26 / 70
3章 ドS男と相棒業
26話 お仕置き
しおりを挟む
「おいアーン。俺が必死で聞き込みをしている間に、ずいぶんとお楽しみだったようだな?」
アンの頭蓋骨をぎりぎりと締め上げながら、グレンは凄む。悪鬼さながらの表情を目の前にして、アンはちょっと涙目である。
「グレン、落ち着いて話を聞いてね。ブルーノはイェレナ嬢のお連れさんだよ」
「イェレナ嬢のぉ?」
「そうそう。ほら、イェレナ嬢が背の高い男の人と、地下クラブの扉に入っていくところを見たじゃない。あの男の人がブルーノだよ。あたし、グレンの相棒として品行方正にお仕事してただけだよ。ブルーノとおしゃべりすればイェレナ嬢のことがわかるかと思ってさ」
頭蓋骨を締め上げる力が少しだけ緩んだ。
「ほぉ。それで、どうだった?」
「ばっちり聞き出したよ。イェレナ嬢とブルーノは、2か月前から地下クラブに通っているらしいよ。それも最近はもっぱらイェレナ嬢の誘いだってさ。何でも手軽で背徳的な性行為にはまっちゃったらしいよ。もしかしたら今もこの休憩所のどこかで、初めて会った男性と楽しいコトをしちゃってるのかも……」
アンはそこで言葉を切り、怖々とグレンの顔を見上げた。悪鬼さながらであった表情は、もういつものグレンの顔に戻っていた。ついでに頭蓋骨も解放されて、アンは一安心である。
「有益な情報だな。感謝するぜ。そんでお前、俺が助けに入らなかったらあの場をどう切り抜けるつもりだったんだ?」
予想もしなかった質問に、アンは「え?」と声を上げた。
「……どうかなぁ。ナンパしたのはあたしの方だし、お断りするのは難しい雰囲気だったよね。貴重な情報をもらったことは確かだし、いざとなれば潔く腹をくくるしかなかったのかな……」
アンとしては懸命に考えた末の答えであったが、どうやらグレンはその答えが気に食わなかったらしい。青筋を立てた手のひらが、今度はアンの両頬をわしづかみにした。
「俺のことは散々拒んでおいて何なんだよ、お前。本当に孕ましたろか?」
「いいひゃいいたい、ほっへは、ほへひゃうほぉ」
このままでは頬を引き千切られ、骸骨のような顔立ちになってしまう。アンは必死で抵抗するものの、力勝負でグレンにかなうはずもなし。
結局十数秒に渡り引っ張られ続けたアンの頬は、林檎のように腫れあがってしまったのである。
ひどいや、あたし頑張ってお仕事したのに。アンのつぶやきは、怒り心頭のグレンには届かない。
一悶着に決着がついたところで、アンは付近から聞こえる物音に耳を澄ませた。
休憩所は会場の隅に位置しており、大音量でかき鳴らされる音楽がどこか遠くに聞こえる。音楽の代わりにあたりに響くものは、日常生活ではまず聞くことのない他人の喘ぎ声だ。
休憩所にはたくさんのソファが置かれていて、それぞれのソファが間仕切りで区切られていた。その簡易的な半個室の中で、今も性行為に及んでいる男女がいるということだ。
耳を塞ぎたい衝動にかられながら、アンは苦笑いを浮かべた。
「初心者には刺激的な場所だねぇ。グレンは、休憩所のことを誰に聞いたの?」
まだ怒りは冷めないようで、グレンはつんと唇を尖らせて答えた。
「適当に話しかけたおっさん。地下クラブ初心者だと言ったら、ご丁寧にいろいろと教えてくれたぜ」
「へぇ。例えばどんなこと?」
「例えば、初々しい行為を楽しみたいのなら開店直後が狙い目。地下クラブ初心者が多く訪れる時間らしい。反対に熟練者との行為を楽しみたいのなら。夜9時以降にクラブを訪れるがよし。ただし遅い時間になると休憩所が混みあうから注意が必要だ。待ちきれないときは、この建物の上層階にある宿屋を使ってもいいらしい。地下クラブの会員章を提示すれば、割引料金で使用できるんだとさ」
「へ、へぇ?」
