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最終話 闇ガチャと神ガチャ

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「いらっしゃいませ!」
「おう、ベビーちゃん! 元気だったか!?」
「いえ! 死ぬ寸前でした!」
「はははっ! 冗談まで言えるドラゴンなんて珍しいな!」
「ごゆっくりどうぞ!」

 本当に危なかったんだからな。
 最初はジェルよりも心配したくらいだ。
 もし死んでたら俺もカイザーとクイーンに殺されただろうな……。

「あ~久しぶりだな~ここも!」
「早く寿司食べよう!」
「明日からは忙しくなるからな! 今日の内に英気を養うか!」
「どうせ明日も来るだろ!」
「格闘場はやってるのかな?」
「さすがにガチャを回す余裕はないな……」

 いつもほどではないがそれなりの客足だな。
 みんな金がないだろうから今日はまだ来ないと思ってたが。
 食事にだけ来たのかもな。
 ウチの店の売りの一つは安さだからな。

「ん? ガチャの商品が新しくなったっぽいぞ?」
「どれどれ……はい? 聖剣!? 虹箱が聖剣!?」
「聖剣ってあの聖剣か!?」
「勇者が魔王と相打ちになったときに装備してたっていうあの聖剣!?」
「そんなものをガチャに入れていいのか!?」
「だけど提供割合見てみろよ……」
「さすが闇ガチャ……」

 当たるわけないから提供割合なんてどうでもいいんだよ。
 仮に当てたとしたらその者こそ選ばれた勇者だと思う。

 格闘場には新しいランクとしてSSランクを設置した。
 その勝利報酬が虹ガチャ券だ。
 前みたいに金ガチャ券で取れるのは少し甘すぎるからな。
 人が増えそうだから連戦のシステムも廃止にした。

 SSランクに勝って聖剣が取れたのなら魔王に挑戦すればいい。
 魔王に負けたら回収させてもらうけどな。
 魔王を倒したとしても王様が回収するしな。
 今回はとりあえずガチャに入ってるだけだ。
 次はどこかのダンジョン深くの宝箱にでも入れておくか。

「おい、あれ……」
「え? ……あっ!」
「やっぱりそうだよな?」
「クレアさんの代わりってことか?」

 格闘場の受付にいる人物が目に入ったんだろう。
 そこにクレアばあさんの姿はない。

「ダビードさん! どうしたんですか!? なぜここに!?」
「あぁ、冒険者は引退したんだ。だからこれからはここで働くことにした」
「えぇ!? 魔王を倒したんですからまだまだやれるじゃないですか!?」
「ははっ、そうだな。でも今後は若いお前たちに託すことにしたんだよ」
「えぇ~……もったいない……」

 今受付に座っているのは勇者パーティにいた戦士だ。
 今日からは格闘場に挑戦する冒険者たちのランク付けをやってもらう。

 ダビードは魔王城へ向かう橋の上の戦いでモンスターたちに襲われた。
 勇者たちはダビードが死んだと思っただろう。
 だが実際には転移魔法陣に運んで地下二階に連れて来ただけ。
 それからベルネッタたちが傷の治療などをした。
 ダークエルフたちに丁重におもてなしもされてたな。
 そしてそのまま魔王対勇者の戦いを最初から最後まで見ることになった。

 今後どうするかまだ考えていなかったが本人から申し出があったんだ。
 ここで働かせてくれと。
 決してむりやり働かせてるわけではない。
 本人の強い希望だったから仕方なくだ。

 勇者が負けたことや地下二階のモンスターたちを見て萎縮したのかもしれない。
 ここから生きて出られないと思ったのかもしれない。
 でも単純に戦意を失ったからだと思うようにしている。
 敵であるはずのモンスターにあんなに優しくされたんだからな。
 そんな敵と戦う気にはなれないだろう。

