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第13章:ロリョウの町・攻防戦
第7話:猛る拳王
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「5千も抜けられたのは計算外だったけど、カキンとコッサンが上手くロリョウの町を抑えてくれたみたいね。ひょっとすると……って、背筋に怖気が走っちゃったわ」
「カキンはともかくとして、コッサンはなかなかにやりおるのう。口だけでどうにかなる話ではない。あとでどうやって統制を取ったのか、教えてもらおうかい」
「そんなことより、目の前に敵がいるんだぁ。うちはよだれが口から零れて零れて、身体の奥から溢れ出す衝動を止めれんぜぇ!」
「久方ぶりに大暴れできるってことで、キョーコはまだまだ血を浴びたりてないみたいね。アイス師匠。キョーコと共に兵100を与えるわ。暴れるだけ暴れてちょうだい」
エーリカは自分の補佐であるアイス=キノレと拳王:キョーコ=モトカードにそれぞれ兵100を与える。自分は残りの300を率いて、アイス師匠たちの後詰に入る。アイスとキョーコは、こちらに振り返りもせずにロリョウの町を力攻めしている敵兵に容赦なく襲い掛かる。
鎧を着こんだ兵士たちの首級がアイスの一閃で、次々と宙を舞う。しかしながら、キョーコはそうすることも面倒くさいとばかりに兵士の腹や背に拳を叩きこみ、宙に舞い上がらせてから、その身体を内側から爆ぜさせる。兵士たちが宙で爆散し、血と臓腑の雨がキョーコの頭上に降り注ぐ。
キョーコはその朱い雨で身体中を濡らしても、圧倒的暴力を止めようとはしなかった。むしろ、朱い雨がキョーコのパワーをさらに高めていく。ぬかるみ帯で立ち往生していた5千の敵兵を駆逐した血濡れの女王の団がエーリカ率いる本隊に到着すると、キョーコが為したことに驚きを隠せなくなってしまう。
「これはいささか敵が可哀想でござる」
「うっわ。俺っちたちの武功を全部かっさらうつもりか? 拳王様は」
「うぅ……。血の匂いでぼくのおちんこさんがビンビンになっていくのですぅ……。はぁはぁ、もう我慢できないのですぅ! ブルース様ぁ、早くぼくたちもあそこに混ざりましょうよぉぉぉ!」
ブルースは散乱する敵の遺体を見て、及び腰となってしまいそうになる。だが、彼の補佐たちは早くいこうぜっ! とブルースの背中を押しまくるのであった。ブルースはここは戦場だぞっ! と思い直し、掃討作戦に加勢しろと皆に命ずるのであった。
アベル隊もまた、ロリョウの町を囲む敵兵に接近していた。こちらは丘の上から竹細工によって作った大きくて丸い火球の種に火をつけて、敵へと転がしまくっていた。エーリカ本隊とブルース隊が混乱する敵兵の中に突っ込んでいくのは予定通りであった。そして、自分たちもまた敵に突っ込んでいこうとした矢先、エーリカ本隊が逃げて行った敵兵5千を追いかけることになる。
アベル隊はブルース隊と連携し、混乱しきっている敵兵を屠りまくった。あらかた決着がついたということで、ブルース隊はアベル隊に掃討を任せて、エーリカ本隊との合流に向かう。
「うむ。いささか丁寧に敵を殺しすぎたようだ。エーリカの感心がロリョウの町の攻防戦に移ってしまっている」
「エーリカの前で目立ってなんぼだってことを忘れてしまっていたんだべさ。死んでいるかの確認までしなくてよかったんだべさ」
「真面目さが仇になっってしまったのです! 今からでもエーリカ様の前で目立ちまくるのです!」
