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第12章:ヒトが覇王を超える時
第8話:停戦協定
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――テンショウ21年6月12日 正午頃 ニンゲン族が支配するヤマダイ国のオゥサカ城・大広間にて――
覇王を撃退せしめてから五日後、エルフ族・魔族・亜人族の代表たちはニンゲン族の首魁であるタムラ=サカノウエに招かれて、ヤマダイ国の首都であるオゥサカの地に足を踏み入れる。そこでニンゲン族の手厚い歓待を受けた後、皆はオゥサカ城に居場所を移す。そこで待っていたのは渋い顔をしたニンゲン族の宰相であるマサユキ=サナダであった。4種族の代表たちは彼の表情を見て、ゴクリと喉の奥に唾を押下する他無かった。マサユキ=サナダは重い口を開けて、ドワーフ族から示された、今回の戦についての停戦協定案を発表することとなる。
「なん……だと? 行方知れずになっていたマサユキの子息とカミラ=ティアマト殿の身の安全と引き換えに、3カ月に及ぶ停戦協定を結ぼうとドワーフ族の新女王から提案されただと?」
「タムラ殿。私事を交えての発言を許してくだされ。自分は愚息に死んでほしいと思っていないのです」
マサユキ=サナダは下唇を歯で噛みながらも、主であるタムラ=サカノウエに深々と頭を下げてみせる。ここでソレを蹴れば、自分はドワーフ族に組みすると言い出しかねない雰囲気を醸し出していた。マサユキ=サナダには二人の息子が居たが、跡取りはユキムラ=サナダではなく、長子のノブユキ=サナダの方である。理屈しては、跡取りを大事にするのが常識であるのに、マサユキ=サナダはユキムラ=サナダを見殺しには出来ぬと主張してきたのである。
これにはタムラ=サカノウエも言い返すことは何も無かった。マサユキ=サナダのお家事情であり、これに口を挟むのは主であるタムラ=サカノウエでも難しいのだ。そして、滅多に主に頼み事をしないような男である以上、マサユキ=サナダの覚悟が相当なモノであることを察するタムラ=サカノウエであった。
さらにドワーフ族の新女王からの情報提供では、ユキムラ=サナダは『勇者』の神力に芽生え、彼と同じくドワーフ族に囚われたままのカミラ=ティアマトも『英傑』の神力に目覚めたと判明したのである。テクロ大陸に存在する偉人の内、二人がドワーフ族の手中に収まっている以上、下手に動けぬ身となってしまう4種族の代表たちであった。
そして、ドワーフ族の新女王が3カ月の停戦を持ちかけてきているのは、覇王がいまだに存命であることを匂わせるには十分であった。勇者と英傑の話を持ち出すことで、ドワーフ族は3カ月の猶予を得ようとしていることを、皆は瞬時に理解する。
「まあ、あちらの提案を受け入れて良いんじゃないですか? ダイクーン王国ははアイナ=ダイクーンという女性を新しい女王に据えたのでしょう? あちらはあちらで新政権を樹立したばかりですし、体制も整わぬ内に協定破りを仕掛けてくるとも思えませんからねえ?」
「ワタクシもハジュンさんの意見に同意させてもらいますわ。ですけど、もう少し、停戦協定の期限を引き延ばしても良いと思いますの。ワタクシとハジュンさんとの挙式が終えるまでの間くらいは一時的ながらも平和を堪能したいですわよ?」
魔族の代弁者とエルフ族の女王はそう言って、仲睦まじく、互いの手を握ってみせる。多少、魔族の代弁者の片頬が引きつっているかのように見えるが、タムラ=サカノウエは気のせいだろうと、見て見ぬ振りをする。今まで飄々と生きてきたハジュン=ダイロクテンがエルフ族の女王を娶れば、少しくらい落ち着いてくれるだろうという判断だからだ。それゆえに、ドワーフ族への返答には、多少なりとも色をつける方向で話が進む。
「しっかし、魔族の代表とエルフ族の代表が結婚しちまうかっての話なんだろ? この機を逃す方がおかしいと思わないか? アニキとしては?」
「え? イヴァンくん、何を言いたいわけで?」
「いやまあ、実現するかどうかはわからないが、ドワーフ族の新女王にもアニキとアンジェラ殿の結婚式に出席してもらおうぜって話だ。まあ、無理筋なのはわかっちゃいるけどなあ……」
まだ停戦の話もまとまってないと言うのに、亜人族の長であるイヴァン=アレクサンドロヴァの提案は突拍子もないことで、皆は無理だろうと結論づけてしまう。イヴァン=アレクサンドロヴァはやっぱりダメかあ……と言いながら、頭をうなだれてしまう。
