学園戦記三国志~リュービ、二人の美少女と義兄妹の契りを結び、学園において英雄にならんとす 正史風味~

トベ・イツキ

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第2部 反トータク連合編

第9話 激突!トータク軍!

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 決起集会の翌日、ついにトータクとの決戦となった。

 俺達、反トータク連合は、生徒会室のある校舎に相対する形でグラウンドに集合した。

「リュービ、いよいよ決戦じゃのう」

「うちもいるよ」

 集合場所にソンケン達空手部の面々が俺の元にやってきた。ソンケン・ソンサク以外に四人の男子生徒が同行している。

「ソンケン・ソンサク、まさかこんな大規模な戦いになるとは思わなかったよ」

「はっはっは、お前達三兄妹はソウソウ部隊所属だったな。

 おそらく中で合流するだろうから、うちの空手部の連中を紹介しておこう。

 妹のソンサクは知っとるの。コイツら四人がテイフ・コウガイ・カントウ・ソモじゃ!」

「大将、それでは紹介にならんでしょう。俺は程風普ほどかぜ・ひろし、通称テイフだ。この空手部の副将をやっている」

 挨拶してくれたのは四人の中で最も細身の眼鏡をかけた男子生徒だ。なかなかイケメンだが、インドア派っぽく見える。だが、副将というのだから強いのだろう。

「ワシは黄林蓋きばやし・おおう、通称コウガイじゃ。よろしくな」

 ソンケンとよく似たしゃべり方の男子生徒は、無精髭を生やし、大柄でいかにも強そうだ。

「俺は韓火当からび・あたる、通称、カントウ。よろしく」

 頭に赤いバンダナを巻き、頬に傷がある。背は普通だが、鍛えているのがわかる体つきだ。

「はは、俺は祖山茂そやま・しげる、通称はソモだ。よろしくね」

 上はシャツ一枚で、爽やか体育会系を絵に描いたような男子生徒だ。

「我等ソンケン四騎将よんきしょう、以後、お見知りおきを!」

 四人同時に名乗りをあげる。カントウは頭に赤いバンダナを巻いているので真っ先に目がいったが、テイフは手首、コウガイは太もも、ソモは肩と四人ともどこかに赤い布を巻いている。
 おそらくこれが四騎将の証なんだろう。

「お、エンショウの嬢ちゃんが壇上に上がったな。そろそろ時間のようじゃ。リュービ、次は校舎内で会おう」

「ああ、お互い敵陣を突破して、無事に合流しよう」

 ソンケン他五人は持ち場へと帰っていった。



「あーあー、我々は反トータク連合である!

 トータクは他校の人間でありながら我が校の実権を握り、我が物顔で暮らしている。

 我々はトータクより我が校の自治を取り戻すために結成された!」

  薄紫の長い髪の少女・エンショウが拡声器片手に壇上から校舎に向かって呼び掛ける。

「今より我々は正面より生徒会室を目指す!

 速やかに生徒会室を明け渡し、我々の前に出頭して欲しい!

 抵抗するなら力ずくでお前を拘束する。

 また、我が校の生徒は、学校を愛するならば我等に協力し、トータクを捕らえて欲しい!

 では、今より進行を始める!」

 宣言が終わるとエンショウを拡声器を切り、壇上より降りた。

「こんな感じでよろしかったですの?」

「あー上出来だ。では、我々も戦闘準備に入るかな」

 エンショウに答える赤黒い髪の少女・ソウソウ。先鋒であるソウソウ・ソンケンは戦闘に向け準備に入る。



かおり君、これは何の騒ぎですか!」

 外の騒動を聞きつけ、スーツ姿の若い女性・新学園長が血相をかかえて生徒会室に入ってきた。

「学園長、不良が騒いでるだけです、すぐ鎮まりますよ」

 真面目風の男子生徒・トータクが優しく新学園長をなだめる。

「でも先程の拡声器で話していた子は副会長のまどかさんでは?」

 新学園長は不安な顔で聞き返す。

 先頭が生徒会副会長である。彼女にはただの不良の騒動には見えなかった。

「不良に担がれてるだけですよ」

 トータクは新学園長の肩に手を回し、冷静に話を続ける。

「学園長、貴方は先代が不祥事で突然辞任され、学園長になられたばかりで戸惑いはわかります。

 ですが、血気盛んな高校生、こんな騒動はよくあることです。

 二校を治めた私はこういった騒動はなれております。どうか、私に任せて学園長室でお休み下さい」

「そうですか。私は学生時代も女子校だったのでこういった騒動には慣れておりません。

 かおり君、貴方にお任せします」

「はい、この董卓かおり・すぐるに全てお任せください」

 新学園長はトータクの言葉にひとまず安心したのか、学園長室に戻っていった。

「クックック フハハハ ワーッハッハッハ

 さっさと我輩に全てを任せればいいのだ!全てをな!

