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第五十一話 四人VS十体
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「冒険者ランクD対モンスターランクD、ファイト!」
ミアの試合開始の合図とともにいっせいに双方の攻撃が始まる。
「おっとー!? どうした? 誰も動かないのか!?」
……と思ったが警戒してか誰も動こうとしないようだ。
さっきから審判のミアが実況してくれている。
俺が音しか聞けないほど忙しいと伝わったのかもしれない。
パーティでの試合はこれが初めてだ。
だから冒険者側もモンスター側も様子を見ようとしているんだろう。
時間は五分しかないのにな。
「時間は刻々と過ぎていく! おっ!? なにやら冒険者が話をしているぞ!?」
なんで今頃相談してるんだよ。
待ってる間に時間はたっぷりあっただろ。
モンスター側と違って相手がわかってるんだからさ。
「ようやく動き出した冒険者! まずは定石どおりに回復役を二人で狙いにいく!」
モンスターたちは必ず一体は回復役を入れているようだ。
とにかく多く生き残ればいいんだから当然かもしれないが。
「あっという間に回復役一体を含む三体を撃破! あーっ!? これは大丈夫か!?」
なんだ?
なにが起きたんだ?
俺は思わず目の前に置いてあるモニターを見る。
大型モニターを見たらサボってると思われるからな。
「モンスターは残り七体全員で冒険者の二人に襲いかかっている!」
なるほど、つまりモンスター側も冒険者の回復役を狙いにいったわけか。
ただ冒険者側と違うのは三体をわざと囮にしたってところだな。
「防戦一方の冒険者二人!」
「うぉぉぉぉ!」
「いいぞぉぉ!」
「う~ん……これ以上は危険と判断しまして二人は退場とします!」
「よっしゃぁぁぁ! 残り二人も早くやっちまえぇぇぇ!」
「ナイス審判!」
退場係はマドラーナの配下モンスターが行っている。
退場と判断されたら一瞬で転移魔法陣へと運ばれることになる。
冒険者たちはミアの仲間モンスターだと思ってくれるはずだ。
それにしても歓声が凄いな。
ボスの声だか客の声だかわからないが一体感があっていい。
何気に審判も褒めてるところが好感を持てる。
いいボスたちじゃないか。
「さぁ残りは冒険者二人対モンスター七体! どうするんだ!?」
冒険者側は回復役を失ったんだよな。
さっきの話だと前衛二人だから攻撃するしかないように思えるが。
「どうした!? 攻めないのか!?」
そうだ、どうしたんだ?
時間制限が来たら負けるだけだぞ?
「残り時間は二分! 最低でも五体は倒さないと冒険者の負けだぞ!?」
「おらぁぁ! かかってこいよぉぉ!」
「ビビってんじゃねぇぞぉぉ!」
「このヘタレ冒険者が!」
野次が飛びまくってる。
選手たるもの観客を楽しませてなんぼだからな。
まぁ選手は金をもらってるわけではないんだが。
「くそっ! おい! こうなったら行くしかねぇ!」
「そうみたいだな。行くぞ!」
さきほどと同じように二人で一体ずつ攻撃していく作戦か?
なにか派手な全体攻撃とかないのか?
こういった場面、ゲームでは全体攻撃を連発してたな。
敵に照準合わせるとかあったもんじゃなかった。
「なにっ!? まだ回復できるモンスターがいたのか!?」
「いや、そんなはずは……!? あれは杖の効果だ!」
冒険者自ら解説してくれてる。
おそらく回復魔法を使える特殊な杖を装備したモンスターがいたんだろう。
モンスターだって装備くらいするからな。
その杖を売ってくれれば目玉商品として出せるのに。
「……ダメだ」
「……ギブアップ」
「冒険者がギブアップを宣言したため、モンスターの勝利です!」
「うぉぉぉぉぉ!」
戦意喪失したか。
あっけない幕切れだな。
ここまでの戦歴は冒険者二勝、モンスター……七勝か。
まさかこれほど差が出るとはな。
全て同ランクの試合だというのに。
これではクレアばあさんかマドラーナのどちらかのランク設定がおかしいと思われかねない。
どう見たって冒険者側の怠慢によるものなのにな。
「お前たち! 情けないとは思わんのか!?」
誰かが大声を出した。
……どうやら王様のようだ。
でもいいのか?
