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終章
望まぬ○○○-3
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結婚式を翌日に控えた夜分。秘密基地でくつろぐクリスの元に、レイバックがやって来た。右手にお茶の入ったグラス、左手に袋菓子を握りしめたレイバックは、秘密基地に1人きりのクリスを見て意外そうな声を上げる。
「メリオンはいないのか。記念すべき日の前夜であるし、てっきり一緒にいるものだと」
「さっきまで一緒にいたんです。でも10分くらい前に、突然シルフィーがやって来てですね。美容マッサージを施すのだと言ってメリオンさんを連れ去りました」
「美容マッサージ? そういえば結婚式の前日、ゼータもカミラにそのようなものを施されていたような…。女性は大変だな。化粧や髪結いにも数時間近くかかるのだし…」
「そうですね。僕たちは髪をちょちょいとしたらそれで終わりなのに」
2人は顔を見合わせて笑う。
レイバックは秘密基地に上がり込むと、ちゃぶ台の上にグラスと袋菓子を置いた。クリスは茶だんすの戸棚を開け、そこから取り出した菓子鉢を袋菓子の横に置く。何かと来客の絶えないクリスの秘密基地。物珍しい菓子を買い集めるのが大好きというクリスの特性も相まって、備え付けの菓子鉢はいつも満杯だ。レイバックは袋菓子を開けるよりも早く、菓子鉢に盛られた菓子の一つに手を伸ばす。
「緊張しているか」
「うーん…正直、していないです。あまり現実感がないというか。まだ夢の中にいるようというか」
「それは予定外の結婚式だからか?」
「勿論それもありますけれど…一番は『ああ、あのメリオンさんと本当に結婚式をするんだな』という気持ちでしょうか。ほら僕たち、端から結婚関係になることを望んだわけではありませんから」
確かにかつての飲み会で、メリオンはクリスとの関係を「やることはやる仲だ」と言い放っていた。その他諸々の発言を考慮しても、彼らの関係はいわゆる結婚関係ではないのだろう。法律にも有り触れた単語にも縛られることのない、彼らだけの特別な関係だ。
そんなメリオンとクリスが結婚式を開催するに至った経緯を、レイバックは「シルフィーの泣き落とし」だと聞いている。幼い少女の泣き顔が、メリオンの鉄の心を砕いたのだと。その場面を想像すれば自然と表情は緩む。
「実は俺とゼータも、周囲に勝手に結婚式を企画された質でな」
「え、そうなんですか?」
「俺が結婚式の話を聞いたときには、既に日付も決まっていた。予算などあてていなかったはずなのに、『結婚式の費用は記念品の売り上げで賄います』と分厚い収支計画書を提出されてな。了承する以外に選択肢がなかったんだ」
「へぇー…ゼータはノリノリでした?」
「ん?んー…いや、確か最初は『嫌だ』と言ったはずだ。そうだ、魔導具を好きにして良いと言ったんだ。外交使節団が置いて行った土産の魔導具。結婚式の開催を了承すれば、その魔導具の所有権を譲り渡すと言って説得した」
レイバックは懐かしい記憶を呼び起こす。
――そこまで言われては仕方ありません。着ようじゃないですか。純白のドレスを
――そう来なくっちゃ
ゼータと熱い抱擁を交わしたのは、もう数年前の出来事である。あれから随分とたくさんの出来事があった。そして明日、また1人の人が純白のウェディングドレスに身を包もうとしている。
「ゼータは、その頃から全然変わりませんね」
「そうだな。変わらない。今日の昼休みは俺のところに来て『古代この土地に栄えたとされる幻獣ゴーレム』について語っていた。始業の鐘が鳴ったから追い返したが」
笑い声を残し秘密基地はしばし沈黙となり、レイバックとクリスは揃って菓子を口に入れた。レイバックの菓子は一口大の蜜菓子、クリスの菓子はたっぷりの粉砂糖が振りかけられた焼き菓子。レイバックが蜜菓子を飲み込み、グラスに注がれた茶を一口含んだとき、クリスがおもむろに口を開く。
「レイさん。結婚式が終わった後、数日お休みをいただいても良いですか?」
「構わんが…新婚旅行の予定でもあるのか?」
「いえ、一度実家に顔を出そうかと思って」
レイバックはきょとんと目を丸くする。
「実家?…とはロシャ王国にある生家のことか」
「そうです。実は僕、もう数年も家族と絶縁状態なんですよ」
「…絶縁の理由は?」
