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第6部 西校舎攻略編
第174話 進出!北部戦線!
しおりを挟む西校舎の南方をチョーウンが平定している頃、北部での戦いも激化していた。
「お前たち、手を緩めるな!
リュービさんのためにもこの教室を死守するんだ!」
声を張り上げ指示を飛ばすのは、茶髪の頭にゴーグルをつけ、ダウンジャケットを着た、まるで少年漫画の主人公のような姿をした男子生徒・カクシュン。
彼は北部の守りをリュービから一任されていた。彼の守る教室が陥落すれば、敵にリュービ本軍の背後を突かれてしまう。さらに今まで攻略した教室も連鎖的に寝返る可能性もある。
味方をそんな危険に晒させないためにカクシュンは一人、この地を懸命に守り通していた。
「カクシュン軍は少数だ!
一気に叩き潰してしまえ!」
対する敵はリュウショウ陣営の北方総司令官・ホーギ。彼の尖兵であるフキン・ショウソンの二将は倍以上の兵力でカクシュンの籠もる教室を包囲し、苛烈な攻撃を与えた。
だが、カクシュン軍の必死の抵抗で、いつまでも落とせぬ状況が続いた。
「ううむ、カクシュンを包囲して随分時間が経ってしまった。
このままではホーギ様に責任を取らされてしまうぞ……」
「おい、フキン!」
頭を悩ますホーギ軍の将・フキンの元に、もう一人の将・ショウソンが駆け寄った。
「どうしたショウソン。
何か教室を落とす秘策でも閃いたか?」
「ああ、今し方、教室内のラモウという生徒から我らに降伏したいと申し出があった。
合図を送れば密かに後の戸を開けて我らを招き入れると」
「おお、連日の猛攻に音を上げた生徒が出てきたか! これでホーギ様の折檻を受けずに済む!
よし、俺が前の戸に集中して猛攻撃を仕掛けて注目を集めよう」
「では、俺がその隙に後の戸に回って合図を送ろう」
長い戦いにようやく勝利できると意気揚々とショウソンは教室の後ろに回った。
「よし、フキンの猛攻撃が始まったな。
教室に合図を送れ!」
ショウソンが合図を送ると手筈通り教室の扉が開かれた。ショウソン軍は我先にと扉へ殺到した。
だが、教室の先に待ち構えていたのはゴーグルをつけた男子生徒、籠城の大将・カクシュンであった。
「引っかかったな!」
「しまった! 罠だ!」
「お前たちが分断されるこの時を待っていた!
覚悟しろ! ショウソン!」
先頭に立っていた大将・ショウソンはカクシュンによって討たれた。
もう一人の大将・フキンはショウソンが討たれたと知ると、そのまま逃げ出し、カクシュンを包囲していた兵士も散り散りになって崩壊した。
この敗報はすぐさま彼らの総大将・ホーギの元へと届けられた。
「それでショウソンを失い、そのまま逃げ帰ってきたのか!」
凄みのある低い声が辺りに響く。
「も、申し訳ありません! ホーギ様!」
敗走したフキンは土下座して眼の前の男に許しを請うた。
彼の眼の前に座っているのは、顎髭を蓄えた威厳のある顔つきに、白い軍服に身を包んだ男子生徒。
彼が北方軍の総司令官・ホーギであった。
彼はリュウショウの兄で、先代の美術部部長・リュウエンの友人であった。リュウショウが部長を引き継ぐ時に協力し、対チョウロ戦の総司令官にまで昇進した。現在のリュウショウ配下の序列では第一に位置する家臣だった。
「倍の兵でもカクシュンを倒せんのか」
不機嫌そうにホーギはボヤいた。
実のところ、ホーギは総司令官としての素質には欠けていた。北のチョウロとの戦いでは度々負けていた。それなのに権力を笠に着て、一人の群雄のように勝手に振る舞っていた。
そのためにリュウショウとの関係は悪化し、一時は一触即発の事態にまで発展した。その時は武将・テイキの説得もあり、大事には至らなかった。
しかしその後、リュウショウは代わりのチョウロ戦の司令官としてリュービを呼び寄せてしまった。役割を奪われたホーギとしては、リュービ撃退で功績を上げなければ、いよいよ立場も危ういところであった。
「カクシュンを倒さねば、リュービを攻めに行けん。
それなのにそのカクシュンすら攻略できんのか!」
顎髭の男・ホーギは椅子の肘置きをドンと叩いて、怒りを露わにした。
腹を立てるホーギの元にさらに悪い知らせが届く。
「何っ?
チョーヒがこちらに向かって迫ってきているだと!」
それはリュービの将軍・チョーヒが北方へ向けて進軍しているという情報であった。
さらなる援軍の到着、それも勇名高いチョーヒの到着は、ホーギにとって悲報以外の何ものでもなかった。
「よりにもよって猛将・チョーヒが来るのか。
とてつもない強敵だ。しかし、何も手を打たんわけにもいくまい。
リイ!」
ホーギは部下の男を呼びつけた。
呼ばれた、目つきの悪い金髪の、軍服を着崩した男子生徒・リイは、厄介事を命じられたと目元をピクリと動かして前に進み出た。
「リイ、お前をチョーヒ討伐の指揮官に命じる。
参謀にはキョウシン。そして兵百人を与える」
その指示に、目つきの悪い男・リイは抗議を始めた。
「待ってくれ、ホーギ様!
敵のチョーヒ軍は投降兵をも吸収して二百近い数だという。
先ほどのカクシュン戦では、八十の敵軍に対して倍以上の二百の兵を与えた。
それなのに俺はチョーヒ軍二百人に対して、それより少ない百人しか与えてくれないのか!
相手はあのチョーヒだ。俺も倍、いや、三倍の兵をくれ!」
リイからすれば当然の要求のつもりであった。だが、ホーギはその要求を退けた。
「その送り出した二百の兵が負けて逃げてしまったばかりだ。これ以上の兵は出せん!
もっと兵が欲しいのならお前が集めろ!」
「そんな!
チョーヒがどれほどの豪傑か、ホーギ様も噂は聞いたことがあるでしょう!」
「リイ、お前も日頃より西校舎一の猛将と豪語しているではないか!
お前の普段の素行に目を瞑り、今まで勝手を許したのはなんのためか! 今日この日のためだろう!
わかったなら、早く行け!」
ホーギに半ば追い出される形で、リイは百の兵を引き連れてチョーヒ討伐に向かった。
目つきの悪い男・リイは不満タラタラの様子であった。だが、チョーヒが来る前に対策を練らねばならない。参謀に任命された角張った顔の男・キョウシンは彼に尋ねた。
「リイ将軍、どのような方策でチョーヒを破りますか?」
「どんなも何もこんな兵力で勝負になるものか。
いや、そうだな。ホーギ様は兵を自分で集めろといった。ならばそうさせてもらおう。
この辺りにはまだ非戦闘員の生徒が何人も残っているだろう。それを片っ端から徴発してこい!
非戦闘員でもかき集めれば戦力になるはずだ!」
リイ将軍の指示により、周辺の戦いを苦手とする生徒たちを男女問わずかき集め始めた。
彼ら彼女らは非力な文化系の生徒が多かった。力で勝る兵士たちは脅して無理やり戦列に加えた。生徒からは不満の声が上がったが、リイ将軍は知ったことかとばかりに構わず徴用を続けた。
そのあまりの様子に一人の男子が彼の前に現れた。
「お待ち下さい、リイ将軍。
この者たちは戦闘には加わらなくとも、今までリュウショウ様の統治に協力してきた者たちです。
その者たちを強制的に徴用すれば、怨嗟の声が上がり、巡り巡ってリュウショウ様の西校舎の支配を困難にすることでしょう。
このようなことは即刻、お止めください!」
そう諌めたのは、赤髪にスマートな体型の、軍服を着た男子生徒であった。
リイ将軍にはこの男が自軍の兵士であることはわかるが、見覚えはなかった。彼は不服そうに諌めた男子生徒に尋ねた。
「お前は誰だ?
名前と階級を言え」
「はい、私はチョウギョク、兵卒です」
その回答にリイ将軍は一瞬にして怒りが頂点に達した。
「兵卒だと!
部隊長でも小隊長でも班長ですらない一番の下っ端の兵卒か!
下っ端が将軍であるこの俺に意見するんじゃない! とっとと仕事に戻れて!」
「しかし!」
「しかしも何もない! 誰かこいつを仕事に連れて行け!」
しつこく食い下がる赤髪の男・チョウギョクを、リイ将軍は別に部下に命じて引き剥がした。
「まったく、身の程知らずな男だ!
兵力に余裕があれば真っ先にクビにするのに!」
リイ将軍は腹を立てたが、今は一人でも兵士が欲しい時。彼は仕方なく我慢して、チョウギョクを罰するまではしなかった。
そんなこんなでリイ将軍が集めに集めた生徒は約二百人。連れてきた兵士と合わせれば三百人の大部隊となった。
「敵の三倍とまではいかなかったが、勝るだけの兵を集めることが出来たぞ。
だが、相手はあのチョーヒだ。真正面から挑んで勝てる相手ではないな……そうだ!」
策を思いついたリイは、参謀のキョウシンを呼び寄せた。
「連れてきた兵士百人を半分に分けるぞ。
キョウシン、お前は半分の兵士と徴用兵二百人を引き連れてチョーヒ軍の侵攻を真正面から防げ!
俺はその間に残りの兵士五十人を引き連れて敵の背後に奇襲を仕掛ける!」
名案のように語るリイ将軍相手に、参謀のキョウシンは困惑したような顔で反論した。
「敵のチョーヒは猛将として知られています。二百五十人の兵で、それも大半は非戦闘員の部隊で防げるものではありません。
それに奇襲なんて見え透いた手に敵は引っかかるでしょうか?」
「お前は参謀なのに軍事を知らんな。
奇襲こそ最も戦果の上がる戦い方なんだ!
それにお前の部隊が崩壊する前に俺が敵軍を打ち破るから問題はない!」
得意気に語るリイ相手に、キョウシンは反論は無駄と悟って指示に従うことにした。
リイは去り際にさらに彼に重ねて指示を出した。
「あの生意気な兵卒の……チョウギと言ったか?」
その言葉にキョウシンは少し考えて答えた。
「チョウギ……?
ああ、チョウギョクですか?」
「そう、そのチョウギョクだ。
あの兵卒は俺の部隊に編入しておけ。もしもの時は盾に使ってやる」
リイ将軍は五十人の兵士を率いると、敵に見つからない、それでいて両軍の戦いが見れる場所へと身を隠した。
その点は西校舎の地の利を熟知しているリイの腕の見せ所だ。彼はチョーヒ軍の動きが見える絶好の場所に潜んだ。
一方、防衛を任された参謀・キョウシンは、敵の侵攻を妨げるように廊下へと布陣した。
進軍したチョーヒ軍は想定通りに、真正面からキョウシン軍へ勝負を挑んだ。
チョーヒ軍二百対キョウシン軍二百五十の戦いであった。
「お前ら敵を見るんだぜ!
敵は数こそ多いが、戦う気構えもまるで出来ていないトーシロの軍団だぜ!
あんなのお前らの敵じゃねーぜ!
思いっきり行くんだぜ!」
チョーヒの掛け声とともに戦端が開かれた。チョーヒ軍の兵士は初戦のゲンガン戦でこそ不出来な戦いぶりであった。だが、元はチョーヒが鍛えに鍛えた精鋭たち。ゲンガン戦、チョーエー戦と実戦を重ね、一人前の熟練兵へと成長していた。
対するキョウシン軍は、大半は強制連行された文字通りの素人であった。残りの兵士もチョーヒ軍ほどの練度には到底届かなかった。
戦いは一方的にチョーヒ軍に押しまくられた。
その状況を参謀・キョウシンは冷静に見ていた。
「やはり、あの部隊では勝負にならないか。
お前たち、逃げ散る徴用兵を追ってはならない。
我らは徴用兵が逃げるまでは時間を稼げ。戦闘員であるせめてもの責任を果たそう」
一方、戦況を隠れて見守っていた将軍のリイはこの状況に愕然とした。
「なんということだ! ここまで一方的なのか!
キョウシンの奴め、何をやっている! 徴用兵を盾代わりに使うぐらい考えられんのか!
どうする? このままチョーヒ軍に奇襲を仕掛けてもとても通用せんぞ! 何か奴に弱点は無いのか!」
リイは息を潜ませ、数人の共とともにチョーヒの直ぐ側までやって来て、敵をよく観察した。
指揮官と思わしきお団子ヘアーの女生徒が大声で指示を飛ばしている。あれがチョーヒだろう。
そのすぐ隣に桃色の長い髪の女生徒が立っていた。
「チョーヒちゃん! この調子ならこの戦いもすぐに終わりそうね!」
「おい、リン!
お前は弱いんだから前線に出てくるんじゃないんだぜ!」
「もう、チョーヒちゃんのイジワル!」
その二人のやり取りを密かに盗み聞きたリイ将軍は満面の笑みを浮かべた。
「あの隣にいる女は非戦闘員か。これは良いことを聞いたぞ。
チョーヒの弱点を見つけた!」
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最新話まで読んでいただきありがとうございました。
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