遅れてエーリカ本隊に合流したアベル隊はエーリカの指示を受けるや否や、ブルース隊と合流し、ロリョウの町と挟撃になってしまっている敵軍を屠りに行く。エーリカはさらに伝令を飛ばし、砦に残っているコタローたちも出陣するようにと命令を下す。コタローたちは砦の守備兵をほとんど残さずに、ロリョウの町の攻防戦へと参戦するのであった。
「勝負ありと言うところですね。投降するならば命までは取らないと敵兵に伝達を」
クロウリー隊もまた、ロリョウの町の攻防戦に参加していた。そろそろ頃合いだと感じたクロウリーは無益に敵兵を殺さないようにと血濡れの女王の団全体に指示を飛ばす。敵兵は1万も擁していたというのに、死傷者がその5割近くにまで達していた。
そうなってしまった原因である敵将のチンオウと彼の補佐であるホウリュウを捕縛する。捕縛されたチンオウとホウリュウはエーリカの前に連れていかれることになる。
「どうか私めは許してくだされ! 私めはチンオウ将軍の命令に従ったまで!」
「貴様っ! 自分に全ての罪を擦り付けるかっ! 貴様のような無能を補佐につけたことが間違いであったわっ!」
眼の前に連行されたというのに、互いを醜く罵り合う2人を見て、エーリカたちはため息を吐かざるをえなくなる。確かにこちらの策が驚くほどに決まった相手であるために、この2人は無能も良いところであった。だが、戦とは水物であり、その流れが決まるまでは、どちらが勝利者になるかはわからない。
「チンオウ将軍は牢に。ホウリュウは斬首」
「かしこまりました、エーリカさまの仰せのままに」
チンオウ将軍は、これからの南ケイ州との戦いで役に立つと考えた。エーリカは彼だけは牢にぶち込むのであった。だが、彼の補佐であるホウリュウは上司であるチンオウ将軍を売ってまで助かろうとしたため、生かしておけば災いとなることは必定である。ホウリュウは斬首されるその際まで、見苦しさを露呈しまくった。
「あたしは捕らえられたとしても、ホウリュウみたいにはなりたくないわね」
「彼は彼なりに生きようとあがいただけです。エーリカ殿は血濡れの女王の団の首魁なのです。あそこまで醜い姿を見習えとは言いませんが、あっさり死ぬようなことだけはやめてくださいね」
「カキンはともかくとして、コッサンはなかなかにやりおるのう。口だけでどうにかなる話ではない。あとでどうやって統制を取ったのか、教えてもらおうかい」
「そんなことより、目の前に敵がいるんだぁ。うちはよだれが口から零れて零れて、身体の奥から溢れ出す衝動を止めれんぜぇ!」
「久方ぶりに大暴れできるってことで、キョーコはまだまだ血を浴びたりてないみたいね。アイス師匠。キョーコと共に兵100を与えるわ。暴れるだけ暴れてちょうだい」
エーリカは自分の補佐であるアイス=キノレと拳王:キョーコ=モトカードにそれぞれ兵100を与える。自分は残りの300を率いて、アイス師匠たちの後詰に入る。アイスとキョーコは、こちらに振り返りもせずにロリョウの町を力攻めしている敵兵に容赦なく襲い掛かる。
鎧を着こんだ兵士たちの首級がアイスの一閃で、次々と宙を舞う。しかしながら、キョーコはそうすることも面倒くさいとばかりに兵士の腹や背に拳を叩きこみ、宙に舞い上がらせてから、その身体を内側から爆ぜさせる。兵士たちが宙で爆散し、血と臓腑の雨がキョーコの頭上に降り注ぐ。
キョーコはその朱い雨で身体中を濡らしても、圧倒的暴力を止めようとはしなかった。むしろ、朱い雨がキョーコのパワーをさらに高めていく。ぬかるみ帯で立ち往生していた5千の敵兵を駆逐した血濡れの女王の団がエーリカ率いる本隊に到着すると、キョーコが為したことに驚きを隠せなくなってしまう。
「これはいささか敵が可哀想でござる」
「うっわ。俺っちたちの武功を全部かっさらうつもりか? 拳王様は」
