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第3部 群雄割拠編
第24話 躍進!小覇王ソンサク!
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「あれがリュウヨウ軍が籠る部室棟ね。
よし、ちょっと様子見てくる。テイフ、留守番よろしくね」
気持ちが逸るソンサクは、戦闘準備を始めていた自軍をよそに一人駆け出してしまった。
「待てソンサク、危ないぞ!」
「少し偵察するだけじゃけー大丈夫よ」
「ああもう。リュービ、ソンサクについてやってくれないか」
「わかった、すぐ追いかけよう」
「兄さん、私達もお供します」
「オレとカン姉がいれば、もしもの時も安心だぜ!」
「よし、カンウ・チョーヒ、すぐにソンサクを追おう」
テイフやシュウユ達は戦闘準備で忙しい。手透きの俺達がソンサクの後を追ったが、既にソンサクは遥か彼方を駆けていた。
「相変わらず速いなぁ」
「静かじゃね。本当にリュウヨウ軍はあそこに籠っているのかな」
ソンサクは部室棟側の草むらから様子を伺っていた。
「おい、お前そこで何をしている。
ん?お前はソンサク!」
ソンサクが遭遇したのは、背中に『信義』と書かれた真っ赤な羽織に、長い黒髪をひとつ結びにした長身の女生徒であった。
「なんだ、もうばれちゃったのか。
君はリュウヨウの部下か?」
「拙者はリュウヨウの客将太史慈。
人呼んで『信義の美丈夫』タイシジ!ここでお前を倒す!」
「いいよ、相手してやるけーかかってき」
タイシジが殴りかかるのをソンサクひらりとかわすが、タイシジ瞬時に胸元から取り出した扇子を投げつける。
ソンサク慌ててかわすも、その隙にタイシジは、ソンサクを組伏せる。
「あの扇子…君があの時の娘か」
「拙者の扇子を二度もかわすとはやるな」
ソンサク、タイシジを蹴り飛ばし落ちていた木の棒きれを手に身構える。
しかし、タイシジはすかさずその棒きれを蹴飛ばし、再び胸元から扇子を取り構えて対峙する。
「やるね君!」
「そっちこそ!」
「ソンサク!大丈夫か!」
何者かと闘っているソンサクの姿を見つけると、俺達は急いでソンサクの元に向かった。
「ん、君は!」
「タイシジさんじゃないですか」
「なんでお前がここにいるんだぜ?」
「おや、リュービ殿、奇遇ですな。その様子だとどうやら今はソンサク軍の味方のようですな」
「タイシジ、そういう君はリュウヨウ軍にいるのか?」
「そういうことです。
しかし、ソンサク一人で苦戦しているのに、あなた方三兄妹はいただけない。
とても勝ち目がないのでここは撤退させていただきます。では、さらば!」
タイシジは脱兎の如く逃亡した。
「リュービ、あの子を知っていの?」
「ああ、タイシジとは少し前に一緒に戦ったことがあるんだ。
しかし、困ったな。タイシジは変わり者だが、強い」
「ああ、あの強さは味方に欲しい」
「タイシジ、どこに行ってたんだ!」
「はい、リュウヨウ部長、偵察任務です!」
「ソンサク軍は目の前にいるのに今さら何を偵察するんだ」
「ソンサクが少数でそこにいます。リュービ三兄妹もいますが、全軍で攻めれば捕虜にすることも可能だと思います。攻めましょう!」
「バカなことを言うな。そんなの罠に決まっている。君は側で僕を守ればいいんだ」
「落ち着いてください。リュウヨウ部長!」
「うるさい!ハンノウやサクユウ達も負けてしまった。残りの戦力でなんとかソンサクを防がないと…」
そこに目付きの鋭い男子生徒・シギが部屋に飛び込んできた。
「リュウヨウ部長、ソンサク軍が攻めてきました!その数約500人!」
「500?
バカな、ソンサク軍は100人足らずの少数部隊ではなかったのか?」
「おそらく、連勝により我が軍の敗残兵や新兵を吸収して膨れ上がったのでしょう」
「僕達の残り戦力ではとても勝てない…
よし、逃げよう!僕は逃げる!逃げるぞー!」
「お待ち下さいリュウヨウ部長!」
ソンサク軍襲来に恐れをなしたリュウヨウは側近を引き連れ逃亡し、部屋にはタイシジのみが残された。
「リュウヨウ部長も主だった部員も皆いなくなってしまった。
ということは…この水泳部の主は拙者か!
さあ、残ってる者達よ、ソンサク軍に備えよ!」
ソンサク陣営~
「サクちゃん、リュウヨウが数人の供を引き連れ、裏口から逃亡したようです」
「ユーちゃん、その中にタイシジはいた?」
「それらしい人はいなかったようです」
「なら逃がしてやろうか。
今うちが欲しいのは部員と部室と、そして、タイシジじゃけー。
もはやリュウヨウには用がないけーね」
ソンサク軍は部室棟正面より攻撃を開始した。
対するタイシジ軍は、戦力も乏しく、士気も低く、指揮官もいなかったので一気に劣勢となった。
「やはり拙者が直接指揮を執らねばならないようね。
これより拙者が正面の敵に当たる!あなた達は留守を任せます!」
タイシジは部室棟から飛び出すと、そのままソンサク軍に正面から突っ込んでいった。
「我こそは信義の美丈夫・タイシジ!
