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第15章:ダン=クゥガー
第4話:黒い羽
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ダン=クゥガーにしては珍しく、怒りの色をその顔に浮かべていた。青筋をこめかみに一本、浮き立たせ、ギリギリと歯噛みをする。そして、ダン=クゥガーは怒りに任せて、レオン=アレクサンダーの元・正妻であるフローラ=アレクサンダーの髪の毛を掴みつつ、何度もふかふかのベッドへと、彼女の顔面を叩きつける。
しかし、フローラ=アレクサンダーはダン=クゥガーにグイッと頭を引っ張られ、彼のギラギラとした眼で睨みつけれても、彼女は一切、ひるむことはなかった。それどころか、二度目の唾吐きをダン=クゥガーの顔面に喰らわすことになる。
ダン=クゥガーは強情すぎるこの女を殺してしまいたいという激情に駆られることになる。両手でフローラ=アレクサンダーの細い首を鷲掴みにし、まるで雑巾を絞るかのように、捻り上げていく。フローラ=アレクサンダーはカハッカハッ! と酸素を望むが、それを拒むのがダン=クゥガーの両手であった。
フローラ=アレクサンダーは段々と白目を剥いていく。それに対して、ダン=クゥガーの瞳には黒い炎が宿り、ますます、そのギラギラ感を強めるばかりであった。フローラ=アレクサンダーの魂がこの地上界にある身体から天界に昇ろうとするまで、残り数秒も無かった……。
「フローラ様への乱暴はそこまでです!」
ダン=クゥガーに遅れること30分。ついに後宮内部に入ることが出来たアンドレイ=ラプソティたちは駆けに駆けた。そこらで血の匂いが漂っていたが、それに構うことなく、後宮の奥へと走っていく。そんな彼らの眼に映ったのは、豪奢な天幕とカーテン付きのベッドの上で争う2人の男女であった。
首を締め上げられている女性の姿を見るなり、アンドレイ=ラプソティの身体の奥底から、黒い熱が一気に噴き出す。その黒い熱がアンドレイ=ラプソティの背中をおおいに刺激し、彼の背中に6枚羽を現出させる。しかし、アンドレイ=ラプソティの背中の6枚羽の内、2枚がおぞましい黒色に支配されていた。
「アンドレィ、お前っ!?」
アンドレイ=ラプソティの異変に気付いたベリアルが彼を静止しようとする。だが、アンドレイ=ラプソティは口を開けれるだけ、大きく開き、まるで獣のような吼え声をあげる。その咆哮が豪奢な天幕とカーテン付きのベッドの天幕とカーテンを吹き飛ばす。そして、勢いそのままに、フローラ=アレクサンダーの首を絞り上げているダン=クゥガーまでをも吹き飛ばすことになる。
しかし、アンドレイ=ラプソティはそれだけでは満足せずに、宙に放り投げられたダン=クゥガーを追うことになる。ベリアルはチィィィッ! と盛大に舌打ちすることになるが、首を絞められていた女性が生きているかの確認をすることになる。
「おい、大丈夫か!?」
「げほっげほっ! うぅ……。天界への扉が開かれようとしていたわ……。わたくし、まだ生きてい……る?」
「ふぅ……。なんとか間に合ったってところか。おい、お嬢さんよ。あんたを引き金に、アンドレイが堕天しそうになっちまってる。お嬢さんとアンドレイの間に何かあったのか!?」
ベリアルはアンドレイ=ラプソティの身に起きた異変に、この半裸の女性が関わっていると踏む。しかし、彼に問われた側のフローラ=アレクサンダーには、何を問われているのか自体がよくわかっていなかった。そもそもとして、この場にアンドレイ=ラプソティがやってきたこと自体が驚きなのである、フローラ=アレクサンダーにとっては。孤立無援の中、それでも自分だけでもあのダークエルフの男に抗ってみせようとしただけなのである。
彼女からまともな返答を得られぬと感じたベリアルは、おろおろと戸惑うコッシロー=ネヅに対して喝を入れる。
「自分がどうこうできる話ではないのでッチュウ! それこそ、力づくでぶん殴って、目を覚ませ! ってやったほうが、マシな結果を得られる気がするのでッチュウ」
「チッ! 七大悪魔としての立場から言わせてもらえば、アンドレイに堕天してほしいとは思ってはいるが、ここで堕天してもらっちゃ、収拾がつかなくなるっ。アリス嬢ちゃん。何をすればいいか、わかるよなっ!?」
「目を覚ませシャイニング・グーパンをアンドレイ様にぶちかますのデスネ。わかりまシタ。その大役を担いマス!」