バレるぞ?
「さっきから見ておればどいつもこいつも!」
「おやめください! どうかお静かに」
「うるさい! モンスターにいいようにされおって!」
騎士がとめるのも聞かずに王様は続ける。
「おい……あれガナッシュ王国の王様じゃないか?」
「そうなのか? 見たことないから知らん」
早くも噂されているようだ。
自業自得だから仕方ないよな。
「お前たちは自分の愚かさに気付かんのか!?」
「お父様!」
「敵のほうがよっぽど頭がいいぞ!」
ほう、なかなか見る目があるじゃないか。
これなら冒険者からランク設定についてのクレームがあがることもないだろう。
「こらっ! 出しゃばるんじゃない!」
「うっ……クレアさん……」
見かねたクレアばあさんがテーブルに行き、王様を怒ったようだ。
さすがモンスターばあさん。
この人、超有名らしいからな。
王様も頭が上がらないようだ。
周りはシーンとしている。
アイリも場を鎮めようと近くに行ったようだ。
「あんたも黙って見てるんじゃないよ!」
「いいじゃないか。それよりずいぶん久しぶりだね」
ん?
この年配の女性とも知り合いなのか?
同い年くらいだし王様と知り合いなくらいだから知ってて当然か。
格闘場では次の試合が始まった。
アイリは気を利かしてモニターの音を小さくしたようだ。
「悪いけど今は仕事中だよ。話なら後にしてくれ」
「邪魔する気はないさ。この子たちにもおとなしくするように言っておくよ」
「アイリちゃん。悪いけどこいつらに少しサービスしてやってくれるかい?」
「わかりました」
王様をこの子扱いか。
サービスしてくれると聞いた王女が期待した目で俺を見てくる……。
ミアの試合開始の合図とともにいっせいに双方の攻撃が始まる。
「おっとー!? どうした? 誰も動かないのか!?」
……と思ったが警戒してか誰も動こうとしないようだ。
さっきから審判のミアが実況してくれている。
俺が音しか聞けないほど忙しいと伝わったのかもしれない。
パーティでの試合はこれが初めてだ。
だから冒険者側もモンスター側も様子を見ようとしているんだろう。
時間は五分しかないのにな。
「時間は刻々と過ぎていく! おっ!? なにやら冒険者が話をしているぞ!?」
なんで今頃相談してるんだよ。
待ってる間に時間はたっぷりあっただろ。
モンスター側と違って相手がわかってるんだからさ。
「ようやく動き出した冒険者! まずは定石どおりに回復役を二人で狙いにいく!」
モンスターたちは必ず一体は回復役を入れているようだ。
とにかく多く生き残ればいいんだから当然かもしれないが。
「あっという間に回復役一体を含む三体を撃破! あーっ!? これは大丈夫か!?」
なんだ?
なにが起きたんだ?
俺は思わず目の前に置いてあるモニターを見る。
大型モニターを見たらサボってると思われるからな。
「モンスターは残り七体全員で冒険者の二人に襲いかかっている!」
なるほど、つまりモンスター側も冒険者の回復役を狙いにいったわけか。
ただ冒険者側と違うのは三体をわざと囮にしたってところだな。
「防戦一方の冒険者二人!」
「うぉぉぉぉ!」
「いいぞぉぉ!」
「う~ん……これ以上は危険と判断しまして二人は退場とします!」
「よっしゃぁぁぁ! 残り二人も早くやっちまえぇぇぇ!」
「ナイス審判!」
退場係はマドラーナの配下モンスターが行っている。
退場と判断されたら一瞬で転移魔法陣へと運ばれることになる。
冒険者たちはミアの仲間モンスターだと思ってくれるはずだ。
それにしても歓声が凄いな。
ボスの声だか客の声だかわからないが一体感があっていい。
何気に審判も褒めてるところが好感を持てる。
いいボスたちじゃないか。
「さぁ残りは冒険者二人対モンスター七体! どうするんだ!?」
冒険者側は回復役を失ったんだよな。
さっきの話だと前衛二人だから攻撃するしかないように思えるが。
「どうした!? 攻めないのか!?」
そうだ、どうしたんだ?
