【BL】齢1200の龍王と精を吸わないオタ淫魔

三崎こはく

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終章

お妃さま?-4

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 座敷に並べられた大きなテーブル、その上に並ぶ大皿の料理、揃いの取り皿、15のグラス。和やかな飲み会の片隅で、ゼータは戦々恐々としていた。恐れの対象は言うまでもなく、真横に座るミーアと、真正面に座るメリオンである。今は社交辞令的な会話を交わしている2人だが、じきにミーアの大好物である色恋話に話題は移るはず。果たしてメリオンはどのような反応を見せるのであろうか。

「出発直前で3人来られなくなったので、料理を余すところでした。ご一緒していただけて助かります」
「こちらこそお誘いいただいてありがとうございます。大人数の飲み会というのも中々参加する機会がありませんから」

 2人の会話にじっと耳を澄ませるゼータであるが、ミーアがすぐに色恋話に話題を移す様子はない。ならば今のうちに腹を膨らませておこうかと、ゼータは酒と料理に手を付ける。
 和やかな飲み会が動きを見せたのは、乾杯から20分ほどが経ったときのことであった。メリオンの目線が料理に落ちた隙に、ミーアの瞳は忙しく動く。ミーアが意味深に目配せをした者は、メリオンの隣の席に陣取っていたリィモンだ。目配せを受けたリィモンは頷き、咳払いをする。不自然に大きなその咳払いを合図に、賑やかだった飲みの席は一瞬にして静まり返る。

「メリオン様。私の失恋話を聞いていただけますか。3か月間お付き合いをした女性に、先日突然別れを告げられたのです。唐突な別れの理由は何だと思いますか?」
「…価値観の違いですか?」
「広義に言えばそうなるのでしょう。私の服装が気に食わないというのです」
「はぁ…」

 メリオンの視線がリィモンの衣服に落ちる。今日のリィモンは黒いシャツに群青のズボン、一見すると普通の服装である。しかしシャツは裾がほつれたようなデザインになっており、ズボンは腿や膝の布が裂けている。荒くれ者のようなこの服装は、最近一部の若者の間で流行っているのだ。

「相手の女性に、『デートのときはボロ布のような服を止めてほしい』と言われたのです。それで私が『この服装が好きだから止めるのは無理だ』と言うと喧嘩になってしまって。後日一方的に別れを告げられました」

 静かになった飲みの席に、リィモンの声が響く。研究員は皆、不自然な沈黙を守りながら目の前の料理を口に運んでいる。まるでこの会話はあらかじめ計画されていたかのようだ。リィモンの話の行く末がわからない者は、唐突にこの飲み会に参加することとなったゼータ、クリス、そして話を振られているメリオンである。

「彼女とはそれっきりです。色恋の破談は何度か経験していますが、服装を理由に振られたのは初めての経験でした」
「確かに別れの理由としては不適切ですね。服装とは個人の自由で良いものだと思います」
「そう言っていただけると幸いです。私も納得がいかなくて。不潔なわけではないし、露出が多いわけでもない。好きで身に着けている物を野蛮と評されるのはいささか不愉快でした」
「人の外見が悪く映るのは、内面に何かしらの不満があるからです。彼女が別れを切り出した原因も、他にあったのではないでしょうか。それを言葉にすることが難しいから、服装という目に見える価値観の違いを上げただけ。服装が気に食わないから付き合えない、という言葉を真に受ける必要はないと思いますよ」

 メリオンの回答は思いがけず的確だ。リィモンは目を瞬かせ、ほつれた衣服の裾に視線を落とす。「そうか、そういう事だったのか」憑き物の落ちたような表情だ。失恋話はでっち上げかと思われたが、どうやらそうでもないらしい。
 リィモンが考え込んだことで、場はしばし無言となった。沈黙が続き、皆が互いに顔を見合わせだした頃、ミーアの足元がもぞもぞと動く。そして次の瞬間には、真正面に座るリィモンが短い悲鳴を漏らす。テーブルの下で、ミーアに膝を蹴られたようだ。はっと我に返ったリィモンは、当初の目的を思い出したかのように再びメリオンに肩を寄せた。

「メリオン様、優しいお言葉ありがとうございます」
「いいえ。当たり障りのない意見を述べたまででございます」
「いえ、本当に。的確な助言に感銘を受けました。よろしければ後日食事にお誘いしても?」
「はい?」
「知っての通り私は今独り身です。一緒に昼食でもいかがでしょうか。ここと同じで、珍しい料理を提供する店をいくつか知っていますから」

