【BL】齢1200の龍王と精を吸わないオタ淫魔

三崎こはく

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無垢と笑えよサイコパス

ビットの春-2

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 菓子箱を抱え研究室へと戻ったゼータは、ソファに座り込み悩ましげな表情だ。ゼータがメレンの来訪に合わせ魔法研究所を訪れたのは単なる義理だ。知り合いが職場を訪れるというのに、顔を見せないというのも決まりが悪い。しかし本音を言えばメレンとは込み入った話をしたくはなかった。その理由はと言えば、クリスの一件があるからだ。

 レイバックがクリスに刃を突き立て、地下室に火を放ってから2か月半の時が経つ。クリスを含む6人分の焼死体は、とうに発見され適切な弔いを受けていることであろう。人間は死を尊ぶ種族である。一つの命が潰えたときには、近しい者達が集い盛大に死者を送るのだ。葬儀式、と呼ばれるその儀式は、結婚式と並び人間の間に広く根付いている。魔族であるゼータは葬儀式に参加したことはないが、「知人の葬儀式に参列するため本日休店」の張り紙を馴染みのカフェで見かけた経験は何度かあった。
 メレンはクリスと親しい間柄であった。クリスの葬儀式には、メレンはまず間違いなく参列しているはずなのだ。メレンだけではない。デューもイースもルーメンも、魔導大学視察の一件で馴染みとなった面々は皆参列しているはずであろう。地下室の火災が事故として処理されたのか、それとも第3者による放火と見なされたのか、それはゼータの知るところではない。しかしレイバック襲撃の真実を知らないメレンにとってみれば、ゼータは「生きているクリスの姿を見た最後の人物」であるのだ。ゼータの首根っこを捕らえ根掘り葉掘り話を聞きたいという思いは、大なり小なり抱いているはずなのである。
 だからこそゼータはメレンと話をしたくはなかった。元来ゼータは心根を隠すことが苦手なのだ。クリスの死に関わる重大事実を隠したまま、要領良く会話をこなせる自身などまるでない。メレンの口から「クリス」の名が飛び出すたびに、激しく動揺し不審の念を抱かれることが目に見えている。

 最低限の挨拶は済ませたのだし、今日はもう王宮に帰ろうか。そんなことを考えながら、ゼータは衣服のポケットを漁った。取り出した物は先ほどメレンに貰い受けたクッキーだ。包みを開け狐色のクッキーにかじり付けば、口の中に濃厚なバターの香りが広がる。見た目の素朴さもさることながら、味も香りも至って素朴。余計な飾りも味付けも施されていない、シンプルなバタークッキーだ。しかし不思議と癖になる。口内に残る後味は品が良く、使われている素材が良い物であると素人の舌にもわかる。さくさくと軽やかな歯応えも最高だ。菓子箱保管人の特権でこっそりもう一つ頂いてしまおうか。そう思い立ったゼータは、菓子箱をのせた作業机へと歩み寄る。

 二つ目のクッキーを頂戴したゼータは、何気なく窓の外を見下ろした。魔法研究所内で最も古株のゼータは、研究棟最上階である3階の角部屋を割り当てられている。研究棟の玄関口に面するその研究室からは、研究棟に併設するキメラ棟と生活棟の玄関口もよく見えるのだ。ゼータが窓の外を見下ろしたとき、丁度ビットとメレンがキメラ棟へと立ち入るところであった。ビットの研究室に荷物を置き、そのままの足でキメラ棟に向かったにしては時間を食い過ぎている。キメラ棟に先立ち研究棟内部の散策でもしていたのかもしれない。

