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Ⅱ.貴方様と私の計略 ~ 旅路 ~
101.竜の社③(ユミナ視点)
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マルクスの持つ松明の光を頼りに、私たちは竜の社へと足を踏み入れる。
明かりを持つマルクスを先頭に、私、メビウスの順に進む。
「竜の社か。何かを封じているのかと思ったが、そんな感じではないな」
「ああ。これは、どちらかというと守護じゃないか」
私を挟んで、マルクスとメビウスが竜の社についての考察を続けている。
竜の社。竜が祀られた社。祀られる理由はいくつかあるらしい。
竜を封じるため。あるいは、竜の力を借りて何かを封じるため。
他には、竜を守るため。あるいは、竜の力を借りて何かを守るため。
あとは、この地域で竜を信仰している部族がいる場合。等があるらしい。
彼らの見立てでは、この社は封じることを目的たしたものではなく、守ることを目的としたものらしい。
「話の腰を折って悪いんだが、どう違うんだ」
私の問いに、慎重に歩を進めながらマルクスが答えてくれる。
「んーそうだな。魔力の流れが違う。って言ってもわかんないよな。
封じる場合は、封じるものに向けて魔力が流れるものなんだ。力を抑え込むために、魔力を注ぎ込まなければならないからな。
だが、この社はそういう魔力の流れをしていない。一定の場所に流れている魔力もあれば、外に向けられたものや、社にめぐらされているだけのものもある。
大抵の場合、こういった魔力の流れをしていれば、守護である可能性が高い」
細かな事は理解が及ばないが、力の流れ方違うことは理解した。
「ふむ。理解できないこともあるが、力の向け方が違うのか」
「そう。辺境伯も誰かを守る戦いと滅するための戦いだと力の使い方が変わるだろ。それと一緒だ」
メビウスが私の言葉を肯定しつつ、補足らしきものをしてくる。
なるほど。目的に応じて力の使い方が変わる。そう言われればわからなくもない。
「・・・分岐路か?なぁ、メビウスどう思う」
マルクスが足をとめ、明かりを左右に向け渋面を作っている。明かりの先を見れば、一本道であった通路に変化が表れていた。
正面には、石で作られたと思われる大扉。左右には、同じように通路が伸びていた。
通路は、暗く闇で満たされており、先を伺うことはできない。
大扉には、扉を開くための取っ手の様なものは見当たらなかった。
そして、扉には水竜と天竜の絵が描かれており、左右にそれを模った石像があった。
「おそらくこの大扉が本命だとは思う。けど、魔力の流れがおかしい気もする」
メビウスはマルクスの問いへと答えながら、大扉の隅から隅へと瞳を走らせている。
それは、忙しなく上下左右に動いており、何かを追っているようにも見えた。
「描かれている水竜と天竜は恐らく魔力増幅を担っていると思う。左右の石像がカギとなると思われる流れをしているが…何かが足りていない?」
「俺もおおむね同意見だ。旦那とメビウスは動くなよ。メビウスは念のため魔力の流れに注意してくれ」
マルクスはそう言いおいて、私とメビウスの返答も待たずに大扉へと歩いていく。
「メビウス。マルクスは何をするつもりなんだ?」
「・・・おそらく、触れて調べるのかと。俺には向かない手法です」
メビウスの返答に私は、マルクスへと視線を戻す。彼は、描かれた水竜と天竜へ手を触れ何かをしているようだった。
私の眼では、ただ手で触れ時になで、目線を走らせていることしかわからない。
ただ、隣でメビウスが緊張した面持ちで気を張っているのを見れば、若干危ないことをしているのではないかと思う。
その間、マルクスは休むことなく大扉を調べ続けている。そして、天竜の石像へと近づき、無造作とも思える動きで触れている。頭をなで、背へと動かし最後は台座を調べるように触れている。水竜の石像も同じように触れた後、こちらへと帰ってきた。
「扉と天竜の石像には、魔力が流れていた。描かれた竜たちはそれぞれ、魔力増幅の役割と封印の役割をしているんだと思う。ただ、天竜の封は解かれていると思う。今、封じの効力を発しているのは、水竜だけだ」
そこで、マルクスは一度大扉を振り返る。
「もともとこの社では、あの扉は封じられていなかったなんだと思う。天竜の石像に流れる魔力は、少なくともここ百年くらいは途切れた痕跡がなかったら。魔力の流れていない水竜は最近、魔力が途切れた痕跡があった。そして、今現在魔力が流れていない。何らかの理由で、水竜の封じが作動し、扉が封じられていると思っていい」
説明を聞き終わり、私にはいくつかの疑問が浮上してきた。
魔力のことはわからないからなのかもしれないが。そもそも、どうして水竜の封じが作動したんだ?
