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第17章:ミハエル救出
第9話:ヨーコの尽力
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「どこを見ておる? わらわを前にして、他の女にうつつをぬかすのは許さぬぞ」
「なん……だと!?」
ミハエル=アレクサンダーは激しく動揺する。炭化させたはずの女狐の声が、どこからともなくと耳に届いてきたのである。ミハエル=アレクサンダーは前後左右、さらには上空へと頭を振る。しかし、どこにも女狐の姿は無かった。そんな彼に向かって、彼の股間を下から上へとズドンと蹴りを入れる人物が居た。
まさにその人物とはヨーコ=タマモ本人である。彼女の身体は一部を欠損していた。そう、ヨーコ=タマモが自分の左腕を犠牲にして、ミハエル=アレクサンダーの足元へと転がり込んだのである。そして、ヨーコ=タマモの一撃は、いくら全身鎧に身を包んだミハエル=アレクサンダーだとしても、子宝袋に多大なる負荷を与えられることになったのだ。
「貴様っ! 俺が子を産めぬ身体になったら、どうする気だっ! 俺は神聖マケドナルド帝国を継ぐ男だぞっ!」
「はんっ! 貴様のタマタマはわらわのものよ。他の女を孕ませるために使うのであれば、わらわが潰してくれようぞっ!」
ヨーコ=タマモは地面に寝そべった状態から、もう一度、下から上へと強烈な前蹴りをしてみせる。彼女の履いている下駄は鉄製である。衝撃を伝えるには十分な硬さを持っていた。ミハエル=アレクサンダーは、うぐぉぉぉ!? という男が聞けば、こちらの子宝袋も縮こまるようなうめき声をあげることになる。
「うわぁぁぁ。我輩、少しだけヨーコにちょっかいかけようとしてたんだけど、しなくて正解だった……か?」
「今更、何を言っているんです? 彼女に食指を伸ばそうとすれば、竿を喰いちぎってやるっていう雰囲気をそれとなく出していたでしょ?」
「いや、我輩のおちんこさんの太さは、ヨーコの顎力じゃ、どうにもならねえだろうってタカを括っていた」
アンドレイ=ラプソティはベリアルの戯言に、心底から嘆息せざるをえなかった。ミサ=ミケーンははつらつとした性格が示すように、20代後半となっても、彼女の身体の張りは素晴らしいものであった。しかしながら、ヨーコ=タマモは出るところは出ていて、ひっこんでいるところはひっこんでいて、さらには柔らかい印象を与えるプロポーションの持ち主である。アンドレイ=ラプソティは、彼女の胸の谷間がちらちら見えると、なるべく、彼女の身体に釘付けにならないように注意を払ってきた。
そうしなければならない理由があった。ヨーコ=タマモはそのような男を惑わすのに十分な色香を持っているというのに、どこか、他人を近づかせない雰囲気を薄っすらと醸し出していたのだ。もちろん、ベリアルもそのことには気づいていたが、考えること自体が面倒くさいと思ってしまう、怠惰の権現様なのだ。一発ヤッた後に考えれば良いと考える、まるでダメ男なのである。
そんなベリアルでも、さすがに鉄下駄で子宝袋を下から上へとかち上げられたい性癖は持ち合わせていなかった。なるべくなら、さわさわと子宝袋をいじってほしいタイプである、ベリアルは。あんな手荒い真似をされては、たまったモノではない、子宝袋なだけに。
ミハエル=アレクサンダーは全身鎧越しとは言え、子宝袋を二度も蹴られたことにより、股間に右手を当てながら、その場で崩れ落ちていく。彼が立派だったことは、決して、左手に持つメデューサの盾を手放さなかったことであろう。神鳴りを発生させる長剣と比べれば、今、彼が手に持っていなければならないのは、盾の方だったのは間違いない。
しかしながら、ヨーコ=タマモは、片膝つくミハエル=アレクサンダーの身体に背中方面から自分の身体を纏わせていく。そして、両足をミハエル=アレクサンダーの腰から太ももへ絡め、残された右腕をミハエル=アレクサンダーの首に掛ける。ミハエル=アレクサンダーは締め落とされぬようにと、身体を左右に振り、無理やりヨーコ=タマモを振り落とそうとする。
「ヨーコさんの片手締めは有効デス。でも、残念ながら、いくら片手締めといえども、左腕があれば完璧デシタ」
ヨーコ=タマモが防御の固すぎるミハエル=アレクサンダーに近づくために犠牲にした左腕。この左腕は片手締めを完璧なモノにするために欠かせなかったのだ。ミハエル=アレクサンダーは空気を肺に取り込むために、右手を用いて、ヨーコ=タマモの右腕を振りほどこうとした。
