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Ⅰ.貴方様と私の計略 ~ 出会いそして約束 ~
95.辺境伯と侯爵令嬢の宣誓の儀
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ユミナ様と共に。彼を支えていきたい。そう、思いますわ。
厳かな空気の流れる一室。
今日は私とユミナ様の婚約の宣誓を行う日ですの。
ユミナ様からの告白を頂いたその日の夜、私はお爺様を問い詰めました。
なぜ、ユミナ様に一時的な婚約という話を持ち掛けたのかと。
私にとっての一大事でしたのに、お爺様はあっけらかんと答えられましたわ。
「そうじゃの。シュトラウス辺境伯はミラを嫁にやるのにちょうどよかった。というのが、一番の理由かの。
年齢もそれほど離れておるわけででもなく、何よりミラについていきたいものがいたとしてもそのまま送りだしてやれると思っての。
知の侯爵の一部を共に送り出してやれる家は少ないからの。それに、辺境伯は人柄もよいしの」
そう笑顔で答えられた私は、言葉を失いわしたわ。
どうもお爺様は、私を選んだものは共に連れて行ってよいと思っていたようですわ。
まず、そのことにも驚きました。だって、彼らは知の侯爵を支えている柱ですのに。それに、私についてきてくださる方がいると考えてくださっていたことにも。
お爺様にそんな奇特な方いらっしゃるのですか?と問うてみれば、笑われてしまいました。
「4人は確実についていくじゃろ。能力が高いものばかりだが、癖のあるものばかりだからちょうどいいんじゃないかの」
そう言われて、思いついたのはいつも私の側にいてくれる4人でした。実際のところはわかりませんけれど。
そいえば、メルはお嬢様についていきます!と宣言していた気がするわ…
とまぁ、そんなやり取りの末、私とユミナ様は今日という日を迎えました。
目の前には宣誓の誓書と見届け人の王弟殿下。隣にはユミナ様。
今日のユミナ様の服装は、黒と白のモノクロ衣装です。私の衣装もモノクロですけれど。
我が国の婚約の宣誓は黒と白の衣装を身に着けることになっています。
犯すことのできない自身を黒に、相手に染まるための白。そういう意味を込めての配色なのだそうです。
ユミナ様の衣装の基本は夜会服と同じ正装。シャツが白で上着とズボンが黒。小物類は白でまとめられていました。
対する私は、上半身は白で黒い糸で刺繍が入って言います。スカートの部分は白と黒でドレープが作られているデザインです。もちろん白と黒の糸で刺繍が入っていますの。刺繍はひな菊をベースに花のデザインです。
「さて。始まるがよいか?」
王弟殿下の一言にユミナ様と私は頷き返します。
「それでは、これより婚約の儀を始める。ユミナ・シュトラウス」
婚約の儀の呪をながら、ユミナ様に特殊なペンを渡している。宣誓の儀で利用するペンは魔道具だ。
宣誓を破棄するまでは、それをたがえることができない。
「次に、ミリュエラ・テイラー」
王弟殿下は私にもそのペンを渡される。
ユミナ様と私は、それぞれの自分の前にある誓書に自身の名前を書き込んでいく。
かき終わると王弟殿下の手により、誓書が入れ替えられる。ユミナ様の前にあった誓書が私の前に。私の前にあった誓書がユミナ様の前に置かれる。
そして、同じように自身の名前を書き込んでいく。
それと共に、一言の宣誓文言を書き込む。これは、自由にかける相手に対する宣誓。
私は何日も考えて考えてそして決めたのは結局無難な言葉で。
少しだけ悩んでから、それとは違う文言を書き込む。
あなたと共に歩き、隣で支えます。
書き終えると再度誓書が入れ替えられる。そして、ペンを見届け人である王弟殿下へと渡す。
これで、婚約の宣誓の儀は終わり。私は誓書を見つめる。そして、ユミナ様が書いてくださった文言に目を止める。
