237 / 318
安らかに眠れ、恐ろしくも美しい緋色の龍よ
隷属の儀
しおりを挟む
一度建物の外へと出たゼータとリジンは、建物の裏手側にある小さな扉をくぐった。繊細な模様が彫り込まれた正面玄関の扉とは似ても似つかぬ、勝手口との名が相応しい質素な扉だ。扉の先にはこれまた特徴のない質素な廊下が伸びる。「2番か3番の部屋」呟くリジンの背に続き、ゼータは狭い廊下を歩く。
「ロザリーさんは魔女と呼ばれる人物なんですよね。ハクジャには何人もの魔女がいるんですか?」
「ハクジャには総勢13人の魔女がいると言われている。しかしロザリーのように自身で魔具屋を経営する魔女は稀だ。ロザリーの他にもう一人、ミスカという名の魔女が街の北端に店を持っている。だがそれだけだな。他の魔女は自身の工房で魔具を作りながらも、販売は他に委託しているはずだ。」
語るリジンはいくつもの扉を通り過ぎる。物置、便所、応接室、物置、また物置。
「ロザリーの店でも、他の魔女が作った魔具の販売を請け負っているはずだ。そう言った意味で、ロザリーは他の魔女にも顔が利く。奴自身魔具の修理は得手としないが、どこかしらの魔女に依頼を繋いでくれるだろうさ。時間は掛かるかもしれないが、あんたの神具はきっと直る」
「そう言ってもらえると心が軽くなります。あれがないと私、任務を遂行できないだけじゃなく祖国にも帰り着けないんですよ」
そう言うと、ゼータは右耳朶に触れた。そこには翡翠の耳飾りがある。小国ブラキストの荷馬車市で買い求め、土産としてダイナに手渡した物だ。ダイナはその耳飾りの一方を、帰路の標としてゼータに差し出した。帰りのことなど考えずに飛び出してきた旅路。しかしよくよく考えてみれば、例えレイバックの元に辿り着いたとしても、標無くしてドラキス王国に帰り着くことは困難だ。
長い廊下の端には「契約室1」と書かれた扉があった。その真正面には「契約室2」「契約室3」と書かれた横並びの扉。リジンは少し迷った後に、「契約室3」と書かれた扉を開ける。リジンの指先が灯りのスイッチを押せば、そこは物置と相違ない広さの小部屋だ。物を置くための長机が一つ、木製の衣類掛けに、揃いのデザインの2つの丸椅子。それだけを見れば普通の待合室とも取れるが、待合室と呼ぶには奇妙な点が2点ある。
まず1点は正方形の石床に描かれた巨大な六芒星だ。よく磨かれた白い床に浮かび上がる、漆黒の六芒星。魔法の行使に特定の模様を必要とするという話は聞いたことがないから、恐らくそれはただの飾りなのだ。しかし否が応にも視界に入る巨大な六芒星は、契約の儀に向け気分を盛り上げてくれる効果はある。
さらにもう1点の奇妙な点は、部屋の片隅に置かれた木造りの椅子だ。職人が丹精込めて作ったと推測されるその椅子には、左右の肘掛けに物々しい鉄の輪が取り付けられている。さらに椅子の前部に位置する2本の脚にも、同様に取り付けられた2つの鉄輪。拘束椅子、という言葉がゼータの脳裏に浮かぶ。罪人を拘束し、尋問するための拘束椅子がなぜここにある。
「な、なんだか物々しい部屋ですね。ここで奴隷の刻印を押すんですか?」
「そうだ。奴隷市場で奴隷を買い受けた場合には、通常その場で隷属の儀を済ませてしまう。だが例えば子どもの奴隷を買い受けた場合には、ある程度の信頼関係を築いてから隷属の儀を行うことが多い。幼子が1人で街を出歩くことなどないから、刻印が無くても不自由はないだろう。そういった場合には魔具屋の契約室を使用する。あとは個人間での奴隷売買を行った場合だな。主が変わる時には刻印を押し直す必要があるから」