「あなたは、そんなことまでわかるんですね」
メビウスの言葉にマルクスは肩をすぼめている。
「まぁ、人であると同時に上位魔族の位を一応持ってるし」
───マルクスはメビウスにも魔族の血について、話しているのか。まぁ、ミリィを守る者同士うまくやっているならいいが。
「はぁ・・・まぁいいです。それより、水竜の封じだけがなぜ発動したのでしょう」
「それはわからん。ただ、なんとなくだが、お嬢が入口の水竜に触れる前からここの封じは発動していたみたいだから、お嬢のせいではないと思う」
マルクスとメビウスは会話を続けながら、左右の通路と扉を見比べている。そして、どちらともなく一方向へと視線が固定される。
「こっちですかね」
「ああ。俺もそう思う」
天竜の石像がある側の通路。暗く闇に塗りつぶされた通路へと視線は固定されていた。
「そっちに何かあるのか?」
私は、マルクスとメビウスと同じ方向に目線を向けながら、問いかける。
「ああ。おそらくな。水竜へつながる魔力がこっちにつながっている」
なるほど。天竜側の通路に水竜へとつながる力があるのか。私たちは、お互いに向き合いうなづきあう。
そして、天竜の像がある通路。右の通路へと歩を進める。
・・・────ちだ
その時、何かが聞こえた気がしてあたりを見回す。しかし、特に変わったものはない。
「どうした?」
マルクスの問いかけに、わからないと左右へと首を振る。
「何かが聞こえた気がしてな」
再度あたりを確認すれば、何故だがある一点が気になることに気づく。天竜の石像のあるその一点が。
「マルクス。私は、おかしいのだろうか。天竜の石像が気になって仕方がない」
そういえば、マルクスは怪訝な表情をし、はっと表情を改める。
「旦那。それは、無視したらいけないとか、目が離せないとかそういったことか?」
マルクスの問いへ頷くことで返答を返す。
実際、気を抜けばふらふらと意志とは関係なく、天竜の石像へと近づいて行きそうな感覚を感じていた。
なんだ?まるで呼ばれているような。そんな感じでもあるな。
「・・・おそらく、それは招かれているんだと思う。もしかして、お嬢もか?」
何とかマルクスへと視線を向け、どういうことだと問いただす。
「それは、魔力を持つものが何らかの理由で他者を招く場合に起こる症状だと思う。
この招くというのは、わりと強制力が強いんだ。悪用されれば面倒なことになる程度には。
今旦那がそういう感覚を持っているなら、お嬢も招かれた可能性がある」
「・・・どうするんです?」
メビウスの問いかけに、私は少しだけ逡巡する。
「生命の危険はあると思うか」
そう問えば、マルクスは少し諦めたようにため息をつく。
「おそらくそれは大丈夫だろうとは思う。この社は、今なお嫌な感じはしない。おすすめはしないが…」
いくんだろう?と問われ、私は頷き返すことしかできなかった。
「わかった。メビウス魔石持ってるか?」
マルクスはあきらめたように頷き、メビウスは呆れたようにただの石ころに見えるそれをマルクスへと渡している。
「これに一滴の血をくれるなら止めない」
説明も何も無いが、マルクスはメビウスから受け取った石ころを私へと突き出してくる。
少しだけ逡巡するが、腰の剣で指先を少しだけ傷つけ石ころへと血を垂らす。
それに続くように、マルクスも己の血を一滴ほど垂らしている。
「命の灯をこれに。我の守護をこれに」
その言葉が終わるころには、石ころが薄い緑色をした宝石に代わっていた。まるで、私の瞳の色のような宝石に。
「これで、俺の魔力が旦那に少しだけ流れるから、若干の魔力耐性が上がる。ただ、危ないことはするなよ」
「わかった」
私はそれだけ答えると、感覚に逆らうことなく天竜の像へと歩を進める。
そして、指先をそれに伸ばせば、一瞬のうちに私の視界は白い光に覆われた。
明かりを持つマルクスを先頭に、私、メビウスの順に進む。
「竜の社か。何かを封じているのかと思ったが、そんな感じではないな」
「ああ。これは、どちらかというと守護じゃないか」
私を挟んで、マルクスとメビウスが竜の社についての考察を続けている。
竜の社。竜が祀られた社。祀られる理由はいくつかあるらしい。
竜を封じるため。あるいは、竜の力を借りて何かを封じるため。
他には、竜を守るため。あるいは、竜の力を借りて何かを守るため。
あとは、この地域で竜を信仰している部族がいる場合。等があるらしい。
彼らの見立てでは、この社は封じることを目的たしたものではなく、守ることを目的としたものらしい。
「話の腰を折って悪いんだが、どう違うんだ」
私の問いに、慎重に歩を進めながらマルクスが答えてくれる。
「んーそうだな。魔力の流れが違う。って言ってもわかんないよな。
封じる場合は、封じるものに向けて魔力が流れるものなんだ。力を抑え込むために、魔力を注ぎ込まなければならないからな。
だが、この社はそういう魔力の流れをしていない。一定の場所に流れている魔力もあれば、外に向けられたものや、社にめぐらされているだけのものもある。
大抵の場合、こういった魔力の流れをしていれば、守護である可能性が高い」
細かな事は理解が及ばないが、力の流れ方違うことは理解した。
「ふむ。理解できないこともあるが、力の向け方が違うのか」
「そう。辺境伯も誰かを守る戦いと滅するための戦いだと力の使い方が変わるだろ。それと一緒だ」
メビウスが私の言葉を肯定しつつ、補足らしきものをしてくる。
なるほど。目的に応じて力の使い方が変わる。そう言われればわからなくもない。
「・・・分岐路か?なぁ、メビウスどう思う」
マルクスが足をとめ、明かりを左右に向け渋面を作っている。明かりの先を見れば、一本道であった通路に変化が表れていた。
正面には、石で作られたと思われる大扉。左右には、同じように通路が伸びていた。
通路は、暗く闇で満たされており、先を伺うことはできない。
大扉には、扉を開くための取っ手の様なものは見当たらなかった。
そして、扉には水竜と天竜の絵が描かれており、左右にそれを模った石像があった。
「おそらくこの大扉が本命だとは思う。けど、魔力の流れがおかしい気もする」
メビウスはマルクスの問いへと答えながら、大扉の隅から隅へと瞳を走らせている。
それは、忙しなく上下左右に動いており、何かを追っているようにも見えた。
「描かれている水竜と天竜は恐らく魔力増幅を担っていると思う。左右の石像がカギとなると思われる流れをしているが…何かが足りていない?」
「俺もおおむね同意見だ。旦那とメビウスは動くなよ。メビウスは念のため魔力の流れに注意してくれ」
マルクスはそう言いおいて、私とメビウスの返答も待たずに大扉へと歩いていく。
「メビウス。マルクスは何をするつもりなんだ?」
「・・・おそらく、触れて調べるのかと。俺には向かない手法です」
メビウスの返答に私は、マルクスへと視線を戻す。彼は、描かれた水竜と天竜へ手を触れ何かをしているようだった。
私の眼では、ただ手で触れ時になで、目線を走らせていることしかわからない。
ただ、隣でメビウスが緊張した面持ちで気を張っているのを見れば、若干危ないことをしているのではないかと思う。
その間、マルクスは休むことなく大扉を調べ続けている。そして、天竜の石像へと近づき、無造作とも思える動きで触れている。頭をなで、背へと動かし最後は台座を調べるように触れている。水竜の石像も同じように触れた後、こちらへと帰ってきた。
「扉と天竜の石像には、魔力が流れていた。描かれた竜たちはそれぞれ、魔力増幅の役割と封印の役割をしているんだと思う。ただ、天竜の封は解かれていると思う。今、封じの効力を発しているのは、水竜だけだ」
そこで、マルクスは一度大扉を振り返る。
「もともとこの社では、あの扉は封じられていなかったなんだと思う。天竜の石像に流れる魔力は、少なくともここ百年くらいは途切れた痕跡がなかったら。魔力の流れていない水竜は最近、魔力が途切れた痕跡があった。そして、今現在魔力が流れていない。何らかの理由で、水竜の封じが作動し、扉が封じられていると思っていい」
説明を聞き終わり、私にはいくつかの疑問が浮上してきた。
魔力のことはわからないからなのかもしれないが。そもそも、どうして水竜の封じが作動したんだ?
