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第10章:里帰り
第6話:ジャイアン
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「あ~あ~。パパ、酔いつぶれちゃった。あたしが居なくなってから、こうなの?」
「ここまで飲んだのはママの記憶でも、あまり無いわね。パパったら、本当は娘とたくさんお話したかったんじゃないの? ただ、パパの性格がね……。タケルさん、パパが迷惑かけちゃったみたいで、ごめんなさいね?」
「いえ、俺は大丈夫です。ブリトリーさんがエーリカのことを本当に大切してるんだなって思うと、俺ももう少ししっかりしないとって思わされましたし」
酔いつぶれ、食卓の上に上半身を投げ出して寝ているブリトリーの身体に毛布を掛けるタマキであった。タマキさんの所作ひとつひとつに夫を愛しているというのが手に取るようにわかるタケルであった。タマキは新しいお茶を出すわと言い、調理場へと向かっていく。
「タケルお兄ちゃんって、うちの頑固なパパですら、上手いこと扱うわね。そういうことろだけ、タケルお兄ちゃんを尊敬しちゃう」
「まあ、昔からのお付き合いだしな。さすがに初対面でエーリカのパパが相手だったら、こんな風にはならないな」
エーリカはそうかしら? と思ってしまう。タケルお兄ちゃんなら何となく上手いこと、初対面のパパの矛を納めてしまえるような気がしてしまう。確証めいたことは無いのだが、タケルお兄ちゃんならきっと何とかしてくれるという期待があった。その期待は信用と言い換えてもいいかもしれない。
タケルお兄ちゃんなら、自分が困っている時なら、どんな状況でも自分を助けてくれるような気がしてしまう。だが、あくまでも、そういう感じがするだけだ。エーリカはこの感情が何に由来するのか、わからなかった。ママが新しいお茶を食卓に運んでくれた時には、エーリカは考えるだけ無駄ねと割り切っていた。
「王都に戻るのは何時なの?」
「予定ではあと二日はオダーニの村に滞在するわ。今日はゆっくり休ませてもらったけど、支援してくれる村の皆に色々と挨拶回りしなきゃ、失礼すぎるわ」
「ほんと、皆、驚いてると思うわよ。王様に啖呵を切ったっていう噂がオダーニの村にまで届いてたもの。その時はオダーニの村全体がお通夜になったんだから。しっかり、謝っておくのよ?」
エーリカはママの話を聞いて、その時のオダーニの村の情景をありありと想像し、困り果てた顔になってしまう。自分の一挙一動は生まれ故郷であるオダーニの村にまで塁が及ぶであろうことは理解していた。だが、それはあくまでも頭の中であり、肉体で感じたことでは無い。
エーリカは村の悪ガキ集団から、ホバート王国の将軍職にまで昇進した。その一報は、オダーニの村をおおいに盛り上げた。だが、それと同時に不安感もオダーニの村の人々は感じ取っていた。
「あらまあ、あの悪ガキ共が今は立派になったもんさねぇ。ところで、今度はどんな悪さを企んでいるんだい?」
「おう。エーリカちゃん。王都で大暴れしただけじゃなくて、戦でも大暴れしたんだろ? いやあ、たいしたもんだ。今度はテクロ大陸本土で大暴れか!?」
「あんたはどこまでいっても、悪ガキだねぇ。でも、安心しなっ。あんたの暴れっぷりは、わたしたちもすかってするもんだっ!」
「久しぶりだな、エーリカ。ブルースとアベルには嫁候補が出来たって話じゃねえかっ。俺でも、エーリカはごめんだし、そこはしょうがないかっ!」
次の日、エーリカはオダーニの村にある家の一軒一軒に、いつもお世話になっていると、感謝の念を伝えにいく。その度に、あの悪ガキ集団の代表者であるエーリカがねぇ……と感慨深く昔のことを言われてしまう。エーリカは穴があったら入りたい気持ちになってしまう。
「タケルお兄ちゃん……。あたし、そんなにお転婆だった??」
「おう。清々しいレベルでお転婆だったぞっ!」
「そこは慰めるとこでしょっ! 後で正座からの説教だから、覚悟してなさいよ!!」
エーリカはタケルお兄ちゃんの太ももにゲシゲシと右足で蹴りを入れまくる。タケルは痛い痛いと言いながらも、甘んじてエーリカの制裁を受けるのであった。そんな仲睦まじい兄妹に近づいてくる人物が居た。
「ん? エーリカか。これまたベッピン? さんになったなぁ」
「あっ? なんで、そこで疑問符をつけるわけ? もしかして、喧嘩売ってる?」
「そんなわけないだろ。今やエーリカはオダーニの英雄様だぞ。こんなことなら、エーリカをオレの女にしておけばよかったと思うぜ」
