ったと言えども、剣王軍はあの時すでに5万の大軍を有していたのだ。しかし、現剣王は前剣王とは違うところを態度で示してみせた。
(エーリカちゃんはこれから先、剣王:シノジ=ザッシュにとことん辛酸を舐めさせられそうでッチュウ。だからこそ、エーリカちゃんはこいつら相手に間違ったことをしてはいけないのでッチュウ。エーリカちゃん、わかっているでッチュウか?)
コッシローはエーリカが腰に佩いている鞘から刀を抜き出さぬように願った。クロウリーがこの場に居れば、エーリカを御することはそんなに難しいことでは無い。だが、怒れるエーリカにその矛を納めさせるには、血濡れの女王の幹部たちは誰もが若すぎた。
コッシローは、ちょいちょいと右の前足で、コッシローが乗っている肩の所有者の左頬をつっつく。その所有者はやっぱり俺の出番になるよなぁ……とため息をつくのであった。
(クロウリーが居ない今、お前以外に誰がこの一触即発の空気を正常化できると思っているのでッチュウ。お前はこういう時にこそと思って、ヨーコの相手をしなくていいようにクロウリーから外されたんでッチュウ)
コッシローはこしょこしょとタケルの左耳にとんでもない事実を入れる。左耳から入ってきた情報のとんでもない大きさに、思わず怯んでしまうタケルであった。タケルは何で俺なんだよ……と肩をガックシと落とす。しかしながら、数秒ほど後には姿勢を正し、西ケアンズの使者とエーリカたちの間にスルッと入り込んだ。コッシローはさすがはタケルでッチュウとほくそ笑むことになる。
「あーーー。なんて言うか……。おいっ! エーリカ、その物騒なものをしまえっ! なんで俺の首に刃を添えてやがる!?」
「ん? 使者を斬るのは愚かすぎる行為。だから、代わりに俺の首を刎ねて、それで留飲を下げろってことじゃないの??」
「半分は当たってるが、半分は間違ってるっ! あとで俺の尻にキュウリでも茄子でも好きなのを突っ込め!」
「カキン。今のタケルお兄ちゃんの言葉をしっかりと記録しておいてちょうだい。んで、タケルお兄ちゃんのお尻に突っこむ予定なのはゴーヤだってのも忘れずに」
「ハッ。しっかりと記録しておきましょうぞ。タケル殿。ゴーヤは痛いですぞ? 今からしっかり心の準備をしておいてくだされ……」
タケルはこの野郎! とカキン=シギョウを睨みつける。だが、使者とのやりとりを詳細に白い紙に書き綴っている記録係のカキン=シギョウはタケルからの睨みを無視し、自分の仕事を全うした。
そんな茶番じみたやりとりを見せつけられた西ケアンズの使者は襟を正して、もう一度だけ、エーリカたちに勧告するのであった。
「そちらが飲むかどうかなど、この際どうでも良い。こちらは王の言葉を伝えた。そして、その返答を代表者であるエーリカ=スミス殿からもらう。この事実が自分には大事なのである」
「親切ご丁寧にありがと。でも、わざわざ、あたしたちの返答を聞かなくてもわかるわよね?」
「それは困りますな。エーリカ殿の言葉をしっかりと聞き届けねば、自分たちはガキの使い以下となりますので」
西ケアンズの使者はさあ、返答を聞かせてくれとエーリカに迫る。エーリカたちは、この使者がエーリカによって斬られたがっていることに気づくことになる。そのエーリカたちの言葉を代弁すべく、タケルが発言する。
「なるほどな。それほどの覚悟を持って、この場に臨んだわけか。じゃあ、それ相応の態度をこちらが示さなきゃならんわけだなっ。あんたも国のためとはいえ、大変な役目を担ったんだな」
「敵対する予定である者たちに同情されるつもりはございませぬ。さあ、我を斬るがよい……」
「なん……ですって!? もう1度言ってみなさいっ!」
「エーリカ殿がわかるように何度でも説明させてもらおう。この地は元々、西ケアンズの王族の末裔が所有していた領地である。その領地に土足で踏み入ったのは、そちらの方だ。だが、それでも西ケアンズを納める我が王は寛容であらせられる」
「どこが寛容なのよっ! あんたたちはあたしたちが切り開いた土地を横から奪うつもりじゃないのっ!」
「ふんっ! 奪うとは何という言い草だっ! 盗人猛々しいとはまさにエーリカ殿のためにあるような言葉だっ!」
エーリカたちの村にやってきた西ケアンズからの使者は、血濡れの女王の幹部たちと面会するや否や、いきなりこの土地の正式な所有者であることを示すための証文を広げられるだけ広げて、エーリカたちに見せつけた。
さらには猶予は三日やるから、すぐさま、ホバート王国に帰れと言い出したのだ。西ケアンズの使者の話をタケルの左肩に乗った状態で聞いていた白ネズミのコッシローですら、開いた口が塞がらないレベルの強硬姿勢を取ってきたのである。
(ここまで舐めくさった態度を向こうが冒頭から取ってきたのは驚きでッチュウね……。念のために村の周囲警戒に当てていたアヤメとロビンの報告だと、西ケアンズの使者は軍を連れてきたわけでもないのにでッチュウ……)
コッシローは喧々囂々と言い争いをしている西ケアンズの使者とエーリカたちを見ながら、この村が置かれている今の状況を冷静に分析する。アヤメとロビンの報告からは周囲10キュロミャートル圏内には、西ケアンズの軍は存在していないことはほぼ確定であった、