腕に自信のあるものはかかってきなさい!」
「ならば俺が相手をしよう。俺の名はテイフ!」
「あんたが空手部のテイフか!相手にとって不足なし!」
タイシジは突き、蹴り、投げと次々と技を繰り出すが、防御に徹するテイフの前に全て不発で終わってしまった。
「あんた中々しぶといな。
だが、防御に徹するばかりでは拙者は倒せぬぞ!」
「ああ、それで構わん。俺の役目はお前の足止めだからな」
「何!?」
その時、部室棟より大音声が響き渡る。
「この部室棟は我らプロレス同好会が陥落させた!」
部室棟の窓より栗色の髪の女生徒・ショーキンが身を乗り出してソンサク軍の旗を降っている。
「何だと!
まさかこんなにあっさり部室棟が占領されるなんて…!」
「プロレス同好会は少し前までサクユウ軍にいた。
まだ我らに寝返ったことを知らぬ者も多くいたのだろう」
「味方と思って通してしまったのか…
こうなっては仕方がない。
このタイシジ、ソンサク軍に降伏する。煮るなり焼くなり好きにせよ!」
降伏したタイシジは一人、ソンサクのいる本陣に通された。
「ソンサク、先ほどぶりだな。それに隣にいるのは我が友・リュービではないか。
まさか、こんな形で再会するとはな…」
「タイシジ、うちは君を罰したいわけじゃない。私の仲間になって欲しいんよ。頼む」
「ソンサクは戦いに強いし、みんなから慕われている。きっと君の力も活かせると思うんだ」
俺はソンサクと共にタイシジの説得に当たった。
「勝者が敗者に頭を下げられては恐縮してしまいますな。それに友からの言葉もあれば断る理由はありません。
わかりました。このタイシジ、これよりソンサク殿の仲間となりましょう。
ただし、生徒会長になる夢は諦めはしませんよ」
「ああ、もちろん。その時が来たら独立してくれてもかまわんよ」
「ならば早速お役に立ちましょう。
これまでの敗戦でリュウヨウ軍は何人も逃げ散ってしまいました。拙者にお命じくだされば、彼らをまとめて配下にしてみせましょう」
「わかった。任せるよ」
ソンサクはタイシジを笑顔で送り出したら、その行動に疑問を持つ者もいた。曰く、もうタイシジは戻ってこないのでは、と。
しかし、ソンサクは意に返さず、タイシジの帰還を待った。そしてタイシジは約束通りリュウヨウ残党を引き連れ帰って来た。
水泳部を吸収したソンサクはその後も快進撃を続け、東校舎を瞬く間に平定。いつしか彼女は校東の小覇王と呼ばれるようになるのだが、それはまた別の話である。
タイシジがソンサクの元に無事戻ってきたのと同じ頃、俺達の元にコウソンサン先輩から連絡がきた。
「リュービ、カンウ、チョーヒ、本当に行ってしまうのか、残念じゃな」
「ああ、先程コウソンサン先輩から連絡があった。文芸部のトウケン先輩がソウソウに攻められて困っているそうだ。俺達の力を是非貸して欲しいと」
「またいつでも来てね。歓迎するけー」
「ありがとうソンサク。また、会おう。
さて、トウケン先輩のところに行こう!」
俺・リュービと、二人の義妹カンウ・チョーヒの三人はトウケン先輩を助けるため、中央校舎に向かった。
しかし、敵として立ちふさがるのはあのソウソウだ。果たして俺達はこの危機を乗り越えられるのだろうか?