「うぐぐぐぐぐ、うごごごごごっっっ!」
ミハエル=アレクサンダーは段々と意識が遠のいていく中、手甲に包まれた右手で、ヨーコ=タマモの右腕を散々に傷つける。ヨーコ=タマモは右腕に激痛が走るが、それでもミハエル=アレクサンダーを無力化させようと、無理をし続けた。段々と、右腕全体の感覚が無くなっていく。本当にちゃんと首を締めれているのか、疑問を感じてしまうヨーコ=タマモであったが、それでも締めに締め上げた。
ついにミハエル=アレクサンダーは左手に持つメデューサの盾を地面に落とす。だが、この時、ヨーコ=タマモの左手が残されていたなら、ミハエル=アレクサンダーの左腕を拘束出来た。ミハエル=アレクサンダーは両手でヨーコ=タマモの右腕を掴み、ついに拘束から抜け出すことに成功する。
「がはっがはっ、げほっげほっ! このクソ女がっ!」
「わらわひとりで、ここまで出来れば、上等じゃろうて。さあ、アリス殿。悔しいがトドメは任せたのじゃ」
左腕と身体に残された妖力を失ったヨーコ=タマモはぐったりとミハエル=アレクサンダーのいいように殴られそうになっていた。着物の衿を掴まれ、無理やりに身体を起こされる。ミハエル=アレクサンダーは女狐の顔に鉄拳をぶち込んでやろうと思っていた。しかし、彼がそうする前に、ヨーコ=タマモに後を託されたアリス=アンジェラが動いたのである。
「この1発はヨーコ=タマモさんの分。この1発はヨーコ=タマモさんの分。そして、この1発がヨーコ=タマモさんの分なのデスッッッ!」
アリス=アンジェラが最初に放った一発目で、ミハエル=アレクサンダーは憎き女狐を手放し、さらにはヨロヨロと横倒れになる。そこに馬乗りになったのが、アリス=アンジェラであった。アリス=アンジェラは左の拳に溜めれるだけの神力を込めて、ミハエル=アレクサンダーの鼻へと2発目を叩きこむ。
ミハエル=アレクサンダーは顔面に2回、拳を喰らっただけで、泣きそうな顔になっていた。母親にもぶたれたことは無いのだ。ミハエル=アレクサンダーは。なのに、父の仇であるこのアリス=アンジェラに二度もぶん殴れれば、情けなさで涙が留めなく溢れてくる。そんな情けない坊やに対して、一切、躊躇を見せなかったのがアリス=アンジェラであった……。
「なん……だと!?」
ミハエル=アレクサンダーは激しく動揺する。炭化させたはずの女狐の声が、どこからともなくと耳に届いてきたのである。ミハエル=アレクサンダーは前後左右、さらには上空へと頭を振る。しかし、どこにも女狐の姿は無かった。そんな彼に向かって、彼の股間を下から上へとズドンと蹴りを入れる人物が居た。
まさにその人物とはヨーコ=タマモ本人である。彼女の身体は一部を欠損していた。そう、ヨーコ=タマモが自分の左腕を犠牲にして、ミハエル=アレクサンダーの足元へと転がり込んだのである。そして、ヨーコ=タマモの一撃は、いくら全身鎧に身を包んだミハエル=アレクサンダーだとしても、子宝袋に多大なる負荷を与えられることになったのだ。
「貴様っ! 俺が子を産めぬ身体になったら、どうする気だっ! 俺は神聖マケドナルド帝国を継ぐ男だぞっ!」
「はんっ! 貴様のタマタマはわらわのものよ。他の女を孕ませるために使うのであれば、わらわが潰してくれようぞっ!」
ヨーコ=タマモは地面に寝そべった状態から、もう一度、下から上へと強烈な前蹴りをしてみせる。彼女の履いている下駄は鉄製である。衝撃を伝えるには十分な硬さを持っていた。ミハエル=アレクサンダーは、うぐぉぉぉ!? という男が聞けば、こちらの子宝袋も縮こまるようなうめき声をあげることになる。
「うわぁぁぁ。我輩、少しだけヨーコにちょっかいかけようとしてたんだけど、しなくて正解だった……か?」
「今更、何を言っているんです? 彼女に食指を伸ばそうとすれば、竿を喰いちぎってやるっていう雰囲気をそれとなく出していたでしょ?」
「いや、我輩のおちんこさんの太さは、ヨーコの顎力じゃ、どうにもならねえだろうってタカを括っていた」
アンドレイ=ラプソティはベリアルの戯言に、心底から嘆息せざるをえなかった。ミサ=ミケーンははつらつとした性格が示すように、20代後半となっても、彼女の身体の張りは素晴らしいものであった。しかしながら、ヨーコ=タマモは出るところは出ていて、ひっこんでいるところはひっこんでいて、さらには柔らかい印象を与えるプロポーションの持ち主である。アンドレイ=ラプソティは、彼女の胸の谷間がちらちら見えると、なるべく、彼女の身体に釘付けにならないように注意を払ってきた。