アリス=アンジェラはベリアルにそう返答すると、アンドレイ=ラプソティとダン=クゥガーが消えていった先へと駆けていく。しかし、アンドレイ=ラプソティとダン=クゥガーとの戦いの余波が後宮の中に嵐を呼び込み、その余波にアリス=アンジェラだけでなく、ベリアルたちも吹っ飛ばされることになる。
アンドレイ=ラプソティは滾っていた。身体の奥底から留めなく溢れてくる真っ黒な神力に酔いしれていた。ハァハァ……とまるでおちんこさんを丹念に舌で舐められている時に出してしまうような甘い吐息を吐いた。それと同時に、いつ、その感情の高まりをおちんこさんの先端から噴き出してやろうかという、獣のようなギラギラとした眼で、アンドレイ=ラプソティは紅き竜の槍でダン=クゥガーを殴り飛ばしていた。
その熱量が嵐を産むためのエネルギーとなり、後宮中が荒らされていく。後宮に住まう面々はさらに逃げ惑うことになるが、いくつも並ぶ豪奢なベッドや家具と共に吹き飛ばされ、その下敷きになって、身動きが取れなくなってしまう。
アンドレイ=ラプソティはその面々を気遣うそぶりすら見せずに、ダン=クゥガーとの戦いに酔いしれたのである。ただただ、獣のように口をだらしなく開けて、そこからヨダレを垂らし放題にしつつ、ダン=クゥガーの喉笛をいつ噛み千切ってやろうかとだけ、考えるのみであったのだ、アンドレイ=ラプソティは。
「いい加減しつけぇぇぇ! 俺様は神聖ローマニアン帝国の主なるぞっ! いぬっころはひざまずけぇぇぇ!!」
ダン=クゥガーはアンドレイ=ラプソティに攻め続けられるのを嫌がった。それゆえに、ひとびとを魅了し、自分の部下に仕立てあげてきた秘術をアンドレイ=ラプソティに向かって放つ。ダン=クゥガーの舌には魔法陣が描かれており、彼の一言一言が『言霊』のように周囲へと響き渡る。
ダン=クゥガーがひざまずけという命令を発するや否や、アンドレイ=ラプソティだけでなく、後宮内でダン=クゥガーの声が鼓膜に届いた者たち全てにとんでもない重力がのしかかることになる。ベッドや家具に押しつぶされそうになっていた面々は、最初、自分の身体にのしかかってくるそれらの重さが10倍になったと勘違いした。しかし、実際のところは、自分自身の身体に直接、重しが乗せられているような感覚を覚えることになる。
後宮内の面々は幾人かを除き、ダン=クゥガーの発した言葉に屈することになる……。しかし、堕天移行状態へと足を踏み入れたアンドレイ=ラプソティは動きが多少鈍くなる程度であり、その状態から、ダン=クゥガーへと攻撃し続けるのであった……。
しかし、フローラ=アレクサンダーはダン=クゥガーにグイッと頭を引っ張られ、彼のギラギラとした眼で睨みつけれても、彼女は一切、ひるむことはなかった。それどころか、二度目の唾吐きをダン=クゥガーの顔面に喰らわすことになる。
ダン=クゥガーは強情すぎるこの女を殺してしまいたいという激情に駆られることになる。両手でフローラ=アレクサンダーの細い首を鷲掴みにし、まるで雑巾を絞るかのように、捻り上げていく。フローラ=アレクサンダーはカハッカハッ! と酸素を望むが、それを拒むのがダン=クゥガーの両手であった。
フローラ=アレクサンダーは段々と白目を剥いていく。それに対して、ダン=クゥガーの瞳には黒い炎が宿り、ますます、そのギラギラ感を強めるばかりであった。フローラ=アレクサンダーの魂がこの地上界にある身体から天界に昇ろうとするまで、残り数秒も無かった……。
「フローラ様への乱暴はそこまでです!」
ダン=クゥガーに遅れること30分。ついに後宮内部に入ることが出来たアンドレイ=ラプソティたちは駆けに駆けた。そこらで血の匂いが漂っていたが、それに構うことなく、後宮の奥へと走っていく。そんな彼らの眼に映ったのは、豪奢な天幕とカーテン付きのベッドの上で争う2人の男女であった。
首を締め上げられている女性の姿を見るなり、アンドレイ=ラプソティの身体の奥底から、黒い熱が一気に噴き出す。その黒い熱がアンドレイ=ラプソティの背中をおおいに刺激し、彼の背中に6枚羽を現出させる。しかし、アンドレイ=ラプソティの背中の6枚羽の内、2枚がおぞましい黒色に支配されていた。
「アンドレィ、お前っ!?」
アンドレイ=ラプソティの異変に気付いたベリアルが彼を静止しようとする。だが、アンドレイ=ラプソティは口を開けれるだけ、大きく開き、まるで獣のような吼え声をあげる。その咆哮が豪奢な天幕とカーテン付きのベッドの天幕とカーテンを吹き飛ばす。そして、勢いそのままに、フローラ=アレクサンダーの首を絞り上げているダン=クゥガーまでをも吹き飛ばすことになる。
