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5章 パーティ、愉しいパーティ
50話 サバトへの誘い
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クロエがアンドレの元へと戻ってきたのは、来場から2時間が経とうとする頃であった。
飲酒によりほんのりと頬を赤らめたクロエは、アンドレの肩を叩きにっこりと笑った。
「アンドレ様。調子はいかが?」
アンドレは唇を尖らせて答えた。
「いいわけがないよ。この会場、男性比率が異様に高いんだもん。それもお偉方のおじ様ばっかり。全然会話が弾まない」
クロエと別れてからおよそ2時間、アンドレは情報収集に尽力した。ハート商会の内部事情、統率者であるロジャー・ハートの人となり、娘であるシャルロットの評判、この会場で手に入れたい情報は山のようにあったからだ。
しかし2時間に渡る奮闘の末、手に入れた情報は微々たるものだ。
というのも、会場にアンドレが攻略を得意とする女性の数が少ないためだ。商会上層部の人間は年配の男性ばかりであるし、取引先商店の代表者にも圧倒的に男性が多い。
女性の姿を見かけたとしても、大抵が紹介関係者の妻や娘で、個人的に声をかけることはためらわれたのだ。
最初に声をかけた2人組の女性をのぞき、アンドレがまともに会話を交わせた人はいない。
場所が悪かったのだとしょぼくれるアンドレ。
一方のクロエは上機嫌でアンドレの肩に腕を回す。
「確かにこの男女比率はアンドレ様には手厳しいわね。安心なさい。アンドレ様が役立たずな分、私がしっかりと働いてきたから」
「クロエは本当、大した働きぶりだったよ。ロジャー・ハート候とも話していたでしょう?」
「あら、よく見ていたわね。向こうから声をかけていただいたのよ。『美しいお嬢様、初めて見る顔ですが展示会への参加は初めてですか』ってね」
クロエは「ふふ」と肩を揺らして笑った。
黒いドレスに身を包んだクロエは、いつもの5割増しで妖艶だ。たわわな乳房はドレスの内側から零れんばかりで、きゅうと引き締まった腰回りのたおやかなこと。
今のクロエを目の前にして、くらりと来ない男性は多くはいないはず。クロエの本性が大胆不敵唯我独尊のグレンであるにしろだ。
「それで、ロジャー候とはどんな話をしたの?」
アンドレの質問に、クロエは声を潜めて答えた。
「色々よ。周りの目もあるし、あまり込み入った話はしなかったけれどね。それでもとても有意義な時間だったわ。顔と名前も売り込んだことだし、そのうちお宅にお邪魔してみようかしら。シャルロット嬢とも顔を合わせてみたいところだし」
シャルロットの名前を聞いて、アンドレは「ああ」と声をあげた。クロエに報告しなければならないことがあるのを思い出したからだ。
「そういえば僕、シャルロット嬢に会ったよ。クロエと別れて少し経った頃にね」
「あら、そうだったの? 全然気がつかなかったわ」
「紹介関係者に挨拶をしにきたんだと言っていたよ。情報収集しようとしているところを偶然聞かれちゃってさ。『知らないところでひそひそと名前を呼ばれるのはいい気がしない』って文句を言われちゃった」
クロエは意外そうに目を丸くした。
「シャルロット嬢と話をしたの? 大したものじゃない、調子はよくないと言っていたくせに」
「よくはないんだよ。第一印象が悪かったからあまり突っ込んだ話もできないしさ。一応、自己紹介と乾杯はしたけど、シャルロット嬢の記憶に残るかどうかは微妙だね」
ふう、と短い溜息を吐き、アンドレは会場内を見回した。
しかしどれだけ探してもシャルロットの姿を見つけることはできなかった。アンドレがシャルロットに会ったのはもう2時間近くも前のことだから、とっくに商会関係者への挨拶を済ませ、会場を立ち去ってしまったのだろう。
アンドレの視線を追いながらクロエは言った。
「アンドレ様、この後はどうするつもり? 商会関係者から話を聞いたところによると、簡単な懇親会が予定されているみたいだけど」
それはアンドレの知らない情報だったので、アンドレは素直に驚いた。
「そうなんだ、僕たちも参加できるのかな?」
「参加することに問題はないと言っていたわ。でも参加しても利は薄いかもしれないわよ。懇親会メンバーの大半はハート商会のお偉方。ハート商会を疑うような質問はできないでしょうし、ビジネスの話になってしまえば私たちは蚊帳の外よ」
「……それもそうだね。どうしようか」
アンドレとクロエは同時に黙り込んだ。
シャルロットの素性調査を進めるだけなら、今ここで会場を出てしまっても何ら問題はない。クロエがロジャー・ハートに顔と名前を売り込んだのだから、その縁を頼りに調査を進めることは十分に可能だろう。
しかしもう1つの調査目的――魔女の妙薬に関することが何一つわかっていないのだ。展示会の会場に魔女の妙薬らしき商品は置かれていないし、薬の効能を考えれば安易に口に出すこともはばかられる。
現にアンドレは会場に到着してからというもの、一度も魔女の妙薬の名前を口にしていない。
――と、アンドレとクロエの元に1人の男性が近づいてきた。会場のスタッフであることに違いはないのだが、どこか不可思議な風貌だ。頭頂に小さな魔女帽子をのせ、黒いベネチアンアイマスクで顔の上半分をおおっている。
その男性はアンドレとクロエの前で歩みを止めると、うやうやしく頭を下げた。
「アンドレ様とお連れ様でいらっしゃいますね。私はシュガール――魔女の使い。あなた方2人を魔女のサバトにご紹介申し上げます」
「サバト? それは何」
クロエが聞き返せば、男性は声の調子を変えずに答えた。
「内容については申し上げられません。参加・不参加についての判断はお任せいたします。ですがもしサバトにご参加いただけるのなら――夢のようなひとときをお約束いたしましょう」
ひどく曖昧で、そして怪しげな誘いだ。
アンドレは男性に疑いの眼差しを向けた。
「……なぜ僕たちが招待されたんですか?」
男性の口元が弧を描いた。目元をベネチアンアイマスクでおおわれているため、本当に笑っているのか、それとも笑ったフリをしているだけなのかはわからない。
「ハート商会を通じて特定の商品をお買い求めいただくこと。それがサバトへの参加条件です」
「特定の商品……」
魔女の妙薬のことだ、と確信した。
そしてそう確信してしまえば誘いを断るという選択肢があるはずもなく、アンドレは声を弾ませた。
「ぜひ参加したいです。どこへ行けばいいんですか?」
「屋敷の西端に地下へと続く階段があります。階段をお下りになって、つきあたりの大広間にお入りください。参加者がそろいしだいサバトを開宴いたします」
またうやうやしく頭を下げ、男性は続けた。
「――魔女のサバトを心行くまでお楽しみください」
男性がその場を立ち去った後、落ち着きを取り戻したアンドレは会場を見回した。
多くの客人でにぎわう会場内には、あちらこちらに男性と同じ装いのスタッフの姿が見える。皆そろいのベネチアンマスクをつけ、頭頂には小さな魔女帽子。『ハート商会を通じて特定の商品を購入した客人』に、サバトの開催を伝えて回っているところのなのだろう。
この閉ざされた空間に、ドリーと同じく魔女の妙薬に溺れた者がいるのだと思えば、やるせない気持ちになった。
アンドレはこぶしを握りしめ、それからはっと気づいてクロエを見た。
「クロエ、ごめん。勝手にサバトに参加すると言っちゃった……」
すっかり会話から追い出されてしまっていたクロエは、アンドレの謝罪に小さな溜息を返した。
「別に構わないわよ。シャルロット嬢の素性調査を進めようと思えば、例の薬の調査は避けて通れないもの。依存性のある薬を悪質な方法で売りさばいている悪徳商人を、王家の一員にするわけにはいかないんだから」
「でもさ、正直危ない香りがぷんぷんするよ。何なら別行動にしようか? 僕が1人でサバトに参加して、例の薬に関することを探ってくるから、クロエはどこか安全なところで――」
アンドレの提案を、クロエは強い口調でさえぎった。
「他人から見聞きしたことを鵜呑みにしない、というのが私のポリシーなの。真実を見る機会が目の前に転がっているというのに、安全なところでぬくぬくと待っているだけなんてごめんよ」
それからふっと表情を緩めアンドレを見つめた。
「どこまででも付き合うわよ。唯一無二の相棒なんだしね」
「……ありがとう」
クロエの微笑みに微笑みを返しながら思う。
これが罠の掛け合いだとすれば滅ぶのはどちらか、と。
飲酒によりほんのりと頬を赤らめたクロエは、アンドレの肩を叩きにっこりと笑った。
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一方のクロエは上機嫌でアンドレの肩に腕を回す。
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「クロエは本当、大した働きぶりだったよ。ロジャー・ハート候とも話していたでしょう?」
「あら、よく見ていたわね。向こうから声をかけていただいたのよ。『美しいお嬢様、初めて見る顔ですが展示会への参加は初めてですか』ってね」
クロエは「ふふ」と肩を揺らして笑った。
黒いドレスに身を包んだクロエは、いつもの5割増しで妖艶だ。たわわな乳房はドレスの内側から零れんばかりで、きゅうと引き締まった腰回りのたおやかなこと。
今のクロエを目の前にして、くらりと来ない男性は多くはいないはず。クロエの本性が大胆不敵唯我独尊のグレンであるにしろだ。
「それで、ロジャー候とはどんな話をしたの?」
アンドレの質問に、クロエは声を潜めて答えた。
「色々よ。周りの目もあるし、あまり込み入った話はしなかったけれどね。それでもとても有意義な時間だったわ。顔と名前も売り込んだことだし、そのうちお宅にお邪魔してみようかしら。シャルロット嬢とも顔を合わせてみたいところだし」
シャルロットの名前を聞いて、アンドレは「ああ」と声をあげた。クロエに報告しなければならないことがあるのを思い出したからだ。
「そういえば僕、シャルロット嬢に会ったよ。クロエと別れて少し経った頃にね」
「あら、そうだったの? 全然気がつかなかったわ」
「紹介関係者に挨拶をしにきたんだと言っていたよ。情報収集しようとしているところを偶然聞かれちゃってさ。『知らないところでひそひそと名前を呼ばれるのはいい気がしない』って文句を言われちゃった」
クロエは意外そうに目を丸くした。
「シャルロット嬢と話をしたの? 大したものじゃない、調子はよくないと言っていたくせに」
「よくはないんだよ。第一印象が悪かったからあまり突っ込んだ話もできないしさ。一応、自己紹介と乾杯はしたけど、シャルロット嬢の記憶に残るかどうかは微妙だね」
ふう、と短い溜息を吐き、アンドレは会場内を見回した。
しかしどれだけ探してもシャルロットの姿を見つけることはできなかった。アンドレがシャルロットに会ったのはもう2時間近くも前のことだから、とっくに商会関係者への挨拶を済ませ、会場を立ち去ってしまったのだろう。
アンドレの視線を追いながらクロエは言った。
「アンドレ様、この後はどうするつもり? 商会関係者から話を聞いたところによると、簡単な懇親会が予定されているみたいだけど」
それはアンドレの知らない情報だったので、アンドレは素直に驚いた。
「そうなんだ、僕たちも参加できるのかな?」
「参加することに問題はないと言っていたわ。でも参加しても利は薄いかもしれないわよ。懇親会メンバーの大半はハート商会のお偉方。ハート商会を疑うような質問はできないでしょうし、ビジネスの話になってしまえば私たちは蚊帳の外よ」
「……それもそうだね。どうしようか」
アンドレとクロエは同時に黙り込んだ。
