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第四話 魔族の少女レファ
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この少女はどこから入ってきたんだ?
……考えても無駄なようだな。
「おはよう」
「おはよう」
神様が言ってた魔族だよな?
本当に人間となに一つ変わらないじゃないか。
「名前は?」
「レファ」
おぉ、外国っぽい名前だ。
それにしてもきれいなピンクの髪だな。
「魔族なんだよな?」
「うん」
「なんでここにいるんだ?」
「なんとなく?」
……まぁいいか。
「どこから来たんだ?」
「魔王城」
魔王城!?
ラスボスの魔王がいるところか!?
てことはこの少女もかなり強いのでは?
終盤の敵ってことだよな?
「頼みたいことがあるんだ」
「モンスターとの橋渡しでしょ?」
「そうだ。引き受けてくれるのか?」
「いいよ。暇だったし」
人間が攻め込んだりしてこないのか?
勇者はいったいなにしてるんだ。
「具体的に言うと、モンスターが持ってる人間用の装備品を買い取ってもらいたいんだ」
「うん。知り合いに任せるからたぶん大丈夫」
知り合い?
「レファがやってくれるんじゃないのか?」
「私はあまり関わりたくない。キモいもん」
モンスターなんだから多少見た目があれでもさ……。
「わかった。その知り合いから装備品をレファが受け取ってきてくれるんだな?」
「それも面倒だから直接ここに持ってきてもらう」
どういうことだ?
それなら俺はレファじゃなくてその知り合いと話したほうがいいのでは?
「じゃあレファはなにをするんだ?」
「それをあなたが教えてくれるんじゃないの?」
神様はなにを考えてるんだ?
「レファの得意分野はなんだ?」
「モンスター生成」
「モンスター生成!?」
えっと、少し整理しよう。
モンスターたちが武器防具を持ってるのは間違いない。
その買取交渉はレファの知り合いがやってくれる。
でもその知り合いじゃなくてレファがここに来ている。
そしてレファはモンスター生成が得意だと言っている。
「誰に言われてここに来た?」
「だからなんとなくだってば。気付いたら足がここに向いてたの」
「ガチャって知ってる?」
「なにそれ」
本当に買取のこと以外なにも知らないでここに来たのか。
その知り合いが本命かとも思ったが違うようだ。
てことはモンスター生成が鍵になるのか?
…………なるほど。
神様はずいぶんと気前がいいようだ。
「ここに住むか?」
「うん」
「即答なんだな」
「なんか面白そうだし」
神様に住めって言われたわけでもなさそうだな。
魔族ってそんなに暇なのか?
「その知り合いも呼べるか?」
「うん。ちょっと待って」
レファは手を動かしながらなにか呟きだした。
すると、空中に魔法陣のようなものが出現した。
これが魔法か。
「マドラーナ」
レファは何回かそう呟くが、首を捻っている。
……魔法の発動に失敗してるのか?
「ここじゃ無理みたい。地下二階に行こう」
「地下二階?」
昨日確認したときには地下一階までしかなかったはずだが?
レファのあとに続いて階段を下りていくと確かに地下二階が存在していた。
……神様が追加したのか。
そして地下二階でレファは先ほどと同じように魔法を唱える。
「マドラーナ」
レファがそう言った直後、魔法陣から人が出てきた。
「なっ!?」
「彼女はマドラーナ」
「初めまして。以後お見知りおきを」
マドラーナはさっと跪いた。
レファの家来なのかな。
って違う!
これだ!
俺が想像してた魔族に近い!
肌の色は少し紫がかっていて、頭には角が生えている。
それに今はたたんでいるようだが翼みたいなものも見える。
まさに魔族じゃないか!
「初めまして、俺はヤマトだ」
「ヤマト様ですね。私はレファ様の命令ならなんでもお聞きしますので」
「マドラーナも魔族なのか?」
「いえ、私はモンスターです」
「モンスター!?」
魔族じゃなくてモンスター?
人型のモンスターってわけか。
「もしかしてレファが生成したのか?」
「うん。マドラーナは優しいから安心して」
そうか、モンスターなんだから少しはこわがるべきたったか。
好奇心が勝ってしまった。
というかこんなレベルのモンスターも生成できるのか。
強さはわからないが、話すことができるのはボスレベルって神様が言ってたしな。
「俺は人間だが、殺さないのか?」
「私は無抵抗の相手には攻撃しません」
優しいというのは本当なのかもしれない。
「仕事の話なんだが、武器と防具を集めてほしいんだ」
「はい。モンスターの住処から拾ってきます」
「拾うんじゃなくて、買取できないかな?」
「買取ですか? モンスターから?」
「あぁ、金は渡すからさ」
拾うってことは盗んでくるのと同じだからな。
いくらモンスターからといえどそれは申し訳ない。
それにモンスターが怒っても面倒だしな。
「レファ様、どうしたらいいのでしょう?」
「できる? できるならやってみて」
「はい、かしこまりました」
俺はマドラーナに金を渡す。
レファがまた魔法陣を出すと、マドラーナはそこからどこかに消えていった。
「ねぇ、私にはまだだったのになんでマドラーナには名乗ったの?」
「え? そういやそうだな」
少し拗ねてるっぽいな。
名前くらいどうでもいいじゃないか。
「レファは強いのか?」
「まぁね。一応魔王の血を引いてるからね」
…………それって魔王の娘ってことか?
まさか魔王本人じゃないだろうな……
……考えても無駄なようだな。
「おはよう」
「おはよう」
神様が言ってた魔族だよな?
本当に人間となに一つ変わらないじゃないか。
「名前は?」
「レファ」
おぉ、外国っぽい名前だ。
それにしてもきれいなピンクの髪だな。
「魔族なんだよな?」
「うん」
「なんでここにいるんだ?」
「なんとなく?」
……まぁいいか。
「どこから来たんだ?」
「魔王城」
魔王城!?
ラスボスの魔王がいるところか!?
てことはこの少女もかなり強いのでは?
終盤の敵ってことだよな?
「頼みたいことがあるんだ」
「モンスターとの橋渡しでしょ?」
「そうだ。引き受けてくれるのか?」
「いいよ。暇だったし」
人間が攻め込んだりしてこないのか?
勇者はいったいなにしてるんだ。
「具体的に言うと、モンスターが持ってる人間用の装備品を買い取ってもらいたいんだ」
「うん。知り合いに任せるからたぶん大丈夫」
知り合い?
「レファがやってくれるんじゃないのか?」
「私はあまり関わりたくない。キモいもん」
モンスターなんだから多少見た目があれでもさ……。
「わかった。その知り合いから装備品をレファが受け取ってきてくれるんだな?」
「それも面倒だから直接ここに持ってきてもらう」
どういうことだ?
それなら俺はレファじゃなくてその知り合いと話したほうがいいのでは?
「じゃあレファはなにをするんだ?」
「それをあなたが教えてくれるんじゃないの?」
神様はなにを考えてるんだ?
「レファの得意分野はなんだ?」
「モンスター生成」
「モンスター生成!?」
えっと、少し整理しよう。
モンスターたちが武器防具を持ってるのは間違いない。
その買取交渉はレファの知り合いがやってくれる。
でもその知り合いじゃなくてレファがここに来ている。
そしてレファはモンスター生成が得意だと言っている。
「誰に言われてここに来た?」
「だからなんとなくだってば。気付いたら足がここに向いてたの」
「ガチャって知ってる?」
「なにそれ」
本当に買取のこと以外なにも知らないでここに来たのか。
その知り合いが本命かとも思ったが違うようだ。
てことはモンスター生成が鍵になるのか?
…………なるほど。
神様はずいぶんと気前がいいようだ。
「ここに住むか?」
「うん」
「即答なんだな」
「なんか面白そうだし」
神様に住めって言われたわけでもなさそうだな。
魔族ってそんなに暇なのか?
「その知り合いも呼べるか?」
「うん。ちょっと待って」
レファは手を動かしながらなにか呟きだした。
すると、空中に魔法陣のようなものが出現した。
これが魔法か。
「マドラーナ」
レファは何回かそう呟くが、首を捻っている。
……魔法の発動に失敗してるのか?
「ここじゃ無理みたい。地下二階に行こう」
「地下二階?」
昨日確認したときには地下一階までしかなかったはずだが?
レファのあとに続いて階段を下りていくと確かに地下二階が存在していた。
……神様が追加したのか。
そして地下二階でレファは先ほどと同じように魔法を唱える。
「マドラーナ」
レファがそう言った直後、魔法陣から人が出てきた。
「なっ!?」
「彼女はマドラーナ」
「初めまして。以後お見知りおきを」
マドラーナはさっと跪いた。
レファの家来なのかな。
って違う!
これだ!
俺が想像してた魔族に近い!
肌の色は少し紫がかっていて、頭には角が生えている。
それに今はたたんでいるようだが翼みたいなものも見える。
まさに魔族じゃないか!
「初めまして、俺はヤマトだ」
「ヤマト様ですね。私はレファ様の命令ならなんでもお聞きしますので」
「マドラーナも魔族なのか?」
「いえ、私はモンスターです」
「モンスター!?」
魔族じゃなくてモンスター?
人型のモンスターってわけか。
「もしかしてレファが生成したのか?」
「うん。マドラーナは優しいから安心して」
そうか、モンスターなんだから少しはこわがるべきたったか。
好奇心が勝ってしまった。
というかこんなレベルのモンスターも生成できるのか。
強さはわからないが、話すことができるのはボスレベルって神様が言ってたしな。
「俺は人間だが、殺さないのか?」
「私は無抵抗の相手には攻撃しません」
優しいというのは本当なのかもしれない。
「仕事の話なんだが、武器と防具を集めてほしいんだ」
「はい。モンスターの住処から拾ってきます」
「拾うんじゃなくて、買取できないかな?」
「買取ですか? モンスターから?」
「あぁ、金は渡すからさ」
拾うってことは盗んでくるのと同じだからな。
いくらモンスターからといえどそれは申し訳ない。
それにモンスターが怒っても面倒だしな。
「レファ様、どうしたらいいのでしょう?」
「できる? できるならやってみて」
「はい、かしこまりました」
俺はマドラーナに金を渡す。
レファがまた魔法陣を出すと、マドラーナはそこからどこかに消えていった。
「ねぇ、私にはまだだったのになんでマドラーナには名乗ったの?」
「え? そういやそうだな」
少し拗ねてるっぽいな。
名前くらいどうでもいいじゃないか。
「レファは強いのか?」
「まぁね。一応魔王の血を引いてるからね」
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まさか魔王本人じゃないだろうな……
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