しかし、アンドレイ=ラプソティはそれだけでは満足せずに、宙に放り投げられたダン=クゥガーを追うことになる。ベリアルはチィィィッ! と盛大に舌打ちすることになるが、首を絞められていた女性が生きているかの確認をすることになる。
「おい、大丈夫か!?」
「げほっげほっ! うぅ……。天界への扉が開かれようとしていたわ……。わたくし、まだ生きてい……る?」
「ふぅ……。なんとか間に合ったってところか。おい、お嬢さんよ。あんたを引き金に、アンドレイが堕天しそうになっちまってる。お嬢さんとアンドレイの間に何かあったのか!?」
ベリアルはアンドレイ=ラプソティの身に起きた異変に、この半裸の女性が関わっていると踏む。しかし、彼に問われた側のフローラ=アレクサンダーには、何を問われているのか自体がよくわかっていなかった。そもそもとして、この場にアンドレイ=ラプソティがやってきたこと自体が驚きなのである、フローラ=アレクサンダーにとっては。孤立無援の中、それでも自分だけでもあのダークエルフの男に抗ってみせようとしただけなのである。
彼女からまともな返答を得られぬと感じたベリアルは、おろおろと戸惑うコッシロー=ネヅに対して喝を入れる。
「自分がどうこうできる話ではないのでッチュウ! それこそ、力づくでぶん殴って、目を覚ませ! ってやったほうが、マシな結果を得られる気がするのでッチュウ」
「チッ! 七大悪魔としての立場から言わせてもらえば、アンドレイに堕天してほしいとは思ってはいるが、ここで堕天してもらっちゃ、収拾がつかなくなるっ。アリス嬢ちゃん。何をすればいいか、わかるよなっ!?」
「目を覚ませシャイニング・グーパンをアンドレイ様にぶちかますのデスネ。わかりまシタ。その大役を担いマス!」
アリス=アンジェラはベリアルにそう返答すると、アンドレイ=ラプソティとダン=クゥガーが消えていった先へと駆けていく。しかし、アンドレイ=ラプソティとダン=クゥガーとの戦いの余波が後宮の中に嵐を呼び込み、その余波にアリス=アンジェラだけでなく、ベリアルたちも吹っ飛ばされることになる。
アンドレイ=ラプソティは滾っていた。身体の奥底から留めなく溢れてくる真っ黒な神力に酔いしれていた。ハァハァ……とまるでおちんこさんを丹念に舌で舐められている時に出してしまうような甘い吐息を吐いた。それと同時に、いつ、その感情の高まりをおちんこさんの先端から噴き出してやろうかという、獣のようなギラギラとした眼で、アンドレイ=ラプソティは紅き竜の槍でダン=クゥガーを殴り飛ばしていた。
その熱量が嵐を産むためのエネルギーとなり、後宮中が荒らされていく。後宮に住まう面々はさらに逃げ惑うことになるが、いくつも並ぶ豪奢なベッドや家具と共に吹き飛ばされ、その下敷きになって、身動きが取れなくなってしまう。
アンドレイ=ラプソティはその面々を気遣うそぶりすら見せずに、ダン=クゥガーとの戦いに酔いしれたのである。ただただ、獣のように口をだらしなく開けて、そこからヨダレを垂らし放題にしつつ、ダン=クゥガーの喉笛をいつ噛み千切ってやろうかとだけ、考えるのみであったのだ、アンドレイ=ラプソティは。
「いい加減しつけぇぇぇ! 俺様は神聖ローマニアン帝国の主なるぞっ! いぬっころはひざまずけぇぇぇ!!」
ダン=クゥガーはアンドレイ=ラプソティに攻め続けられるのを嫌がった。それゆえに、ひとびとを魅了し、自分の部下に仕立てあげてきた秘術をアンドレイ=ラプソティに向かって放つ。ダン=クゥガーの舌には魔法陣が描かれており、彼の一言一言が『言霊』のように周囲へと響き渡る。
ダン=クゥガーがひざまずけという命令を発するや否や、アンドレイ=ラプソティだけでなく、後宮内でダン=クゥガーの声が鼓膜に届いた者たち全てにとんでもない重力がのしかかることになる。ベッドや家具に押しつぶされそうになっていた面々は、最初、自分の身体にのしかかってくるそれらの重さが10倍になったと勘違いした。しかし、実際のところは、自分自身の身体に直接、重しが乗せられているような感覚を覚えることになる。
後宮内の面々は幾人かを除き、ダン=クゥガーの発した言葉に屈することになる……。しかし、堕天移行状態へと足を踏み入れたアンドレイ=ラプソティは動きが多少鈍くなる程度であり、その状態から、ダン=クゥガーへと攻撃し続けるのであった……。
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