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第2章:社会勉強
第5話:寺門町
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ホバート王国の主要な宗派のひとつは、創造主:Y.O.N.Nが最初に創り出した神である始祖神:S.N.O.Jを信奉する始祖神教であった。創造主:Y.O.N.Nにまつわる伝記が地上界に数多く残されているはもちろんのことではある。しかしながら始祖神:S.N.O.Jの方が圧倒的に地上界の人々と交流をもったという伝記が残されている。地方によっては創造主:Y.O.N.Nよりも、始祖神:S.N.O.Jのほうが人気だったりもするのだ。
その始祖神:S.N.O.Jの直属の配下にあたる七福神の1柱であるアメノエビスを信仰しているのがダーショージであった。アメノエビスは商売繁盛、豊漁を司る神様であり、ツールガの港町でも信仰されている。アメノエビスを敬う本山が、このダーショージの寺門町の近くにあった。
日暮れも近づいてきていたので、大魔導士:クロウリー=ムーンライトが引率する一行は、宿屋で一泊し、朝の早くからアメノエビスを詣でるのであった。小高い山の途中にある社で、エーリカたちは拍手と礼でアメノエビスを敬う。そうした後、山の上からダーショージの寺門町を一望する。
「川を前に、背は小高い山。防御が厚そうな寺門町ね。もしかして、これも社会勉強のひとつだったりする?」
「エーリカ殿。さすがは察しが良い。それではここで問題です。何故、ダーショージの寺門町は防御に適しているこの土地を選んだのでしょうか?」
クロウリーは教壇に立ち、教鞭を振るう教師のように、生徒であるエーリカとセツラに質問してみせる。エーリカとセツラはそんなクロウリーが面白いのか、クスクスと笑い合う。クロウリーはごほん……と咳払いをし、とある人物を名指しするのであった。
「おいっ! なんで俺を指名すんだよっ!」
「エーリカ殿やセツラ殿がノーヒントでこの問題の答えがわかるはずがないからです。タケル殿なら、適当に説明不足な感じで回答出来ると信じています」
「ちっ……。期待されてんのか、期待されてねえのかよくわからない評価だな。んじゃまあ、ふたりの気づきになるような答え方をしておくか。宗教ってのは信仰だけでなく、金も集まるんだわ、これまた」
タケルの答えに、エーリカはクエスチョンマークを3つ、頭に浮かべながら首を傾げてしまうことになる。しかしながら、さすがは辺境の村:オダーニの村長の娘であるセツラであった。彼女は気づきを得た後、教師であるクロウリーに近づいていき、左耳がこそばゆくなりそうな小声で、自分が導き出した答えをクロウリーに囁く。
「ご名答。さすがは神社の跡取り娘であるセツラ殿ですね。すぐにわかってしまいましたか」
「えへへ。わたくしは箱入り娘という自覚を持っていましたので、そこもヒントになったと思いますわ」
教師であるクロウリーに正解ですと言われたたけで、嬉しくなってしまうセツラである。ニコニコ笑顔でエーリカの方を見ると、エーリカは未だにうーーーん、うーーーん!? と悩んでいたのである。
「エリカさん。頑張って! エリカさんなら、想像力を広げれば良いだけですからっ!」
「お金が集まる? さい銭箱にたくさんお金が投げ込まれるってこと? んー。待って。神社ってお守りとか、結婚式、厄払いでも稼いでるし。んで、信徒が多ければ多いほど、そのお金が……。あーーー!!」
「やっと気づいてくれたようですね。寺門町っていうのが、どういうモノかも、これで気づくでしょう」
「うん、わかったわ! オダーニにある神社がそれほど大きくないから、そっちのイメージに引っ張られちゃってた! そう言われればそうよね。そりゃ辺境の村とは違うもの。信徒が本山近くに集まれば、それだけで生活圏が生まれるし、本山の神社は信徒たちのおかげでウハウハ。その金づるを護ろうと思えば、立地も大切になるってことね」
「そういうことです。これだから神に仕える聖職者は宗教をやめられないのです。神様はああ言われたこう言われたと適当なことを信徒たちに伝えているだけで、お布施がガバガバ懐に入ってきますからね」
「そ、そこまで言われると、巫女のわたくしはいたたまれない気持ちになってしますわ」
大魔導士:クロウリー=ムーンライトの皮肉たっぷりの宗教解説に対して、苦笑してしまうしかないセツラであった。しかしながら、ここでさらなる気づきがセツラに訪れることになる。