そんな彼に対して、彼の嫁がよしよしと頭を撫でてみせる。頭に知恵が足らぬ旦那にしては、なかなかに面白い提案じゃったぞと、彼女なりに旦那を褒めてみせる。旦那の方は途端に明るい表情となり、そうかそうかとひとり納得してみせるのだが、それを見ていた周りは、今のは誉めてないだろと心の中で総ツッコミせざるをえなかった。
かくして、話はとんとん拍子に進み、ドワーフ族と他の4種族との停戦協定は3カ月では無く、6カ月に引き伸ばされることとなる。これが功を奏し、ユキムラ=サナダとアンジェラ=キシャルはドワーフ族の客として丁重に扱うとの返事が来たのであった。そして、彼らが国賓として扱われている証拠として、彼ら直筆の手紙が各国の代表者たちに届くこととなる。
「拝啓 親父殿。秋も深まりつつあります。お身体には十分に気をつけて……か。いやはや、こちらの身よりも自分の身の大事を一番にせぬか……」
マサユキ=サナダは息子からの巻物型の手紙をじっくりと読んでいた。溢れそうになる涙を右手で拭いつつ、手紙の続きを読む。しかし、手紙を読んでいる内に、マサユキ=サナダの顔は真っ青になり、次の瞬間には頭に血を昇らせて、真っ赤な茹蛸になり、さらには読んでいた手紙を畳みの上に叩きつけて、散々に踏みつけてみせる。カンベー=クロダはどうしたどうした? と興味深そうにグチャグチャになった巻物型の手紙を引き伸ばし、その内容を吟味する。
「ほほっ! カミラ=ティアマト殿とはネンゴロな関係になれたでごわすか。マサユキ=サナダ殿。これで跡継ぎの方は問題無いでごわすなぁ?」
マサユキ=サナダはしてやられたと思った。宰相の身分にあるサナダ家を長子に継がせようと考えていたのに、次子が長子の嫁の身分を遥かに超えているのだ。しかも、カミラ=ティアマトはエルフ族の女王が魔族の代弁者と結婚して引退した際には、一時的にエルフ族の代表(仮)となるのが確定している。そうなれば、彼女のお相手である自分の次子がサナダ家の跡取りで無いことのほうがおかしいという理屈にすげ変わってしまう。
「カンベー=クロダ殿ぉぉぉ!? 知ってて、自分に教えていなかったであろう!?」
「うむ。面白いことになりそうだから、黙っておいたでごわす。タムラ様もマサユキ殿がどう立ち回るか見物だから、内密にしておけと指示を受けていたのでごわす。恨むなら我らが主を恨むべきでごわす」
覇王を撃退せしめてから五日後、エルフ族・魔族・亜人族の代表たちはニンゲン族の首魁であるタムラ=サカノウエに招かれて、ヤマダイ国の首都であるオゥサカの地に足を踏み入れる。そこでニンゲン族の手厚い歓待を受けた後、皆はオゥサカ城に居場所を移す。そこで待っていたのは渋い顔をしたニンゲン族の宰相であるマサユキ=サナダであった。4種族の代表たちは彼の表情を見て、ゴクリと喉の奥に唾を押下する他無かった。マサユキ=サナダは重い口を開けて、ドワーフ族から示された、今回の戦についての停戦協定案を発表することとなる。
「なん……だと? 行方知れずになっていたマサユキの子息とカミラ=ティアマト殿の身の安全と引き換えに、3カ月に及ぶ停戦協定を結ぼうとドワーフ族の新女王から提案されただと?」
「タムラ殿。私事を交えての発言を許してくだされ。自分は愚息に死んでほしいと思っていないのです」
マサユキ=サナダは下唇を歯で噛みながらも、主であるタムラ=サカノウエに深々と頭を下げてみせる。ここでソレを蹴れば、自分はドワーフ族に組みすると言い出しかねない雰囲気を醸し出していた。マサユキ=サナダには二人の息子が居たが、跡取りはユキムラ=サナダではなく、長子のノブユキ=サナダの方である。理屈しては、跡取りを大事にするのが常識であるのに、マサユキ=サナダはユキムラ=サナダを見殺しには出来ぬと主張してきたのである。
これにはタムラ=サカノウエも言い返すことは何も無かった。マサユキ=サナダのお家事情であり、これに口を挟むのは主であるタムラ=サカノウエでも難しいのだ。そして、滅多に主に頼み事をしないような男である以上、マサユキ=サナダの覚悟が相当なモノであることを察するタムラ=サカノウエであった。
さらにドワーフ族の新女王からの情報提供では、ユキムラ=サナダは『勇者』の神力に芽生え、彼と同じくドワーフ族に囚われたままのカミラ=ティアマトも『英傑』の神力に目覚めたと判明したのである。テクロ大陸に存在する偉人の内、二人がドワーフ族の手中に収まっている以上、下手に動けぬ身となってしまう4種族の代表たちであった。