「僕が親の決めた見合いをすっぽかして、勝手に魔導大学の入学試験を受けたからです。僕、そこそこ良い家の長男なんですよ。本当は魔導大学になど行かないで、家業を継がないといけなかったんです。良い家柄のお嫁さんを貰ってね。でも自分の人生は自分で決めたいなと思っちゃって。勝手に魔導大学に受験申し込みをして、見合いをすっぽかして受けに行っちゃいました。それで今日まで絶縁状態です」
クリスとの出会いから早4年、初めて明らかになる真実である。
「クリスは人間のわりに、家族のことを話さないとは思っていた。そういう事情だったのか」
「それだけならまぁ、そのままでも構わないと思う部分もあるんですけれど。ほら僕、ロシャ王国では死んだことになってるじゃないですか。レイさんに刺されて、地下道を通ってロシャ王国を抜け出した後、一度もロシャ王国に帰っていないから。国籍が抹消されちゃったんですよ」
人の出入りに寛容なドラキス王国とは異なり、人間国家であるロシャ王国では、民の在住情報を厳格に管理している。城壁に囲まれた首都リモラでは管理は殊更厳格で、壁の中に入るときにも、壁の外に出るときにも、国家に定められた手続きが必要となるのだ。しかしクリスはこれら正規の手続きを経ずに、地下道を通って首都リモラを出てしまった。さらに国外退去の手続きすら済ませずに、馬車を乗り継ぎドラキス王国へとやって来てしまったのである。
ロシャ王国では行方不明となった日から半年が経つと、自動的に国籍が抹消される。国内での扱いとしては死亡ということになるのだ。つまり現在のロシャ王国においては、クリスは死亡者として扱われているということである。
「ではクリスのご両親は、クリスは死んだものだと思っているのか…」
「そうなんですよねぇ…。絶縁しているとはいえ家族であることに違いはありませんし、流石にそれは不味いかなって。だから一度実家に顔を出して、生きていることを伝えたいんです。あとドラキス王国で一人前に働いていることと、結婚したことも。良い節目かなって」
「仕事のことは気にせず行ってくると良い。ついでに魔導大学にも立ち寄ってくれば良いじゃないか。世話になった人がたくさんいるだろう」
「そうですね…それも良いかもしれません。僕が生きていて、ドラキス王国の王宮で働いていて、魔族と結婚までしたと知ったら、みんな驚くだろうなぁ…」
温かな未来を思い描くうちに夜は耽る。
結婚式は、明日。
「メリオンはいないのか。記念すべき日の前夜であるし、てっきり一緒にいるものだと」
「さっきまで一緒にいたんです。でも10分くらい前に、突然シルフィーがやって来てですね。美容マッサージを施すのだと言ってメリオンさんを連れ去りました」
「美容マッサージ? そういえば結婚式の前日、ゼータもカミラにそのようなものを施されていたような…。女性は大変だな。化粧や髪結いにも数時間近くかかるのだし…」
「そうですね。僕たちは髪をちょちょいとしたらそれで終わりなのに」
2人は顔を見合わせて笑う。
レイバックは秘密基地に上がり込むと、ちゃぶ台の上にグラスと袋菓子を置いた。クリスは茶だんすの戸棚を開け、そこから取り出した菓子鉢を袋菓子の横に置く。何かと来客の絶えないクリスの秘密基地。物珍しい菓子を買い集めるのが大好きというクリスの特性も相まって、備え付けの菓子鉢はいつも満杯だ。レイバックは袋菓子を開けるよりも早く、菓子鉢に盛られた菓子の一つに手を伸ばす。
「緊張しているか」
「うーん…正直、していないです。あまり現実感がないというか。まだ夢の中にいるようというか」
「それは予定外の結婚式だからか?」
「勿論それもありますけれど…一番は『ああ、あのメリオンさんと本当に結婚式をするんだな』という気持ちでしょうか。ほら僕たち、端から結婚関係になることを望んだわけではありませんから」
確かにかつての飲み会で、メリオンはクリスとの関係を「やることはやる仲だ」と言い放っていた。その他諸々の発言を考慮しても、彼らの関係はいわゆる結婚関係ではないのだろう。法律にも有り触れた単語にも縛られることのない、彼らだけの特別な関係だ。
そんなメリオンとクリスが結婚式を開催するに至った経緯を、レイバックは「シルフィーの泣き落とし」だと聞いている。幼い少女の泣き顔が、メリオンの鉄の心を砕いたのだと。その場面を想像すれば自然と表情は緩む。
「実は俺とゼータも、周囲に勝手に結婚式を企画された質でな」
「え、そうなんですか?」