「個人間の奴隷売買で、あのおどろおどろしい椅子を使用するんですか?」
「たまにな。主が変わるということは、奴隷にとっては一生を左右される一大事案だ。優しい主が金の事情で奴隷を手放すとなると、売られるのは嫌だと暴れる奴隷がたまにいる」
「なるほど…」
「あんたが暴れるとは思っていない。そっちの壁際に立って、衣服の胸元をはだけるんだ。左胸の上部に刻印を押す」
ゼータは言われるがままに、冷たい石壁に背を付けた。シャツのぼたんを上から3つ目まで外し、胸元を大きく開ける。男性の姿であって良かったと、ゼータは内心安堵する。女性の身体で同様の姿となれば、両乳房が露出する大惨事だ。ささやかであっても乳は乳。初対面の人の前に晒してよい代物ではない。
「準備は良いか?」
リジンの声。部屋の中央に仁王立ちするリジンの右手には、手のひら大の焼き印が握られている。人間を奴隷へと落とす忌まわしき魔具。だが今回に限りその魔具は、人を助けるために使われる。刻印を押されたゼータはリジンの縁者となり、ハクジャにおける自由な活動が可能となるのだ。「準備は良いです」とゼータが言うよりも早く、リジンの手の中で刻印は淡い輝きを放ち始めた。ゼータは通常焼き印と呼ばれる物体を間近で見た経験はない。しかし書物で読んだ知識を元にすれば、焼き印とは高温に熱した金具を人の皮膚に押し付ける行為であったはずだ。今この部屋に、焼き印を熱するための火元はない。ならばリジンの手の内にある奴隷の刻印が煌々と輝くのは、熱のためではなく魔力のためだ。
隷属の儀を執り行うために、リジンが魔法を用いて魔具を発動させた。そうであると理解はしていても、しゅうしゅうと煙を立てる刻印を見て恐怖を覚えずにはいられない。
「ちょ、ちょっと待ってください。それ、熱くはないんですよね?」
「普通の焼き印とは違う。押し付けても痛みはない…と聞いている」
何とも曖昧な返答だ。恐れおののき後退るゼータであるが、壁を背にしていては逃げ場などない。リジンの左手はゼータの肩を壁へと押し付け、右手の刻印が胸元に翳される。
「押すぞ」
じゅう、と皮膚の焼ける音がした。焼き印と皮膚の接触面からは白い煙が立ち上り、ゼータは思わず両目を瞑る。生々しい焼き音、しかし不思議と痛みはない。焼き跡から与えられるものは痛みではなく、生温かな他人の魔力だ。リジンの魔力が、刻印を通して体内へと流れ込んでくる。
厳かな隷属の儀は、ものの5秒と経たずして終わった。皮膚を離れた刻印は次第に輝きをなくし、リジンは刻印を手にしたまま数歩後退る。壁際に取り残されたゼータは、顎を引き自身の胸元を見下ろした。左胸の上部に押された奴隷の刻印は、焼き印が離れた今も淡く輝き白煙を立ち昇らせる。
そうして胸元を見下ろし十数秒の時が経つ。刻印は次第に輝きをなくし、焼き跡に相応しい黒へと色を変える。おや、とゼータは首を傾げる。ハクジャには3種類の奴隷が存在する。自由な生活を許される縁者、命に障らぬ限り主への服従を強いられる従者、そしていかなる命令にも服従を余儀なくされる隷者。リジンはゼータを「縁者にする」のだと言った。しかし縁者の刻印は、果たしてこのような禍々しい黒であっただろうか?