 上手い、なんて上手い手だ。ゼータは見事としか言いようのない計画に、心の中で拍手を送った。メリオンが食事の誘いを受けたとなれば、当然クリスはそれを阻止しにかかる。ただの同僚と言うだけならばそれは非常に不自然な行為で、必然的にクリスはメリオンとの関係を明かすことになる。リィモンが直接2人に関係を尋ねたわけではない。会話の途中で、自然とクリスが関係を打ち明ける流れになったのだ。計画を思いついた者はミーアか、それともリィモンか。いずれにしても見事な手腕だ。
 ゼータはそっとクリスの顔を見やる。右手に箸を握りしめたままのクリスは「してやられた」と苦い表情だ。けれども寸劇は佳境、ここで舞台から下りることなどできやしない。痛いほどの沈黙の後、クリスはその言葉を口にする。

「リィモン。メリオンさんは駄目だよ。僕と付き合っているんだから」

 クリスがそう言った瞬間の場の盛り上がりといったら。まるで特大のバナナを投げ込まれた瞬間のサル山のようである。ぴぃぴぃと指笛まで聞こえ始める中、リィモンは大袈裟な動作でメリオンから距離を取る。

「なんと、クリス王子のお妃さまでしたか!それは大変失礼いたしました。私の無礼な発言は、どうぞ綺麗さっぱり忘れてください!」
「はぁ…お妃?」
「端麗な容姿に温厚な性格のクリスは、魔法研究所では王子と呼ばれています。クリス王子に寄り添うのであれば、メリオン様は妃に等しい存在と言っても過言ではありません」

 リィモンがはきはきとそう告げる最中にも、周囲の人々は鬼の首を取ったようなはしゃぎっぷりだ。多少なりとも酒が入っているのだから、なおさら質が悪い。けれども意外なことは、メリオン自身があまり周囲の盛り上がりを気に掛けていないということだ。クリスとの恋人関係すら素直に認めようとしないメリオンだ。強引にクリスとの関係を暴かれ、仰々しくお妃さまなどと呼ばれれば、般若のように怒り狂いそうなものだけれど。
 ここまで分かりやすく寸劇の舞台に担ぎ上げられれば、怒りも削がれるものだろうか。口元に手をあて、必死に笑いを堪えている様子のメリオンを見ながら、ゼータはそんなことを考えるのである。何にせよ、頬骨の陥没は免れそうだ。

 クリスとメリオンの関係が公になったところで、静かだった飲みの席は賑やかさを取り戻した。クリスは数人の研究員の手により座敷の隅へと連れ去られ、何やら尋問を受け始めたところ。メリオンも、この後ミーアの質問攻めにあうことは確定事項だ。ゼータはグラスを片手にそっと席を立つと、メリオンからは少し離れたところに移動した。そこにはビットがいる。

「あれ、ゼータさん。ミーアの尋問に参加しなくていいんですか」
「しませんよ…飛び火を受けたら炎上します」

 これが、ゼータが席を移った大きな理由である。ミーアの傍にいれば、尋問の最中に「ゼータさん、お妃さまはこう言っておりますが実際のところはどうなんですか?」と飛び火を受けるに決まっているのだ。そこで余計な発言をしてメリオンの機嫌を損ねれば、後にゼータの頬骨は危機的状況を迎えることになるだろう。

「ビットが参加するなら、事前に作戦の詳細を問いただしておけば良かったです。心臓に悪い」
「残念ながら、僕が参加を決めたのは今日になってからです」
「そうなんですか?クリスの相手に興味がなかったんですか」
「クリスさんを騙すような作戦に加担するのも気が引けたんですよ。キメラ棟で頻繁に顔を合わすわけだし、気まずくなるのも嫌だなと思って。結局興味が勝ちましたけど」
「あ、そう…」
 ゼータは空のグラスに酒を注ぎながら、少し離れたところでなされる会話に耳を澄ます。会話の主は色恋話の覇者ミーアと、毛足の長い猫を被りまくったメリオン。周囲には数人の女性研究員の姿もある。

「メリオン様は、クリス王子のどこに惹かれたのですか?」
「強者を恐れぬ精神力でしょうか。彼は、強大な力を持つ相手を決して恐れない。それもただの命知らずというわけではなく、ある程度の勝率を確保したうえで勝負に臨む。加えて見た目には無謀としか思えぬ作戦を成功に導く計画力、遂行力、人の弱みを見抜く力。私が彼に惹かれたのはそんなところでございます」

 完全に上司の評価である。

「告白はどちらから?」
「クリス様からですよ。夕焼けの美しい展望台で告白を受けました」

 メリオンの答えに、周囲を囲む女性研究員らは歓喜の悲鳴を上げた。中でもひときわ盛り上がりを見せている者はミーアだ。ミーアの黒い瞳は、今や黒曜石のようにきらきらと輝いている。
 続いてゼータが盗み見た先では、クリスとリィモンを中心とした男性研究員らが、女性陣に負けず劣らずの盛り上がりを見せていた。