「ふんっ。あんたの嫁なんて、こっちから願い下げだわっ。タケルお兄ちゃん、行きましょ!」
エーリカはとある男と邂逅するや否や、憎まれ口を叩き合う。その男はエーリカが台頭する前のオダーニの村の悪ガキ集団代表であった。いつの時代、どこの村や町にも、悪ガキ集団は存在する。そして、何故だかはわからないが、その悪ガキ集団のまとめ役というボス猿が必ず出てくる。
そして、猿山のボスらしく振る舞い、猿山のボスらしく、新しい世代にボコられて退場していく。その男はエーリカたち率いる新世代にボコられて、悪ガキ集団から追い出されることになった。だが、その男は相変わらず、エーリカにでかい態度を取ってきたのだ。
「よぉ、ジャイアン。息災にしてたか?」
「タケルさん……。まるで俺がいじめっ子のような名前で呼ばないでくださいませんか? これでもクソガキの頃とは違って、今では所帯持ちになったんだ」
「マジかよ……。あのジャイアンが? 嫁さんの趣味はボランティア活動か!?」
「いや、オレの昔をよく知っているタケルさんだから、反論できませんけどさぁ!? エーリカ同様、口が悪いですね!?」
「そうか? エーリカに比べたら、可愛いもんだろ。俺のは半分、ジャイアンをからかってのことだし。エーリカのアレはマジだ。本当、犬猿の仲だなっ。久しぶりに顔を見合わせたのに、お互い、憎まれ口を叩くから、びっくりしたぜ」
タケルからジャイアンと呼ばれた男はボリボリと頭を手で掻くしか無かった。その男はエーリカよりも6歳年上であった。この男は家の長男であったため、オダーニの村から離れることは出来なかったという事情がある。そして、家業を継ぎ、嫁ももらったのだ。ひとりの大人として扱われている証拠でもある。
だが、それでもエーリカの顔を見るや否や、ガキ大将であった頃の血が騒ぎ、エーリカに対して、喧嘩腰になってしまった。なんで、こんなにエーリカと反りが合わないのだろうとこの男も不思議でしょうがない。しかしながら、それでもこの男はエーリカの保護者であるタケルに深々と礼をする。
「エーリカを頼んます。本当なら先代のガキ大将であるオレがエーリカの面倒を見てやらないとダメだったんですが……」
「わかってるって。ジャイアンは嫁さんを大事にしてやれ。そして、エーリカが居ない間、お前が村の皆を護ってやるんだぞ」
タケルはそう言うと、その男に右手を軽く振り、別れの挨拶とする。そうした後、タケルは先に行ってしまったエーリカを追いかけるのであった。
「ここまで飲んだのはママの記憶でも、あまり無いわね。パパったら、本当は娘とたくさんお話したかったんじゃないの? ただ、パパの性格がね……。タケルさん、パパが迷惑かけちゃったみたいで、ごめんなさいね?」
「いえ、俺は大丈夫です。ブリトリーさんがエーリカのことを本当に大切してるんだなって思うと、俺ももう少ししっかりしないとって思わされましたし」
酔いつぶれ、食卓の上に上半身を投げ出して寝ているブリトリーの身体に毛布を掛けるタマキであった。タマキさんの所作ひとつひとつに夫を愛しているというのが手に取るようにわかるタケルであった。タマキは新しいお茶を出すわと言い、調理場へと向かっていく。
「タケルお兄ちゃんって、うちの頑固なパパですら、上手いこと扱うわね。そういうことろだけ、タケルお兄ちゃんを尊敬しちゃう」
「まあ、昔からのお付き合いだしな。さすがに初対面でエーリカのパパが相手だったら、こんな風にはならないな」
エーリカはそうかしら? と思ってしまう。タケルお兄ちゃんなら何となく上手いこと、初対面のパパの矛を納めてしまえるような気がしてしまう。確証めいたことは無いのだが、タケルお兄ちゃんならきっと何とかしてくれるという期待があった。その期待は信用と言い換えてもいいかもしれない。
タケルお兄ちゃんなら、自分が困っている時なら、どんな状況でも自分を助けてくれるような気がしてしまう。だが、あくまでも、そういう感じがするだけだ。エーリカはこの感情が何に由来するのか、わからなかった。ママが新しいお茶を食卓に運んでくれた時には、エーリカは考えるだけ無駄ねと割り切っていた。
「王都に戻るのは何時なの?」
「予定ではあと二日はオダーニの村に滞在するわ。今日はゆっくり休ませてもらったけど、支援してくれる村の皆に色々と挨拶回りしなきゃ、失礼すぎるわ」
「ほんと、皆、驚いてると思うわよ。王様に啖呵を切ったっていう噂がオダーニの村にまで届いてたもの。その時はオダーニの村全体がお通夜になったんだから。しっかり、謝っておくのよ?」