君の隣で君と共に生きていく。私も君も幸せになれる未来に向けて。
その文字に触れそうになり、思いとどまる。宣誓書は触れていいものではないことを思い出したから。
当事者がそれに触れる時は、破棄をするときに破るため。そえれで、制約を無効化できる。
だから、代わりというようにユミナ様を盗み見る。そうすれば、私を見つめるユミナ様の瞳とかち合う。
ユミナ様はにっこり笑ってくださり、そして王弟殿下へと向き直る。私もそれにならう。
「二人の署名と宣誓文言より婚約は成立した。二人の未来に幸あらんことを」
そういって、王弟殿下は誓書それぞれ筒の入れ物にいれ、抱える。
「これにて、婚約の儀を終わる」
そうおっしゃり、入り口へと向かわれ扉を開かれる。
ユミナ様が私に手を差し出してくださいましたので、私は手を預けます。
彼のエスコートで部屋をでれば、お爺様とクルツが待っていてくださいました。
「姉さん。おめでとう」
クルツかそう笑いかけてくれて、私はありがとうと返す。
お爺様はユミナ様へいくつか話かけているようでしたわ。私は、お爺様とユミナ様の話が終わるまでクルツといくつか話をしました。
過去のこと、そしてこれからのこと。すでに婚約しているクルツは来年には婚姻式を行う予定がだいぶ前から決まっていましたから、それについと私の婚姻式について。
でも、これはユミナ様のご都合もありますし、なんとも言えません。慣例で言えば1年は婚約期間が設けられますから、それ以降でしょうけれど。
「ミリィ。私と侯爵は仕事に戻ることにするよ。今夜は晩餐をごちそうになることになったから、夜に伺うね」
「はい。では、お待ちしていますね」
ユミナ様は、あいさつとばかりに私の頬へ軽くキスを落とされてさていかれました。
…クルツの前でとか恥ずかしいですわ。
「辺境伯様といい感じだよね。ほんとに」
クルツがそう言って、僕も仕事に戻るよ。と、部屋を後にします。
王弟殿下はとっくに部屋を後にされていますから、私1人が部屋に取り残された感じです。
私は、一つ息をつくと屋敷へと変えるため、部屋を後にした。
厳かな空気の流れる一室。
今日は私とユミナ様の婚約の宣誓を行う日ですの。
ユミナ様からの告白を頂いたその日の夜、私はお爺様を問い詰めました。
なぜ、ユミナ様に一時的な婚約という話を持ち掛けたのかと。
私にとっての一大事でしたのに、お爺様はあっけらかんと答えられましたわ。
「そうじゃの。シュトラウス辺境伯はミラを嫁にやるのにちょうどよかった。というのが、一番の理由かの。
年齢もそれほど離れておるわけででもなく、何よりミラについていきたいものがいたとしてもそのまま送りだしてやれると思っての。
知の侯爵の一部を共に送り出してやれる家は少ないからの。それに、辺境伯は人柄もよいしの」
そう笑顔で答えられた私は、言葉を失いわしたわ。
どうもお爺様は、私を選んだものは共に連れて行ってよいと思っていたようですわ。
まず、そのことにも驚きました。だって、彼らは知の侯爵を支えている柱ですのに。それに、私についてきてくださる方がいると考えてくださっていたことにも。
お爺様にそんな奇特な方いらっしゃるのですか?と問うてみれば、笑われてしまいました。
「4人は確実についていくじゃろ。能力が高いものばかりだが、癖のあるものばかりだからちょうどいいんじゃないかの」
そう言われて、思いついたのはいつも私の側にいてくれる4人でした。実際のところはわかりませんけれど。
そいえば、メルはお嬢様についていきます!と宣言していた気がするわ…
とまぁ、そんなやり取りの末、私とユミナ様は今日という日を迎えました。
目の前には宣誓の誓書と見届け人の王弟殿下。隣にはユミナ様。
今日のユミナ様の服装は、黒と白のモノクロ衣装です。私の衣装もモノクロですけれど。
我が国の婚約の宣誓は黒と白の衣装を身に着けることになっています。