アンにとってはあまり有用とは言えない情報だ。しかし話すうちにグレンの機嫌はいくらか回復したようで、アンは「良かった良かった」とまだ腫れの引かない頬をさすった。
地下クラブの真実が明らかになったのだから、本日の調査はここで終わり。そう考えてソファから腰を浮かすアンであるが、予想に反しグレンは動こうとしなかった。
アンは不思議に思い尋ねた。
「グレン、帰らないの? もうお仕事は終わったんじゃない?」
「高い入場料を払って乗り込んだんだ。最後まで聞いていこうぜ」
「聞く? 何を?」
グレンは何も言わず、ソファの右手にある間仕切りを指さした。間仕切りの向こう側からは、微かにではあるが人の話し声が聞こえてくる。「ねぇ、早く触ってよ」「焦んなよ、時間はたっぷりあるんだからさ」明らかに情事の前の会話だ。
「……まさかこの声って」
「そ、イェレナ嬢。ブルーノから得た情報だけでも、素性調査報告書を書くのに不足はねぇんだけどさ。『人から聞いた情報を鵜呑みにしない』というのが俺のモットーなんだよね。アンドレ様から情報をもらったローラ・クロフォード嬢にもきちんと会いに行ったんだぜ。べろべろに酔わせたから、あっちは何を話したかなんて覚えちゃいないだろうけど」
「へぇ……ローラ嬢にもわざわざ会いに行ったんだ」
ティルミナ王国各地に鉱山地帯を所有し、王国有数の貴族でもあるクロフォード家。現当主の娘であるローラは、繁華街で遊ぶ金欲しさに商品を横流ししていた。
アンドレがクロエにその話をしたのはもう数週間も前の出来事であるが、グレンはアンドレの証言を鵜吞みにせず、自らローラへの接触を図ったということだ。
粗雑で失礼な性格ではあるが、仕事に関してはまめな男である。
「だから俺、お前を探してココに来たわけじゃねぇんだわ。イェレナ嬢を追ってたらたまたまココに行きついたというだけ。そこにたまたまお前がいただけ。うぬぼれるんじゃねぇよ?」
しかしいくら仕事にまめでも、アンに対してはこの塩対応である。
そのとき、アンとグレンのいる空間に2人組の男女が顔をのぞかせた。地下クラブの休憩所は、それぞれのソファの周りに間仕切りが置かれているものの、完全な密室空間ではない。間仕切りの一部が途切れていて、そこが出入り口となっているのだ。
2人の組の男女は、ソファに座るアンとグレンに不思議そうな眼差しを向けた。幸いにも彼らは何も言わずその場を立ち去ったが、アンは困り顔でグレンに話しかけた。
「ちょっとこれ、場違い感がすごいね」
「まぁ……本来、ただ休憩するための椅子じゃねぇしな……」
周囲の物音を聞く限り、休憩所の利用者は徐々に増えつつある。ただのんびりとソファに座っているだけのアンとグレンが、「本来の用途に使わないのなら場所を譲ってよ」と言われるのも時間の問題だった。
よし、とグレンはひざを打った。
「この際仕方ねぇ。アン、服を全部脱げ。そして俺のひざにまたがれ」
「……何て?」
質の悪い幻聴としか思えない指示であった。
思わず引っ叩きたくなるほどの澄まし顔で、グレンは繰り返した。
「今、休憩所から追い出されるのは不味い。だから手っ取り早くヤってる振りしようぜ。全裸のお前が俺のひざにまたがって、それらしく腰を振っていれば、周りはお楽しみの最中だと誤認するだろ」
まさに鬼畜野郎の言動である。アンは思わず頭を抱えた。
「いやいやいや……百歩譲って振りをするのはいいけど、全裸になるのは嫌だよ……」
「ブルーノとイイことしようとしてた奴が何言ってんだ? あのまま事を続ければ、全裸どころかもっと恥ずかしい部分も丸出しになっていただろうな。お前は助けられた恩も返さない薄情者なのか? 今ここで同盟を破棄してもいいんだぜ。アンドレ様の正体はとんだ痴女野郎だと、繁華街中に言いふらしてやろうか」
低い声で脅しをかけられて、アンはヒェッと短い悲鳴をあげた。グレンの機嫌はいくらか回復したように見えたが、ブルーノをナンパした罪は許されていなかったようだ。