シャルロットの素性調査を進めるだけなら、今ここで会場を出てしまっても何ら問題はない。クロエがロジャー・ハートに顔と名前を売り込んだのだから、その縁を頼りに調査を進めることは十分に可能だろう。
しかしもう1つの調査目的――魔女の妙薬に関することが何一つわかっていないのだ。展示会の会場に魔女の妙薬らしき商品は置かれていないし、薬の効能を考えれば安易に口に出すこともはばかられる。
現にアンドレは会場に到着してからというもの、一度も魔女の妙薬の名前を口にしていない。
――と、アンドレとクロエの元に1人の男性が近づいてきた。会場のスタッフであることに違いはないのだが、どこか不可思議な風貌だ。頭頂に小さな魔女帽子をのせ、黒いベネチアンアイマスクで顔の上半分をおおっている。
その男性はアンドレとクロエの前で歩みを止めると、うやうやしく頭を下げた。
「アンドレ様とお連れ様でいらっしゃいますね。私はシュガール――魔女の使い。あなた方2人を魔女のサバトにご紹介申し上げます」
「サバト? それは何」
クロエが聞き返せば、男性は声の調子を変えずに答えた。
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ひどく曖昧で、そして怪しげな誘いだ。
アンドレは男性に疑いの眼差しを向けた。
「……なぜ僕たちが招待されたんですか?」
男性の口元が弧を描いた。目元をベネチアンアイマスクでおおわれているため、本当に笑っているのか、それとも笑ったフリをしているだけなのかはわからない。
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魔女の妙薬のことだ、と確信した。
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「ぜひ参加したいです。どこへ行けばいいんですか?」
「屋敷の西端に地下へと続く階段があります。階段をお下りになって、つきあたりの大広間にお入りください。参加者がそろいしだいサバトを開宴いたします」
またうやうやしく頭を下げ、男性は続けた。
「――魔女のサバトを心行くまでお楽しみください」
男性がその場を立ち去った後、落ち着きを取り戻したアンドレは会場を見回した。
多くの客人でにぎわう会場内には、あちらこちらに男性と同じ装いのスタッフの姿が見える。皆そろいのベネチアンマスクをつけ、頭頂には小さな魔女帽子。『ハート商会を通じて特定の商品を購入した客人』に、サバトの開催を伝えて回っているところのなのだろう。
この閉ざされた空間に、ドリーと同じく魔女の妙薬に溺れた者がいるのだと思えば、やるせない気持ちになった。
アンドレはこぶしを握りしめ、それからはっと気づいてクロエを見た。
「クロエ、ごめん。勝手にサバトに参加すると言っちゃった……」
すっかり会話から追い出されてしまっていたクロエは、アンドレの謝罪に小さな溜息を返した。
「別に構わないわよ。シャルロット嬢の素性調査を進めようと思えば、例の薬の調査は避けて通れないもの。依存性のある薬を悪質な方法で売りさばいている悪徳商人を、王家の一員にするわけにはいかないんだから」
「でもさ、正直危ない香りがぷんぷんするよ。何なら別行動にしようか? 僕が1人でサバトに参加して、例の薬に関することを探ってくるから、クロエはどこか安全なところで――」
アンドレの提案を、クロエは強い口調でさえぎった。
「他人から見聞きしたことを鵜呑みにしない、というのが私のポリシーなの。真実を見る機会が目の前に転がっているというのに、安全なところでぬくぬくと待っているだけなんてごめんよ」
それからふっと表情を緩めアンドレを見つめた。
「どこまででも付き合うわよ。唯一無二の相棒なんだしね」
「……ありがとう」
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