 そしてもう一人の上級者であるエトもここで働いている。
 彼もまたここで働くことを希望したんだ。

 エトは橋の上の戦いで極モモモモンガの大群により海に放り出された。
 そのまま海に落ちたのだが下には極ガナッシュリクガメが待機していた。
 それからはダビードと同じだ。
 おもてなしされながら二人仲良く俺の戦いを見ていたことだろう。
 エトもやはり戦意喪失したんだと思う。

 二人にはこの一か月間自由に過ごしてもらっていた。
 魔王を倒した英雄として色々忙しかっただろうしな。
 もちろん余計なことは言わないように口止めはしてあった。
 念のため監視もつけてたけどな。
 そして今はこの町に住んでいるようだ。

 エトはミアとクレアばあさんの手伝いをすることになった。
 モンスターや家畜のお世話だ。
 元々魔物使いに憧れてたらしいから嬉しそうだった。
 魔物使いにはなりたくてもなれないからな。
 俺のことも尊敬の目で見てくる。
 ダビードは俺と目が合うとまだたまにビクッとしてるけどな。

 そもそもこの二人を巻き込まないためにパーティから外れてもらったわけだ。
 Sランクの五戦目や橋の上の戦いなどは全てパンダの指揮によるもの。
 あのパンダは最小限の被害で分断工作をしっかり実行してくれた。
 魔王としても上手くやれるだろう。

 お?
 レファが向こうから走ってくる。
 ここにも顔出してみたくなったのか?
 好奇心旺盛だな。
 そしてカウンター内に入ってきた。

「作業部屋と倉庫が広くなってる! 卵も増えてる!」
「は? ちょっと落ち着け。どういうことだ?」
「だから~、急に広くなってるし、卵の予備も増えてるの!」
「ガチャが回ってるからだろ? ほら」

 地下二階ガチャ屋が映っているモニターを見せる。
 開店したばかりにも関わらずボスの行列ができている。

 新魔王誕生記念として全てのボスに金貨や銀貨を配ったからな。
 今日は大混雑することだろう。
 世界にはまだ闇ガチャ屋の存在を知らないボスもいっぱいいたようだし。
 明日からは再びモンスターが溢れる世界になる。

「昨日いっぱい生成したから倉庫がパンパンだったでしょ!?」
「だから今は減って広く感じるんだろ? で、卵は作業部屋に回収されてるから増えて当然だろう」
「……違うもん」

 レファは悲しい表情をして戻っていった。
 今日は初めてのランチ営業の手伝いで疲れてるだろうからな。
 そんなときにまで生成しなくていいのに。

 それにしても地下二階は盛り上がってるな。
 みんなガチャ欲が凄い。
 ようやく料理の注文が入ってきたところだ。

「大将! 来ました!」
「ん? なにが?」
「王女たちです!」
「王女たち?」

 確かに昨日見た何人かがこちらに向かって歩いてきている。
 ……そして俺の前のカウンター席に四人が座った。

「……はい?」
「来たわよ! 早くお寿司作って!」
「楽しみですわ。お任せでお願いしますですわ」
「……急にすみません。またお寿司食べたいです……」
「今度デートしてください!」

 ……なにしに来たんだ?
 寿司を食べに来たのか?
 護衛の極スライムたちもいるようだな。
 俺の足元に寄ってきたのでとりあえず撫でてやる。

 昨日の世界会議に参加した国には友好の証として極スライムシリーズから一匹を貸し出した。
 仲間モンスターの存在に馴れてもらうということや護衛の意味もある。

 だがなぜ今日ここに来る必要があるんだ?
 俺はティラミスを見る。
 すると申し訳なさそうに俺から目を逸らした。

「説明しろ」
「え……その……みんなと仲良くなろうと思って……」
「……だからいつでも来ていいって言ったのか?」
「え……はい……ごめんなさい」

 はぁ~、国の友好のためと言われたらなにも言えないじゃないか。
 それにしてもいつのまに椅子が増えてたんだ?
 またドーラのやつがティラミスに言われて作ったんだな。