 ゼータは二つ目のクッキーを口に咥え、作業机上の荷物をまとめにかかった。研究用資料を挟み込んだファイルと文具入れ、それに読みかけの書物を数冊。まとめた荷物をカバンへと詰め込み、研究室の扉へと向かう。目指す先は生活棟だ。独り身の研究員が私宅として使用する生活棟には、使う者のいなくなったゼータの私室が残されている。「空き部屋はあるんだし、無理して片付けなく良いんじゃない」とのビットの助言により1年近く放置されてきた私室は、今日この時のためにあったのだ。生活棟の私室に籠り鍵を掛けてしまえば、メレンとの会話を避けるには事足りる。大好きな研究を途中で切り上げ王宮に帰らずとも良いのだ。メレンの滞在は16時半までとの予告であるから、その期を見計らって研究室に戻れば良い。
 バター香るクッキーを口内へと押し込み、ゼータが廊下へと躍り出たそのときであった。人気のない廊下に仲睦まじげな笑い声がこだまする。笑い声の主は顔を見ずとも分かる。わずか数分前、窓の外に姿を見掛けたはずの2人組だ。ゼータの予想は正しく、間もなくして廊下の中腹辺りに設けられた階段室からはビットとメレンが顔を出す。そしてあろうことかゼータのいる方に向かって歩いてきた。
 ビットの研究室はゼータの隣、ビットが研究棟の3階に姿を現すことは不自然ではない。しかしなぜ、とゼータは心の中で叫ぶ。キメラ棟の見学に赴いたはずの2人が、なぜ唐突に研究棟へと舞い戻って来たのだ。扉の前で茫然とするゼータに向けて、ビットの右手が掲げられる。

「あれ、ゼータさん。荷物抱えてどうしたんですか?帰るの?」

 小首を傾げるビットは、ゼータの目の前で立ち止まった。隣にはメレン。貴女と話をしたくなくて生活棟に籠るつもりだったんです、などと馬鹿正直に言えるはずもない。

「…研究が一区切りしたので、生活棟の掃除でもしようかと思ったんです。退室したとはいえ元は私の部屋ですし、埃まみれにしておくのも体裁が悪いでしょう」
「ゼータさんの部屋の掃除はリオンさんがしてくれていますよ。毎週末掃除に入っているみたいだから、埃まみれにはなっていません」
「あ、そう…」

 リオンは魔法研究所の姉さんと名高い女性である。魔法研究所の建物内部は、彼女のお陰で清潔に保たれていると言っても過言ではない。

「ゼータさん、研究が一区切りしたなら一緒にお茶でもいかがですか?」
「キメラ棟の見学は?さっき棟内に入って行きましたよね」
「お掃除の真っ最中だったんです。飼育室の床に水を撒くから、20分後にまた来てくれと言われました。お客様を案内することは、キメラ棟の皆には事前に伝えてあるんですよ。気になる部分は掃除しておいてって言ったはずなんですけどね。メレンちゃんの顔を見たら途端にやる気になっちゃったみたい」

 キメラの合成と飼育を行うためのキメラ棟には、ビットを含め4人の研究員が在籍する。数十匹に及ぶ魔獣とキメラの餌やり、檻の掃除、体調管理など多岐に渡る業務を日々手分けして行っているのだ。そしてキメラ棟在籍の4人の研究員は皆魔族の男性、それも見た目の年齢が20代から30代程度の若者が勢揃いしている。メレンの可憐な容姿は、彼らの掃除魂に見事に火を付けたようだ。当のメレンはと言えば、ビットの横で恥ずかしげに衣服のすそを握り締めている。「私の顔が原因ではないと思いますけれど」そう言いたいのは山々であるが、嬉々として掃除に精を出す研究員らの姿を見た後では謙遜も躊躇われる。俯くメレンの仕草はそう告げている。

「というわけなんで、暇潰しにお茶しましょうよ。ゼータさんもメレンちゃんと喋りたいでしょ。メレンちゃん、魔獣に関しては博識だからね。この20分に限りゼータさんに会話の相手をお譲りしましょう。いえいえ僕のことは気にしないでください。だって僕はほら、明日一日メレンちゃんとデート…おっと。メレンちゃんにポトスの街中を案内する予定ですからね。会話の引出しは明日のために開けずにおきたいんです」
「はぁ…」

