【BL】齢1200の龍王と精を吸わないオタ淫魔

三崎こはく

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荒城の夜半に龍が啼く

後日談:魔法部呑み

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 乾杯、の声とともに11のグラスがぶつかり合う。場所はポトスの街にある歓楽街、賑やかな居酒屋の一角。

「アル中予備軍のゼータさんは、王とはよく呑むんですか?」

 グラスを片手にそう尋ねる者は、顔の側面に銀色の毛を生やした青年だ。名はアイラビ、幻獣族に属する魔族の青年である。アイラビの対面の席には、同じくグラスを手にしたゼータが腰かけている。

「人生を終焉に向かわせるほど飲んでいないですよ。レイとはお茶することの方が多いですし」
「そうなんですか?でも酒瓶を手に王宮内を闊歩する姿が、よく目撃情報として上がっていますよ」
「…誰からの情報ですか?」
「幻獣族長の女性です。故郷が一緒なんですよ」
「へぇ。彼女とはまともに話したことがないんですよね」
「寡黙な人ですからね。でもゼータさん興味は持たれていますよ。頻繁に目撃情報を報告してくるくらいですから」
「…お酒は好きな人ですか?」
「好きですけど、僕の馴染みをアル中仲間に引き込むのは止めてください」

 今日は半年に一度の恒例となっている、魔法管理部の飲み会だ。魔法管理部の在籍者数は10名、ゼータは正式な官吏ではないものの、頻繁に部に顔を出しているという理由で飲み会に誘われたのだ。3つのテーブルを合わせた巨大なテーブルの上には、大皿の料理がいくつものっている。各自好きな量を取り分けて食べることができるこの店のスタイルは、王宮の官吏の間で人気なのだ。

「王とじゃないなら、いつも誰と呑んでいるんですか?王宮内に飲み友達でもいるんですか」
「十二種族長のザトとクリスは飲み友達ですよ。2人で飲む事もあります。あと飲み会を開催すればメリオンも来ますね。時々ですけれど」
「恐縮するほど豪華な面構えですね。飲み会中はどんな話をするんですか」
「別に普通ですよ。仕事の話もするし、ザトとは最近美味しかったお酒の話とか、クリスとは魔法研究所の近況報告とか」

 メリオンは猥談しか提供してきません、という言葉は飲み込むゼータであった。

「色恋話はしないんですか?」

 唐突に会話に割り込んできた者は、アイラビの横に座る年若の女性官吏だ。彼女の名はマリナリルリベル、長すぎて呼びにくいという理由から皆にはマリナと呼ばれている。金に近い茶の髪を持つ、鼻筋の通った美しい顔立ちの女性だ。

「色恋話はしないですね。マリナ、気になる人でもいました?」
「私は人様の顔面にはさほど興味はないんですけどね。でもクリス様とメリオン様と言えば、王宮内の色男トップ2と言っても過言ではないですよ。私が親しくしている官吏にも、熱を上げている子は多いです」
「へぇ…」

 マリナの横では、グラスに口をつけるアイラビが頷いていた。マリナの言葉に心当たりがあるらしい。酒の席で隣同士に座るマリナとアイラビは、常日頃から何かと仲が良い。ゼータは彼らが昼食を共にする姿を何度か目撃したことがある。恋仲なのかと問いただした事もあるが、それについてははっきりと否定されてしまった。ゼータが「魔法管理部の毒舌コンビ」と呼ぶ彼らの仲の良さは部内でも認められており、「早くくっつけ」と揶揄される姿も頻繁に見る。

「マリナの言う通りメリオン様とクリス様は信奉者も多いですけれど、実際素の姿はどうなんですか?本性まで色男ですか?」

 アイラビは声量を下げ、対面に座るゼータに顔を寄せた。マリナも同様だ。慎重に回答の言葉を選ばなければならない問いに、ゼータは口に運びかけていた肉の塊を自身の皿に戻した。