「クリスは、メリオン様のどこに惚れたんだ?」
「包容力かなぁ。僕の強引な行いを諫めつつも許してくれる懐の広さ。僕が人の道を外れかけたときには、正しい道に連れ戻してくれるしね。メリオンさんが、僕の人生を良い方向に導いてくれているなとは思うよ」

 強引な行い。その言葉に、研究員らははっと息を呑む。クリスは麗しの女性を手に入れるために、一体どんな無茶を働いたのだろうと。ぜひともその疑問を口に出してほしいものだ、とゼータは思う。さらに言えば、「人の道を外れかけた」の辺りにも誰か言及してはくれまいか。ゼータの願いは、酒の回った研究員らに届くことはない。

***

 そうして楽しい時は過ぎ、時刻は間もなく21時。ゼータが飲み会の終了時刻としてメリオンに伝えた時間である。
 時計の針が21時ちょうどを指したとき、メリオンがさっと席を立つ。まだ飲み会は終わりそうにないけれど、一足早く席を抜けるつもりなのだろう。座敷を歩くメリオンの横顔を、誰ともなくが追う。

「おいクリス、時間だ。帰るぞ」

 座敷中によく響く声で、メリオンはそう言い放った。そして目の前に座るクリスの背中を、爪先で蹴り上げる。クリスの口からは「痛い」と悲鳴が上がる。

「ちょっといきなり蹴らないで…もう帰ります?」
「約束の時刻だ。飲み足りなければ、続きは部屋でやれ」
「はい、そうします」

 しんと静まり返った場に、クリスとメリオンの会話は痛いほどに響く。研究員らは皆、状況を掴めずにぽっかりと口を開けていた。当然だ。ほんの数秒前まで淑女の佇まいで会話に興じていたメリオンが、突然荒々しくクリスの背中を蹴り上げたのだから。口調すら別人のようだ。すっかり化けの皮が剥がれたメリオンの瞳が、真っ直ぐにゼータを見据える。

「おいゼータ、中々楽しい飲み会だった。当初の予定であれば時間外労働の対価として、お前に一晩を要求するつもりであった。女同士の愉しみ方をたっぷりと教えてやるつもりだったがな。愉快な寸劇の礼に、ここの支払いで勘弁してやる。俺とクリスの分、間違いなく支払えよ」

 堂々とそう言い放つと、メリオンは座敷の出入り口へと向かって行った。ふすまを開ける直前に、くるりと向きを変え優雅に一礼。悪魔的とも淑女的とも取れる微笑を残し、そのまま扉の向こう側へと消える。クリスもその背中に続く。

「ゼータ。僕の分は明日払うから。悪いけど建て替えておいて」

 そうして主役2人は舞台を下りた。巨大な爆弾を置き去りにしたまま。

 しんと静まり返った座敷の中で、ゼータは1人テーブルにうつ伏していた。今、初めて色々なことを理解した。メリオンは初めから、ゼータの誘いの目的を知っていたのだ。メリオンの怒りを最小限に抑えるために、クリスがあらかじめ伝えていたのだろう。それ自体は別に構わない。うまいことメリオンを言いくるめてくれたクリスにも、見世物になることを承知で誘いに応じてくれたメリオンにも、感謝しかない。
 しかし、だ。なぜメリオンは、最後の最後で巨大な爆弾を残していったのだ。その答えは簡単、ゼータへの罰だ。クリスの計らいにより未遂に終わったとはいえ、ゼータがメリオンを欺こうとしたことは事実。言葉巧みに飲みの席へと誘い出し、魔法研究所の面々に引き合わせようとしたのだ。計画の内容を完全に知らされていなかったとはいえ、ゼータの罪が消えることはない。だからメリオンは1人では帰らずにクリスを連れ出した。ゼータ、爆弾の解体作業はお前が1人でやれ、と。

「ゼータさん。何あれどういうこと。メリオン様はあっちが素なの?」

 テーブルにうつ伏すゼータの肩を、ビットが激しく揺らす。ビットの言葉を皮切りに、研究員がわらわらとゼータの元へ集まってきた。

「クリス王子の背中を蹴っていましたよ」
「俺って言ってなかった?なんで?」
「王子が下手に出るってどういう立場の人なの。同僚じゃないの?」
「女同士の愉しみ方、とか変なこと言ってなかった?」
「意味わかんないです。ゼータさん!」

 ゼータは偽り事が大の苦手。真実を隠したまま、場を収める上手い言い訳など思いつくはずもない。四方八方から身体を揺らされるゼータは、泣く泣く皆に真実を伝えることとなる。

 メリオンは、元は口を開けば淫猥な言動を繰り返す存在が猥褻物のような男で、子どもが欲しいクリスの謀により女性となり、現在2人はやる事はやる関係に収まっています。

 ゼータの的確な説明に対する皆の回答はただ一言。意味がわからない。
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