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緋糸たぐる御伽姫
12.お遊びの剣-2
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レイバックとメアリの試合は木刀で行われることになった。また勝利条件も、通常の試合とは異なる条件が定められた。兵士同士の試合であれば相手の急所に一太刀を入れるか、相手の足裏以外の部位を地面に付けた時点で勝利となる。しかしレイバックがメアリに刀を当てるわけにはいかない。そこで刀を手放した方が負け、というルールに落ち着いたのである。
試合の審判はシモンが務めることになった。訓練場の片隅でひっそりと行われるはずだった一戦だが、気が付けば訓練の手を休めた兵士が集まっている。可憐なワンピースを着たメアリが木刀を手にする姿を目撃し、興味津々で群がっているのだ。
観衆の視線が集まる中、レイバックとメアリが対峙する。互いの手には木刀。先刻まで半裸であったレイバックは今やしっかりと白のシャツを着こみ、ワンピースをまとうメアリを見据えている。
「始め!」
試合開始の合図と共に、まず動いた者はメアリであった。華奢な体躯から打ち出される突きは思いのほか鮮烈で、レイバックは身を捩って木刀の切っ先を躱す。間髪入れずに肩先へと振り下ろされた太刀を木刀の背で受ければ、それは細腕から放たれたとは思えぬ重たい一撃であった。
美しい剣だ、とレイバックは思う。レイバックの剣は人を殺す剣だ。アダルフィン旧王の首を獲り、彼の庇護の元私腹を肥やした権力者の首を切り、国家の安寧を保つために数十では利かぬ敵人の首を落としてきた。今もその剣は、集落を襲う魔獣の討伐に明け暮れる。
しかしメアリの剣は人を切らぬ。自らの命を守るための清らかな剣だ。彼女の手にある物が真剣であるならば、それは血を吸った経験のない純白の刀身。剣を振るうメアリの姿はひたむきで、動くたびにふわりと舞うワンピースも妖精のようで美しい。
レイバックはしばらくの間メアリの太刀を受け流していたが、やがて互いの木刀が組み合った時に力強く太刀を振り切った。弾かれたメアリの木刀は宙に舞い、踏み荒らされた芝生の上に落ちる。
「勝負、ありました」
シモンの声が静寂の広場に響いた。試合に見入っていた観客は息を吐き、メアリを称える拍手が巻き起こる。華奢な肩を上下させるメアリに向けて、レイバックの手のひらが差し出される。
「いい試合であった」
「ありがとうございます」
メアリは握手に応え、2人はそのまま試合の講評会へと突入した。審判シモンと周りにいた数名の剣隊兵士も講評会に加わり、メアリの太刀や動きに賛否を述べている。
「ルナ様」
打って変わって賑やかとなった人ごみの中で、ルナの肩を叩く手のひらがあった。ルナが振り向けばそこにはマルコーが立っている。マルコーの顔に浮かぶ笑みは、試合の前にレイバックに向けられた物と同じ笑みだ。真意のわからぬ気色の悪い笑み。
「ルナ様、どうでしょう。貴女もメアリ姫と一戦いかがですか」
「…ご遠慮致します。私は剣技を嗜んではおりません」
「ああ、左様でしたか。しかし剣を持たぬとなれば、貴女はいかにして身を守るのです。昨日の魔封じの紐の一件を見るに、貴女は下等な魔獣程度の魔力しか持たぬのでしょう。魔力が無ければ強大な魔法は使えないと聞きます。まさか妃となった後は、レイバック様を騎士にしてお守りいただくつもりですかな?」
囁かれる言葉は、ルナに対する悪意に満ちている。ルナは表情を歪めるも、マルコーが口を閉じることはない。
「失礼。決してルナ様を貶めているわけではございませんよ。私は貴女の御身を心配しているのです。行く行くは妃となる者が護身を覚えずして良いものかと。安寧の国土とは言え、思わぬ悪意に襲われることはありましょう。この度は剣に触れる良い機会です。女同士であれば遠慮もありますまい。ぜひ余興と思って、メアリ姫と剣を交えてくださいませ」
ルナの肩先に口を付けるようにして、マルコーは囁く。間近にいた兵士がマルコーとルナの会話に気づき、静寂は徐々に伝染する。
「それとも大国の王妃候補は気位が高くていらっしゃるか。例えお遊びでも、人に負けることは屈辱とお考えですかな?王妃とは王の隣で美しくドレスを翻すだけの地位ではない。悲しみを隠して民に笑顔を振りまかねばならぬ時もあれば、自らの非ではなくとも、家臣を庇い他国の者に頭を下げねばならぬ時もありましょう。貴女にはそれができますか。ただの遊びですら負けることを厭う貴女が」
マルコーが言葉を終える頃には、2人の周りはすっかり静寂となっていた。数名の兵士が息を呑んでマルコーの様子を伺い、ルナの言葉を待つ。しかし遠くで試合の講評会を続けるレイバックとメアリが、広場の一角の殺伐とした様子に気が付くことはない。