「…クリスは、性格に裏表はないですよ。人によって対応を変えることもないです」
「つまり心根まで王子という事ですか。最強ですね」

 クリスは王宮内で密やかに王子と呼ばれている。この呼び名は魔法研究所でも同様に囁かれているのだが、両者の呼び名に繋がりはない。クリスと関わりを持った者が、皆自然と王子だという印象を抱くのだから、それはもう彼の本性が王子に等しいという事なのだろう。ゼータもクリスの異常ともいうべき執着性を理解しながらも、彼が王子と呼ばれる事にさしたる不満はない。金髪で男前、高身長、いつも柔和な笑みを絶やさぬクリスには、確かに王子という呼び名がよく似合っているのだ。

「メリオンについては、私はよく知らないんですよ。一緒に飲むと言っても本当にまれな事ですし。メリオンはザトと仲が良いみたいなので、彼の本性が気になるならザトに聞くのが良いと思いますよ」

 秘儀、丸投げだ。メリオンの本性について語ることほど恐ろしいものはない。もしゼータがこの場で「メリオンの本性はただの淫猥物。貞操を守り抜きたいのであれば、公務外で彼に近づかないことをお勧めする」などと述べれば、数日後にゼータの命は塵と消えるだろう。たとえアイラビとマリナが、ゼータの言葉を真に受けてザトにメリオンの本性を問いただしたとしても、国のナンバー2と名高い彼ならばうまくごまかしてくれるはずだ。

 アイラビとマリナが口を開くよりも早く、今度は別の官吏が会話に割り込んできた。ゼータの隣に座る彼は、どうやら3人の会話に聞き耳を立てていたらしい。

「クリス様は、やっぱり王子様ですか…?」
「彼が巧みに本性を隠しているのでなければそうだと思いますよ。クリスがどうかしました?」

 眉尻を下げるその官吏に、ゼータは顔を寄せる。ゼータは普段あまり話すことのない官吏だ。しかしこうして会話に乱入してくるという事は、よほど気になる事があるのだろう。

「実は僕、経済部に恋仲の女性がいるんです。彼女が最近、会うたびにクリス様の話ばかりしてくるんですよ。仕事柄、人間族長の執務室を訪れる機会が多いみたいで。やれクリス様に笑いかけてもらったとか、やれ菓子を貰ったとか、そんな話ばっかり。彼氏にする話じゃないと思いません?」
「それは、そうですね…」
「しかも最近になって、クリス様は自分に気があるんじゃないかと言い出したんです。他の官吏よりも菓子を貰う頻度が多い気がするとか、執務室に行くと歓迎されている気がするとか。そんな曖昧な理由で、人の好意を推し量れるはずがないでしょう」

 軽い口調で述べながらも、彼は飲酒で赤らんだ顔を両手で覆った。獣人族である彼の頭部には、人の耳とは違う2つの耳が生えている。犬と思しきその耳は、今はくったりと垂れている。しょげ返る犬耳官吏は、ぽつりぽつりと言葉を続ける。

「でも人の好意は、そういう些細な行動にこそ現れるものでもあります。クリス様が僕の彼女に好意を抱いている可能性を、完全に否定する事はできません。嫌だなぁ。王子様が相手じゃ、凡夫の僕に勝ち目はありませんよ…」

 クリスが官吏や侍女に菓子を配るのは、単なる在庫処理だという事をゼータは知っている。流行りの菓子を買う事が好きなクリスだが、その菓子を自分で食べる事はあまりしない。買って満足してしまうタイプなのだ。クリスの私室の小上がりにはいつも中身の入った菓子箱が積まれているし、ゼータも会うたびに何かしらの差し入れを貰う。
 しかし皆が王子と囁くクリスに菓子を貰って、浮かれる人の気持ちはわかる。そして犬耳官吏が、自分の彼女に頻繁に菓子を渡すクリスを面白く思わぬ気持ちもよくわかる。そこに好意の可能性を捨てきれない気持ちもだ。せめて犬耳官吏の不安を少しでも軽くできないものかと、ゼータは思考を巡らせる。