ならば、何故、ここまで強硬すぎる態度に出れるのだろうか? と逆に警戒心が高まってしまうコッシローであった。西ケアンズからの使者がどれだけふざけたことを言っていたとしても、その使者をぶん殴るわけにはいかない。それこそ、罠なのはエーリカたちも理解していた。
これは一種の試金石なのかもしれないと思うことにしたコッシローである。西ケアンズからの使者はその周りを10人程度の兵士でしか固めていない。ここまでの強硬な態度を取るのであれば、自分たちはこの場で斬られても仕方がないという覚悟を決めて、ここにやってきたと推測できた。
もし、この使者をこの場で殺せば、エーリカたちは本当の意味で、ケアンズ王国だけでなく、テクロ大陸全土において、蛮族という烙印を押されることになる。それはかつて『凶王』と蔑まれた前剣王:マンチス=カーンレベルのやらかしである。マンチス=カーンは自分から進んで人望を捨て去っていた。力こそが全てだと言わしめんばかりの行動と態度を、その身ひとつで体現した男である。
『愛など要らぬ。この世は力こそが全てだ』と豪語してしまっていたのだ、前剣王:マンチス=カーンは。だからこそ、いくら力があっても、最終的にはマンチス=カーンはアデレート王国全土を掌握することが出来なかった。
そんな前剣王に比べれば、現剣王のほうがまだ話が通じる相手だったとことは自明の理だ。いくら大賢者と大魔導士が間に立ったと言えども、剣王軍はあの時すでに5万の大軍を有していたのだ。しかし、現剣王は前剣王とは違うところを態度で示してみせた。
(エーリカちゃんはこれから先、剣王:シノジ=ザッシュにとことん辛酸を舐めさせられそうでッチュウ。だからこそ、エーリカちゃんはこいつら相手に間違ったことをしてはいけないのでッチュウ。エーリカちゃん、わかっているでッチュウか?)
コッシローはエーリカが腰に佩いている鞘から刀を抜き出さぬように願った。クロウリーがこの場に居れば、エーリカを御することはそんなに難しいことでは無い。だが、怒れるエーリカにその矛を納めさせるには、血濡れの女王の幹部たちは誰もが若すぎた。
コッシローは、ちょいちょいと右の前足で、コッシローが乗っている肩の所有者の左頬をつっつく。その所有者はやっぱり俺の出番になるよなぁ……とため息をつくのであった。
(クロウリーが居ない今、お前以外に誰がこの一触即発の空気を正常化できると思っているのでッチュウ。お前はこういう時にこそと思って、ヨーコの相手をしなくていいようにクロウリーから外されたんでッチュウ)
コッシローはこしょこしょとタケルの左耳にとんでもない事実を入れる。左耳から入ってきた情報のとんでもない大きさに、思わず怯んでしまうタケルであった。タケルは何で俺なんだよ……と肩をガックシと落とす。しかしながら、数秒ほど後には姿勢を正し、西ケアンズの使者とエーリカたちの間にスルッと入り込んだ。コッシローはさすがはタケルでッチュウとほくそ笑むことになる。
「あーーー。なんて言うか……。おいっ! エーリカ、その物騒なものをしまえっ! なんで俺の首に刃を添えてやがる!?」
「ん? 使者を斬るのは愚かすぎる行為。だから、代わりに俺の首を刎ねて、それで留飲を下げろってことじゃないの??」
「半分は当たってるが、半分は間違ってるっ! あとで俺の尻にキュウリでも茄子でも好きなのを突っ込め!」
「カキン。今のタケルお兄ちゃんの言葉をしっかりと記録しておいてちょうだい。んで、タケルお兄ちゃんのお尻に突っこむ予定なのはゴーヤだってのも忘れずに」
「ハッ。しっかりと記録しておきましょうぞ。タケル殿。ゴーヤは痛いですぞ? 今からしっかり心の準備をしておいてくだされ……」
タケルはこの野郎! とカキン=シギョウを睨みつける。だが、使者とのやりとりを詳細に白い紙に書き綴っている記録係のカキン=シギョウはタケルからの睨みを無視し、自分の仕事を全うした。
そんな茶番じみたやりとりを見せつけられた西ケアンズの使者は襟を正して、もう一度だけ、エーリカたちに勧告するのであった。
「そちらが飲むかどうかなど、この際どうでも良い。こちらは王の言葉を伝えた。そして、その返答を代表者であるエーリカ=スミス殿からもらう。この事実が自分には大事なのである」
「親切ご丁寧にありがと。でも、わざわざ、あたしたちの返答を聞かなくてもわかるわよね?」
「それは困りますな。エーリカ殿の言葉をしっかりと聞き届けねば、自分たちはガキの使い以下となりますので」
西ケアンズの使者はさあ、返答を聞かせてくれとエーリカに迫る。エーリカたちは、この使者がエーリカによって斬られたがっていることに気づくことになる。そのエーリカたちの言葉を代弁すべく、タケルが発言する。
「なるほどな。それほどの覚悟を持って、この場に臨んだわけか。じゃあ、それ相応の態度をこちらが示さなきゃならんわけだなっ。あんたも国のためとはいえ、大変な役目を担ったんだな」
「敵対する予定である者たちに同情されるつもりはございませぬ。さあ、我を斬るがよい……」
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