「リジンさん、あの、これ――」
ゼータの声を遮り、部屋の中には哄笑が響く。部屋の中心で身体を区の字に折り曲げたリジンは、ゼータの戸惑いなど歯牙にもかけず、頬を引きつらせて笑う。
「まんまと騙されやがった、馬鹿な奴。隷属の儀の前には、自らの目で刻印を確認しろと教わらなかったか?ああ、失敬。お前は脱走奴隷だ。最低限の常識すら教わらずに逃げ出すから、こうして騙されるんだ」
紳士たる面影は欠片もなし。侮蔑の言葉を吐き出すリジンの手のひらからは、役目を終えた焼き印が転がり落ちる。今初めて覗き見る、焼き印の底面。そこに刻まれた文字は「隷」。今ゼータが焼き付けられたのは、生死すら主に支配される隷者の刻印だ。
騙されたのだ、その時初めて気づく。リジンの嘲笑は止まぬ。
「お前はもう俺の隷者だ。馬ー鹿!」
「ロザリーさんは魔女と呼ばれる人物なんですよね。ハクジャには何人もの魔女がいるんですか?」
「ハクジャには総勢13人の魔女がいると言われている。しかしロザリーのように自身で魔具屋を経営する魔女は稀だ。ロザリーの他にもう一人、ミスカという名の魔女が街の北端に店を持っている。だがそれだけだな。他の魔女は自身の工房で魔具を作りながらも、販売は他に委託しているはずだ。」
語るリジンはいくつもの扉を通り過ぎる。物置、便所、応接室、物置、また物置。
「ロザリーの店でも、他の魔女が作った魔具の販売を請け負っているはずだ。そう言った意味で、ロザリーは他の魔女にも顔が利く。奴自身魔具の修理は得手としないが、どこかしらの魔女に依頼を繋いでくれるだろうさ。時間は掛かるかもしれないが、あんたの神具はきっと直る」
「そう言ってもらえると心が軽くなります。あれがないと私、任務を遂行できないだけじゃなく祖国にも帰り着けないんですよ」
そう言うと、ゼータは右耳朶に触れた。そこには翡翠の耳飾りがある。小国ブラキストの荷馬車市で買い求め、土産としてダイナに手渡した物だ。ダイナはその耳飾りの一方を、帰路の標としてゼータに差し出した。帰りのことなど考えずに飛び出してきた旅路。しかしよくよく考えてみれば、例えレイバックの元に辿り着いたとしても、標無くしてドラキス王国に帰り着くことは困難だ。
長い廊下の端には「契約室1」と書かれた扉があった。その真正面には「契約室2」「契約室3」と書かれた横並びの扉。リジンは少し迷った後に、「契約室3」と書かれた扉を開ける。リジンの指先が灯りのスイッチを押せば、そこは物置と相違ない広さの小部屋だ。物を置くための長机が一つ、木製の衣類掛けに、揃いのデザインの2つの丸椅子。それだけを見れば普通の待合室とも取れるが、待合室と呼ぶには奇妙な点が2点ある。
まず1点は正方形の石床に描かれた巨大な六芒星だ。よく磨かれた白い床に浮かび上がる、漆黒の六芒星。魔法の行使に特定の模様を必要とするという話は聞いたことがないから、恐らくそれはただの飾りなのだ。しかし否が応にも視界に入る巨大な六芒星は、契約の儀に向け気分を盛り上げてくれる効果はある。
さらにもう1点の奇妙な点は、部屋の片隅に置かれた木造りの椅子だ。職人が丹精込めて作ったと推測されるその椅子には、左右の肘掛けに物々しい鉄の輪が取り付けられている。さらに椅子の前部に位置する2本の脚にも、同様に取り付けられた2つの鉄輪。拘束椅子、という言葉がゼータの脳裏に浮かぶ。罪人を拘束し、尋問するための拘束椅子がなぜここにある。
「な、なんだか物々しい部屋ですね。ここで奴隷の刻印を押すんですか?」
「そうだ。奴隷市場で奴隷を買い受けた場合には、通常その場で隷属の儀を済ませてしまう。だが例えば子どもの奴隷を買い受けた場合には、ある程度の信頼関係を築いてから隷属の儀を行うことが多い。幼子が1人で街を出歩くことなどないから、刻印が無くても不自由はないだろう。そういった場合には魔具屋の契約室を使用する。あとは個人間での奴隷売買を行った場合だな。主が変わる時には刻印を押し直す必要があるから」
「個人間の奴隷売買で、あのおどろおどろしい椅子を使用するんですか?」
「たまにな。主が変わるということは、奴隷にとっては一生を左右される一大事案だ。優しい主が金の事情で奴隷を手放すとなると、売られるのは嫌だと暴れる奴隷がたまにいる」
「なるほど…」
「あんたが暴れるとは思っていない。そっちの壁際に立って、衣服の胸元をはだけるんだ。左胸の上部に刻印を押す」
ゼータは言われるがままに、冷たい石壁に背を付けた。シャツのぼたんを上から3つ目まで外し、胸元を大きく開ける。男性の姿であって良かったと、ゼータは内心安堵する。女性の身体で同様の姿となれば、両乳房が露出する大惨事だ。ささやかであっても乳は乳。初対面の人の前に晒してよい代物ではない。
「準備は良いか?」
