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第13章:ロリョウの町・攻防戦
第10話:セツラのデート
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「もぅ、そこは手を繋いだところをグイっと引っ張って、さらには唇を奪うところでしょっ! 見ててヤキモキするっ!」
「デートが始まってから、早1時間経過ってところだな。開始1時間で手を繋ぐところまで行ったら、それはそれでやり手な気がするけどな。相手はセツラだし」
「何言ってるのよっ、タケルお兄ちゃん! ガードの固いセツラお姉ちゃんが見せた隙なのよ!? ここで畳みかけないでどうするわけ!?」
「う~~~む。それがしたちは何をしてるのだ? エーリカからもらったご褒美で、久方ぶりにレイとふたりっきりのデートだと言うのに。気づけば、エーリカと一緒にコッサンとセツラのデートをストーカーすることになってしまっていた」
「うぅ……。アベル様は気が利かないのです。あちらが手を繋いでいるなら、私たちも手を結ぼうと言ってくれてもいいのにです」
「アベル……。あんた、本当に気が利かないわね。あたしたちに気づかないように発情してなさいよっ」
「本当、アベルって女心がわかってないよなっ。こういういけないことをしている時こそ、盛り上がるってのに」
「とばっちりもいいとこだぁぁぁ!!」
アベルが絶叫したことで、何だ何だとロリョウの町民たちがエーリカが隠れている茂みの方に視線を向ける。エーリカはしまったと思い、アベルを捕まえて、その場から逃げ出すのであった。エーリカたちはアベルを叱りつけ、見失いかけたコッサンとセツラのストーカーを再開する。
「もう少し近づかないと、何をしゃべてるのかわかんなーい。タケルお兄ちゃんって、読唇術は使えないの?」
「昔、アヤメに教わって、訓練しようとはしたんだがな。でも、アヤメからまったくもってセンスが無いって言われてから、努力するのを止めた」
「タケル殿らしい。それがしなら逆に燃えるのだが」
「さすがは真面目が取り柄のアベルね。タケルお兄ちゃんはアベルの爪の垢を煎じて飲むといいわよ。少しは不真面目さが改善されるかも」
「あっ! そうこう言っている間に、ふたりが行動を再開したのです! でも、この先にあるのって、愛し合う宿通りだった気がするのですが……」
レイヨンは記憶が正しければ、セツラたちが一度、立ち止まり、さらに向かっていく先にあるのはそういうところだ。だが、2人はまだ手を繋いだばかりの間柄である。エーリカ様が鼻息を荒くしているが、レイヨンはそんな事態に発展するようにはどうしても思えなかった。
レイヨンの予想通り、セツラとコッサンは愛し合う宿が立ち並ぶ一角で、一切、足を止めずに通り抜けていってしまう。エーリカはなーんだ、面白くないと言いつつも、セツラたちの尾行は止めずにいた。
「ふ~~~ん。ロリョウの町にこんな場所があったのね。でも、配置的におかしくない??」
「エーリカの言わんとしていることはわかる。普通はここで雰囲気を良くしてから、愛し合う宿に行く感じだもんな」
エーリカたちが着いた場所は庭園と呼んでも良いレベルの公園であった。ロリョウの町民たちが整備しているその公園には夏の花が花壇に植えられており、さらには木々の合間を抜けた先には池が設置されていたのである。その池にはカルガモの親子が集っていた。まさにデートコースとしては外せない一画である。
エーリカたちはセツラに視線を向けるのを忘れて、池で遊ぶカルガモたちを眼で楽しむことになる。コガモたちが一生懸命、先を行く親ガモの後をついていく。その姿がとても可愛らしい。
「見ているだけで心が癒されるのです。自分も親ガモになりたいのです」
「だそうよ。アベルお父さん、頑張ってね?」
「な、な、何を言っているのだ!? レイヨンはまだ14歳だっ! それがしたちの間にまだ赤ちゃんは早いっ!」
「だそうだぞ、レイヨン。アベルを押し倒して、無理やりに孕ませてもらえ。そうしないと、こいつは本当にいつまで経っても、レイヨンに手を出さないぞ?」
「それはそれで、自分はアベル隊長に大事にされているんだなって思えて幸せを感じるのです。でも、それとは裏腹に困ってしまう自分がいるので、なかなかに難しいのです」
ちなみにアベルはレイヨンと唇と唇を重ねたことは無いとの情報をクロウリーから入手しているエーリカたちである。アベルはクソ真面目なゆえに、結婚前の男女は手を結ぶまでと決めているらしい。それはそれでアリなのかもしれないが、その2人以上に周りがヤキモキしてしまうのも事実である。
だが、けしかけることはしても、無理やりそうさせたくないのはエーリカたちも同様であった。アベルとレイヨンの仲の進展は2人が決めることである。アベルがレイヨンを大事にしたいとならば、それを貫き通せばいいのである。だが、それはレイヨンがそこで踏みとどまれればの話だが……。
それはさておき、セツラとコッサンがまたしても移動を再開する。今度はいったいどこにセツラを連れていくのだろうと考えるエーリカたちであった。陽は高くまで昇っており、そろそろお昼時になっていた。ならば、考えらるとしたら、食事処である。そして、エーリカたちの予想は大当たりする。
「あたし、天麩羅と冷やしお蕎麦のセットね」
「んじゃ、俺もそれで、ただし天麩羅は2人前だ」
「タケルお兄ちゃん、ずっこい! あたしも天麩羅を2人前でお願い!
