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「っていうわけなんですのよぉ、エレナぁ!」
「はい。大変でしたね、はい……」
「ちゃんと聞いてらっしゃいますぅ!?」
ドン、と、目の前に木製のジョッキが置かれる。
執務室を出た私たちは、癒し処のリリアの私室までやってきた。
私は心を遠くに飛ばし、にこにこと目の前のリリアに応対する。
「もちろんです! 最近皇帝陛下が、前皇妃さまを口説いていらっしゃるんですね?」
「そうなの。そりゃあ前皇妃さまはお美しいし? 聡明でらっしゃるし? 素晴らしい方ですけれども、皇帝陛下の本命はわたしのはずなんですぅ!」
リリアは息巻き、ジョッキのシードルをぐびぐびと乾した。
私は笑みを貼り付けたまま、自分のシードルを舐める。
そうか、皇帝、今度はそちらのルートに手を出したのか。まずはアイ、次にリリア、さらに元皇妃。ぎりぎりのフラグを立てつつ、段々難易度の高い攻略対象に挑んでいる気配がある。手練れのプレイヤーのやることだな、と私は思った。
それにしても、と私はため息を吐く。
下手にオープンな場所でおしゃべりを始めなくて、ほんとうによかった。リリアの愚痴は新皇帝批判にも取られかねない。
下手な相手に聞かれたら、一発アウト。
リリアが殺され、リリアを利用するという私の計画も、アウトになる。
ちなみに、私が立てた計画はこうだ。
リリアと仲良くなり、彼女をそれとなくグッドエンドルートに誘導。その途中で、今度は他の攻略対象と皇帝の親密度を上げていく。この場合、リリアは皇帝を刺しに行く。お話は一番シンプルなバッドエンドを迎えるのだ。
「絶対、絶対、前皇妃のほうから皇帝陛下に色目を使ったんですぅ……あいつめっ! 伴侶が亡くなったんですから、自分で命を絶つのが貞淑というものじゃありませんの? 信じられないっ!」
四方の壁に薬草やら薬酒やらが並べられた部屋で、リリアはくだを巻く。
私は脳内でリリアの話を整理しながら、注意深く言う。
「皇帝陛下って、前皇妃様を口説くときに何か贈り物などなさったのでしょうか? 高貴な女性を口説くときには、そういうことをするものかと思うのですが」
「贈り物ねぇ。したらしいわよぉ。その話、聞きたい?」
シードルで顔を赤くしたリリアが、どろりとした目で問うてくる。
私はこくりとうなずいた。
「聞きたいです」
「それが、庶民的なアメだったらしいのぉ。陛下、本気でくどく気だったのかしらぁ? ただのポーズだったのかもしれないわよね……誰かの気を惹くための、ポーズ……」
リリアはまくし立て、最後のほうは泥々と独り言になってしまう。
なるほど、と、私は内心うなずいた。
これは、ゲームフラグだ。
カタストロフ・エンジェルには、そもそも贈り物という要素がある。
プレイヤーがそれぞれのキャラに送って、好感度を調整する要素。
それぞれの攻略キャラについて、好感度が上がる「当たり」の贈り物と、好感度が下がる「外れ」の贈り物がある。プレイヤーはストーリー部分で足りなかった好感度を「当たり」の贈り物で補ったり、攻略したくないキャラに「外れ」の贈り物を送って、他キャラ攻略の邪魔にならないようにしたりするわけ。
ちなみに前皇妃に『キャンディー』は、「当たり」の贈り物だ。
この間の前皇妃の様子からして、『キャンディー』に反応する理由もうっすらわかる。彼女は今、失った自分の子どものことばかり思っていて、新たな子どもが欲しくてたまらなくて。皇帝からの子どもっぽいプレゼントに、何かをくすぐられてしまったんだろう。
前皇妃の好感度は爆上がりしたはず。
私はつぶやいた。
「まずいな」
「まじゅい? 何が?」
ぽわんとした顔で聞かれて、私は少し悩んだ。
リリアをバッドエンドに持って行くには、まずは他のキャラと皇帝の好感度をまんべんなく上げ、僅差でリリアと皇帝の好感度を一位にしなくてはならない。
今の調子だと、皇帝からリリアへの好感度が心配だ。
私は心を決め、リリアを真っ向から見つめる。
「リリア様。リリア様もやりましょう、贈り物」
「ほぇ」
腑に落ちない顔のリリアに、私は畳みかけた。
「皇帝陛下に贈り物をするんです。私でよければ一緒に何がいいか選びます。皇帝陛下は大人気です。選ばれるために待っていたら遅い。私は、リリア様に選ばれて欲しいです!」
この言い方で正解だろうか。リリアは乗り気だろうか。怪しまれてはいないだろうか。
息を潜めて様子をうかがう私。
リリアはしばらくぼーっとしていたが、急にぶわっと涙をこぼした。
「ありがと……ありがとぉ!! エレナぁ、私のこと、ほんとに考えてくれてるの、エレナだけだよぉ……! 私たち、親友になろぉ!」
リリアはジョッキを放り出し、両手を伸ばして私の手を取る。
素直すぎる反応にほっとすると同時に、私は少しリリアが心配になった。
そんなに素直で、他の人に利用されたりはしないだろうか。
いや、リリアを利用しようとしている筆頭は、私なのだけれど。
「もったいないです、リリア様……私なんかと……?」
言葉では遠慮しつつ、私はがっしとリリアの手を取った。
「ちなみに私のお勧めの贈り物は、リリア様の博識の詰まった薬です。それをさりげなくお茶に忍ばせて、最高にリラックスするお茶を作られるのはどうでしょう……?」
カタエン世界ではリリアの癒やし処でしか買えない薬が色々ある。『リリアのお茶』はリラックス効果と共にゲーム内行動力を復活させる、かなりの便利アイテム。皇帝陛下がお茶の便利さに目覚めてくれれば、足繁く癒し処に通うこと間違いなしだ。
「すごい素敵な案よぉ、エレナぁ!」
リリアはぎゅうぎゅうと私の手を握りしめると、そのまま立ち上がろうとする。足下がおぼつかずによたよたしているので、私は慌てて駆け寄った。
「だ、大丈夫ですか?」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ~。エレナ、お友達に、いいものあげりゅ」
リリアは楽しそうだけれど、明らかにハイな酔っ払いだ。
私が肩を貸すと、ふらふら、ふらふらしながら、壁の方を指さす。
「いいもの? こっちですか?」
「そうそう。そう、もうちょっとこっち……」
よたよた、よろよろしながら、最終的に目当てのものを見つけたらしい。
リリアは壁から蔓でさがっていた実をひとつもぎ、私に差し出した。
「じゃーん! カパスの実! はい、どうぞ」
「はい。大変でしたね、はい……」
「ちゃんと聞いてらっしゃいますぅ!?」
ドン、と、目の前に木製のジョッキが置かれる。
執務室を出た私たちは、癒し処のリリアの私室までやってきた。
私は心を遠くに飛ばし、にこにこと目の前のリリアに応対する。
「もちろんです! 最近皇帝陛下が、前皇妃さまを口説いていらっしゃるんですね?」
「そうなの。そりゃあ前皇妃さまはお美しいし? 聡明でらっしゃるし? 素晴らしい方ですけれども、皇帝陛下の本命はわたしのはずなんですぅ!」
リリアは息巻き、ジョッキのシードルをぐびぐびと乾した。
私は笑みを貼り付けたまま、自分のシードルを舐める。
そうか、皇帝、今度はそちらのルートに手を出したのか。まずはアイ、次にリリア、さらに元皇妃。ぎりぎりのフラグを立てつつ、段々難易度の高い攻略対象に挑んでいる気配がある。手練れのプレイヤーのやることだな、と私は思った。
それにしても、と私はため息を吐く。
下手にオープンな場所でおしゃべりを始めなくて、ほんとうによかった。リリアの愚痴は新皇帝批判にも取られかねない。
下手な相手に聞かれたら、一発アウト。
リリアが殺され、リリアを利用するという私の計画も、アウトになる。
ちなみに、私が立てた計画はこうだ。
リリアと仲良くなり、彼女をそれとなくグッドエンドルートに誘導。その途中で、今度は他の攻略対象と皇帝の親密度を上げていく。この場合、リリアは皇帝を刺しに行く。お話は一番シンプルなバッドエンドを迎えるのだ。
「絶対、絶対、前皇妃のほうから皇帝陛下に色目を使ったんですぅ……あいつめっ! 伴侶が亡くなったんですから、自分で命を絶つのが貞淑というものじゃありませんの? 信じられないっ!」
四方の壁に薬草やら薬酒やらが並べられた部屋で、リリアはくだを巻く。
私は脳内でリリアの話を整理しながら、注意深く言う。
「皇帝陛下って、前皇妃様を口説くときに何か贈り物などなさったのでしょうか? 高貴な女性を口説くときには、そういうことをするものかと思うのですが」
「贈り物ねぇ。したらしいわよぉ。その話、聞きたい?」
シードルで顔を赤くしたリリアが、どろりとした目で問うてくる。
私はこくりとうなずいた。
「聞きたいです」
「それが、庶民的なアメだったらしいのぉ。陛下、本気でくどく気だったのかしらぁ? ただのポーズだったのかもしれないわよね……誰かの気を惹くための、ポーズ……」
リリアはまくし立て、最後のほうは泥々と独り言になってしまう。
なるほど、と、私は内心うなずいた。
これは、ゲームフラグだ。
カタストロフ・エンジェルには、そもそも贈り物という要素がある。
プレイヤーがそれぞれのキャラに送って、好感度を調整する要素。
それぞれの攻略キャラについて、好感度が上がる「当たり」の贈り物と、好感度が下がる「外れ」の贈り物がある。プレイヤーはストーリー部分で足りなかった好感度を「当たり」の贈り物で補ったり、攻略したくないキャラに「外れ」の贈り物を送って、他キャラ攻略の邪魔にならないようにしたりするわけ。
ちなみに前皇妃に『キャンディー』は、「当たり」の贈り物だ。
この間の前皇妃の様子からして、『キャンディー』に反応する理由もうっすらわかる。彼女は今、失った自分の子どものことばかり思っていて、新たな子どもが欲しくてたまらなくて。皇帝からの子どもっぽいプレゼントに、何かをくすぐられてしまったんだろう。
前皇妃の好感度は爆上がりしたはず。
私はつぶやいた。
「まずいな」
「まじゅい? 何が?」
ぽわんとした顔で聞かれて、私は少し悩んだ。
リリアをバッドエンドに持って行くには、まずは他のキャラと皇帝の好感度をまんべんなく上げ、僅差でリリアと皇帝の好感度を一位にしなくてはならない。
今の調子だと、皇帝からリリアへの好感度が心配だ。
私は心を決め、リリアを真っ向から見つめる。
「リリア様。リリア様もやりましょう、贈り物」
「ほぇ」
腑に落ちない顔のリリアに、私は畳みかけた。
「皇帝陛下に贈り物をするんです。私でよければ一緒に何がいいか選びます。皇帝陛下は大人気です。選ばれるために待っていたら遅い。私は、リリア様に選ばれて欲しいです!」
この言い方で正解だろうか。リリアは乗り気だろうか。怪しまれてはいないだろうか。
息を潜めて様子をうかがう私。
リリアはしばらくぼーっとしていたが、急にぶわっと涙をこぼした。
「ありがと……ありがとぉ!! エレナぁ、私のこと、ほんとに考えてくれてるの、エレナだけだよぉ……! 私たち、親友になろぉ!」
リリアはジョッキを放り出し、両手を伸ばして私の手を取る。
素直すぎる反応にほっとすると同時に、私は少しリリアが心配になった。
そんなに素直で、他の人に利用されたりはしないだろうか。
いや、リリアを利用しようとしている筆頭は、私なのだけれど。
「もったいないです、リリア様……私なんかと……?」
言葉では遠慮しつつ、私はがっしとリリアの手を取った。
「ちなみに私のお勧めの贈り物は、リリア様の博識の詰まった薬です。それをさりげなくお茶に忍ばせて、最高にリラックスするお茶を作られるのはどうでしょう……?」
カタエン世界ではリリアの癒やし処でしか買えない薬が色々ある。『リリアのお茶』はリラックス効果と共にゲーム内行動力を復活させる、かなりの便利アイテム。皇帝陛下がお茶の便利さに目覚めてくれれば、足繁く癒し処に通うこと間違いなしだ。
「すごい素敵な案よぉ、エレナぁ!」
リリアはぎゅうぎゅうと私の手を握りしめると、そのまま立ち上がろうとする。足下がおぼつかずによたよたしているので、私は慌てて駆け寄った。
「だ、大丈夫ですか?」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ~。エレナ、お友達に、いいものあげりゅ」
リリアは楽しそうだけれど、明らかにハイな酔っ払いだ。
私が肩を貸すと、ふらふら、ふらふらしながら、壁の方を指さす。
「いいもの? こっちですか?」
「そうそう。そう、もうちょっとこっち……」
よたよた、よろよろしながら、最終的に目当てのものを見つけたらしい。
リリアは壁から蔓でさがっていた実をひとつもぎ、私に差し出した。
「じゃーん! カパスの実! はい、どうぞ」
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