表立って妃の資質を問われたのであれば、それは避けることのできぬ挑発だ。ルナは沈黙する兵士らの間を掻き分けて進み、レイバックの傍へと歩み寄る。そして講評会の真っ最中であったレイバックの手から木刀を奪い取った。突然手中の木刀を奪われたレイバックは、驚いた顔でルナを見た。
「皆様。ルナ様がメアリ姫との試合を望んでおられます。どうぞもう一度場を設けてくだされ」
マルコーの声で、入り乱れていた兵士と使節団員は大きな円陣を作る。観客に囲まれた試合会場だ。レイバックから奪い取ったばかりの木刀をぶら下げ、ルナは試合の会場へと上がった。メアリは困惑の表情を浮かべながらも状況を理解したようで、おずおずとルナの前に立つ。右手には先にレイバックと打ち合った木刀。
「おいルナ、どうした。剣に覚えなどないだろう。止めておいた方が…」
「まぁまぁレイバック様。ルナ様がやると仰っているのです。それにただのお遊びですよ」
レイバックの制止はマルコーの言葉により遮られた。状況を把握できないままのレイバックは、マルコーに背を押されルナの元を去る。残された者は試合の開始を待つルナとメアリだ。
初め。審判を務めるシモンの合図で試合は始まった。すぐに動いたのは、ルナが剣を使えないことを知らぬメアリ。容赦のない突きは拙い防御をすり抜け、がら空きであったルナの右胸をしたたかに打った。身体を貫くような痛みにルナは木刀を手離し、草むらに尻もちを着く。試合はこれにて終了。ほんの数秒の出来事であった。
「申し訳ありません!ルナ様、大丈夫ですか」
木刀を投げ捨てたメアリは、すぐさまルナの傍らに座り込んだ。右胸を押さえるルナは、俯いたまま顔を上げない。マルコーの誘導で遠くへ追いやられていたレイバックが、2人の元へとやって来る。
「メアリ姫、試合の怪我だ。気に掛ける必要はない。ルナ、一応医務室に―」
背中に添えられたレイバックの手のひらを、ルナは身体を捩って振り払った。黒の瞳がレイバックを射貫く。屈辱。震える紅の唇を見て、レイバックは宙に浮いた手のひらを下ろす。
「ご心配なく。医務室なら一人で行けます。どうぞ講評会を続けてください」
ルナはそう言い残し、一人その場を後にした。
***
その日の深夜。レイバックが溜まった執務を片付け、間もなく眠りに就こうかという頃だった。伸びをするレイバックの緋髪を、ひやりとした夜風が撫でた。窓を開けていただろうか。不審に思ったレイバックが部屋の窓を見れば、月明かりを背に人影が立っている。
「レイ、試合をしましょう」
2本の真剣を手にしたゼータがそこにいた。
試合の審判はシモンが務めることになった。訓練場の片隅でひっそりと行われるはずだった一戦だが、気が付けば訓練の手を休めた兵士が集まっている。可憐なワンピースを着たメアリが木刀を手にする姿を目撃し、興味津々で群がっているのだ。
観衆の視線が集まる中、レイバックとメアリが対峙する。互いの手には木刀。先刻まで半裸であったレイバックは今やしっかりと白のシャツを着こみ、ワンピースをまとうメアリを見据えている。
「始め!」
試合開始の合図と共に、まず動いた者はメアリであった。華奢な体躯から打ち出される突きは思いのほか鮮烈で、レイバックは身を捩って木刀の切っ先を躱す。間髪入れずに肩先へと振り下ろされた太刀を木刀の背で受ければ、それは細腕から放たれたとは思えぬ重たい一撃であった。
美しい剣だ、とレイバックは思う。レイバックの剣は人を殺す剣だ。アダルフィン旧王の首を獲り、彼の庇護の元私腹を肥やした権力者の首を切り、国家の安寧を保つために数十では利かぬ敵人の首を落としてきた。今もその剣は、集落を襲う魔獣の討伐に明け暮れる。
しかしメアリの剣は人を切らぬ。自らの命を守るための清らかな剣だ。彼女の手にある物が真剣であるならば、それは血を吸った経験のない純白の刀身。剣を振るうメアリの姿はひたむきで、動くたびにふわりと舞うワンピースも妖精のようで美しい。
レイバックはしばらくの間メアリの太刀を受け流していたが、やがて互いの木刀が組み合った時に力強く太刀を振り切った。弾かれたメアリの木刀は宙に舞い、踏み荒らされた芝生の上に落ちる。
「勝負、ありました」
シモンの声が静寂の広場に響いた。試合に見入っていた観客は息を吐き、メアリを称える拍手が巻き起こる。華奢な肩を上下させるメアリに向けて、レイバックの手のひらが差し出される。
「いい試合であった」
「ありがとうございます」
メアリは握手に応え、2人はそのまま試合の講評会へと突入した。審判シモンと周りにいた数名の剣隊兵士も講評会に加わり、メアリの太刀や動きに賛否を述べている。
「ルナ様」
打って変わって賑やかとなった人ごみの中で、ルナの肩を叩く手のひらがあった。ルナが振り向けばそこにはマルコーが立っている。マルコーの顔に浮かぶ笑みは、試合の前にレイバックに向けられた物と同じ笑みだ。真意のわからぬ気色の悪い笑み。
「ルナ様、どうでしょう。貴女もメアリ姫と一戦いかがですか」
「…ご遠慮致します。私は剣技を嗜んではおりません」
「ああ、左様でしたか。しかし剣を持たぬとなれば、貴女はいかにして身を守るのです。昨日の魔封じの紐の一件を見るに、貴女は下等な魔獣程度の魔力しか持たぬのでしょう。魔力が無ければ強大な魔法は使えないと聞きます。まさか妃となった後は、レイバック様を騎士にしてお守りいただくつもりですかな?」
囁かれる言葉は、ルナに対する悪意に満ちている。ルナは表情を歪めるも、マルコーが口を閉じることはない。
「失礼。決してルナ様を貶めているわけではございませんよ。私は貴女の御身を心配しているのです。行く行くは妃となる者が護身を覚えずして良いものかと。安寧の国土とは言え、思わぬ悪意に襲われることはありましょう。この度は剣に触れる良い機会です。女同士であれば遠慮もありますまい。ぜひ余興と思って、メアリ姫と剣を交えてくださいませ」
ルナの肩先に口を付けるようにして、マルコーは囁く。間近にいた兵士がマルコーとルナの会話に気づき、静寂は徐々に伝染する。
「それとも大国の王妃候補は気位が高くていらっしゃるか。例えお遊びでも、人に負けることは屈辱とお考えですかな?王妃とは王の隣で美しくドレスを翻すだけの地位ではない。悲しみを隠して民に笑顔を振りまかねばならぬ時もあれば、自らの非ではなくとも、家臣を庇い他国の者に頭を下げねばならぬ時もありましょう。貴女にはそれができますか。ただの遊びですら負けることを厭う貴女が」
マルコーが言葉を終える頃には、2人の周りはすっかり静寂となっていた。数名の兵士が息を呑んでマルコーの様子を伺い、ルナの言葉を待つ。しかし遠くで試合の講評会を続けるレイバックとメアリが、広場の一角の殺伐とした様子に気が付くことはない。
表立って妃の資質を問われたのであれば、それは避けることのできぬ挑発だ。ルナは沈黙する兵士らの間を掻き分けて進み、レイバックの傍へと歩み寄る。そして講評会の真っ最中であったレイバックの手から木刀を奪い取った。突然手中の木刀を奪われたレイバックは、驚いた顔でルナを見た。
「皆様。ルナ様がメアリ姫との試合を望んでおられます。どうぞもう一度場を設けてくだされ」
マルコーの声で、入り乱れていた兵士と使節団員は大きな円陣を作る。観客に囲まれた試合会場だ。レイバックから奪い取ったばかりの木刀をぶら下げ、ルナは試合の会場へと上がった。メアリは困惑の表情を浮かべながらも状況を理解したようで、おずおずとルナの前に立つ。右手には先にレイバックと打ち合った木刀。
「おいルナ、どうした。剣に覚えなどないだろう。止めておいた方が…」
「まぁまぁレイバック様。ルナ様がやると仰っているのです。それにただのお遊びですよ」
レイバックの制止はマルコーの言葉により遮られた。状況を把握できないままのレイバックは、マルコーに背を押されルナの元を去る。残された者は試合の開始を待つルナとメアリだ。
初め。審判を務めるシモンの合図で試合は始まった。すぐに動いたのは、ルナが剣を使えないことを知らぬメアリ。容赦のない突きは拙い防御をすり抜け、がら空きであったルナの右胸をしたたかに打った。身体を貫くような痛みにルナは木刀を手離し、草むらに尻もちを着く。試合はこれにて終了。ほんの数秒の出来事であった。
「申し訳ありません!ルナ様、大丈夫ですか」
木刀を投げ捨てたメアリは、すぐさまルナの傍らに座り込んだ。右胸を押さえるルナは、俯いたまま顔を上げない。マルコーの誘導で遠くへ追いやられていたレイバックが、2人の元へとやって来る。
「メアリ姫、試合の怪我だ。気に掛ける必要はない。ルナ、一応医務室に―」
背中に添えられたレイバックの手のひらを、ルナは身体を捩って振り払った。黒の瞳がレイバックを射貫く。屈辱。震える紅の唇を見て、レイバックは宙に浮いた手のひらを下ろす。
「ご心配なく。医務室なら一人で行けます。どうぞ講評会を続けてください」
ルナはそう言い残し、一人その場を後にした。
***
その日の深夜。レイバックが溜まった執務を片付け、間もなく眠りに就こうかという頃だった。伸びをするレイバックの緋髪を、ひやりとした夜風が撫でた。窓を開けていただろうか。不審に思ったレイバックが部屋の窓を見れば、月明かりを背に人影が立っている。
「レイ、試合をしましょう」
2本の真剣を手にしたゼータがそこにいた。
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