【BL】齢1200の龍王と精を吸わないオタ淫魔

三崎こはく

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緋糸たぐる御伽姫

25.その頃彼は-1

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 レイバックが使節団員の街歩きに同行したその日、ゼータは馬車で魔法研究所に向かっていた。
 ゼータの勤める魔法研究所は、王宮から馬車で20分ほど離れた小さな山の山頂にある。万が一実験失敗による火災等が発生した場合に備え、人里からは離れた場所に建設がされたのだ。山奥とは言え魔法研究所に続く道はよく均されていて、馬車が通るのに不自由はしない。国家直属の機関であるだけに、何かと魔法研究所と王宮を往来する者は多いのだ。

 馬車は拓かれた山道を登り、間もなくして目的地に辿り着いた。白い無機質な建物が深い森林の中に異質と佇んでいる。それが長年ゼータの所属する魔法研究所だ。
 ゼータは建物の前に馬車をつけ、客車を降りた。雨が降っているが傘は差さずに、建物の軒先へと走り込む。雨合羽を着用した御者は「また夕刻に」と言い残し、すぐに馬車を出発させた。乗る者のいなくなった客車は、元来た道をかたことと音を立てて戻ってゆく。王宮の紋様が刻まれた豪華な馬車を、建物の窓から顔を覗かせた研究員らが物珍しそうに見送っていた。

 ゼータが建物に立ち入ると、廊下には全くといっていいほど人気がなかった。魔法研究所の就業時刻は王宮と同様、皆自室に籠り各々の研究に精を出している時間なのだ。王宮滞在の理由をあれこれ詮索されるくらいならば誰にも会わぬ方が気楽である。そう考え忍び足で階段を上ったゼータであるが、自室のある4階の廊下を歩く内に目の前で部屋の扉が開いた。ゼータの研究室の隣に位置するその部屋から出てきた人物は、柔らかそうな灰色の髪の青年である。腕の中にリスに似た小動物を抱きかかえた青年は、ゼータを目視するとあれ、と声を上げた。

「ゼータさん。王宮に左遷になったって聞きましたけど」

 あっけらかんと言い放つ青年の耳には、左右2個ずつのピアスが光っていた。一見すると人間とも見えるその青年は狼の血を引く獣人族である。ピアスを携えた両耳は人の物よりも大きく、獣の耳を思わせるように耳輪が鋭く尖っている。青年の名をビットという。

「上部機関に左遷って何ですか?研究資金と人員確保のためにしばらく王宮に居座るって言いましたよね」
「そうでしたっけ?まぁいいや。今日はいとまですか」
「そう、仕事が順調で今日は一日暇です。部屋の掃除でもしようかと思って」
「へぇ」

 ゼータはビットの横を通り過ぎ、その先にある部屋の扉に手を掛ける。しかし引き開けようとした扉はがちゃりと音を立てて小さく揺れただけであった。鍵が掛かっている。はて鍵など掛けただろうかとゼータは手提げ鞄を漁る。しかしゼータが鞄の奥底から目的の鍵を見つけ出すよりも早く、ビットが懐から銀色の鍵を取り出した。

「はい、鍵」
「…何でビットが合鍵を持っているんですか?」
「別に変なことはしていませんよ。たまに風を通しに入っていたんです。お隣さんだし」
「ああ、そういうこと。ありがとうございます」
「いいえ」

 ビットから受け取った鍵で扉を開け、立ち入った部屋の中は懐かしい匂いがした。ビットがまめに換気を行ってくれたためか覚悟していた埃っぽさはない。作業用の机と壁一面の本棚、ソファ、簡易的な調理台。ソファの上に置かれたクッションと毛布は、研究に没頭し生活棟に帰ることが面倒になったゼータが置いた物だ。

「ビット、もしかして部屋の掃除もしてくれていました?」
「僕はそんな面倒なことしませんよ。リオンさんです。3日に1度は掃き掃除に入っていましたよ」
「そうですか。後でお礼を言わないと」

 ゼータは部屋の奥にある机の上に、持ってきた鞄を置いた。端に十数冊の書物を積み上げた机の上は、10日前とおよそ変わらない様子だ。しかし散乱していた文具がペン立てに収められ、散らばっていた書類は一束に纏められている。リオンが掃き掃除のついでに机の上の整理整頓も行ってくれたのだ。何か土産の菓子を買って来るべきだったと、ゼータは久方ぶりの魔法研究所に手ぶらで来てしまった事を悔やむ。
部屋に風を入れるために窓を開くゼータの後ろで、一緒に部屋に入ってきたビットがソファに腰を下ろしていた。膝の上でリス似の生物をせっせと愛で始める。

「ビット、何か用でした?」
「特に用事はないですけど。久しぶりのゼータさんと少し喋ろうかと思って」
「…あ、そう。そのリスは?新種のキメラですか?」
「そうですよ。ゼータさんが王宮に左遷になった後に誕生した最新キメラです。リスと柴犬の合いの子キメラ、その名もリーちゃん。可愛いでしょ」
「安直な名付けですねぇ」

 魔法研究所は3棟の建物からなる。一つは今ゼータらがいる研究棟と呼ばれる3階建ての建物だ。魔法研究所に在籍する研究員は皆、この研究棟に個々の研究室を構えている。2つ目は生活棟と呼ばれる6階建ての建物で、単身の研究員が住まう私室の他、共同浴室や調理室、談話室などが備えられている。3つ目の建物はキメラ棟と呼ばれる建物だ。2階建ての建物の中にはキメラを合成するための実験室と、キメラの元となる魔獣や動物を飼育するための飼育室、運動場や毛刈り場などが備わる。ビットを含む5人の研究員が、日々このキメラ棟に籠りキメラの合成と飼育に当たっているのだ。
 キメラ愛に溢れるビットは5人の研究員の中でもキメラ棟への滞在時間がダントツで長く、研究棟の研究室で姿を見かける事は稀だ。ビットが研究棟の研究室にいる時は、大概がキメラ語りの相手を求めて隣室のゼータの様子を伺っている時なのである。しかし「飼育しているキメラが今日は餌をあまり食べなかった」だの、「見る者が失神するほど可愛げな仕草を覚えた」だの、どうでもいい話を並べ立てるビット相手に、ゼータが大人しく聞き手に回るはずもない。これ幸いに最近興味のある魔法や魔獣についての語りを披露し、互いが互いに相手の話に聞く耳を持たず好き勝手に喋り散らかすという混沌の空間が出来上がるのだ。つまり2人は似た者同士、というと言うことである。

 ゼータは調理台でお湯を沸かし、2人分の紅茶を淹れた。芳しい香りを放つ茶葉は、研究室で飲むためにと今朝方カミラは持たせてくれた物だ。とてつもなく高価という訳ではないが、研究室常備の安茶とは一味違う。匂いの違いを敏感に感じ取ったビットが、ゼータの背後で鼻を動かした。

「良い香りですね。王宮御用達ごようたしの紅茶ですか?」
「そこまでの代物ではないですよ。一度美味しいと言ってから、身の回りの世話をしてくれる侍女が頻繁に淹れてくれるんです」
「ゼータさんが侍女に茶の給仕を受けている様とか想像できませんね。目を血走らせて栄養剤を咥えている方が似合っていますよ」
「ビット…。その私に対する無遠慮な物言いどうにかなりません?」
「どうにもなりません」

 ゼータは溜息をつきながらも、ビットの前に紅茶を注ぎ入れたカップを置いた。いつもならば同僚相手に茶の給仕など行わないのだが、今日の1杯は研究室に風を通してくれていたビットに対する感謝の気持ちだ。カミラほど上手くは淹れられないが、助言通り低温で時間を掛けて抽出した紅茶は良い色合いとなっている。ゼータは紅茶を一口口に含み、ソファに横に置かれていた木製の椅子に腰を下ろした。目の前のビットは紅茶が飲みたいのだとねだるリス似のキメラ、リーちゃんを宥めている。