アンは瞳に涙を溜め、上目づかいで必死に訴えた。
「あのぉ……グレン。し、下着はつけていてもいいかな。それらしく見えるよう頑張るからさ……」
支配者の形相となったグレンは、アンを見下ろしただ一言。
「よかろう」
アンの頭蓋骨をぎりぎりと締め上げながら、グレンは凄む。悪鬼さながらの表情を目の前にして、アンはちょっと涙目である。
「グレン、落ち着いて話を聞いてね。ブルーノはイェレナ嬢のお連れさんだよ」
「イェレナ嬢のぉ?」
「そうそう。ほら、イェレナ嬢が背の高い男の人と、地下クラブの扉に入っていくところを見たじゃない。あの男の人がブルーノだよ。あたし、グレンの相棒として品行方正にお仕事してただけだよ。ブルーノとおしゃべりすればイェレナ嬢のことがわかるかと思ってさ」
頭蓋骨を締め上げる力が少しだけ緩んだ。
「ほぉ。それで、どうだった?」
「ばっちり聞き出したよ。イェレナ嬢とブルーノは、2か月前から地下クラブに通っているらしいよ。それも最近はもっぱらイェレナ嬢の誘いだってさ。何でも手軽で背徳的な性行為にはまっちゃったらしいよ。もしかしたら今もこの休憩所のどこかで、初めて会った男性と楽しいコトをしちゃってるのかも……」
アンはそこで言葉を切り、怖々とグレンの顔を見上げた。悪鬼さながらであった表情は、もういつものグレンの顔に戻っていた。ついでに頭蓋骨も解放されて、アンは一安心である。
「有益な情報だな。感謝するぜ。そんでお前、俺が助けに入らなかったらあの場をどう切り抜けるつもりだったんだ?」
予想もしなかった質問に、アンは「え?」と声を上げた。
「……どうかなぁ。ナンパしたのはあたしの方だし、お断りするのは難しい雰囲気だったよね。貴重な情報をもらったことは確かだし、いざとなれば潔く腹をくくるしかなかったのかな……」
アンとしては懸命に考えた末の答えであったが、どうやらグレンはその答えが気に食わなかったらしい。青筋を立てた手のひらが、今度はアンの両頬をわしづかみにした。
「俺のことは散々拒んでおいて何なんだよ、お前。本当に孕ましたろか?」
「いいひゃいいたい、ほっへは、ほへひゃうほぉ」
このままでは頬を引き千切られ、骸骨のような顔立ちになってしまう。アンは必死で抵抗するものの、力勝負でグレンにかなうはずもなし。
結局十数秒に渡り引っ張られ続けたアンの頬は、林檎のように腫れあがってしまったのである。
ひどいや、あたし頑張ってお仕事したのに。アンのつぶやきは、怒り心頭のグレンには届かない。
一悶着に決着がついたところで、アンは付近から聞こえる物音に耳を澄ませた。
休憩所は会場の隅に位置しており、大音量でかき鳴らされる音楽がどこか遠くに聞こえる。音楽の代わりにあたりに響くものは、日常生活ではまず聞くことのない他人の喘ぎ声だ。
休憩所にはたくさんのソファが置かれていて、それぞれのソファが間仕切りで区切られていた。その簡易的な半個室の中で、今も性行為に及んでいる男女がいるということだ。
耳を塞ぎたい衝動にかられながら、アンは苦笑いを浮かべた。
「初心者には刺激的な場所だねぇ。グレンは、休憩所のことを誰に聞いたの?」
まだ怒りは冷めないようで、グレンはつんと唇を尖らせて答えた。
「適当に話しかけたおっさん。地下クラブ初心者だと言ったら、ご丁寧にいろいろと教えてくれたぜ」
「へぇ。例えばどんなこと?」
「例えば、初々しい行為を楽しみたいのなら開店直後が狙い目。地下クラブ初心者が多く訪れる時間らしい。反対に熟練者との行為を楽しみたいのなら。夜9時以降にクラブを訪れるがよし。ただし遅い時間になると休憩所が混みあうから注意が必要だ。待ちきれないときは、この建物の上層階にある宿屋を使ってもいいらしい。地下クラブの会員章を提示すれば、割引料金で使用できるんだとさ」