「俺が結婚式の話を聞いたときには、既に日付も決まっていた。予算などあてていなかったはずなのに、『結婚式の費用は記念品の売り上げで賄います』と分厚い収支計画書を提出されてな。了承する以外に選択肢がなかったんだ」
「へぇー…ゼータはノリノリでした?」
「ん?んー…いや、確か最初は『嫌だ』と言ったはずだ。そうだ、魔導具を好きにして良いと言ったんだ。外交使節団が置いて行った土産の魔導具。結婚式の開催を了承すれば、その魔導具の所有権を譲り渡すと言って説得した」
レイバックは懐かしい記憶を呼び起こす。
――そこまで言われては仕方ありません。着ようじゃないですか。純白のドレスを
――そう来なくっちゃ
ゼータと熱い抱擁を交わしたのは、もう数年前の出来事である。あれから随分とたくさんの出来事があった。そして明日、また1人の人が純白のウェディングドレスに身を包もうとしている。
「ゼータは、その頃から全然変わりませんね」
「そうだな。変わらない。今日の昼休みは俺のところに来て『古代この土地に栄えたとされる幻獣ゴーレム』について語っていた。始業の鐘が鳴ったから追い返したが」
笑い声を残し秘密基地はしばし沈黙となり、レイバックとクリスは揃って菓子を口に入れた。レイバックの菓子は一口大の蜜菓子、クリスの菓子はたっぷりの粉砂糖が振りかけられた焼き菓子。レイバックが蜜菓子を飲み込み、グラスに注がれた茶を一口含んだとき、クリスがおもむろに口を開く。
「レイさん。結婚式が終わった後、数日お休みをいただいても良いですか?」
「構わんが…新婚旅行の予定でもあるのか?」
「いえ、一度実家に顔を出そうかと思って」
レイバックはきょとんと目を丸くする。
「実家?…とはロシャ王国にある生家のことか」
「そうです。実は僕、もう数年も家族と絶縁状態なんですよ」
「…絶縁の理由は?」
「僕が親の決めた見合いをすっぽかして、勝手に魔導大学の入学試験を受けたからです。僕、そこそこ良い家の長男なんですよ。本当は魔導大学になど行かないで、家業を継がないといけなかったんです。良い家柄のお嫁さんを貰ってね。でも自分の人生は自分で決めたいなと思っちゃって。勝手に魔導大学に受験申し込みをして、見合いをすっぽかして受けに行っちゃいました。それで今日まで絶縁状態です」
クリスとの出会いから早4年、初めて明らかになる真実である。
「クリスは人間のわりに、家族のことを話さないとは思っていた。そういう事情だったのか」
「それだけならまぁ、そのままでも構わないと思う部分もあるんですけれど。ほら僕、ロシャ王国では死んだことになってるじゃないですか。レイさんに刺されて、地下道を通ってロシャ王国を抜け出した後、一度もロシャ王国に帰っていないから。国籍が抹消されちゃったんですよ」
人の出入りに寛容なドラキス王国とは異なり、人間国家であるロシャ王国では、民の在住情報を厳格に管理している。城壁に囲まれた首都リモラでは管理は殊更厳格で、壁の中に入るときにも、壁の外に出るときにも、国家に定められた手続きが必要となるのだ。しかしクリスはこれら正規の手続きを経ずに、地下道を通って首都リモラを出てしまった。さらに国外退去の手続きすら済ませずに、馬車を乗り継ぎドラキス王国へとやって来てしまったのである。
ロシャ王国では行方不明となった日から半年が経つと、自動的に国籍が抹消される。国内での扱いとしては死亡ということになるのだ。つまり現在のロシャ王国においては、クリスは死亡者として扱われているということである。
「ではクリスのご両親は、クリスは死んだものだと思っているのか…」
「そうなんですよねぇ…。絶縁しているとはいえ家族であることに違いはありませんし、流石にそれは不味いかなって。だから一度実家に顔を出して、生きていることを伝えたいんです。あとドラキス王国で一人前に働いていることと、結婚したことも。良い節目かなって」
「仕事のことは気にせず行ってくると良い。ついでに魔導大学にも立ち寄ってくれば良いじゃないか。世話になった人がたくさんいるだろう」
「そうですね…それも良いかもしれません。僕が生きていて、ドラキス王国の王宮で働いていて、魔族と結婚までしたと知ったら、みんな驚くだろうなぁ…」
温かな未来を思い描くうちに夜は耽る。
結婚式は、明日。
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