「もしかして、エーリカさんが旗揚げした暁には、集金係として、わたくしも一役担えってことになりませんか?」
「そこまで露骨なことは言いませんよ、いくら先生でも。世の中にはキレイごとも必要なんです。エーリカ殿の野望にはセツラ殿の清楚さも必要なだけです」
「ちょっと待ってくれない? まるであたしがガサツなゴリラみたいな扱いじゃないの!」
「いえ……。そういうことではないのですが。主のエーリカ殿。聖のセツラ殿。そして、将のブルース=イーリン、アベルカーナ=モッチン。それぞれに役割を担うことこそが肝要なのです」
上手くはぐらかされたわねと思うエーリカである。しかしながら、エーリカはこの場所から一望できるダーショージの寺門町を自分の町、いや、国造りに役立てようと考える。小高い山の上に社では無く、城を建てる。そして、このダーショージのように天然の要塞となる王都をと考える。
しかしながら、そう夢想しておきながら、大魔導士:クロウリー=ムーンライトは、ごほんとひとつ咳払いをし、注意点をエーリカに申し上げる。
「ダーショージは良い寺門町です。ですが、この造りはこれはこれで問題があるんです。まあ、実際にやらかして勉強したほうがてっとり早いんですが。まあ、これは宿題として、エーリカ殿に課しておきましょう。こういう【城砦】はどしても必要になりますから」
「ひっかかる言い方ね。やっぱり王都は王都として、ぐるっと街全てを高い石壁で囲んだほうが良いのかしら?」
「そこは国主それぞれの好みもあるし、立地をそこしか選べないって事情もあるからなぁ。王都とする地は厳選しろって話だと思うぞ」
タケルの言にふぅんと意味ありげな息をするエーリカであった。自分はまだまだ世の中を知らないということだ。色々な城と城下町を見ることで、自分が興す予定の国の王都がどんな形をしているのがベストなのかをこれから知っていけば良いのだろうと考える。その上で、大魔導士:クロウリー=ムーンライト様が自分に出した宿題の答えを示せば良いのだろうと。
「さて、下山しましょ。クロウリー様。次はどこに向かうのかしら?」
「宗教の在り方に関心をもたれたのならば、セツラ殿を交え、セツラ殿の御父上から学び直せば良いと思います。なので、次は商業都市に行ってみようかと思います」
「ツールガの港町も立派な商業都市だと思うけど、それとはまた別ってこと?」
「はい、そうですね。港町はそれ自体が立派な商業都市となります。ですが分類としてはツールガは港湾都市と考えたほうが良いです。イメージとしてはキャラバンをもっと大きくした街をイメージしてもらえると良いかと」
その始祖神:S.N.O.Jの直属の配下にあたる七福神の1柱であるアメノエビスを信仰しているのがダーショージであった。アメノエビスは商売繁盛、豊漁を司る神様であり、ツールガの港町でも信仰されている。アメノエビスを敬う本山が、このダーショージの寺門町の近くにあった。
日暮れも近づいてきていたので、大魔導士:クロウリー=ムーンライトが引率する一行は、宿屋で一泊し、朝の早くからアメノエビスを詣でるのであった。小高い山の途中にある社で、エーリカたちは拍手と礼でアメノエビスを敬う。そうした後、山の上からダーショージの寺門町を一望する。
「川を前に、背は小高い山。防御が厚そうな寺門町ね。もしかして、これも社会勉強のひとつだったりする?」
「エーリカ殿。さすがは察しが良い。それではここで問題です。何故、ダーショージの寺門町は防御に適しているこの土地を選んだのでしょうか?」
クロウリーは教壇に立ち、教鞭を振るう教師のように、生徒であるエーリカとセツラに質問してみせる。エーリカとセツラはそんなクロウリーが面白いのか、クスクスと笑い合う。クロウリーはごほん……と咳払いをし、とある人物を名指しするのであった。
「おいっ! なんで俺を指名すんだよっ!」
「エーリカ殿やセツラ殿がノーヒントでこの問題の答えがわかるはずがないからです。タケル殿なら、適当に説明不足な感じで回答出来ると信じています」
「ちっ……。期待されてんのか、期待されてねえのかよくわからない評価だな。んじゃまあ、ふたりの気づきになるような答え方をしておくか。宗教ってのは信仰だけでなく、金も集まるんだわ、これまた」
タケルの答えに、エーリカはクエスチョンマークを3つ、頭に浮かべながら首を傾げてしまうことになる。しかしながら、さすがは辺境の村:オダーニの村長の娘であるセツラであった。彼女は気づきを得た後、教師であるクロウリーに近づいていき、左耳がこそばゆくなりそうな小声で、自分が導き出した答えをクロウリーに囁く。