「へ、へぇ?」
アンにとってはあまり有用とは言えない情報だ。しかし話すうちにグレンの機嫌はいくらか回復したようで、アンは「良かった良かった」とまだ腫れの引かない頬をさすった。
地下クラブの真実が明らかになったのだから、本日の調査はここで終わり。そう考えてソファから腰を浮かすアンであるが、予想に反しグレンは動こうとしなかった。
アンは不思議に思い尋ねた。
「グレン、帰らないの? もうお仕事は終わったんじゃない?」
「高い入場料を払って乗り込んだんだ。最後まで聞いていこうぜ」
「聞く? 何を?」
グレンは何も言わず、ソファの右手にある間仕切りを指さした。間仕切りの向こう側からは、微かにではあるが人の話し声が聞こえてくる。「ねぇ、早く触ってよ」「焦んなよ、時間はたっぷりあるんだからさ」明らかに情事の前の会話だ。
「……まさかこの声って」
「そ、イェレナ嬢。ブルーノから得た情報だけでも、素性調査報告書を書くのに不足はねぇんだけどさ。『人から聞いた情報を鵜呑みにしない』というのが俺のモットーなんだよね。アンドレ様から情報をもらったローラ・クロフォード嬢にもきちんと会いに行ったんだぜ。べろべろに酔わせたから、あっちは何を話したかなんて覚えちゃいないだろうけど」
「へぇ……ローラ嬢にもわざわざ会いに行ったんだ」
ティルミナ王国各地に鉱山地帯を所有し、王国有数の貴族でもあるクロフォード家。現当主の娘であるローラは、繁華街で遊ぶ金欲しさに商品を横流ししていた。
アンドレがクロエにその話をしたのはもう数週間も前の出来事であるが、グレンはアンドレの証言を鵜吞みにせず、自らローラへの接触を図ったということだ。
粗雑で失礼な性格ではあるが、仕事に関してはまめな男である。
「だから俺、お前を探してココに来たわけじゃねぇんだわ。イェレナ嬢を追ってたらたまたまココに行きついたというだけ。そこにたまたまお前がいただけ。うぬぼれるんじゃねぇよ?」
しかしいくら仕事にまめでも、アンに対してはこの塩対応である。
そのとき、アンとグレンのいる空間に2人組の男女が顔をのぞかせた。地下クラブの休憩所は、それぞれのソファの周りに間仕切りが置かれているものの、完全な密室空間ではない。間仕切りの一部が途切れていて、そこが出入り口となっているのだ。
2人の組の男女は、ソファに座るアンとグレンに不思議そうな眼差しを向けた。幸いにも彼らは何も言わずその場を立ち去ったが、アンは困り顔でグレンに話しかけた。
「ちょっとこれ、場違い感がすごいね」
「まぁ……本来、ただ休憩するための椅子じゃねぇしな……」
周囲の物音を聞く限り、休憩所の利用者は徐々に増えつつある。ただのんびりとソファに座っているだけのアンとグレンが、「本来の用途に使わないのなら場所を譲ってよ」と言われるのも時間の問題だった。
よし、とグレンはひざを打った。
「この際仕方ねぇ。アン、服を全部脱げ。そして俺のひざにまたがれ」
「……何て?」
質の悪い幻聴としか思えない指示であった。
思わず引っ叩きたくなるほどの澄まし顔で、グレンは繰り返した。
「今、休憩所から追い出されるのは不味い。だから手っ取り早くヤってる振りしようぜ。全裸のお前が俺のひざにまたがって、それらしく腰を振っていれば、周りはお楽しみの最中だと誤認するだろ」
まさに鬼畜野郎の言動である。アンは思わず頭を抱えた。
「いやいやいや……百歩譲って振りをするのはいいけど、全裸になるのは嫌だよ……」
「ブルーノとイイことしようとしてた奴が何言ってんだ? あのまま事を続ければ、全裸どころかもっと恥ずかしい部分も丸出しになっていただろうな。お前は助けられた恩も返さない薄情者なのか? 今ここで同盟を破棄してもいいんだぜ。アンドレ様の正体はとんだ痴女野郎だと、繁華街中に言いふらしてやろうか」