「カウンター席じゃ話ができないだろ。かといって王女たちを向こうにはなぁ……」
「そう思ってドーラさんに少し改造してもらったんです!」
「は?」

 ティラミスは王女たちに少しどくように言った。
 するとカウンターの下からテーブルを引っ張り出したではないか。
 ドーラのやつ俺に内緒でこんなことを……。

 この王女たちはここのオーナーが俺だってことを知っている。
 でもこの中にプリン王女がいるのが意外だな。

 プリン王女だけは俺が元魔王だってことも知っている。
 ババロア王国の代表者だけにはあの戦いの映像を見せたからな。
 そしてこの世界の現実を知らされたときはひどく落ち込んでいた。
 自らが率先してこの世界の仕組みを壊そうとしてたんだからな。
 だが帰るときには俺の体の心配をしてくれた。
 そんなに悪い人ではないんだろう。
 リリアンヌと似たような感じだろうな。

「おい、お前は座ったらダメだろ」
「え……はい……」
「そうよ! あなたは働きなさい!」
「ティラミスちゃん、頑張ってですわ!」
「……手が空いたらいっしょに飲みましょう」
「今度私の城に遊びに来ませんか!?」

 寿司酒場でのアイリの代わりはティラミスだ。
 以前から手伝わせろってうるさかったしな。
 王女だからって気を遣うのはもう面倒だからやめた。

「ティラミスちゃん! ビール二つ!」
「ティラミス! 刺身盛り合わせとローストビーフね!」

 こんな早い時間から来やがったかこのばあさんたち……。
 さっきご飯食べたの忘れてるんじゃないだろうな?
 それにローストビーフなんてメニューにないんですけど?

 この二人には冒険者の相談役になってもらう。
 だから寿司酒場と格闘場受付の間に専用のテーブルと椅子を用意した。
 のんびり話をしていてくれればそれでいい。

 ……ん?
 またレファが慌ててやってきた。
 そういえば走ってるの初めて見た気がする。
 いつものんびりな感じだからな。

「ヤマト! ヤマト!」
「お、おう? 今度はなんだ?」
「やっぱり広くなってる!」
「はぁ~、気のせいだろ」
「気のせいじゃないもん!」

 ここまで強く言ってくるレファも初めてだ。
 それになんだかアイリに似てきた気がする。
 話し方もどことなくそんな感じだったし。
 色が関係してるのか?
 それともわざと明るく振る舞ってくれてるのか?

 レファは色が変わったことで人間の町にも入れるようになった。
 それに色で魔族と気付かれることもなくなった。
 ジャスミンなんか最初レファと会った瞬間に魔族って見抜いてたからな。
 アイリの色だからもしかして能力も引き継いだのではとも思ったがそれはなかったようだ。

 だがさっきからレファが言ってるのはそのアイリの能力みたいなことばかり。
 やはり疲れが出てるんだろうな。
 最近は大魔王として頭を使う仕事も多かったみたいだし。
 今日はもう休ませよう。
 王女たちもレファを怪訝そうに見ている。

「ティラミス、レファといっしょに行ってもらっていいか?」
「……はい」

 ティラミスは俺の意図を理解してくれたようだ。

 地下一階の客も増えてきたな。
 だがガチャ屋と交換所は暇そうだ。
 地下二階からの注文量はやはりいつもよりかなり多い。
 少しだけジャスミンにこっちを手伝ってもらうか。
 配膳係のスライムを呼びジャスミンを呼んできてもらうように言う。
 すぐにスライムは飛び跳ねていった。

 ……なんだ?
 ジャスミンではなくてティラミスが走ってきた。

「大将!」
「なにがあった?」
「広くなってます!」
「は?」

 ティラミスまで言うか。
 ということは本当に……。

「わかった。俺が行く」
「はい……料理はどうしますか?」
「少し待ってもらってくれ。お詫びにドリンク一杯無料で配って」
「わかりました」

 早足で飲食エリア、ガチャ屋の横を通る。

「ヤマトさん? なにかありました?」
「ジャスミンも来てくれ」
「え?」

 そして作業部屋に入る。
 作業部屋といっても今はここでは作業は行われていない。
 ここはアイリがガチャ…………

 は?