そうしなければならない理由があった。ヨーコ=タマモはそのような男を惑わすのに十分な色香を持っているというのに、どこか、他人を近づかせない雰囲気を薄っすらと醸し出していたのだ。もちろん、ベリアルもそのことには気づいていたが、考えること自体が面倒くさいと思ってしまう、怠惰の権現様なのだ。一発ヤッた後に考えれば良いと考える、まるでダメ男なのである。
そんなベリアルでも、さすがに鉄下駄で子宝袋を下から上へとかち上げられたい性癖は持ち合わせていなかった。なるべくなら、さわさわと子宝袋をいじってほしいタイプである、ベリアルは。あんな手荒い真似をされては、たまったモノではない、子宝袋なだけに。
ミハエル=アレクサンダーは全身鎧越しとは言え、子宝袋を二度も蹴られたことにより、股間に右手を当てながら、その場で崩れ落ちていく。彼が立派だったことは、決して、左手に持つメデューサの盾を手放さなかったことであろう。神鳴りを発生させる長剣と比べれば、今、彼が手に持っていなければならないのは、盾の方だったのは間違いない。
しかしながら、ヨーコ=タマモは、片膝つくミハエル=アレクサンダーの身体に背中方面から自分の身体を纏わせていく。そして、両足をミハエル=アレクサンダーの腰から太ももへ絡め、残された右腕をミハエル=アレクサンダーの首に掛ける。ミハエル=アレクサンダーは締め落とされぬようにと、身体を左右に振り、無理やりヨーコ=タマモを振り落とそうとする。
「ヨーコさんの片手締めは有効デス。でも、残念ながら、いくら片手締めといえども、左腕があれば完璧デシタ」
ヨーコ=タマモが防御の固すぎるミハエル=アレクサンダーに近づくために犠牲にした左腕。この左腕は片手締めを完璧なモノにするために欠かせなかったのだ。ミハエル=アレクサンダーは空気を肺に取り込むために、右手を用いて、ヨーコ=タマモの右腕を振りほどこうとした。
「うぐぐぐぐぐ、うごごごごごっっっ!」
ミハエル=アレクサンダーは段々と意識が遠のいていく中、手甲に包まれた右手で、ヨーコ=タマモの右腕を散々に傷つける。ヨーコ=タマモは右腕に激痛が走るが、それでもミハエル=アレクサンダーを無力化させようと、無理をし続けた。段々と、右腕全体の感覚が無くなっていく。本当にちゃんと首を締めれているのか、疑問を感じてしまうヨーコ=タマモであったが、それでも締めに締め上げた。
ついにミハエル=アレクサンダーは左手に持つメデューサの盾を地面に落とす。だが、この時、ヨーコ=タマモの左手が残されていたなら、ミハエル=アレクサンダーの左腕を拘束出来た。ミハエル=アレクサンダーは両手でヨーコ=タマモの右腕を掴み、ついに拘束から抜け出すことに成功する。
「がはっがはっ、げほっげほっ! このクソ女がっ!」
「わらわひとりで、ここまで出来れば、上等じゃろうて。さあ、アリス殿。悔しいがトドメは任せたのじゃ」
左腕と身体に残された妖力を失ったヨーコ=タマモはぐったりとミハエル=アレクサンダーのいいように殴られそうになっていた。着物の衿を掴まれ、無理やりに身体を起こされる。ミハエル=アレクサンダーは女狐の顔に鉄拳をぶち込んでやろうと思っていた。しかし、彼がそうする前に、ヨーコ=タマモに後を託されたアリス=アンジェラが動いたのである。
「この1発はヨーコ=タマモさんの分。この1発はヨーコ=タマモさんの分。そして、この1発がヨーコ=タマモさんの分なのデスッッッ!」
アリス=アンジェラが最初に放った一発目で、ミハエル=アレクサンダーは憎き女狐を手放し、さらにはヨロヨロと横倒れになる。そこに馬乗りになったのが、アリス=アンジェラであった。アリス=アンジェラは左の拳に溜めれるだけの神力を込めて、ミハエル=アレクサンダーの鼻へと2発目を叩きこむ。
ミハエル=アレクサンダーは顔面に2回、拳を喰らっただけで、泣きそうな顔になっていた。母親にもぶたれたことは無いのだ。ミハエル=アレクサンダーは。なのに、父の仇であるこのアリス=アンジェラに二度もぶん殴れれば、情けなさで涙が留めなく溢れてくる。そんな情けない坊やに対して、一切、躊躇を見せなかったのがアリス=アンジェラであった……。
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