低い声で脅しをかけられて、アンはヒェッと短い悲鳴をあげた。グレンの機嫌はいくらか回復したように見えたが、ブルーノをナンパした罪は許されていなかったようだ。
アンは瞳に涙を溜め、上目づかいで必死に訴えた。
「あのぉ……グレン。し、下着はつけていてもいいかな。それらしく見えるよう頑張るからさ……」
支配者の形相となったグレンは、アンを見下ろしただ一言。
「よかろう」
53
お気に入りに追加
86
あなたにおすすめの小説
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
壊れた心はそのままで ~騙したのは貴方?それとも私?~
志波 連
恋愛
バージル王国の公爵令嬢として、優しい両親と兄に慈しまれ美しい淑女に育ったリリア・サザーランドは、貴族女子学園を卒業してすぐに、ジェラルド・パーシモン侯爵令息と結婚した。
政略結婚ではあったものの、二人はお互いを信頼し愛を深めていった。
社交界でも仲睦まじい夫婦として有名だった二人は、マーガレットという娘も授かり、順風満帆な生活を送っていた。
ある日、学生時代の友人と旅行に行った先でリリアは夫が自分でない女性と、夫にそっくりな男の子、そして娘のマーガレットと仲よく食事をしている場面に遭遇する。
ショックを受けて立ち去るリリアと、追いすがるジェラルド。
一緒にいた子供は確かにジェラルドの子供だったが、これには深い事情があるようで……。
リリアの心をなんとか取り戻そうと友人に相談していた時、リリアがバルコニーから転落したという知らせが飛び込んだ。
ジェラルドとマーガレットは、リリアの心を取り戻す決心をする。
そして関係者が頭を寄せ合って、ある破天荒な計画を遂行するのだった。
王家までも巻き込んだその作戦とは……。
他サイトでも掲載中です。
コメントありがとうございます。
タグのコメディに反対意見が多かったので修正しました。
必ず完結させますので、よろしくお願いします。
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
【R18】愛されないとわかっていても〜捨てられ王女の再婚事情〜
浅岸 久
恋愛
初夜、夫となったはずの人が抱いていたのは、別の女だった――。
弱小国家の王女セレスティナは特別な加護を授かってはいるが、ハズレ神と言われる半神のもの。
それでも熱烈に求婚され、期待に胸を膨らませながら隣国の王太子のもとへ嫁いだはずだったのに。
「出来損ないの半神の加護持ちなどいらん。汚らわしい」と罵られ、2年もの間、まるで罪人のように魔力を搾取され続けた。
生きているか死んでいるかもわからない日々ののち捨てられ、心身ともにボロボロになったセレスティナに待っていたのは、世界でも有数の大国フォルヴィオン帝国の英雄、黒騎士リカルドとの再婚話。
しかも相手は半神の自分とは違い、最強神と名高い神の加護持ちだ。
どうせまた捨てられる。
諦めながら嫁ぎ先に向かうも、リカルドの様子がおかしくて――?
※Rシーンには[*]をつけています。(プロローグのみ夫の浮気R有)
※ムーンライトノベルズ様にも掲載しています。
麗しの王子殿下は今日も私を睨みつける。
スズキアカネ
恋愛
「王子殿下の運命の相手を占いで決めるそうだから、レオーネ、あなたが選ばれるかもしれないわよ」
伯母の一声で連れて行かれた王宮広場にはたくさんの若い女の子たちで溢れかえっていた。
そしてバルコニーに立つのは麗しい王子様。
──あの、王子様……何故睨むんですか?
人違いに決まってるからそんなに怒らないでよぉ!
◇◆◇
無断転載・転用禁止。
Do not repost.
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる