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安らかに眠れ、恐ろしくも美しい緋色の龍よ
神国ジュリ-2
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ゼータ様。ダイナは叫び、閉ざされた格子戸へと飛びついた。数度格子戸を揺らし、そこが開かぬと悟ると、あろうことか正門横の鉄柵をよじ登ろうとする。あられに捲れ上がるドレスの裾を視界に映し、タルクは思わず悲鳴を上げた。
「ダ、ダイナ様!お待ちください、直ぐに門を開けますから」
腰に付けた鍵束を漁りながら、タルクは大慌てで正門へと駆け寄った。早く早くと急かすダイナを宥めながら、探し当てた鍵の一本を錠前に挿す。タルクの手が鍵を回し、錠前を外すや否や、堅牢な格子戸はダイナの手により開かれた。ゼータ様、歓喜に叫ぶダイナは、客人の胸元へと飛び込んでゆく。
「ああ、本物のゼータ様。夢みたい、ゼータ様が神殿にいらっしゃるなんて。突然どうされたのです。ひょっとして事前に文をいただいておりました?まだ私の元には届いておりませんわ。どこかで手違いがあったのかしら」
捲し立てるように、ダイナは言う。泥に塗れた客人の頬に頬擦りをするものだから、陶器の頬に泥汚れが移る。絹のドレスに、木の葉や土埃が付くことも厭わない。客人の首筋に両腕を回し、熱烈な抱擁を交わすダイナは心底嬉しそうだ。長年神殿の門番として仕えているが、ここまで感極まった様子のダイナは初めて見る。正門の鍵を鍵束に戻しながら、タルクは呑気に考える。
「すみません、文は送っていないんです。事前連絡もなく突然来てしまいました。神官舎での手続きが必要とは聞いたんですけれど、急を要する用事なもので…」
「手続きなどなくとも、全く問題ありませんわ。黒の城で仲を深めてからというもの、ラガーニャ様が何度か神殿にいらっしゃっています。事前の文もなく、唐突に正門前に現れますの。友が顔を合わせるのに特別な手続きなど必要ありません」
「そう言っていただけると助かります」
ラガーニャ様、とタルクは呟く。その人物はタルクもよく知っている。11の小国地帯に属する、獣人族国家オズトの王妃だ。褐色の肌に短く切り揃えられた黒髪。武人の装いのラガーニャは、この1年半ほどの間に3度神殿を訪れている。ダイナの言う通り、事前の文などなく唐突に現れるのだ。初回こそ予期せぬ来訪者に目を白黒させたタルクであるが、ラガーニャの訪問が2度3度と続けば対応も慣れたものだ。「正門前に現れた客人には神官舎での手続きを促すこと。ただし獣人国家オズトのラガーニャ王妃は例外」という新たな規則が神殿内に浸透したのである。
つまり今ダイナと抱擁を交わす客人は、ラガーニャに等しい立場の人物であるということか。戦々恐々と立ち竦むタルクの背後に、人の立つ気配がする。そろそろと背後を振り返れば、そこには長身の男が立っていた。太陽光を受け眩しく輝く紫紺の髪、同じ色合いの紫紺の瞳。神殿のもう一人の主、神国ジュリの国王アメシスだ。アメシスの横には、先ほど男が言伝を頼んだ神官が立っている。ダイナの疾走を見送った神官が、アメシスに事情を説明しともにこの場にやって来たというところか。
「ゼータ様。ご無沙汰しております。旧バルトリア王国地帯の建国式で顔を合わせて以来でしょうか」
そう挨拶をするアメシスは、両腕に書類の束を抱えていた。平静を装いながらも、肩は弾み呼吸は早い。神官の言伝を聞き、書類を置く間もなく正門前へと駆けてきたのだ。神国ジュリの王と王妃を疾走させるほどの客人。その地位やいかに。とんでもない人物を出迎えてしまったのやもしれぬと、タルクはふるふると身震いをする。
