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第十六話 闇ガチャ屋オープン
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「スライムパックってなにが入ってるんだ?」
「ふむ、どうやら各種スライムが十体詰め合わせで出るようだな」
「それで銀貨三枚ならお得か」
「ふむ、ポイズンスライムも低確率だが出るらしい」
「ゴブリンパックは銀貨五枚かぁ」
ガチャの内容が書かれた掲示板を見ながらモンスター二体が話をしている。
意外に大人しいんだな。
モンスターだから血の気の多いやつばかりかと思ってたらそうではないらしい。
「ポイズンスライムがいるとわかったら冒険者どもは解毒ポーションを持ってくるよな?」
「だろうな。となると俺たちの身銭も増えるわけだ」
冷静だな。
ボスだけあってそれなりの知性もあるようだ。
雑魚ボスらしいけどな。
「そうすると配下が増やせるってわけか」
「そういうことだな」
「さすがマドラーナ様だ。これで俺もランクアップが見えてきた」
「あぁ、冒険者を殺さないでおけばまたそのうち向こうからやってくるしな」
「無限ループだな! がっはっは!」
マドラーナはしっかり伝えてくれているようだ。
できれば冒険者たちには死んでほしくないからな。
昨日のガチャ屋に続いて今日、地下二階のガチャ屋……闇ガチャ屋がいよいよオープンした。
営業時間は地下一階のガチャ屋と同じだ。
単ガチャはなく、十連ガチャのみとなっている。
ガチャの商品はもちろん……モンスターだ。
対象となる客は初級レベル程度の弱いボスモンスターを見込んでいる。
マドラーナが買取を行う際に声をかけているのだ。
今日からはここ地下二階で買取も行うようになった。
ボスモンスターたちはガチャを回したいはずだから向こうから売りに来てくれるはず。
今日来てるような弱いボスからしたら配下となるモンスターは弱くてもいいからとにかく数が欲しいらしい。
強ければもちろんいいが、自分より強くても困るとのこと。
「あの魔族は誰なんだ?」
「バカ! あれがリリアンヌ様よ!」
「えっ!? てことはリリアンヌ様とマドラーナ様のお墨付きの店ってことか?」
「そうよ。だからどんどんモンスターを増やせばお眼鏡にかなうかもしれないわよ」
さっきとは別のモンスターたちだ。
ボスだけあって個性的な色をしているな。
それにしても名前効果は絶大のようだな。
リリアンヌは豪華な椅子に座ってお菓子を食べ、ジュースを飲んでいる。
ついさっき腹いっぱい寿司を食べたばかりなのに。
「じゃあスライムパックお願いします!」
「はい。ではこちらに銀貨三枚お入れください」
案内係はリリアンヌが連れてきたモンスターがやっている。
マドラーナと同じように妖艶な魅力を持っているようだ。
「うぉっ!? 暗くなった!?」
基本的な演出は同じだ。
「上からなにか……卵!?」
そう、宝箱じゃなくて卵にしたんだ。
モンスターだから卵のほうがしっくりくるだろ?
「真っ白な卵と少し色がついてる卵、それに模様が入ってる卵?」
「卵に触れると割れるようになっております」
「じゃあまず一つ目……!?」
卵が割れ、中からスライムが出てきた。
「この瞬間からこのブルースライムはあなたの配下になります」
「こんなに簡単に配下が増やせるんですか!?」
「はい。残りの卵もご確認ください」
ボスモンスターは残りの卵に順番に触れていく。
「ブルー、ブルー、オレンジ! オレンジ、ブルー」
オレンジスライムでも嬉しいのか?
「オレンジ、オレンジ、ブルー……ポイズン! よっしゃぁー!」
運よくポイズンスライムを引き当てたようだ。
確率で言えば五%だからな。
といってもこのスライムたちは雑魚モンスターだ。
いくら初級冒険者たちが相手だとしても瞬殺されるらしい。
でもとにかく数が必要なんだそうだ。
モンスターが出現しない場所になど誰も来ないからな。
通常はある程度数が減ってくると支給されるらしい。
それが今日からは自由にモンスターを増やせるようになったんだ。
そりゃ嬉しいに決まってるか。
モンスターたちも大変なんだな。
「松セットお願いします!」
「はいよ」
……でも俺がそんなこと勝手にしていいんだろうか?
魔王が怒って乗り込んできたりしないよな?
「竹セット二つお願いします!」
「はいよ」
レファとリリアンヌ公認だから大丈夫だよな?
モンスターが増えるってことは魔王からしてもいいことだよな?
「竹セットに梅セット! 梅セットはサビ抜きでお願いします!
「はいよ」
でも決してモンスターばかりに肩入れしてるわけではないからな?