「うぅ……。血の匂いでぼくのおちんこさんがビンビンになっていくのですぅ……。はぁはぁ、もう我慢できないのですぅ! ブルース様ぁ、早くぼくたちもあそこに混ざりましょうよぉぉぉ!」
ブルースは散乱する敵の遺体を見て、及び腰となってしまいそうになる。だが、彼の補佐たちは早くいこうぜっ! とブルースの背中を押しまくるのであった。ブルースはここは戦場だぞっ! と思い直し、掃討作戦に加勢しろと皆に命ずるのであった。
アベル隊もまた、ロリョウの町を囲む敵兵に接近していた。こちらは丘の上から竹細工によって作った大きくて丸い火球の種に火をつけて、敵へと転がしまくっていた。エーリカ本隊とブルース隊が混乱する敵兵の中に突っ込んでいくのは予定通りであった。そして、自分たちもまた敵に突っ込んでいこうとした矢先、エーリカ本隊が逃げて行った敵兵5千を追いかけることになる。
アベル隊はブルース隊と連携し、混乱しきっている敵兵を屠りまくった。あらかた決着がついたということで、ブルース隊はアベル隊に掃討を任せて、エーリカ本隊との合流に向かう。
「うむ。いささか丁寧に敵を殺しすぎたようだ。エーリカの感心がロリョウの町の攻防戦に移ってしまっている」
「エーリカの前で目立ってなんぼだってことを忘れてしまっていたんだべさ。死んでいるかの確認までしなくてよかったんだべさ」
「真面目さが仇になっってしまったのです! 今からでもエーリカ様の前で目立ちまくるのです!」
遅れてエーリカ本隊に合流したアベル隊はエーリカの指示を受けるや否や、ブルース隊と合流し、ロリョウの町と挟撃になってしまっている敵軍を屠りに行く。エーリカはさらに伝令を飛ばし、砦に残っているコタローたちも出陣するようにと命令を下す。コタローたちは砦の守備兵をほとんど残さずに、ロリョウの町の攻防戦へと参戦するのであった。
「勝負ありと言うところですね。投降するならば命までは取らないと敵兵に伝達を」
クロウリー隊もまた、ロリョウの町の攻防戦に参加していた。そろそろ頃合いだと感じたクロウリーは無益に敵兵を殺さないようにと血濡れの女王の団全体に指示を飛ばす。敵兵は1万も擁していたというのに、死傷者がその5割近くにまで達していた。
そうなってしまった原因である敵将のチンオウと彼の補佐であるホウリュウを捕縛する。捕縛されたチンオウとホウリュウはエーリカの前に連れていかれることになる。
「どうか私めは許してくだされ! 私めはチンオウ将軍の命令に従ったまで!」
「貴様っ! 自分に全ての罪を擦り付けるかっ! 貴様のような無能を補佐につけたことが間違いであったわっ!」
眼の前に連行されたというのに、互いを醜く罵り合う2人を見て、エーリカたちはため息を吐かざるをえなくなる。確かにこちらの策が驚くほどに決まった相手であるために、この2人は無能も良いところであった。だが、戦とは水物であり、その流れが決まるまでは、どちらが勝利者になるかはわからない。
「チンオウ将軍は牢に。ホウリュウは斬首」
「かしこまりました、エーリカさまの仰せのままに」
チンオウ将軍は、これからの南ケイ州との戦いで役に立つと考えた。エーリカは彼だけは牢にぶち込むのであった。だが、彼の補佐であるホウリュウは上司であるチンオウ将軍を売ってまで助かろうとしたため、生かしておけば災いとなることは必定である。ホウリュウは斬首されるその際まで、見苦しさを露呈しまくった。
「あたしは捕らえられたとしても、ホウリュウみたいにはなりたくないわね」
「彼は彼なりに生きようとあがいただけです。エーリカ殿は血濡れの女王の団の首魁なのです。あそこまで醜い姿を見習えとは言いませんが、あっさり死ぬようなことだけはやめてくださいね」
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