「あなたは、そんなことまでわかるんですね」
メビウスの言葉にマルクスは肩をすぼめている。
「まぁ、人であると同時に上位魔族の位を一応持ってるし」
───マルクスはメビウスにも魔族の血について、話しているのか。まぁ、ミリィを守る者同士うまくやっているならいいが。
「はぁ・・・まぁいいです。それより、水竜の封じだけがなぜ発動したのでしょう」
「それはわからん。ただ、なんとなくだが、お嬢が入口の水竜に触れる前からここの封じは発動していたみたいだから、お嬢のせいではないと思う」
マルクスとメビウスは会話を続けながら、左右の通路と扉を見比べている。そして、どちらともなく一方向へと視線が固定される。
「こっちですかね」
「ああ。俺もそう思う」
天竜の石像がある側の通路。暗く闇に塗りつぶされた通路へと視線は固定されていた。
「そっちに何かあるのか?」
私は、マルクスとメビウスと同じ方向に目線を向けながら、問いかける。
「ああ。おそらくな。水竜へつながる魔力がこっちにつながっている」
なるほど。天竜側の通路に水竜へとつながる力があるのか。私たちは、お互いに向き合いうなづきあう。
そして、天竜の像がある通路。右の通路へと歩を進める。
・・・────ちだ
その時、何かが聞こえた気がしてあたりを見回す。しかし、特に変わったものはない。
「どうした?」
マルクスの問いかけに、わからないと左右へと首を振る。
「何かが聞こえた気がしてな」
再度あたりを確認すれば、何故だがある一点が気になることに気づく。天竜の石像のあるその一点が。
「マルクス。私は、おかしいのだろうか。天竜の石像が気になって仕方がない」
そういえば、マルクスは怪訝な表情をし、はっと表情を改める。
「旦那。それは、無視したらいけないとか、目が離せないとかそういったことか?」
マルクスの問いへ頷くことで返答を返す。
実際、気を抜けばふらふらと意志とは関係なく、天竜の石像へと近づいて行きそうな感覚を感じていた。
なんだ?まるで呼ばれているような。そんな感じでもあるな。
「・・・おそらく、それは招かれているんだと思う。もしかして、お嬢もか?」
何とかマルクスへと視線を向け、どういうことだと問いただす。
「それは、魔力を持つものが何らかの理由で他者を招く場合に起こる症状だと思う。
この招くというのは、わりと強制力が強いんだ。悪用されれば面倒なことになる程度には。
今旦那がそういう感覚を持っているなら、お嬢も招かれた可能性がある」
「・・・どうするんです?」
メビウスの問いかけに、私は少しだけ逡巡する。
「生命の危険はあると思うか」
そう問えば、マルクスは少し諦めたようにため息をつく。
「おそらくそれは大丈夫だろうとは思う。この社は、今なお嫌な感じはしない。おすすめはしないが…」
いくんだろう?と問われ、私は頷き返すことしかできなかった。
「わかった。メビウス魔石持ってるか?」
マルクスはあきらめたように頷き、メビウスは呆れたようにただの石ころに見えるそれをマルクスへと渡している。
「これに一滴の血をくれるなら止めない」
説明も何も無いが、マルクスはメビウスから受け取った石ころを私へと突き出してくる。
少しだけ逡巡するが、腰の剣で指先を少しだけ傷つけ石ころへと血を垂らす。
それに続くように、マルクスも己の血を一滴ほど垂らしている。
「命の灯をこれに。我の守護をこれに」
その言葉が終わるころには、石ころが薄い緑色をした宝石に代わっていた。まるで、私の瞳の色のような宝石に。
「これで、俺の魔力が旦那に少しだけ流れるから、若干の魔力耐性が上がる。ただ、危ないことはするなよ」
「わかった」
私はそれだけ答えると、感覚に逆らうことなく天竜の像へと歩を進める。
そして、指先をそれに伸ばせば、一瞬のうちに私の視界は白い光に覆われた。
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