時間制限が来たら負けるだけだぞ?
「残り時間は二分! 最低でも五体は倒さないと冒険者の負けだぞ!?」
「おらぁぁ! かかってこいよぉぉ!」
「ビビってんじゃねぇぞぉぉ!」
「このヘタレ冒険者が!」
野次が飛びまくってる。
選手たるもの観客を楽しませてなんぼだからな。
まぁ選手は金をもらってるわけではないんだが。
「くそっ! おい! こうなったら行くしかねぇ!」
「そうみたいだな。行くぞ!」
さきほどと同じように二人で一体ずつ攻撃していく作戦か?
なにか派手な全体攻撃とかないのか?
こういった場面、ゲームでは全体攻撃を連発してたな。
敵に照準合わせるとかあったもんじゃなかった。
「なにっ!? まだ回復できるモンスターがいたのか!?」
「いや、そんなはずは……!? あれは杖の効果だ!」
冒険者自ら解説してくれてる。
おそらく回復魔法を使える特殊な杖を装備したモンスターがいたんだろう。
モンスターだって装備くらいするからな。
その杖を売ってくれれば目玉商品として出せるのに。
「……ダメだ」
「……ギブアップ」
「冒険者がギブアップを宣言したため、モンスターの勝利です!」
「うぉぉぉぉぉ!」
戦意喪失したか。
あっけない幕切れだな。
ここまでの戦歴は冒険者二勝、モンスター……七勝か。
まさかこれほど差が出るとはな。
全て同ランクの試合だというのに。
これではクレアばあさんかマドラーナのどちらかのランク設定がおかしいと思われかねない。
どう見たって冒険者側の怠慢によるものなのにな。
「お前たち! 情けないとは思わんのか!?」
誰かが大声を出した。
……どうやら王様のようだ。
でもいいのか?
バレるぞ?
「さっきから見ておればどいつもこいつも!」
「おやめください! どうかお静かに」
「うるさい! モンスターにいいようにされおって!」
騎士がとめるのも聞かずに王様は続ける。
「おい……あれガナッシュ王国の王様じゃないか?」
「そうなのか? 見たことないから知らん」
早くも噂されているようだ。
自業自得だから仕方ないよな。
「お前たちは自分の愚かさに気付かんのか!?」
「お父様!」
「敵のほうがよっぽど頭がいいぞ!」
ほう、なかなか見る目があるじゃないか。
これなら冒険者からランク設定についてのクレームがあがることもないだろう。
「こらっ! 出しゃばるんじゃない!」
「うっ……クレアさん……」
見かねたクレアばあさんがテーブルに行き、王様を怒ったようだ。
さすがモンスターばあさん。
この人、超有名らしいからな。
王様も頭が上がらないようだ。
周りはシーンとしている。
アイリも場を鎮めようと近くに行ったようだ。
「あんたも黙って見てるんじゃないよ!」
「いいじゃないか。それよりずいぶん久しぶりだね」
ん?
この年配の女性とも知り合いなのか?
同い年くらいだし王様と知り合いなくらいだから知ってて当然か。
格闘場では次の試合が始まった。
アイリは気を利かしてモニターの音を小さくしたようだ。
「悪いけど今は仕事中だよ。話なら後にしてくれ」
「邪魔する気はないさ。この子たちにもおとなしくするように言っておくよ」
「アイリちゃん。悪いけどこいつらに少しサービスしてやってくれるかい?」
「わかりました」
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