リジンの声。部屋の中央に仁王立ちするリジンの右手には、手のひら大の焼き印が握られている。人間を奴隷へと落とす忌まわしき魔具。だが今回に限りその魔具は、人を助けるために使われる。刻印を押されたゼータはリジンの縁者となり、ハクジャにおける自由な活動が可能となるのだ。「準備は良いです」とゼータが言うよりも早く、リジンの手の中で刻印は淡い輝きを放ち始めた。ゼータは通常焼き印と呼ばれる物体を間近で見た経験はない。しかし書物で読んだ知識を元にすれば、焼き印とは高温に熱した金具を人の皮膚に押し付ける行為であったはずだ。今この部屋に、焼き印を熱するための火元はない。ならばリジンの手の内にある奴隷の刻印が煌々と輝くのは、熱のためではなく魔力のためだ。
隷属の儀を執り行うために、リジンが魔法を用いて魔具を発動させた。そうであると理解はしていても、しゅうしゅうと煙を立てる刻印を見て恐怖を覚えずにはいられない。
「ちょ、ちょっと待ってください。それ、熱くはないんですよね?」
「普通の焼き印とは違う。押し付けても痛みはない…と聞いている」
何とも曖昧な返答だ。恐れおののき後退るゼータであるが、壁を背にしていては逃げ場などない。リジンの左手はゼータの肩を壁へと押し付け、右手の刻印が胸元に翳される。
「押すぞ」
じゅう、と皮膚の焼ける音がした。焼き印と皮膚の接触面からは白い煙が立ち上り、ゼータは思わず両目を瞑る。生々しい焼き音、しかし不思議と痛みはない。焼き跡から与えられるものは痛みではなく、生温かな他人の魔力だ。リジンの魔力が、刻印を通して体内へと流れ込んでくる。
厳かな隷属の儀は、ものの5秒と経たずして終わった。皮膚を離れた刻印は次第に輝きをなくし、リジンは刻印を手にしたまま数歩後退る。壁際に取り残されたゼータは、顎を引き自身の胸元を見下ろした。左胸の上部に押された奴隷の刻印は、焼き印が離れた今も淡く輝き白煙を立ち昇らせる。
そうして胸元を見下ろし十数秒の時が経つ。刻印は次第に輝きをなくし、焼き跡に相応しい黒へと色を変える。おや、とゼータは首を傾げる。ハクジャには3種類の奴隷が存在する。自由な生活を許される縁者、命に障らぬ限り主への服従を強いられる従者、そしていかなる命令にも服従を余儀なくされる隷者。リジンはゼータを「縁者にする」のだと言った。しかし縁者の刻印は、果たしてこのような禍々しい黒であっただろうか?
「リジンさん、あの、これ――」
ゼータの声を遮り、部屋の中には哄笑が響く。部屋の中心で身体を区の字に折り曲げたリジンは、ゼータの戸惑いなど歯牙にもかけず、頬を引きつらせて笑う。
「まんまと騙されやがった、馬鹿な奴。隷属の儀の前には、自らの目で刻印を確認しろと教わらなかったか?ああ、失敬。お前は脱走奴隷だ。最低限の常識すら教わらずに逃げ出すから、こうして騙されるんだ」
紳士たる面影は欠片もなし。侮蔑の言葉を吐き出すリジンの手のひらからは、役目を終えた焼き印が転がり落ちる。今初めて覗き見る、焼き印の底面。そこに刻まれた文字は「隷」。今ゼータが焼き付けられたのは、生死すら主に支配される隷者の刻印だ。
騙されたのだ、その時初めて気づく。リジンの嘲笑は止まぬ。
「お前はもう俺の隷者だ。馬ー鹿!」
0
お気に入りに追加
252
あなたにおすすめの小説

前世が俺の友人で、いまだに俺のことが好きだって本当ですか
Bee
BL
半年前に別れた元恋人だった男の結婚式で、ユウジはそこではじめて二股をかけられていたことを知る。8年も一緒にいた相手に裏切られていたことを知り、ショックを受けたユウジは式場を飛び出してしまう。
無我夢中で車を走らせて、気がつくとユウジは見知らぬ場所にいることに気がつく。そこはまるで天国のようで、そばには7年前に死んだ友人の黒木が。黒木はユウジのことが好きだったと言い出して――
最初は主人公が別れた男の結婚式に参加しているところから始まります。
死んだ友人との再会と、その友人の生まれ変わりと思われる青年との出会いへと話が続きます。
生まれ変わり(?)21歳大学生×きれいめな48歳おっさんの話です。
※軽い性的表現あり
短編から長編に変更しています
悩める文官のひとりごと
きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。
そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。
エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。
ムーンライト様にも掲載しております。

僕はお別れしたつもりでした
まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!!