 しかし、新学園長は若くてなかなか旨そうだ。この騒動が終わったらベッドで可愛がってやるかな」



 反トータク連合陣営~

 俺、リュービとカンウ・チョーヒの三兄妹はソウソウ部隊と共に北口から侵攻する手筈となっている。

 俺達はソウソウのところへ向かった。

「よく来た、リュービ。そして、カンウ・チョーヒよ。仲間を紹介しておこう。カコウトン・カコウエン・チンキュウはもう知ってるな。こっちが私の親族のソウジン・ソウコウだ」

 ソウソウが手を向けた先には、初めて会う二人の男女が立っていた。

宗仁そう・ひとし、通称、ソウジンだ。よろしくな」


 橙色の髪の男子生徒は、細身で中性的な顔立ちだ。スカートを履いたら女子生徒と間違えてたかもしれない。

 しかし、声はしっかり男性だ。

「私は宗洪美そう・ひろみ、ソウコウだよー!よろしくねー!」


 ツインテールのピンク髪の女生徒がアイドルのような大げさな動作で迎えてくれる。顔は可愛らしいが、ソウソウ・ソウジンとどこか似ている。

「リュービです。そしてこちらの長い髪の方がカンウ、お団子ヘアーがチョーヒ、共に俺の義妹です」

「ソウジン・ソウコウは今まで部隊の人員集めに動いてもらっていた」

「ソウソウ、人員は予定通り集まった。その中に一人見所のある奴がいたから連れてきたぞ」

ソウジンの案内で現れたのは、白い髪をポニーテールにまとめた女の子。小柄だが、凛とした顔つきをしている。

岳真文たけ・まあや、ガクシン」


「口数は少ないが、なかなか腕が立つ。連れていって損はないだろう」

「ソウジンの保証付きなら問題ない。ガクシン、君も前線に加われ」

「わかりました」

「では、時間だ。我等は北口よりトータク軍を攻める!出発!」

 中央にソウソウ、隣にチンキュウ、その左右をソウジン・ソウコウが挟んでいる。先頭にはカコウトン・カコウエン・ガクシン、俺達三人は後方から着いていく形だ。

「いよいよですね、兄さん」

「トータクなんてオレがぶっ潰してやるぜ!」

 二人の義妹・カンウとチョーヒもやる気充分だ。

 北口玄関には既にトータク軍が待ち構えていた。

「来たわね。

 私はトータク様親衛隊の女川栄恵おながわ・さかえ、通称、ジョエイ!

 お前達!迎え撃ってやりな!」

 白い軍服に身を包んだ女生徒・ジョエイが、短鞭を振りかざし、こちらへの攻撃を指示している。

 軍服の女生徒・ジョエイの指示に従い、何人もの生徒がこちらに攻めかかってきた。

「ふん、力押しとはトータクらしい!行け!お前達の力見せてやれ!」

 ソウソウ自ら先頭切って突撃し、ジョエイ軍をみるみる蹴散らしていく。

「クッ!旗色が悪そうね!お前達、撤退よ!引け引け!」

 形勢不利と判断し、ジョエイは、部隊を下駄箱を抜け、廊下付近まで後退させた。

「逃がすな!あの女を捕らえろ!」

 ソウソウは攻め手を緩めず、そのまま敵を遮二無二押しまくった。

「待て!ソウソウ!皆遅れるな、ソウソウに続け!」

カコウトン達は部隊を指揮し、突出したソウソウを追いかける。

「ソウソウ、強襲は危険です!一度体勢を立て直すべきです!」

「ダメだチンキュウ!

 先陣に二の足を踏む連合の弱腰を忘れたか!

 今我等が強引にでも突破口を開かねば、他の連中は着いてこん!」

 傍らのチンキュウの意見に従わず、ソウソウ部隊はそのまま下駄箱まで侵攻した。

「そろそろ頃合いね、リモウ出番よ!

 伏兵部隊展開!入口を閉めてソウソウ軍を取り囲みなさい!」

「ソウソウ、後ろから敵が出てきたぞ!囲まれた!」

 ジョエイの掛け声に応じ、玄関先に隠れていた一隊が突如現れ、ソウソウ部隊後方を取り囲んだ。

「クッ!それでこの私を罠にかけたつもりか!」

「ふ、負け惜しみね。さあ、学園の反逆者ソウソウを捕らえなさい!」

「兄さん、ここは私達で包囲を突破しましょう!」

「アニキ、俺達ならやれるぜ!」

「待て、敵は俺達の倍以上いる。それに…」

 その時、一発の発射音が校内に鳴り響き、その音と共にソウソウが肩を押さえうずくまる。

「ソウソウ、馬鹿正直に白兵戦を挑むなんて愚かな娘ね」

 ジョエイ軍の手にはエアガンやらガスガンやら、その辺り詳しくないのでよくわからないが、銃がそれぞれに握られていた。

 いくらカンウ・チョーヒが一騎当千の強者でもこの中を行かせるわけにはいかない。

「私が率いている部隊が学園の生徒だから遠慮しちゃった~?

 でも、残念!私は貴方に遠慮なんてしないわ!」

 ジョエイは銃弾をうずくまるソウソウめがけて発射した。

「危ない!ソウソウ!」
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