「あの、あまり他言はしないでほしいんですけどね。クリスは片思いの相手がいるみたいですよ」
「え、そうなんですか」

 表情を変えたのは犬耳官吏だけではない、アイラビとマリナも視線を跳ね上げた。3人分の視線を一気に集めたゼータは、緊張に身じろぎをする。ゼータがクリスから想い人の存在を聞いたのは、彼が人間族長の地位に就いて間もなくの出来事だった。しかしクリスは親友であるゼータにさえ、想い人の名を明かさなかった。つまり自身の色恋に、他人が首を突っ込むことを良しとしない性格なのだ。ゼータのこの場での言葉が原因で、クリスの恋路に影響を及ぼすことはあってはならない。

「私も誰かは知らないんです。でももうずいぶん長いこと片思いをしていて、今の段階では叶う可能性は低い恋だと言っていました。だからその…簡単になびくような相手ではないと思うんですよ」

 そう言って、ゼータは犬耳官吏の表情を伺い見た。自身の彼女を「簡単になびくような相手」と評されて、気分を害しただろうか。不安を抱くゼータであるが、犬耳官吏はゼータの言葉を悪く捉えた様子はなかった。それどころか憑き物の落ちたような表情だ。

「王子様でも叶わぬ恋をするんですね」

 ゼータの目前ではアイラビとマリナが、額を突き合わせて議論を重ねている。議論の内容はもちろん王子クリスの想い人についてだ。十二種族長の誰かだろうか、いやいや高値の花と言われている美人官吏かもしれぬ。はたまた他国の王妃の可能性もある。勝手な想像をするのは構わないが、クリスの色恋を引っ掻き回す真似だけはしないでほしいと願うゼータであった。
 毒舌コンビの会話に耳澄ませるゼータに向けて、犬耳官吏は深々と頭を下げる。

「ゼータさん、ありがとうございます。少し気が楽になりました」
「それは良かったです。菓子の件も、特定の官吏への過剰な施しはしないようクリスに言っておきますよ。彼もただ在庫処分をしたいだけですから、誤解が起きていると知ればすぐに止めるでしょうし」
「ありがとうございます。持つべきものは気さくな王妃ですね」

 犬耳官吏はゼータの両手を握り込んだ後、他の官吏との会話へ戻って行った。クリスの秘密は漏らしてしまったが、同僚の心を軽くできたのなら良かった。犬耳官吏は、秘密と言われた事を安易に人に漏らすような性格ではない。念のため飲み会後にもう一度口止めをしておこうとゼータが心に留める前で、アイラビとマリナが肩を寄せ合っていた。

「アイラビ。うちの王妃様、王の居ぬ間に別の男と手を握り合っていましたよ」
「見た見た。これはもしや浮気というやつだろうか」

 密告物だ、といやらしい笑みを並べる2人を前に、ゼータは眉根を寄せる。ゼータが、アイラビとマリナを毒舌コンビと呼ぶ所以だ。単体ならばさほど害はないのだが、2人揃うと非常に面倒くさいのだ。仮にも王妃であるゼータを前にしてこの揶揄である。

「冗談でも余計な事を言い触らさないでくださいよ。レイの耳に入ると面倒です」

 本気で迷惑そうなゼータの表情を前に、アイラビとマリナはいやらしげな笑みを引っ込める。揃うと面倒な2人だが、揶揄の引き際はわきまえているのだ。

「王は結構、嫉妬深いんですか?」

 聞いたのはマリナだ。彼女の言葉に揶揄の含みはない。この話題は冗談を交えてはならぬと判断したようだ。仕事のできる彼女は、人の感情の機微にも敏感だ。

「普段は割と放任主義ですよ。今日の飲み会に関しても快諾だったし。ザトやクリスと2人で飲むことに文句も言われないし。でも逆鱗に触れると少々面倒なんです」
「まあドラゴンですからね。逆鱗もあるでしょう」

 竜の逆鱗に触れる、とはよく言ったものだ。

「でも意外ですね。王は淡々としている印象が強いですから。人らしい感情があると知ると安心します」

 そう言って笑顔を見せるのはアイラビ。ゼータは首を傾げる。

「淡々としていますか?公務中でも感情を露わにすることは多いと思いますが」
「僕らは王と関わる機会はほとんどありませんからね。急ぎの書類であっても、最終決裁者の王のところまで直接持って行く事はないんですよ。ザト様に渡して終わりです。僕、王宮勤めは長いですけれど、王と言葉を交わしたことは1度だけです」

 アイラビの言葉に、そんなものかとゼータは思う。王宮暮らしとなった今でも、ゼータの中のレイバックの印象はタキのカフェにいる時のものが強い。ラフな私服で、頭の上で緋色の髪を跳ね回らせ、困った時にはその緋髪をぐしゃぐしゃと掻き回す。話がはずめば声を立てて笑うし、ゼータの魔法論議が長時間に及んだ時には露骨に嫌な顔をする。ゼータよりもよほど感情豊かな男だと思っていたが、家臣の目にはそうは映らないようだ。一国の王である以上、当然と言えば当然であるが。

「レイは、公務外では全く王様らしくないですよ。長いこと通っている馴染みのカフェがあるんですが、そこの店主は5年間レイの正体に気が付きませんでしたからね。頻繁に話していたのに」
「本当ですか、それ」

 マリナは笑い声を立て、乾杯以降ほとんど口を付けずにいたグラスの酒を飲みほした。ゼータとアイラビも彼女に続きグラスを空ける。辺りを見渡せば、他の面々はすでにかなり酔いが回っているようだ。席から立ち、肩を組みあって談笑する者の姿も見える。ずいぶん出遅れてしまったが挽回は可能だと、3人は通りすがりの店員に追加の酒を頼むのであった。

***

 楽しい飲み会はあっという間にお開きとなり、程よく酔いの回った11人は店を出た。火照った身体に通り抜けていく夜風が心地よい。喧噪とした歓楽街の通りには、同じように店から出てきたばかりの酔客の姿があちこちに見えた。
 ゼータは飲み会の時間のほとんどを、アイラビとマリナとの雑談に費やした。アイラビとマリナは、ゼータとレイバックとの出会いや、プロポーズの言葉を問いただそうとする。対するゼータは、アイラビとマリナの関係が恋仲に等しいものであるという事を認めさせようとする。激しい論争の末に互いに得た物はほとんどなく、結局はただただ酒を消費するに終わった。しかし楽しい時間であったことに変わりはない。

「ゼータさん、2件目行きます?みんな行く気満々ですけど」

 アイラビの指先は、店先で笑い声を上げる人の輪を指している。飲み足りないゼータも2件目にお付き合いしたいところではあるが、レイバックに帰りの時間を伝えてきてしまったのだ。今から帰れば間に合うが、2件目に行くとなると確実にその時間を過ぎてしまう。時間を過ぎても怒られる事はないだろうが、いらぬ心配をかけるのは避けたいところだ。
 腕を組んで唸るゼータに、背後から声を掛ける者があった。

「よ。今終わったところか」

 聞きなれた声にゼータが振り向けば、そこに立っていたのはレイバックであった。派手な緋髪が、世闇の中で跳ね回っている。ゼータの傍に立つアイラビとマリナは、その緋髪の主が誰なのかすぐにはわからないようであった。店先で談笑する他の官吏も、王宮の最高権力者の登場に気が付くことはない。

「レイ、何しているんですか。散歩?」
「散歩でこんな所まで来るか。カミラが、思いがけない迎えは想い人を落とす常套手段だと言ってな…。迎えに行けと部屋から追い出された」
「結婚してなお、どこに落とされるんですか私は」

 目の前で繰り広げられる会話を聞き、アイラビとマリナは突然現れた人物の正体に思い至ったようであった。赤ら顔からは一瞬で酔いが引き、国家の最高権力者を前に背筋が伸びる。

「店の名前はカミラに聞いたんだが、場所がわからなかったから早めに来たんだ。案の定時間を持て余したから、今までアキラの店に行っていた」
「え、良いですね。アキラさん、元気でした?」
「変わらずだな。俺が店を出る直前にタキさんが入ってきてな」

 アキラは歓楽街で居酒屋を営む男だ。レイバックとゼータはタキの紹介で、一度彼の店に足を運んだことがある。あれはアムレットとメアリが王宮を訪れる少し前の事だった。目の前で串肉を焼いてくれる目に楽しい居酒屋。また行こうと言いながら何かと忙しく、結局今まで足を運ぶ機会がなかった。

「今アキラさんの店に行ったら、タキさんがいるという事ですか?」
「いる。ゼータを連れてもう一度来いと言われたんだ」
「何で王様が顎で使われているんですか」
「アキラは俺が王だと毛ほども信じていないな。タキさんが何度か説明はしていたんだが」

 笑いを堪え口元を抑えるゼータを前に、レイバックは不満げな表情だ。朗報を聞きすぐにでもアキラの店に向かおうと意気込むゼータは、レイバックの腕に自身の腕を絡めた。

「アイラビ、マリナ。すみませんがお暇します。皆さんにはよろしくお伝えください」

 王を前に硬直したアイラビとマリナは、ゼータの言葉に無言で頷いた。聞き覚えのある名前に、レイバックが反応を見せる。

「…アイラビとマリナ、魔法管理部の毒舌コンビか?ゼータから話は聞いている」

 名を呼ばれ、アイラビとマリナはまた無言で頷いた。

「いつも暇人を引き受けてくれて助かっている。これからもよろしく頼む」
「それ私のことですか?暇人扱いするなら早く王妃の仕事を用意してくださいよ」

 じゃあ、と手を振って、腕を組み合ったままのレイバックとゼータは歓楽街の人混みに消えていった。2人の背を見送ったアイラビとマリナは茫然と佇む。彼らの後ろには、レイバックの登場に気づかぬままの8人の官吏が、相変わらず談笑を続けていた。それも仕方ない。アイラビとマリナも、一目見たときは彼がレイバック王であるなどと気が付かなかった。髪型が違う、衣服が違う、会う場所が違う。王を王と認識できなかった理由はいくつもある。しかしおそらく一番大きな理由はもっと別のものだ。

 アイラビとマリナは顔を見合わせ、ほぅと息を吐いた。2人の脳裏に思い出されるのは、ゼータを見るレイバックの顔だ。慈愛に溢れた眼差し、微笑みを浮かべる口元。そして威厳など皆無の優しい声音。
 一国の王とて、愛する人の前ではただの人のようだ。



***
Q.アイラビとマリナは付き合っているの?
アイラビ「付き合っていない」
マリナ「付き合っていない」
アイラビ「なぜ皆俺達を付き合わせようとするんだろうな。ただの腐れ縁なのに」
マリナ「本当にね。別に付き合っていると思われるような事は何もしていないでしょ。お昼を一緒に食べるくらいで」
アイラビ「それだってなぁ。同じ部署にいれば食事くらい共にするだろ」
マリナ「そうそう。いつも2人って訳じゃ無いしね」
アイラビ「ああ、でも月1程で一緒に街には行くか。特にこれと行った用事も無しに」
マリナ「あれはアイラビが暇つぶしに付き合えと言うから」
アイラビ「あと公務後にマリナがうちに来ることがある。飯を作れと言って」
マリナ「アイラビは料理上手だからね。白の街の家も近いし。アイラビも時々うちに来るでしょ。石鹸の買い置きが無いから風呂を貸せとかよくわからん理由で。石鹸が無くても風呂は入れるっての」
アイラビ「石鹸が無いとすっきりしないだろ。風呂代に酒を持ち込んでいるんだから文句を言われる筋合いは無い」
マリナ「そうだねぇ。そのまま宅飲みに突入だよね」
アイラビ「マリナが飯乞いに来た日も大体飲み会だな。マリナは酒を飲むとさらに神経が図太くなってな。眠くなると勝手に人様のベッドに潜り込むもんだから俺の寝る場所が無くなる。あと部屋にマリナの私物が溜まる。早く持って帰れ」

Q.やっぱり付き合っている?
マリナ「付き合っていない」
アイラビ「付き合っていない」
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