「どうなってるんだ?」
「だから言ったでしょ!」
「いつのまに……」

 てっきり地下二階のことを言ってるのかと思ってた。
 この地下一階作業部屋も明らかに前の広さの倍くらいはある。
 その分ミアやティラミスの部屋も奥になったようだ。
 牧場もその分だけ広くなってる。
 階段の位置は変わってないな。
 ん?
 右の壁際にドアがいくつか追加されてるようだ。

「あっちはなんの部屋だ?」
「たぶん休憩部屋……」
「え……」

 休憩部屋だと?
 さっきちょうどそのことを話してたところだ。
 ダビードやエトが着替えたり休憩したりする場所についてな。

「地下二階はどうなってる?」
「下はもっと……」
「……行こう」

 地下二階への階段を下りる。

「……上と同じだな」
「マドラーナたちの部屋の隣に部屋がいっぱいできてる」
「部屋?」
「うん。それに上と同じようにあそこに休憩部屋みたいなのも」

 住居についてもさっき話してたことだ。
 マドラーナチームやベルネッタチームがここに住めるようにとな。

「上もだけどついさっきまでは普通だった」
「どういうことでしょうか?」
「ここを一通り見た後にヤマトに言いに行こうと思って上に行ったら上も変わってた」

 まず地下二階の作業部屋と商品倉庫が広くなってたんだよな。
 もしかするとそれは昨日のうちに変わってたのかもしれない。
 レファが俺に部屋がパンパンと言ってきたのは昨日だからな。
 今日はさっきまで一度も入ってなかったはずだし。
 そしてレファはそれを俺に報告しにきた。

「レファが俺のところへ来たことで誰もいなくなったからだ」
「……」
「アイリはいつも夜中に改装をしていた」
「……」
「部屋の位置を変えるときは予め別の部屋で寝てもらうように俺がみんなに言ってたし」
「だから誰もいない今だったんですね」
「あぁ。でもついさっき話してたばかりだぞ?」
「……アイリが……見てくれてるんだよ……」

 レファはそう言った直後、急に泣き出した。
 つられてジャスミンも泣き出した。

 確かに改装するにはいいタイミングだったに違いない。
 地下一階もさっきまではばあさんたち二人が作業部屋にいたんだし。
 牧場は……家畜や仲間モンスターやエトはいたはずだけど……。
 広いしあまり影響はないんだろう、うん。

 でも本当にアイリなのか?
 神様じゃないのか?
 そういや神様は今も監視を続けているのか?

 ……もしかして神様じゃなくてアイリが監視をしているのか?

 ということはアイリが神様になったのか?
 というか神様がやってたと思ってた作業はずっとアイリがやってたんだぞ?
 神様がしたことと言えば勇者たちを放り込んできたくらいだ。
 俺が神様に祈るようにお願いしてたのはいったいなんだったんだよ。
 なんだかよくわからなくなってきた。

 あれからアイリのことを考えなかった日はない。
 自然と涙が出ていることもよくあることだ。
 アイリのためになにもできないのがもどかしい。
 願わくば前の世界に戻れてたらいいなとは思ってる。
 もしまた違う異世界に行ってたとしても幸せならそれでいい。
 本当に神様になったんならそれも悪くないんじゃないか?

「わんわんっ!」
「にゃ~!」
「アイリがいるの~?」

 ミルクとココアとジェルか。
 なんだか嬉しそうだな。
 というか格闘場はどうした?
 ……みんな金がないから挑戦すらしてないのか。

 ジェルと違ってミルクとココアには魔剣が配合されたままだ。
 前から魔剣犬と魔剣猫になりたいって言ってたしな。
 でもなぜ喋れるようにはならないんだ?
 喋れないから可愛くもあるんだけどな。

 この三匹はこの一か月間の間に転移魔法を覚えたようだ。
 レファが暇で暇でどうしようもないときに面白がって教えてたら本当にできるようになってしまったらしい。
 魔力的にはなにも問題がないもんな。