よし、ちょっと様子見てくる。テイフ、留守番よろしくね」
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君はリュウヨウの部下か?」
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人呼んで『信義の美丈夫』タイシジ!ここでお前を倒す!」
「いいよ、相手してやるけーかかってき」
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ソンサク慌ててかわすも、その隙にタイシジは、ソンサクを組伏せる。
「あの扇子…君があの時の娘か」
「拙者の扇子を二度もかわすとはやるな」
ソンサク、タイシジを蹴り飛ばし落ちていた木の棒きれを手に身構える。
しかし、タイシジはすかさずその棒きれを蹴飛ばし、再び胸元から扇子を取り構えて対峙する。
「やるね君!」
「そっちこそ!」
「ソンサク!大丈夫か!」
何者かと闘っているソンサクの姿を見つけると、俺達は急いでソンサクの元に向かった。
「ん、君は!」
「タイシジさんじゃないですか」
「なんでお前がここにいるんだぜ?」
「おや、リュービ殿、奇遇ですな。その様子だとどうやら今はソンサク軍の味方のようですな」
「タイシジ、そういう君はリュウヨウ軍にいるのか?」
「そういうことです。
しかし、ソンサク一人で苦戦しているのに、あなた方三兄妹はいただけない。
とても勝ち目がないのでここは撤退させていただきます。では、さらば!」
タイシジは脱兎の如く逃亡した。
「リュービ、あの子を知っていの?」
「ああ、タイシジとは少し前に一緒に戦ったことがあるんだ。
しかし、困ったな。タイシジは変わり者だが、強い」
「ああ、あの強さは味方に欲しい」
「タイシジ、どこに行ってたんだ!」
「はい、リュウヨウ部長、偵察任務です!」
「ソンサク軍は目の前にいるのに今さら何を偵察するんだ」
「ソンサクが少数でそこにいます。リュービ三兄妹もいますが、全軍で攻めれば捕虜にすることも可能だと思います。攻めましょう!」
「バカなことを言うな。そんなの罠に決まっている。君は側で僕を守ればいいんだ」
「落ち着いてください。リュウヨウ部長!」
「うるさい!ハンノウやサクユウ達も負けてしまった。残りの戦力でなんとかソンサクを防がないと…」
そこに目付きの鋭い男子生徒・シギが部屋に飛び込んできた。
「リュウヨウ部長、ソンサク軍が攻めてきました!その数約500人!」
「500?
バカな、ソンサク軍は100人足らずの少数部隊ではなかったのか?」
「おそらく、連勝により我が軍の敗残兵や新兵を吸収して膨れ上がったのでしょう」
「僕達の残り戦力ではとても勝てない…
よし、逃げよう!僕は逃げる!逃げるぞー!」
「お待ち下さいリュウヨウ部長!」
ソンサク軍襲来に恐れをなしたリュウヨウは側近を引き連れ逃亡し、部屋にはタイシジのみが残された。
「リュウヨウ部長も主だった部員も皆いなくなってしまった。
ということは…この水泳部の主は拙者か!
さあ、残ってる者達よ、ソンサク軍に備えよ!」
ソンサク陣営~
「サクちゃん、リュウヨウが数人の供を引き連れ、裏口から逃亡したようです」
「ユーちゃん、その中にタイシジはいた?」
「それらしい人はいなかったようです」
「なら逃がしてやろうか。
今うちが欲しいのは部員と部室と、そして、タイシジじゃけー。
もはやリュウヨウには用がないけーね」
ソンサク軍は部室棟正面より攻撃を開始した。
対するタイシジ軍は、戦力も乏しく、士気も低く、指揮官もいなかったので一気に劣勢となった。
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これより拙者が正面の敵に当たる!あなた達は留守を任せます!」
タイシジは部室棟から飛び出すと、そのままソンサク軍に正面から突っ込んでいった。
「我こそは信義の美丈夫・タイシジ!
腕に自信のあるものはかかってきなさい!」
「ならば俺が相手をしよう。俺の名はテイフ!」
「あんたが空手部のテイフか!相手にとって不足なし!」
タイシジは突き、蹴り、投げと次々と技を繰り出すが、防御に徹するテイフの前に全て不発で終わってしまった。
「あんた中々しぶといな。
だが、防御に徹するばかりでは拙者は倒せぬぞ!」
「ああ、それで構わん。俺の役目はお前の足止めだからな」
「何!?」
その時、部室棟より大音声が響き渡る。
「この部室棟は我らプロレス同好会が陥落させた!」
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「何だと!
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まだ我らに寝返ったことを知らぬ者も多くいたのだろう」
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こうなっては仕方がない。
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まさか、こんな形で再会するとはな…」
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俺はソンサクと共にタイシジの説得に当たった。
「勝者が敗者に頭を下げられては恐縮してしまいますな。それに友からの言葉もあれば断る理由はありません。
わかりました。このタイシジ、これよりソンサク殿の仲間となりましょう。
ただし、生徒会長になる夢は諦めはしませんよ」
「ああ、もちろん。その時が来たら独立してくれてもかまわんよ」
「ならば早速お役に立ちましょう。
これまでの敗戦でリュウヨウ軍は何人も逃げ散ってしまいました。拙者にお命じくだされば、彼らをまとめて配下にしてみせましょう」
「わかった。任せるよ」
ソンサクはタイシジを笑顔で送り出したら、その行動に疑問を持つ者もいた。曰く、もうタイシジは戻ってこないのでは、と。
しかし、ソンサクは意に返さず、タイシジの帰還を待った。そしてタイシジは約束通りリュウヨウ残党を引き連れ帰って来た。
水泳部を吸収したソンサクはその後も快進撃を続け、東校舎を瞬く間に平定。いつしか彼女は校東の小覇王と呼ばれるようになるのだが、それはまた別の話である。
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「ああ、先程コウソンサン先輩から連絡があった。文芸部のトウケン先輩がソウソウに攻められて困っているそうだ。俺達の力を是非貸して欲しいと」
「またいつでも来てね。歓迎するけー」
「ありがとうソンサク。また、会おう。
さて、トウケン先輩のところに行こう!」
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