「リーちゃんは愛玩用ですか?観賞用ではないですよね。これと言った特徴もないし」
「愛玩用ですよ。ポトスの街の愛玩動物専門店から依頼があったんです。犬の賢さと人懐こさを備えた小動物を作れないかって。最近そういった小動物の愛玩需要が高まっているみたいですよ」

 ドラキス王国内にある研究所では、国営民営問わずキメラの研究開発が行われている。キメラ研究開発機構と呼ばれる、キメラ開発を専門とする研究所もあるほどだ。キメラ開発の規模は各研究所により異なるが、開発の目的は大きく2つに分けられる。一つはポトスの街屈指の観光施設である魔獣園での展示目的、もう一つは愛玩動物専門店での販売目的だ。
 民営の多くの研究所は展示目的のキメラの合成を主としている。それは魔獣園でのキメラの展示が研究所の経常的な収入となり得るからだ。キメラの展示数に応じて、毎年魔獣園の利益より一定額が各研究所に配分される仕組みとなっている。対してゼータのいる魔法研究所は愛玩目的のキメラの合成を主としている。国からの補助金が潤沢である国家直属の魔法研究所では、直接利益には結びつかない研究依頼にも柔軟に対応することができるのだ。勿論開発した愛玩用キメラが売れれば研究所の収益となり得るのだが、せいぜい臨時収入程度にしかならない愛玩用キメラの開発は民営の研究所から嫌われるのだ。
 愛玩用キメラの需要が高まれば魔法研究所としては嬉しい限りだが、ビットの言葉には違和感を覚えるゼータである。魔族は愛玩目的で生物を飼育することは好まないのだ。

「人間相手の需要が高まっているという意味ですか?」
「そうみたいですよ。とは言ってもドラキス王国内に住む人間ではなくて、ロシャ王国からの観光客の購入が増えているみたいです」
「ロシャ王国の?何でまた」
「愛玩動物専門店の店主曰く、今ロシャ王国の裕福層の間ではキメラを買うことが一種のステータスになっているんですって。ドラキス王国行キメラ購入ツアーなんて物もあるみたいですよ」
「…ロシャ王国って、一般人のキメラ飼育は禁止されていませんでした?」
「そうですよ。だからリーちゃんみたいな一見すると普通の動物っぽいキメラが求められているんです。隠しキメラ、と呼ぶみたいです。5年位前に合成した手乗りウサギのウーちゃんを覚えています?ゼータさんが、安直な名付けですねぇって言っていた子」
「いましたねぇ。そんな子」
「ウーちゃん、今年に入ってからえらく人気なんですよ。もう20匹は作ったんじゃないかな。お陰様でキメラ棟のお財布ははち切れんばかりです」
「…収支報告はきちんとしてくださいよ」

 あやふやに笑うビットの膝の上では、リス似のリーちゃんが大きな欠伸をしていた。愛らしい見た目ではあるが、愛玩動物のシマリスですと言い張るには無理のある容姿だ。リスと言うには大きすぎるのである。しかし実験を重ね柴犬の賢さと人懐こさを備えたリスが誕生するのならば、確かに愛玩動物としての需要は見込めるのかもしれない。
 リーちゃんがうたた寝を始めた所で、ビットはようやく紅茶のカップを口に運んだ。美味しい、とビットの顔は笑顔になる。

「ゼータさん、今日は研究所に泊って行くんですか?」
「いえ、夕方には王宮に帰ります。迎えの馬車を頼んでありますから」
「掃除に来たって言っていましたけど、他に何かする事あります?」
「特にないですよ。掃除に来たというより息抜きに来たんですよ。王宮だと人目が多くて、気を抜ける瞬間があまりないんですよ」
「へぇ…。ゼータさん、暇ならちょっと頼みたい事があるんですけれど」