「アメシス様、お元気そうで何よりです。突然押し掛けてすみません。少し厄介な問題を抱えておりまして、ぜひとも協力をお願いしたいんです」
「厄介な問題…ですか。貴方が単身この地を訪れたということは、もしやレイバック殿の御身に禍がおありか」
アメシスの言に、客人は悲痛の微笑みを零す。
「察しが良くて助かります。この場では話しにくいことなのですが、ダイナと3人で話す場を設けてはいただけませんか?急かすようで申し訳ありませんが、できるだけ早急に」
「でしたら夕刻までお待ちください。本日分の公務が終われば、ゆっくりと話が出来ます。場所は神殿内部で宜しいでしょうか?人払いは致しますので」
「助かります。重ね重ねで申し訳ないのですが、もう一つお願いがあって…。数泊宿を貸して欲しいんです。野宿の途中で大雨に降られて、身も心もへとへとなんですよ。グラニも休ませてあげたいですし」
そう言う客人は、確かに疲れ果てた様子だ。髪や衣服が泥塗れなのは然る事ながら、目の下には隈があるし、頬は乾燥で赤みが差している。傍らに立つ騎獣も同様で、銀毛並は元の色合いがわからないほどに汚れている。鬣には木の葉が絡まり放題だ。タルクに騎獣の言葉はわからぬが、黒々とした目許は「私もそろそろ柔らかな草場で寝たいのです」と訴えているようにも見える。
「野宿?野宿でここまで来られたのですか?道理でこんなにお痩せになって。滋養のある物をご用意致しますから、どうぞ何泊でもお泊りになって。ドレスも私の物をお貸ししますわ」
客人の頬に頬擦りをしながら、ダイナは眉尻を下げる。洗練されたドレス姿のダイナに、くたびれた様子の旅人。対照的な姿の女性2人が抱き合う様子は傍から見れば異様だ。
「ダイナ、ありがとうございます。本当に助かります」
「そうと決まれば、私は一度失礼致します。退屈な公務などさっさと終わらせてしまいますわ。ゼータ様、夕刻にまた。どうぞゆっくりご休憩なさって」
客人の頬をむにむにと揉みしだき、ダイナは脱兎のごとく駆けだした。菫色のドレスを風になびかせ、神殿殿へと続く煉瓦路を走り抜ける。「ダイナ、脚が見えていますから少し速度を落として!」アメシスの忠告など歯牙にも掛けぬ。
ダイナの疾駆を見送った後、アメシスの視線は直立で佇む神官へと向かう。
「ガーネット。ゼータ様を客間に案内してくれ。湯浴みと軽食の準備も頼む」
「客室はどちらをご用意いたしましょう。黄玉の間でしたら、すぐにご案内ができますが」
「金剛の間を整えてくれ。神殿内部の雑務は最低限に留め、神官総出で客人対応に当たるように。人出が足りなければ、神官舎より臨時で人を呼び寄せて構わない」
「謁見人名簿への記帳はいかがいたします?」
「ダイナの個人的な友人との記帳を。国籍や来殿目的は空白にしておいてくれ」
「承りました」
次いで、アメシスの視線はタルクへと向かう。
「タルク。ゼータ様の騎獣を神官舎管轄の馬屋まで移送してくれ。滋養のある餌をふんだんに用意し、他の騎獣と諍いを起こさぬよう個別房を宛がう事。馬具の手入れは街工房に依頼するのが良いだろう。馬屋番が工房の場所を把握しているはずだ。明日の夕刻までには手入れを終えられるよう、融通を利かせてもらってくれ」
「…承りました」
タルクが神殿庭園の門番の任に就いてから、早20年。20年のうちで、ここまで緊張感に満ちた客人の訪問が他にあっただろうか。オズトの王妃ラガーニャの訪問にも度肝を抜かれたが、彼女の訪問目的はダイナとの気ままな雑談であった。しかしゼータと名乗る今回の客人はと言えば、個人では解決の難しい厄介な問題を抱えているのだという。それもアメシスの言葉を借りるのならば「レイバック殿の御身に禍があおり」なのだとか。ドラキス王国のレイバック、神国ジュリに住まう者でもその名を知らぬ者はほとんどいない。