人間たち冒険者用に武器防具ガチャは用意してるわけだし。
それにしてもやはり宣伝力の差は大きいようだ。
モンスターたちにはマドラーナが直接声かけてるからな。
それに対して冒険者たちには特になにも宣伝していない。
従業員の人数の差も大きいか。
ガチャ屋はジャスミン一人でやってるようなものだもんな。
もう一人呼び込みのバイトでも雇うか。
住み込みじゃないバイトを。
「ふむ、どうやら各種スライムが十体詰め合わせで出るようだな」
「それで銀貨三枚ならお得か」
「ふむ、ポイズンスライムも低確率だが出るらしい」
「ゴブリンパックは銀貨五枚かぁ」
ガチャの内容が書かれた掲示板を見ながらモンスター二体が話をしている。
意外に大人しいんだな。
モンスターだから血の気の多いやつばかりかと思ってたらそうではないらしい。
「ポイズンスライムがいるとわかったら冒険者どもは解毒ポーションを持ってくるよな?」
「だろうな。となると俺たちの身銭も増えるわけだ」
冷静だな。
ボスだけあってそれなりの知性もあるようだ。
雑魚ボスらしいけどな。
「そうすると配下が増やせるってわけか」
「そういうことだな」
「さすがマドラーナ様だ。これで俺もランクアップが見えてきた」
「あぁ、冒険者を殺さないでおけばまたそのうち向こうからやってくるしな」
「無限ループだな! がっはっは!」
マドラーナはしっかり伝えてくれているようだ。
できれば冒険者たちには死んでほしくないからな。
昨日のガチャ屋に続いて今日、地下二階のガチャ屋……闇ガチャ屋がいよいよオープンした。
営業時間は地下一階のガチャ屋と同じだ。
単ガチャはなく、十連ガチャのみとなっている。
ガチャの商品はもちろん……モンスターだ。
対象となる客は初級レベル程度の弱いボスモンスターを見込んでいる。
マドラーナが買取を行う際に声をかけているのだ。
今日からはここ地下二階で買取も行うようになった。
ボスモンスターたちはガチャを回したいはずだから向こうから売りに来てくれるはず。
今日来てるような弱いボスからしたら配下となるモンスターは弱くてもいいからとにかく数が欲しいらしい。
強ければもちろんいいが、自分より強くても困るとのこと。
「あの魔族は誰なんだ?」
「バカ! あれがリリアンヌ様よ!」
「えっ!? てことはリリアンヌ様とマドラーナ様のお墨付きの店ってことか?」
「そうよ。だからどんどんモンスターを増やせばお眼鏡にかなうかもしれないわよ」
さっきとは別のモンスターたちだ。
ボスだけあって個性的な色をしているな。
それにしても名前効果は絶大のようだな。
リリアンヌは豪華な椅子に座ってお菓子を食べ、ジュースを飲んでいる。
ついさっき腹いっぱい寿司を食べたばかりなのに。
「じゃあスライムパックお願いします!」
「はい。ではこちらに銀貨三枚お入れください」
案内係はリリアンヌが連れてきたモンスターがやっている。
マドラーナと同じように妖艶な魅力を持っているようだ。
「うぉっ!? 暗くなった!?」
基本的な演出は同じだ。
「上からなにか……卵!?」
そう、宝箱じゃなくて卵にしたんだ。
モンスターだから卵のほうがしっくりくるだろ?
「真っ白な卵と少し色がついてる卵、それに模様が入ってる卵?」
「卵に触れると割れるようになっております」
「じゃあまず一つ目……!?」
卵が割れ、中からスライムが出てきた。
「この瞬間からこのブルースライムはあなたの配下になります」
「こんなに簡単に配下が増やせるんですか!?」
「はい。残りの卵もご確認ください」
ボスモンスターは残りの卵に順番に触れていく。
「ブルー、ブルー、オレンジ! オレンジ、ブルー」
オレンジスライムでも嬉しいのか?
「オレンジ、オレンジ、ブルー……ポイズン! よっしゃぁー!」
運よくポイズンスライムを引き当てたようだ。
確率で言えば五%だからな。
といってもこのスライムたちは雑魚モンスターだ。
いくら初級冒険者たちが相手だとしても瞬殺されるらしい。
でもとにかく数が必要なんだそうだ。
モンスターが出現しない場所になど誰も来ないからな。
通常はある程度数が減ってくると支給されるらしい。
それが今日からは自由にモンスターを増やせるようになったんだ。
そりゃ嬉しいに決まってるか。
モンスターたちも大変なんだな。
「松セットお願いします!」
「はいよ」
……でも俺がそんなこと勝手にしていいんだろうか?
魔王が怒って乗り込んできたりしないよな?
「竹セット二つお願いします!」
「はいよ」
レファとリリアンヌ公認だから大丈夫だよな?
モンスターが増えるってことは魔王からしてもいいことだよな?
「竹セットに梅セット! 梅セットはサビ抜きでお願いします!
「はいよ」
でも決してモンスターばかりに肩入れしてるわけではないからな?
人間たち冒険者用に武器防具ガチャは用意してるわけだし。
それにしてもやはり宣伝力の差は大きいようだ。
モンスターたちにはマドラーナが直接声かけてるからな。
それに対して冒険者たちには特になにも宣伝していない。
従業員の人数の差も大きいか。
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