 ビットは人の悪い笑みを浮かべた。絶対に面倒な頼み事だ、とゼータは直感する。キメラ棟に放置された空の檻の運搬作業か、はたまた数十に及ぶキメラの毛刈り作業か。何にせよビットの言う頼みごとが楽なものであるはずがない。ゼータは自身の迂闊な言動を後悔するが、する事は特にないとの言葉を取り消すことなどできやしない。

「…何ですか。頼みって。引き受けるわけじゃありませんよ。一応言ってみてください」
「リーちゃんを入れていた檻の鍵が壊れちゃったんです。替えの錠前を買ってきてもらえませんか?」
「錠前なら倉庫にたくさんあるじゃないですか」
「丁度良い大きさのがないんですよ。リーちゃん力が強いから、小さい錠前だと壊しちゃうんです。大きいのだと隙間から逃げちゃうし」
「…檻に紐でも巻き付けて置けば良いじゃないですか」
「それは1時間前に試しました。紐を噛み切って逃げ出して、今こうして僕の膝の上にいるんです」
「…ちなみにどこの店で買えば良いんですか」
「職人街にある工房です。色んな大きさの錠前が揃っている、キメラ棟御用達の工房です」
「遠…」

 小さな山の頂にある魔法研究所から、ポトスの街中までは馬車で15分の道のりだ。馬車で15分といえばさほど遠くない行程にも思われるが、ここで一つ問題がある。魔法研究所では馬車や騎乗用の馬の保有はしておらず、突発的にポトスの街に下りる場合は徒歩以外に移動手段がないのだ。魔法研究所に在籍する研究員の中には、所帯を持ちポトスの街に暮らす者が何名かいる。彼らは朝晩ポトスの街と魔法研究所を馬車で往復する訳だが、朝魔法研究所に到着したときに帰りの馬車を頼むことを忘れてはならない。うっかり帰りの馬車の予約を忘れようものなら、日が暮れた人気のない山道を延々と1時間歩き続けることとなる。
 ビットの頼みを引き受ける事、それ即ち雨の中1時間山道を下り続けなければならない事を意味している。帰りは馬車を使えるが、どう頑張っても行きの道のりは徒歩以外に移動手段がない。「折角の息抜きに面倒なお使いなど絶対に御免」「暇なら同僚の願いを快く受けて買い出しくらい行くべきだ」言い争いはしばらく続いたが、結局はゼータが折れる羽目となった。ビットの「じゃあ僕が買い出しに行くから、リーちゃんのお世話お願いしますね。機嫌を損ねると噛み付くから気を付けてください。あとお転婆てんばだから部屋に離すと色々壊しますよ。じゃあ離しますね。リーちゃん行け!」との言葉が決め手となった。問答の間にうたた寝から覚めたリーちゃんは、その鋭い犬歯でゼータの書物を引き裂くべく円らな瞳を瞬かせていた。

「行きます、行きますよ。でも出発は午後になりますよ。生活棟の私室の掃除もしたいし」
「良いですよ。寝るまでに間に合えば。宜しくお願いします」
「帰りの馬車代も請求しますからね」
「面倒頼むんだから移動費位出しますよ。お金は多めに渡すんで、余った分は駄賃として受け取ってください」

 そう言ってソファを立つビットの顔は笑顔であった。余計な出費はあるが、雨の中延々一時間歩く苦労を思えば安いものだ。彼の笑みはそう告げている。

「じゃ、僕キメラ棟に戻るんで。お金はお昼ご飯の時に渡します。またね」

 ひらりと手を振って、ビットはゼータの研究室を出て行った。面倒事を押し付けられ不機嫌顔となったゼータに向けて、ビットの腕の中のリーちゃんがきゅるりと愛らしい鳴き声を残した。
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