「レイは何にする? それがしはざるそばにしようかと思うのだが」
「悩ましいのです。暑い時こそ、がっつりと食べたい派なのです。でも、食い意地の張った女だと思われるのは恥ずかしいのです」
レイヨンとしては天麩羅を2人前頼むのは決まりであった。しかしながら、ザルソバを頼んでおいて、ご飯を一緒に頼むのはおかしい話だ。冷やし蕎麦なら、ご飯を頼んでもおかしくは感じない。レイヨンは悩んだ末にザルソバを2人前にした。そしてアベルはレイヨンが恥ずかしくないようにザルソバを4人前注文したのである。
注文してから10分もすると、エーリカたちの眼の前に蕎麦セットが運ばれてくることになる。エーリカたちは運ばれてきた料理に舌鼓を打ちながら、お昼を楽しむのであった。彼女たちの頭の中からは、すっぽりとセツラのことは抜け落ちていた。
「ん~~~。蕎麦はホバート国こそが一番と思っていたけど、アデレート王国も案外やるじゃないのっ」
「こっちのは十割蕎麦が基本なせいか、歯ごたえがいまいちだ。でも香りを重視する国なだけあって、歯ごたえのことを忘れちまうほどに蕎麦の香りを存分に楽しめるぜ」
「アデレート王国はどの料理も香りを大事にするのです。最初はとっつきにくかったけど、慣れるとこれはこれで病みつきになるのです!」
アデレート王国はどの料理でも香りが重要視される。それがご飯だとしてもだ。そのため、なかなかに胃が受け付けなかったエーリカたちである。だが、アデレート王国に上陸してから、早1カ月が経とうとしている。いい加減、エーリカたちは慣れっこになっており、香りが強い料理でも平然と食べれるようになってきた。
「あ~~~。食べたわ……。って、セツラお姉ちゃんたちがいないわっ!?」
「おっと! 俺もいまさらに気づいたわっ。う~~~ん。後で改めて、セツラにどうだったかって聞こうか」
「デートが始まってから、早1時間経過ってところだな。開始1時間で手を繋ぐところまで行ったら、それはそれでやり手な気がするけどな。相手はセツラだし」
「何言ってるのよっ、タケルお兄ちゃん! ガードの固いセツラお姉ちゃんが見せた隙なのよ!? ここで畳みかけないでどうするわけ!?」
「う~~~む。それがしたちは何をしてるのだ? エーリカからもらったご褒美で、久方ぶりにレイとふたりっきりのデートだと言うのに。気づけば、エーリカと一緒にコッサンとセツラのデートをストーカーすることになってしまっていた」
「うぅ……。アベル様は気が利かないのです。あちらが手を繋いでいるなら、私たちも手を結ぼうと言ってくれてもいいのにです」
「アベル……。あんた、本当に気が利かないわね。あたしたちに気づかないように発情してなさいよっ」
「本当、アベルって女心がわかってないよなっ。こういういけないことをしている時こそ、盛り上がるってのに」
「とばっちりもいいとこだぁぁぁ!!」
アベルが絶叫したことで、何だ何だとロリョウの町民たちがエーリカが隠れている茂みの方に視線を向ける。エーリカはしまったと思い、アベルを捕まえて、その場から逃げ出すのであった。エーリカたちはアベルを叱りつけ、見失いかけたコッサンとセツラのストーカーを再開する。
「もう少し近づかないと、何をしゃべてるのかわかんなーい。タケルお兄ちゃんって、読唇術は使えないの?」
「昔、アヤメに教わって、訓練しようとはしたんだがな。でも、アヤメからまったくもってセンスが無いって言われてから、努力するのを止めた」
「タケル殿らしい。それがしなら逆に燃えるのだが」
「さすがは真面目が取り柄のアベルね。タケルお兄ちゃんはアベルの爪の垢を煎じて飲むといいわよ。少しは不真面目さが改善されるかも」
「あっ! そうこう言っている間に、ふたりが行動を再開したのです! でも、この先にあるのって、愛し合う宿通りだった気がするのですが……」
レイヨンは記憶が正しければ、セツラたちが一度、立ち止まり、さらに向かっていく先にあるのはそういうところだ。だが、2人はまだ手を繋いだばかりの間柄である。エーリカ様が鼻息を荒くしているが、レイヨンはそんな事態に発展するようにはどうしても思えなかった。
レイヨンの予想通り、セツラとコッサンは愛し合う宿が立ち並ぶ一角で、一切、足を止めずに通り抜けていってしまう。エーリカはなーんだ、面白くないと言いつつも、セツラたちの尾行は止めずにいた。
「ふ~~~ん。ロリョウの町にこんな場所があったのね。でも、配置的におかしくない??」