そして、ドワーフ族の新女王が3カ月の停戦を持ちかけてきているのは、覇王がいまだに存命であることを匂わせるには十分であった。勇者と英傑の話を持ち出すことで、ドワーフ族は3カ月の猶予を得ようとしていることを、皆は瞬時に理解する。
「まあ、あちらの提案を受け入れて良いんじゃないですか? ダイクーン王国ははアイナ=ダイクーンという女性を新しい女王に据えたのでしょう? あちらはあちらで新政権を樹立したばかりですし、体制も整わぬ内に協定破りを仕掛けてくるとも思えませんからねえ?」
「ワタクシもハジュンさんの意見に同意させてもらいますわ。ですけど、もう少し、停戦協定の期限を引き延ばしても良いと思いますの。ワタクシとハジュンさんとの挙式が終えるまでの間くらいは一時的ながらも平和を堪能したいですわよ?」
魔族の代弁者とエルフ族の女王はそう言って、仲睦まじく、互いの手を握ってみせる。多少、魔族の代弁者の片頬が引きつっているかのように見えるが、タムラ=サカノウエは気のせいだろうと、見て見ぬ振りをする。今まで飄々と生きてきたハジュン=ダイロクテンがエルフ族の女王を娶れば、少しくらい落ち着いてくれるだろうという判断だからだ。それゆえに、ドワーフ族への返答には、多少なりとも色をつける方向で話が進む。
「しっかし、魔族の代表とエルフ族の代表が結婚しちまうかっての話なんだろ? この機を逃す方がおかしいと思わないか? アニキとしては?」
「え? イヴァンくん、何を言いたいわけで?」
「いやまあ、実現するかどうかはわからないが、ドワーフ族の新女王にもアニキとアンジェラ殿の結婚式に出席してもらおうぜって話だ。まあ、無理筋なのはわかっちゃいるけどなあ……」
まだ停戦の話もまとまってないと言うのに、亜人族の長であるイヴァン=アレクサンドロヴァの提案は突拍子もないことで、皆は無理だろうと結論づけてしまう。イヴァン=アレクサンドロヴァはやっぱりダメかあ……と言いながら、頭をうなだれてしまう。
そんな彼に対して、彼の嫁がよしよしと頭を撫でてみせる。頭に知恵が足らぬ旦那にしては、なかなかに面白い提案じゃったぞと、彼女なりに旦那を褒めてみせる。旦那の方は途端に明るい表情となり、そうかそうかとひとり納得してみせるのだが、それを見ていた周りは、今のは誉めてないだろと心の中で総ツッコミせざるをえなかった。
かくして、話はとんとん拍子に進み、ドワーフ族と他の4種族との停戦協定は3カ月では無く、6カ月に引き伸ばされることとなる。これが功を奏し、ユキムラ=サナダとアンジェラ=キシャルはドワーフ族の客として丁重に扱うとの返事が来たのであった。そして、彼らが国賓として扱われている証拠として、彼ら直筆の手紙が各国の代表者たちに届くこととなる。
「拝啓 親父殿。秋も深まりつつあります。お身体には十分に気をつけて……か。いやはや、こちらの身よりも自分の身の大事を一番にせぬか……」
マサユキ=サナダは息子からの巻物型の手紙をじっくりと読んでいた。溢れそうになる涙を右手で拭いつつ、手紙の続きを読む。しかし、手紙を読んでいる内に、マサユキ=サナダの顔は真っ青になり、次の瞬間には頭に血を昇らせて、真っ赤な茹蛸になり、さらには読んでいた手紙を畳みの上に叩きつけて、散々に踏みつけてみせる。カンベー=クロダはどうしたどうした? と興味深そうにグチャグチャになった巻物型の手紙を引き伸ばし、その内容を吟味する。
「ほほっ! カミラ=ティアマト殿とはネンゴロな関係になれたでごわすか。マサユキ=サナダ殿。これで跡継ぎの方は問題無いでごわすなぁ?」
マサユキ=サナダはしてやられたと思った。宰相の身分にあるサナダ家を長子に継がせようと考えていたのに、次子が長子の嫁の身分を遥かに超えているのだ。しかも、カミラ=ティアマトはエルフ族の女王が魔族の代弁者と結婚して引退した際には、一時的にエルフ族の代表(仮)となるのが確定している。そうなれば、彼女のお相手である自分の次子がサナダ家の跡取りで無いことのほうがおかしいという理屈にすげ変わってしまう。
「カンベー=クロダ殿ぉぉぉ!? 知ってて、自分に教えていなかったであろう!?」
「うむ。面白いことになりそうだから、黙っておいたでごわす。タムラ様もマサユキ殿がどう立ち回るか見物だから、内密にしておけと指示を受けていたのでごわす。恨むなら我らが主を恨むべきでごわす」
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