親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
大晦日あたりに出そうと思ったお話です。
【完結】オーロラ魔法士と第3王子
N2O
BL
全16話
※2022.2.18 完結しました。ありがとうございました。
※2023.11.18 文章を整えました。
辺境伯爵家次男のリーシュ・ギデオン(16)が、突然第3王子のラファド・ミファエル(18)の専属魔法士に任命された。
「なんで、僕?」
一人狼第3王子×黒髪美人魔法士
設定はふんわりです。
小説を書くのは初めてなので、何卒ご容赦ください。
嫌な人が出てこない、ふわふわハッピーエンドを書きたくて始めました。
感想聞かせていただけると大変嬉しいです。
表紙絵
⇨ キラクニ 様 X(@kirakunibl)

今夜のご飯も一緒に食べよう~ある日突然やってきたヒゲの熊男はまさかのスパダリでした~
松本尚生
BL
瞬は失恋して職と住み処を失い、小さなワンルームから弁当屋のバイトに通っている。
ある日瞬が帰ると、「誠~~~!」と背後からヒゲの熊男が襲いかかる。「誠って誰!?」上がりこんだ熊は大量の食材を持っていた。瞬は困り果てながら調理する。瞬が「『誠さん』って恋人?」と尋ねると、彼はふふっと笑って瞬を抱きしめ――。
恋なんてコリゴリの瞬と、正体不明のスパダリ熊男=伸幸のお部屋グルメの顛末。
伸幸の持ちこむ謎の食材と、それらをテキパキとさばいていく瞬のかけ合いもお楽しみください。
死に戻り騎士は、今こそ駆け落ち王子を護ります!
時雨
BL
「駆け落ちの供をしてほしい」
すべては真面目な王子エリアスの、この一言から始まった。
王子に”国を捨てても一緒になりたい人がいる”と打ち明けられた、護衛騎士ランベルト。
発表されたばかりの公爵家令嬢との婚約はなんだったのか!?混乱する騎士の気持ちなど関係ない。
国境へ向かう二人を追う影……騎士ランベルトは追手の剣に倒れた。
後悔と共に途切れた騎士の意識は、死亡した時から三年も前の騎士団の寮で目覚める。
――二人に追手を放った犯人は、一体誰だったのか?
容疑者が浮かんでは消える。そもそも犯人が三年先まで何もしてこない保証はない。
怪しいのは、王位を争う第一王子?裏切られた公爵令嬢?…正体不明の駆け落ち相手?
今度こそ王子エリアスを護るため、過去の記憶よりも積極的に王子に関わるランベルト。
急に距離を縮める騎士を、はじめは警戒するエリアス。ランベルトの昔と変わらぬ態度に、徐々にその警戒も解けていって…?
過去にない行動で変わっていく事象。動き出す影。
ランベルトは今度こそエリアスを護りきれるのか!?
負けず嫌いで頑固で堅実、第二王子(年下) × 面倒見の良い、気の長い一途騎士(年上)のお話です。
-------------------------------------------------------------------
主人公は頑な、王子も頑固なので、ゆるい気持ちで見守っていただけると幸いです。

【完】三度目の死に戻りで、アーネスト・ストレリッツは生き残りを図る
112
BL
ダジュール王国の第一王子アーネストは既に二度、処刑されては、その三日前に戻るというのを繰り返している。三度目の今回こそ、処刑を免れたいと、見張りの兵士に声をかけると、その兵士も同じように三度目の人生を歩んでいた。
★本編で出てこない世界観
男同士でも結婚でき、子供を産めます。その為、血統が重視されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる