学園戦記三国志~リュービ、二人の美少女と義兄妹の契りを結び、学園において英雄にならんとす 正史風味~

トベ・イツキ

文字の大きさ
上 下
32 / 223
第3部 群雄割拠編

第31話 姉弟!リョフとリュービ!

しおりを挟む
 リョフの庇護下に入った俺達三兄妹には、部室隣の準備室を拠点としてあてがわれた。 

「アニキ…なんで部長をリョフに譲っちまったんだぜ…」

「今、文芸部は外にエンジュツ・ソウソウ、内にリョフ・ソウヒョウと敵に囲まれている。

 やはり今の俺では力不足なんだ。とても守りきれそうにない。リョフが部長になれば一先ずはソウソウ以外の敵を解決できる」

「だからってリョフと姉弟になるなんてよ…」

「チョーヒ、あまり兄さんを困らせてはいけないわ」

「リュービ…ここに…いたか…見回りに…行くぞ…ついて…こい…」

「はい、姉さん」

 俺はカンウ・チョーヒを残し、リョフと二人で校内に赴いた。

 チョーヒは俺がリョフを姉さんと呼ぶことが不愉快な様子だ。カンウも口には出さないが顔を曇らせながら俺を見送る。

「うう…なんだよリョフの奴!何かと理由つけてアニキとべったりしやがって!

 アニキもホイホイついて行っちゃってさ!」

「仕方ありません。今の兄さんは立場上断れませんし」

「オレのせいだよな…」

「それは言わない約束でしょ!

 兄さんも言ってたじゃないですか。あの時たまたま反乱が起きただけで、対立は避けられなかったと」

「それでもよ…」

「私だって兄さんが私達から離れるようでさみしい。

 でも今は耐えましょう」



 リョフは俺の腕を組ながら、しょっちゅう方々を連れ回っている。

 あまり表情を変化させないリョフだが、嬉しそうなのは伝わってくる。しかし、リョフみたいに胸の大きな娘に腕を組まれると…その…困ったな。

「リュービ…こっち…だ…」

「姉さん、待って」

「どう…した…顔…赤い…ぞ…」

「え、いやその…

 ね、姉さんの胸がさっきからしきりに当たってるんだけど…」

「私の…胸…

 リュービ…勃った…のか…?」

「勃っ…姉さん、何言ってんの!」

「トータク…よく…言って…た…私の…胸…見てた…ら…勃つ…だから…揉ませろ…って…

 その度に…殴り…飛ばして…た…」

「トータク…ホント酷いな」

 かつてこの学園を支配下に置こうとした魔王・トータク。まさか倒した今になってまた俺の頭を悩ましてくるとは思わなかった。

「でも…リュービ…なら…いい…ぞ…揉む…か…?」

「え………

 いやいやいや何言ってんだよ、姉さん!」

「リョフ!何やってるんですか!」

「カンウ!」

 カンウが鬼の形相でこちらを睨み付けている。

「心配して様子見に来たてみたら…何ハレンチなことやってるんですか!それは姉弟じゃなくて男女の仲でやることです!」

 カンウがずかずかとこちらに向かってくると、俺の腕を掴んだ。

「兄さん!ここにいては行けません!帰りますよ!」

「わ、ちょっとカンウ!」

 カンウに引っ張られてる形で俺はリョフを一人残して教室に戻った。

「男女…の仲…?」



 準備室~

「兄さん!私はもう我慢できません!リョフと姉弟の仲を解消してください!」

「そうだぜアニキ!このままじゃ…その…アニキの貞操が奪われちまうぞ!」

「二人とも落ち着けって!」

 先程のリョフとのやり取りでカンウも怒りをあらわにして、チョーヒと共に俺に詰め寄ってくる。

「兄さん…リョフに胸触っていいって言われて少し迷いましたよね?」

「え、いや…それは…」

「やっぱりアニキは大きい方が好きなのか!」

「別にそういうわけじゃ…」

「じゃあ、小さ…大きすぎない方が好きなのか!」

「なんでそうなるんだよ。落ち着いてくれ二人とも…」

「とにかくリョフとの姉弟の仲を解消してください!」

「そうだぜ!あんなデカイ胸の奴と仲良くするなんて絶対許せないぜ!」

 カンウはいいのかと思ったが、とてもそんなことを言える状態じゃないな。

「わかった!リョフとの姉弟の仲は解消してもらう!」

「本当ですね、兄さん!」

「アニキ、嘘じゃないな!」

「今からリョフと会って直接言う。すぐに連絡を取ろう!」

 俺はリョフへSNSで連絡を送った。

 “二人だけで大事な話があります。準備室隣の空き教室まで来て下さい”

 リョフからすぐ返事がきた。

“私も大事な話があります。すぐ行きます”

 リョフからも大事な話?いや、今は姉弟解消のことを最優先で考えよう。

「よし、じゃあ行ってくる!」

「兄さん、一応私達は入口前で待ってます。何かあったら呼んでください」

 俺が空き教室で待つと、まもなくリョフも教室に入ってきた。

 あれだけ嬉しそうに俺に構ってくれていたリョフ。姉弟解消がすんなりいくとは思えない。

 だが、例え殴られてもここは聞き入れてもらうしかない。

「リュービ…話とは…なんだ…」

「リョフ!君との姉弟の仲を解消して欲しいんだ!」

「わかった…解消…しよう…」

「ああ、すぐ納得してもらえないだろう、だが、やはり

 え、いいの?」

「ああ…私も…その事を…言おうと…思ってたん…だ…お前は…弟に…すべきじゃ…なかったんじゃ…ないか…って…」

「そうか、リョフも同じように思ってたのか。良かった、これで姉弟じゃないね」

「ああ…リュービ…

 今日…から…私達は…恋人…だ!」

「え、恋人!?」

「お前と…話して…気付いた…私は…リュービを…男として…愛して…いる…と…だから…姉弟…じゃない…

 リュービも…同じ…気持ち…で…嬉しい…これで…私達…男女の…仲!」

「ま、待ってリョフ!てか、なんで俺のズボンを掴んでんの!」

 リョフは俺のズボンをむんずと掴み、さらにベルトに手を伸ばした。

「トータク…言ってた…男が…いる…女が…いる…愛が…ある…

 すなわち…セックスだ…と」

 そんなわけないだろ。トータクの性教育を鵜呑みにしちゃダメだって!

「待ってダメだリョフ、それはまずいって!」

「リュービ…初めて…か…?私も…初めて…だ…

 ふふ…お揃いだ…な…」

 少し顔を赤らめながら微笑むリョフ。表情だけ見ると初々しい乙女だが、とんでもない力で俺のズボンを剥ぎ取り、更にはパンツにまで手をかけた。

「ダメだ…リョフに力では勝てない…待ってくれリョフ!」

 俺が声を荒げたのを聞き付けて、外で待機していたカンウ・チョーヒが部屋に入ってきた。

 しかし、一歩遅かった。

「大丈夫ですか!兄さん!

 キャー!

 何出してるんですか兄さん!」

「ア、アニキ…女の子に何見せてんだよ!」

「違う!これはリョフに無理矢理!」

「いいから早くパンツ穿いてください!」

 カンウは目をそらしながら、脱ぎ捨ててあるパンツを俺に投げつけてきた。

「うう…見られてしまった…」

「リュービ…大丈夫…トータク…より…大き…かった…自信…持って…」

「そういう話じゃない!」

「何を比べてるんですか!」

「アニキのってトータクより大きいのか…」

「チョーヒも変なこと言わない!」

「私…こういう…の…初めて…

 でも…トータクと…リジュの…何度か…見た…だから…わかる…私に…任せ…て!」

 リョフはまだ諦めてないようだ。俺の方にジリジリと寄ってくる。

「いや、リョフ、こういうことはもっと深く愛しあった仲でやることであって…」

「リュービ…私とじゃ…イヤ?」

「イヤじゃないんだけど…その…こ、心の準備が…」

「何言ってるんですか兄さん!リョフ!貴女に兄さんは渡しません!」

「わかっ…た…ならば…戦って…リュービを…奪い…とる…! 」



 文芸部・準備室~

「リョフからの宣戦布告か。リョフ相手では今の俺達の戦力じゃあとても勝てないな…」

「すみません、兄さん…私のせいで戦争になってしまって」

「いや、どちらにしてもリョフとの姉弟ごっこは長く続かなかったさ」

「こうなったら私がリョフに一騎討ちを挑んで倒します!」

「オレもリョフと一騎討ちするぜ!」

「待ってくれ、リョフと一騎討ちはまずい。

 うーん、俺が捕られられても今とそんなに変わらないんじゃ…リョフとこ、恋人になるぐらいで。リョフと恋人か………いやいや、それは避けなくちゃ。

 それに捕られておしまいではチンキュウ辺り納得しないだろうし、俺達の学園生活も終わるかもしれないな…」

 リョフと戦って勝ち目はないか…ならば取るべき道は一つだな。

「よし、逃げよう」

「逃げるのかよアニキ!」

「今はリョフと戦える状況じゃない」

「でも兄さん、逃げるといってもどこへ?」

「ソウソウのところに逃げよう。今まで密かにソウソウとは関係修復を図っていた。まだ完全とは言えないが、この辺りで受け入れてくれる可能性があるのはソウソウだ」

「でも、ソウソウさんとはこの前戦ったばかりですよ。コウソンサン先輩やソンサクさんのところではどうですか?」

「ここから先輩のいる北校舎もソンサクのいる東校舎も遠すぎて途中で捕まってしまう恐れがある。

 それに二人ともエンジュツと同盟を結んでいる。エンジュツと対立している俺が行くと迷惑になってしまうよ」

 そうと決まれば準備は早い方がいい。俺についてきてくれた文芸部の面々に今の状況を説明した。

 まあ、リョフの恋人云々の辺りは適当にごまかしたが…

「かくかくしかじかで俺達は文芸部を去る。君達は部員だ。残ってくれて構わない」

 くせっ毛の女生徒・ビジクとその妹・ビホウが立ち上がってくれた。

「私達姉妹もお供します」

「しょうがねーなー。俺がついていってやるかー。

 ま、俺は部員じゃないけどなー」

 へらへら顔の男子生徒・カンヨーも俺についていくと言ってくれた。てか、カンヨーいたのか。

 その他、何名かの部員が俺との同行を希望してくれた。

「皆、ありがとう。では、ついてくるものだけソウソウのところに向けて走るぞ!」



 文芸部・図書室~

「リュービと…戦う…お前達…準備…しろ…」

リョフの突然の命令にキョトンとする参謀・チンキュウ。

「ど、どういう風の吹き回しですか?

 いや、それはいいことです。早く倒しましょう、そうしましょう!」

 チンキュウにとってリュービは邪魔者でしかない。リョフがようやくリュービ討伐に賛成してくれたと思い、はりきって準備を始めた。

 しかしそこへオールバックにした男子生徒・ゾウハが気まずそうに報告する。

「なあ、そのリュービ達ならもういないみたいっすよ」

「な…に…何処に…行った…!」

「リョフ様!リュービの行方なら我らで探しますから今は落ち着いてください」

「うう…リュービ…」



「ソウソウと連絡がついた。俺達を受け入れてくれるそうだ」

「くそーこんな夜逃げみたいなことしなきゃいけないなんて最悪だぜ」

「おかげで見つからずに来れたじゃないですか」

 リョフのもとより逃亡した俺達を、赤黒い髪と瞳の女生徒・ソウソウが自ら出迎えてくれた。

「リュービ、よく来た。歓迎するぞ」

「ソウソウ、助けてくれてありがとう」

「うーん、これ状況あんま変わんない気がするぜ」



 文芸部・書庫~

 チンケイ・チントウ兄妹は逃亡するリュービ達を見送ると、書庫に移動した。

「行ってしまいましたね」

「チントウ、お前は好きな男についていかなくて良かったのか?」

「な、に、兄さん!私はリュービのことはなんとも思ってません!」

「誰もリュービのこととは言ってないがな」

「からかわないでください兄さん!私は文芸部を守るためにいるんです!」

「ああ、そうだ。

 我等の次の役目はリョフを追い出すことだ…」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)

@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」 このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。 「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。 男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。 「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。 青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。 ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。 「カクヨム」さんが先行投稿になります。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

処理中です...