 レファとジャスミンはようやく涙がとまったようだ。

「ヤマト……アイリのためにガチャ祭りをする」
「ガチャ祭り?」
「うん。今日はボス一体につき一回だけ好きなパック無料にする」
「おぉ!? フェスってやつか!?」
「フェス? よくわからないけどアイリが喜んでくれる気がするから」
「あぁ! 俺も大賛成だ! じゃあ地下一階も!」
「ダメです」
「……だよな。さすがに厳しいよな」
「その代わり格闘場の参加料金は無料にしましょう」
「いいのか!? ならそれでいこう! 食事は半額にする!」
「もぉ~。こっちの身にもなってくださいね」

 フェスって言葉をアイリがよく言ってた気がする。
 だが結局ガチャにおけるフェスがどういうものかを聞きそびれていたな。
 よくわからないが盛り上がればいいんだよな?

 とにかくこれで闇ガチャ屋の評判がまた上がってしまうな。
 モンスターたちは神ガチャに酔いしれることになるだろう。
 だけど無料だからといって自分の手に負えないガチャは回すなよ?

 これによって明日は想定以上のモンスターが世界に出現することになる。
 冒険者たちにとっては入れ食い状態だろう。
 そしてしばらくは世界中がフェス状態だな。
 闇ガチャ屋は全ての人が望む神ガチャ屋だってわけだ。
 景気も一気に上向くだろう。
 食材の仕入れ量も増やしたほうが良さそうだ。

「よし、闇ガチャのほうはしばらく一日一回パック無料を続けよう!」
「それは無理」
「生成する側のことも考えてください」
「……はい、ごめんなさい」

 そうだよな、レファ一人では限界があるもんな。

「なぁ、モンスターが減ったら支給するってシステムやめにしないか?」
「なら配下が少なくなったボスはどうするの?」
「ここで実力に見合った好きなガチャを引いてもらおう」
「……それ面白いかも」
「だろ? そうすればリリアンヌたちが生成してるモンスターもここの商品にできる」

 商品となるモンスターの種類も大幅に増やせそうだな。
 これからはボスも個性の時代だ。
 自分の戦略や運でオリジナルのチームを作ってほしい。

「でもモンスターが増えても卵はどうするんですか?」

 卵?
 ……あ

「そういやさっき卵も増えてたらしい」
「えっ!? そんなのアイリちゃんしかできないじゃないですか!」
「ん? ……そうか、そうだよな」

 昨日は部屋が卵でいっぱいと言っただけで卵を増やしてとは言ってない。
 だから普通なら部屋を広く改装するだけで終わりなはずだ。
 だがずっと卵を作ってきたアイリなら広くなったことで卵ももっといっぱい置けるようになると考えるはず。
 今までなにもしてくれなかった神様がそこまで気が回るとも思えない。
 つまりこの一連の改装は完全にアイリによるものだ。

「ならガチャレーンも増やせるかもしれないということですか?」
「おそらくな。お願いして寝て起きたら増えてるんじゃないか」
「それならもっと色んなパック置けるね」
「あぁ。事前にモンスターの種類や提供割合とかも細かく決めとかないとな」
「そういうのはリリアンヌに任せる」

 アイリが今どこにいるのかはわからない。
 でも今も俺たちを見てくれていることは確かだ。
 つまり俺にとっての神様は最初からずっとアイリだということ。
 アイリには悪いがせめてそれだけは今後も変わらないでいてほしい。
 それにレファの色が変わったのもアイリのサービスに違いない。

「……思ったんだけどさ、俺って本当に魔王だったんだよな?」
「それは間違いなさそうだけど……」
「なら俺もモンスター生成できるんじゃないのか?」
「え…………できるかも」
「だよな!? 早速やってみよう!」
「ダメです。今は料理が先です」
「そうだった……。早く戻ろう」
「ねぇ、イカ食べた~い」
「わんっ!」
「にゃ~!」

 俺はレファと同じ血を引いてるわけではない。
 でもなんとなくできるような気がする。
 まぁお楽しみはとっておくことにしようか。

 俺の本業は寿司職人だからな。
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