犯すことのできない自身を黒に、相手に染まるための白。そういう意味を込めての配色なのだそうです。
ユミナ様の衣装の基本は夜会服と同じ正装。シャツが白で上着とズボンが黒。小物類は白でまとめられていました。
対する私は、上半身は白で黒い糸で刺繍が入って言います。スカートの部分は白と黒でドレープが作られているデザインです。もちろん白と黒の糸で刺繍が入っていますの。刺繍はひな菊をベースに花のデザインです。
「さて。始まるがよいか?」
王弟殿下の一言にユミナ様と私は頷き返します。
「それでは、これより婚約の儀を始める。ユミナ・シュトラウス」
婚約の儀の呪をながら、ユミナ様に特殊なペンを渡している。宣誓の儀で利用するペンは魔道具だ。
宣誓を破棄するまでは、それをたがえることができない。
「次に、ミリュエラ・テイラー」
王弟殿下は私にもそのペンを渡される。
ユミナ様と私は、それぞれの自分の前にある誓書に自身の名前を書き込んでいく。
かき終わると王弟殿下の手により、誓書が入れ替えられる。ユミナ様の前にあった誓書が私の前に。私の前にあった誓書がユミナ様の前に置かれる。
そして、同じように自身の名前を書き込んでいく。
それと共に、一言の宣誓文言を書き込む。これは、自由にかける相手に対する宣誓。
私は何日も考えて考えてそして決めたのは結局無難な言葉で。
少しだけ悩んでから、それとは違う文言を書き込む。
あなたと共に歩き、隣で支えます。
書き終えると再度誓書が入れ替えられる。そして、ペンを見届け人である王弟殿下へと渡す。
これで、婚約の宣誓の儀は終わり。私は誓書を見つめる。そして、ユミナ様が書いてくださった文言に目を止める。
君の隣で君と共に生きていく。私も君も幸せになれる未来に向けて。
その文字に触れそうになり、思いとどまる。宣誓書は触れていいものではないことを思い出したから。
当事者がそれに触れる時は、破棄をするときに破るため。そえれで、制約を無効化できる。
だから、代わりというようにユミナ様を盗み見る。そうすれば、私を見つめるユミナ様の瞳とかち合う。
ユミナ様はにっこり笑ってくださり、そして王弟殿下へと向き直る。私もそれにならう。
「二人の署名と宣誓文言より婚約は成立した。二人の未来に幸あらんことを」
そういって、王弟殿下は誓書それぞれ筒の入れ物にいれ、抱える。
「これにて、婚約の儀を終わる」
そうおっしゃり、入り口へと向かわれ扉を開かれる。
ユミナ様が私に手を差し出してくださいましたので、私は手を預けます。
彼のエスコートで部屋をでれば、お爺様とクルツが待っていてくださいました。
「姉さん。おめでとう」
クルツかそう笑いかけてくれて、私はありがとうと返す。
お爺様はユミナ様へいくつか話かけているようでしたわ。私は、お爺様とユミナ様の話が終わるまでクルツといくつか話をしました。
過去のこと、そしてこれからのこと。すでに婚約しているクルツは来年には婚姻式を行う予定がだいぶ前から決まっていましたから、それについと私の婚姻式について。
でも、これはユミナ様のご都合もありますし、なんとも言えません。慣例で言えば1年は婚約期間が設けられますから、それ以降でしょうけれど。
「ミリィ。私と侯爵は仕事に戻ることにするよ。今夜は晩餐をごちそうになることになったから、夜に伺うね」
「はい。では、お待ちしていますね」
ユミナ様は、あいさつとばかりに私の頬へ軽くキスを落とされてさていかれました。
…クルツの前でとか恥ずかしいですわ。
「辺境伯様といい感じだよね。ほんとに」
クルツがそう言って、僕も仕事に戻るよ。と、部屋を後にします。
王弟殿下はとっくに部屋を後にされていますから、私1人が部屋に取り残された感じです。
私は、一つ息をつくと屋敷へと変えるため、部屋を後にした。
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