エーリカはママの話を聞いて、その時のオダーニの村の情景をありありと想像し、困り果てた顔になってしまう。自分の一挙一動は生まれ故郷であるオダーニの村にまで塁が及ぶであろうことは理解していた。だが、それはあくまでも頭の中であり、肉体で感じたことでは無い。
エーリカは村の悪ガキ集団から、ホバート王国の将軍職にまで昇進した。その一報は、オダーニの村をおおいに盛り上げた。だが、それと同時に不安感もオダーニの村の人々は感じ取っていた。
「あらまあ、あの悪ガキ共が今は立派になったもんさねぇ。ところで、今度はどんな悪さを企んでいるんだい?」
「おう。エーリカちゃん。王都で大暴れしただけじゃなくて、戦でも大暴れしたんだろ? いやあ、たいしたもんだ。今度はテクロ大陸本土で大暴れか!?」
「あんたはどこまでいっても、悪ガキだねぇ。でも、安心しなっ。あんたの暴れっぷりは、わたしたちもすかってするもんだっ!」
「久しぶりだな、エーリカ。ブルースとアベルには嫁候補が出来たって話じゃねえかっ。俺でも、エーリカはごめんだし、そこはしょうがないかっ!」
次の日、エーリカはオダーニの村にある家の一軒一軒に、いつもお世話になっていると、感謝の念を伝えにいく。その度に、あの悪ガキ集団の代表者であるエーリカがねぇ……と感慨深く昔のことを言われてしまう。エーリカは穴があったら入りたい気持ちになってしまう。
「タケルお兄ちゃん……。あたし、そんなにお転婆だった??」
「おう。清々しいレベルでお転婆だったぞっ!」
「そこは慰めるとこでしょっ! 後で正座からの説教だから、覚悟してなさいよ!!」
エーリカはタケルお兄ちゃんの太ももにゲシゲシと右足で蹴りを入れまくる。タケルは痛い痛いと言いながらも、甘んじてエーリカの制裁を受けるのであった。そんな仲睦まじい兄妹に近づいてくる人物が居た。
「ん? エーリカか。これまたベッピン? さんになったなぁ」
「あっ? なんで、そこで疑問符をつけるわけ? もしかして、喧嘩売ってる?」
「そんなわけないだろ。今やエーリカはオダーニの英雄様だぞ。こんなことなら、エーリカをオレの女にしておけばよかったと思うぜ」
「ふんっ。あんたの嫁なんて、こっちから願い下げだわっ。タケルお兄ちゃん、行きましょ!」
エーリカはとある男と邂逅するや否や、憎まれ口を叩き合う。その男はエーリカが台頭する前のオダーニの村の悪ガキ集団代表であった。いつの時代、どこの村や町にも、悪ガキ集団は存在する。そして、何故だかはわからないが、その悪ガキ集団のまとめ役というボス猿が必ず出てくる。
そして、猿山のボスらしく振る舞い、猿山のボスらしく、新しい世代にボコられて退場していく。その男はエーリカたち率いる新世代にボコられて、悪ガキ集団から追い出されることになった。だが、その男は相変わらず、エーリカにでかい態度を取ってきたのだ。
「よぉ、ジャイアン。息災にしてたか?」
「タケルさん……。まるで俺がいじめっ子のような名前で呼ばないでくださいませんか? これでもクソガキの頃とは違って、今では所帯持ちになったんだ」
「マジかよ……。あのジャイアンが? 嫁さんの趣味はボランティア活動か!?」
「いや、オレの昔をよく知っているタケルさんだから、反論できませんけどさぁ!? エーリカ同様、口が悪いですね!?」
「そうか? エーリカに比べたら、可愛いもんだろ。俺のは半分、ジャイアンをからかってのことだし。エーリカのアレはマジだ。本当、犬猿の仲だなっ。久しぶりに顔を見合わせたのに、お互い、憎まれ口を叩くから、びっくりしたぜ」
タケルからジャイアンと呼ばれた男はボリボリと頭を手で掻くしか無かった。その男はエーリカよりも6歳年上であった。この男は家の長男であったため、オダーニの村から離れることは出来なかったという事情がある。そして、家業を継ぎ、嫁ももらったのだ。ひとりの大人として扱われている証拠でもある。
だが、それでもエーリカの顔を見るや否や、ガキ大将であった頃の血が騒ぎ、エーリカに対して、喧嘩腰になってしまった。なんで、こんなにエーリカと反りが合わないのだろうとこの男も不思議でしょうがない。しかしながら、それでもこの男はエーリカの保護者であるタケルに深々と礼をする。
「エーリカを頼んます。本当なら先代のガキ大将であるオレがエーリカの面倒を見てやらないとダメだったんですが……」
「わかってるって。ジャイアンは嫁さんを大事にしてやれ。そして、エーリカが居ない間、お前が村の皆を護ってやるんだぞ」
タケルはそう言うと、その男に右手を軽く振り、別れの挨拶とする。そうした後、タケルは先に行ってしまったエーリカを追いかけるのであった。
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