「ご名答。さすがは神社の跡取り娘であるセツラ殿ですね。すぐにわかってしまいましたか」
「えへへ。わたくしは箱入り娘という自覚を持っていましたので、そこもヒントになったと思いますわ」
教師であるクロウリーに正解ですと言われたたけで、嬉しくなってしまうセツラである。ニコニコ笑顔でエーリカの方を見ると、エーリカは未だにうーーーん、うーーーん!? と悩んでいたのである。
「エリカさん。頑張って! エリカさんなら、想像力を広げれば良いだけですからっ!」
「お金が集まる? さい銭箱にたくさんお金が投げ込まれるってこと? んー。待って。神社ってお守りとか、結婚式、厄払いでも稼いでるし。んで、信徒が多ければ多いほど、そのお金が……。あーーー!!」
「やっと気づいてくれたようですね。寺門町っていうのが、どういうモノかも、これで気づくでしょう」
「うん、わかったわ! オダーニにある神社がそれほど大きくないから、そっちのイメージに引っ張られちゃってた! そう言われればそうよね。そりゃ辺境の村とは違うもの。信徒が本山近くに集まれば、それだけで生活圏が生まれるし、本山の神社は信徒たちのおかげでウハウハ。その金づるを護ろうと思えば、立地も大切になるってことね」
「そういうことです。これだから神に仕える聖職者は宗教をやめられないのです。神様はああ言われたこう言われたと適当なことを信徒たちに伝えているだけで、お布施がガバガバ懐に入ってきますからね」
「そ、そこまで言われると、巫女のわたくしはいたたまれない気持ちになってしますわ」
大魔導士:クロウリー=ムーンライトの皮肉たっぷりの宗教解説に対して、苦笑してしまうしかないセツラであった。しかしながら、ここでさらなる気づきがセツラに訪れることになる。
「もしかして、エーリカさんが旗揚げした暁には、集金係として、わたくしも一役担えってことになりませんか?」
「そこまで露骨なことは言いませんよ、いくら先生でも。世の中にはキレイごとも必要なんです。エーリカ殿の野望にはセツラ殿の清楚さも必要なだけです」
「ちょっと待ってくれない? まるであたしがガサツなゴリラみたいな扱いじゃないの!」
「いえ……。そういうことではないのですが。主のエーリカ殿。聖のセツラ殿。そして、将のブルース=イーリン、アベルカーナ=モッチン。それぞれに役割を担うことこそが肝要なのです」
上手くはぐらかされたわねと思うエーリカである。しかしながら、エーリカはこの場所から一望できるダーショージの寺門町を自分の町、いや、国造りに役立てようと考える。小高い山の上に社では無く、城を建てる。そして、このダーショージのように天然の要塞となる王都をと考える。
しかしながら、そう夢想しておきながら、大魔導士:クロウリー=ムーンライトは、ごほんとひとつ咳払いをし、注意点をエーリカに申し上げる。
「ダーショージは良い寺門町です。ですが、この造りはこれはこれで問題があるんです。まあ、実際にやらかして勉強したほうがてっとり早いんですが。まあ、これは宿題として、エーリカ殿に課しておきましょう。こういう【城砦】はどしても必要になりますから」
「ひっかかる言い方ね。やっぱり王都は王都として、ぐるっと街全てを高い石壁で囲んだほうが良いのかしら?」
「そこは国主それぞれの好みもあるし、立地をそこしか選べないって事情もあるからなぁ。王都とする地は厳選しろって話だと思うぞ」
タケルの言にふぅんと意味ありげな息をするエーリカであった。自分はまだまだ世の中を知らないということだ。色々な城と城下町を見ることで、自分が興す予定の国の王都がどんな形をしているのがベストなのかをこれから知っていけば良いのだろうと考える。その上で、大魔導士:クロウリー=ムーンライト様が自分に出した宿題の答えを示せば良いのだろうと。
「さて、下山しましょ。クロウリー様。次はどこに向かうのかしら?」
「宗教の在り方に関心をもたれたのならば、セツラ殿を交え、セツラ殿の御父上から学び直せば良いと思います。なので、次は商業都市に行ってみようかと思います」
「ツールガの港町も立派な商業都市だと思うけど、それとはまた別ってこと?」
「はい、そうですね。港町はそれ自体が立派な商業都市となります。ですが分類としてはツールガは港湾都市と考えたほうが良いです。イメージとしてはキャラバンをもっと大きくした街をイメージしてもらえると良いかと」
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