どうやらとんでもない人物を出迎えてしまったようだ。タルクは緊張に身を竦め、ゼータという名の客人に無礼な対応を行わなかった過去の自分をひたすらに褒め称えるのだ。
「ダ、ダイナ様!お待ちください、直ぐに門を開けますから」
腰に付けた鍵束を漁りながら、タルクは大慌てで正門へと駆け寄った。早く早くと急かすダイナを宥めながら、探し当てた鍵の一本を錠前に挿す。タルクの手が鍵を回し、錠前を外すや否や、堅牢な格子戸はダイナの手により開かれた。ゼータ様、歓喜に叫ぶダイナは、客人の胸元へと飛び込んでゆく。
「ああ、本物のゼータ様。夢みたい、ゼータ様が神殿にいらっしゃるなんて。突然どうされたのです。ひょっとして事前に文をいただいておりました?まだ私の元には届いておりませんわ。どこかで手違いがあったのかしら」
捲し立てるように、ダイナは言う。泥に塗れた客人の頬に頬擦りをするものだから、陶器の頬に泥汚れが移る。絹のドレスに、木の葉や土埃が付くことも厭わない。客人の首筋に両腕を回し、熱烈な抱擁を交わすダイナは心底嬉しそうだ。長年神殿の門番として仕えているが、ここまで感極まった様子のダイナは初めて見る。正門の鍵を鍵束に戻しながら、タルクは呑気に考える。
「すみません、文は送っていないんです。事前連絡もなく突然来てしまいました。神官舎での手続きが必要とは聞いたんですけれど、急を要する用事なもので…」
「手続きなどなくとも、全く問題ありませんわ。黒の城で仲を深めてからというもの、ラガーニャ様が何度か神殿にいらっしゃっています。事前の文もなく、唐突に正門前に現れますの。友が顔を合わせるのに特別な手続きなど必要ありません」
「そう言っていただけると助かります」
ラガーニャ様、とタルクは呟く。その人物はタルクもよく知っている。11の小国地帯に属する、獣人族国家オズトの王妃だ。褐色の肌に短く切り揃えられた黒髪。武人の装いのラガーニャは、この1年半ほどの間に3度神殿を訪れている。ダイナの言う通り、事前の文などなく唐突に現れるのだ。初回こそ予期せぬ来訪者に目を白黒させたタルクであるが、ラガーニャの訪問が2度3度と続けば対応も慣れたものだ。「正門前に現れた客人には神官舎での手続きを促すこと。ただし獣人国家オズトのラガーニャ王妃は例外」という新たな規則が神殿内に浸透したのである。
つまり今ダイナと抱擁を交わす客人は、ラガーニャに等しい立場の人物であるということか。戦々恐々と立ち竦むタルクの背後に、人の立つ気配がする。そろそろと背後を振り返れば、そこには長身の男が立っていた。太陽光を受け眩しく輝く紫紺の髪、同じ色合いの紫紺の瞳。神殿のもう一人の主、神国ジュリの国王アメシスだ。アメシスの横には、先ほど男が言伝を頼んだ神官が立っている。ダイナの疾走を見送った神官が、アメシスに事情を説明しともにこの場にやって来たというところか。
「ゼータ様。ご無沙汰しております。旧バルトリア王国地帯の建国式で顔を合わせて以来でしょうか」
そう挨拶をするアメシスは、両腕に書類の束を抱えていた。平静を装いながらも、肩は弾み呼吸は早い。神官の言伝を聞き、書類を置く間もなく正門前へと駆けてきたのだ。神国ジュリの王と王妃を疾走させるほどの客人。その地位やいかに。とんでもない人物を出迎えてしまったのやもしれぬと、タルクはふるふると身震いをする。
「アメシス様、お元気そうで何よりです。突然押し掛けてすみません。少し厄介な問題を抱えておりまして、ぜひとも協力をお願いしたいんです」
「厄介な問題…ですか。貴方が単身この地を訪れたということは、もしやレイバック殿の御身に禍がおありか」
アメシスの言に、客人は悲痛の微笑みを零す。
「察しが良くて助かります。この場では話しにくいことなのですが、ダイナと3人で話す場を設けてはいただけませんか?急かすようで申し訳ありませんが、できるだけ早急に」
「でしたら夕刻までお待ちください。本日分の公務が終われば、ゆっくりと話が出来ます。場所は神殿内部で宜しいでしょうか?人払いは致しますので」
「助かります。重ね重ねで申し訳ないのですが、もう一つお願いがあって…。数泊宿を貸して欲しいんです。野宿の途中で大雨に降られて、身も心もへとへとなんですよ。グラニも休ませてあげたいですし」
そう言う客人は、確かに疲れ果てた様子だ。髪や衣服が泥塗れなのは然る事ながら、目の下には隈があるし、頬は乾燥で赤みが差している。傍らに立つ騎獣も同様で、銀毛並は元の色合いがわからないほどに汚れている。鬣には木の葉が絡まり放題だ。タルクに騎獣の言葉はわからぬが、黒々とした目許は「私もそろそろ柔らかな草場で寝たいのです」と訴えているようにも見える。
「野宿?野宿でここまで来られたのですか?道理でこんなにお痩せになって。滋養のある物をご用意致しますから、どうぞ何泊でもお泊りになって。ドレスも私の物をお貸ししますわ」
客人の頬に頬擦りをしながら、ダイナは眉尻を下げる。洗練されたドレス姿のダイナに、くたびれた様子の旅人。対照的な姿の女性2人が抱き合う様子は傍から見れば異様だ。
「ダイナ、ありがとうございます。本当に助かります」
「そうと決まれば、私は一度失礼致します。退屈な公務などさっさと終わらせてしまいますわ。ゼータ様、夕刻にまた。どうぞゆっくりご休憩なさって」
客人の頬をむにむにと揉みしだき、ダイナは脱兎のごとく駆けだした。菫色のドレスを風になびかせ、神殿殿へと続く煉瓦路を走り抜ける。「ダイナ、脚が見えていますから少し速度を落として!」アメシスの忠告など歯牙にも掛けぬ。
ダイナの疾駆を見送った後、アメシスの視線は直立で佇む神官へと向かう。
「ガーネット。ゼータ様を客間に案内してくれ。湯浴みと軽食の準備も頼む」
「客室はどちらをご用意いたしましょう。黄玉の間でしたら、すぐにご案内ができますが」
「金剛の間を整えてくれ。神殿内部の雑務は最低限に留め、神官総出で客人対応に当たるように。人出が足りなければ、神官舎より臨時で人を呼び寄せて構わない」
「謁見人名簿への記帳はいかがいたします?」
「ダイナの個人的な友人との記帳を。国籍や来殿目的は空白にしておいてくれ」
「承りました」
次いで、アメシスの視線はタルクへと向かう。
「タルク。ゼータ様の騎獣を神官舎管轄の馬屋まで移送してくれ。滋養のある餌をふんだんに用意し、他の騎獣と諍いを起こさぬよう個別房を宛がう事。馬具の手入れは街工房に依頼するのが良いだろう。馬屋番が工房の場所を把握しているはずだ。明日の夕刻までには手入れを終えられるよう、融通を利かせてもらってくれ」
「…承りました」
タルクが神殿庭園の門番の任に就いてから、早20年。20年のうちで、ここまで緊張感に満ちた客人の訪問が他にあっただろうか。オズトの王妃ラガーニャの訪問にも度肝を抜かれたが、彼女の訪問目的はダイナとの気ままな雑談であった。しかしゼータと名乗る今回の客人はと言えば、個人では解決の難しい厄介な問題を抱えているのだという。それもアメシスの言葉を借りるのならば「レイバック殿の御身に禍があおり」なのだとか。ドラキス王国のレイバック、神国ジュリに住まう者でもその名を知らぬ者はほとんどいない。
どうやらとんでもない人物を出迎えてしまったようだ。タルクは緊張に身を竦め、ゼータという名の客人に無礼な対応を行わなかった過去の自分をひたすらに褒め称えるのだ。
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