 捲し立てるようにそう告げられてしまえば、ゼータには頷く以外の選択肢はない。

 こうしてゼータは予定外に、メレンの接待に当たる羽目となったのだ。「王宮御用達の紅茶が飲みたい」というビットの要望により茶の給仕までさせられる始末である。王妃が客人相手に茶の給仕を行うなどと、カミラに知れれば卒倒ものだ。しかしにわか仕込みのゼータに王妃としての矜持が備わっているはずもなく、研究員相手の給仕など慣れたもの。王宮御用達の紅茶は魔法研究所内で密かな人気を博しており、下町では味わえぬ高貴な味と香りを求め、ゼータの研究室を訪れる研究員は多い。「茶葉の質も然ることながら、抽出技術も超一流」と絶賛されてしまえばゼータとて悪い気はしない。そうして「午後3時、相応の茶菓子を持参した者に限り王宮御用達の茶の給仕を行う」というゼータの研究室独自の規律が出来上がり、来訪者は多い日で5人に及ぶ。ビットはと言えば、連日のようにゼータの研究室を訪れ、粗末な焼き菓子一つ差し出し紅茶を掠め取って行く不届き者だ。
 慣れた様子で紅茶を淹れたゼータは、応接用のテーブルに3つのカップを置いた。琥珀色の水面が芳香を放つ。紅茶に添えられる菓子は、メレンの持参したバタークッキーだ。薫り高き紅茶には、後味軽い焼き菓子がよく合うだろう。

「ゼータさん、お菓子はこれだけ?」

 朱漆の菓子鉢に並ぶバタークッキーを見下ろし、ビットは不満げだ。

「菓子の買い置きはしていないんです。仕事柄、突然来られなくなることも多いですし。腐らせてしまっては不味いでしょう」
「それもそうですねぇ」

 仕方ない、と呟きビットは席を立った。隣に座るメレンに笑顔を向ける。

「メレンちゃん、食べたいお菓子はある?何でもあるよぉ。菓子箱の充実具合は魔法研究所一と噂のビットさんだからね!」
「ポトスの街で有名なお菓子があれば食べてみたいです」
「わかった。適当に選んで持ってくるね」

 自慢にもならぬ自慢話を披露し、ビットはゼータの研究室を出て行った。残されたメレンは湯気立つカップに手を伸ばす。ゼータ自慢の紅茶を口に含み、微笑む。美味しい。
 メレンがちびちびと紅茶を楽しむ間に、ゼータは忙しくヤカンや茶葉の片づけに当たった。いつもならば給仕道具の片づけは客人が帰った後だ。しかしビットのいない今、ソファに座り込めばメレンと2人切りでの会話は避けられない。今日のゼータにとって、メレンとの会話は何よりも恐ろしいのである。
あれこれと雑用を見繕いメレンとの距離を保っていたゼータであるが、画策もそろそろ限界。遠路遥々訪れた客人に、いつまでも背を向けているというのも失礼だ。唯一の頼みの綱はビットであるが、菓子箱漁りに向かった男はいつまで経っても戻らない。自称魔法研究所一を誇るビットの菓子箱は、傍目に見ても相当の代物だ。一抱えもある大きな紙箱が横並びに3つ、その全てにぎっしりと菓子が詰まっているのである。メレン想いのビットのことだ。全ての菓子箱をひっくり返し、メレンの期待に沿う菓子をせっせと菓子鉢に並べているに違いない
 これ以上会話を引き延ばすことは不可能。そう判断したゼータは腹を括り、メレンの対面席へと腰を下ろした。ゼータの研究室には応接テーブルを挟み2つのソファが置かれている。メレンの腰かける革張りのソファは元々のゼータの私物、ゼータの腰かける布張りのソファは別の研究室から最近持ち込まれた物だ。ソファを増やした理由はと言えば、王宮御用達の紅茶を優雅に楽しむために他ならない。最高級の紅茶を目前にしても椅子がなければ台無しだ。座り慣れない布張りのソファが、ゼータの尻の下で軋みを上げる。

「メレン、このクッキーとても美味しかったです。余っていたのでこっそり2枚頂いちゃいました」

 とりあえず無難な会話をと、ゼータは目の前にある菓子鉢からバタークッキーを一つ取り上げた。突然の懺悔に、メレンは肩を震わせて笑う。

「お口に合って良かった。美味しいですよね、このクッキー。私も大好きなんですよ。お土産用のお菓子だから少し高価なんですけれど、売店で見かけるとついつい購入してしまうんです。一枚また一枚と手が伸びてしまうから、部屋にあると危険なんですよ」
「分かります。ロシャ王国内では有名な菓子なんですか?」
「誰でも一度は口にしたことがあるお菓子だと思いますよ。魔導大学銘菓と銘打たれてはいますけれど、首都リモラの土産店であればだいたい取り扱いがあります。地方の集落にも愛好者は多くて、里帰りの度に家族に買って帰るという子もいるくらい」
「まさか魔導大学の敷地内に製造工場があるわけではないですよね?」
「うーん…違うと思いますよ。言われてみれば何をもってしての魔導大学銘菓なんでしょう。あまり深く考えたことがなかったです」

 それきり2人の間は無言となった。何か無難な会話を見繕わねばと、ゼータは冷や汗を流す。今ここでメレンに会話の主導権を握られるわけにはいかない。クリスに関する話題を持ち出されることだけは、何としても避けなければならないのだ。会話を探し不自然に半開きとなったゼータの口元を、メレンはじっと見つめていた。さくらんぼに似た唇が遠慮がちに開かれる。

「あの、ゼータさん。2人きりで話したいことがあるんです」
「…はい」

 万事休す。ゼータは喉の奥でひっそりと溜息を零すのだ。

「絶対に人には聞かれたくない話なんです。ここではないどこかで会えませんか?」

 メレンの声音は控えめでありながら、否と言わせぬ力強さに満ちている。多忙を理由にこの場を逃げ出してしまおうか、などという甘い考えを見透かされているようだ。メレンの誘いを断りたいのは山々だ。しかし呑気な茶会に参加している現状を鑑みれば、多忙を理由とするのはいかにも嘘らしい。対話は止むなし。ゼータが腹を括るのは本日何度目であろうか。

「良いですよ。急ぎの予定はないので、場所と時間を指定してください」
「それなら今日の晩ご飯をご一緒しませんか?職人街の傍に行ってみたい店があるんですけれど、一人では入りにくい雰囲気なんです」
「分かりました。一度王宮…家に帰って家族に断りを入れてからになるので、時間は少し遅くなりますけれど」

 家族、の単語にメレンの表情は曇る。食事の誘いを掛けた後で、ゼータが既婚者であるという事実を思い出したようだ。法に定められた関係ではないとはいえ、配偶者のいる男性が女性と2人で食事に行くというのは褒められたものではない。

「…奥様、怒りませんか?」
「大丈夫ですよ。ロシャ王国からやって来た友人をもてなすのだと言って、強く咎めるような人ではありませんから」

 そのとき、近くの廊下でばたばたと慌ただしい音がした。菓子箱漁りに向かったビットが戻ってきたようだ。「18時半にポトスの街中心部の石橋で」メレンとゼータが手早く約束を取り付けた直後に、長らく閉じていた研究室の扉が開く。扉の向こうに立っている者は、菓子鉢どころか盆いっぱいに菓子を盛ったビットである。山盛りの菓子を零さないようにと慎重に歩を進める様はどこか滑稽だ。
 菓子箱の充実具合は魔法研究所一、名誉とも不名誉ともつかぬ通り名は伊達じゃない。
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