「エーリカの言わんとしていることはわかる。普通はここで雰囲気を良くしてから、愛し合う宿に行く感じだもんな」
エーリカたちが着いた場所は庭園と呼んでも良いレベルの公園であった。ロリョウの町民たちが整備しているその公園には夏の花が花壇に植えられており、さらには木々の合間を抜けた先には池が設置されていたのである。その池にはカルガモの親子が集っていた。まさにデートコースとしては外せない一画である。
エーリカたちはセツラに視線を向けるのを忘れて、池で遊ぶカルガモたちを眼で楽しむことになる。コガモたちが一生懸命、先を行く親ガモの後をついていく。その姿がとても可愛らしい。
「見ているだけで心が癒されるのです。自分も親ガモになりたいのです」
「だそうよ。アベルお父さん、頑張ってね?」
「な、な、何を言っているのだ!? レイヨンはまだ14歳だっ! それがしたちの間にまだ赤ちゃんは早いっ!」
「だそうだぞ、レイヨン。アベルを押し倒して、無理やりに孕ませてもらえ。そうしないと、こいつは本当にいつまで経っても、レイヨンに手を出さないぞ?」
「それはそれで、自分はアベル隊長に大事にされているんだなって思えて幸せを感じるのです。でも、それとは裏腹に困ってしまう自分がいるので、なかなかに難しいのです」
ちなみにアベルはレイヨンと唇と唇を重ねたことは無いとの情報をクロウリーから入手しているエーリカたちである。アベルはクソ真面目なゆえに、結婚前の男女は手を結ぶまでと決めているらしい。それはそれでアリなのかもしれないが、その2人以上に周りがヤキモキしてしまうのも事実である。
だが、けしかけることはしても、無理やりそうさせたくないのはエーリカたちも同様であった。アベルとレイヨンの仲の進展は2人が決めることである。アベルがレイヨンを大事にしたいとならば、それを貫き通せばいいのである。だが、それはレイヨンがそこで踏みとどまれればの話だが……。
それはさておき、セツラとコッサンがまたしても移動を再開する。今度はいったいどこにセツラを連れていくのだろうと考えるエーリカたちであった。陽は高くまで昇っており、そろそろお昼時になっていた。ならば、考えらるとしたら、食事処である。そして、エーリカたちの予想は大当たりする。
「あたし、天麩羅と冷やしお蕎麦のセットね」
「んじゃ、俺もそれで、ただし天麩羅は2人前だ」
「タケルお兄ちゃん、ずっこい! あたしも天麩羅を2人前でお願い!
「レイは何にする? それがしはざるそばにしようかと思うのだが」
「悩ましいのです。暑い時こそ、がっつりと食べたい派なのです。でも、食い意地の張った女だと思われるのは恥ずかしいのです」
レイヨンとしては天麩羅を2人前頼むのは決まりであった。しかしながら、ザルソバを頼んでおいて、ご飯を一緒に頼むのはおかしい話だ。冷やし蕎麦なら、ご飯を頼んでもおかしくは感じない。レイヨンは悩んだ末にザルソバを2人前にした。そしてアベルはレイヨンが恥ずかしくないようにザルソバを4人前注文したのである。
注文してから10分もすると、エーリカたちの眼の前に蕎麦セットが運ばれてくることになる。エーリカたちは運ばれてきた料理に舌鼓を打ちながら、お昼を楽しむのであった。彼女たちの頭の中からは、すっぽりとセツラのことは抜け落ちていた。
「ん~~~。蕎麦はホバート国こそが一番と思っていたけど、アデレート王国も案外やるじゃないのっ」
「こっちのは十割蕎麦が基本なせいか、歯ごたえがいまいちだ。でも香りを重視する国なだけあって、歯ごたえのことを忘れちまうほどに蕎麦の香りを存分に楽しめるぜ」
「アデレート王国はどの料理も香りを大事にするのです。最初はとっつきにくかったけど、慣れるとこれはこれで病みつきになるのです!」
アデレート王国はどの料理でも香りが重要視される。それがご飯だとしてもだ。そのため、なかなかに胃が受け付けなかったエーリカたちである。だが、アデレート王国に上陸してから、早1カ月が経とうとしている。いい加減、エーリカたちは慣れっこになっており、香りが強い料理でも平然と食べれるようになってきた。
「あ~~~。食べたわ……。って、セツラお姉ちゃんたちがいないわっ!?」
「おっと! 俺もいまさらに気づいたわっ。う~~~ん。後で改めて、セツラにどうだったかって聞こうか」
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